冬の摩訶不思議ドリンク"ホットコーラ"
ショウガで煮詰めた「熱可楽(ホットコーラ)」。ポカポカしてこれからの季節にピッタリです。
冬になると温かい飲み物が恋しくなる。ウーロン茶も紅茶もコーヒーも、みんな温かい方がよい。


ある日ふと、ホットコーラなる飲み物を思い出した。それはなにかといえば、高口里純のヤンキー少女を描いた漫画『ロンタイBABY』で、主人公が喫茶店で飲んでいた“アパッチ”という名のホットコーラ。
どこの喫茶店にも置いてあるのをみたことないので、てっきり作者オリジナルだと思っていた。しかし、私の父親は学生時代に喫茶店で飲んだことがあるという。
ホットコーラとは果たしてどんな味なのか、再現してみることにした。

父親によると温め方は湯煎だったというが、そもそも炭酸飲料って加熱してもいいのか? 一抹の不安を覚えながらも、グツグツ煮えているお湯の中へ缶を投入。
するとすぐに上の部分が膨張し始めた(※缶が破裂・破損するおそれがあります。マネしないでください)。
や、やばい。慌ててお湯から取り出し、恐る恐るプルタブを空けようとしたら、ブシュゥッとものすごい音を立てて泡を吹き出した。
全開するのはあまりにも危険なので断念。すると、後ろで見ていた父、「あ、そういえばフタは開けてあったな」だと。
それを早く言ってくれ!

やはり安全なのは電子レンジで加熱する方法であろう。
もちろんそのままではやはり大爆発なので、耐熱マグカップにコーラを注ぎ、ラップをして加熱。1分ほどたったところで取り出す。
おお、シュワシュワッと炭酸の弾けっぷりがいい。そうか、これは炭酸ガスの発砲入浴剤がお湯に溶けたときと同じで、炭酸は温められると膨張してガスを発生させる性質を持っているのだった。さっきも「爆発寸前」だったもんな〜。


さぞや喉越しは刺激的かと思いきや、飲んでみると炭酸はマイルド。冷たいものよりも甘味が強く感じられ、濃い目のレモンティーのような。
まあ、すごく美味しくもないけど飲めないことはない。サイダーも試してみたけど、こちらも同じような味であった。

実はこのホットコーラ、中国では今でも広く飲まれているそう。知人にホットコーラの話をしたところ、仕事で訪れた上海の喫茶店にあったのだという。
なんでも中国の人たちはホットコーラを日本でいう玉子酒、ショウガ湯にように風邪に効くドリンクとして愛飲しているとか。

では中国の「熱可楽」(可楽はもちろんコーラのこと)の作り方もご紹介。鍋にコーラとスライスしたショウガを入れて煮詰め、ショウガのいい香りがしてきたところで火を止める。カップに注いで仕上げにレモンのスライスも入れてできあがり。これは普通のホットコーラよりも断然美味しい。
ショウガの成分も手伝って体がポカポカ、芯から温まるかんじ。
さらにラム酒を入れてホットラムコークも作ってみましたが、こちらもいける!
寒い夜はホットコーラをぜひお試しあれ。
(いなっち)