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ひらめきの月曜日
 
二人羽織みたいだけど、ひとり


あたりまえのことだが二人羽織はふたりでやるものだ。子供のころはアイドルの服の中に入って二人羽織をする志村けんがうらやましくてしかたがなかった。そんな、ある意味あこがれの余興だが、いまさらふつうに披露したところでそんなにウケるともおもえない。

というわけで今回の企画を考えてみたのだが、タイトルに漂うさびしさが尋常ではない。

 

櫻田 智也



●正調・二人羽織

とりあえず感覚をつかむため、妻に協力してもらい実際に二人羽織をためしてみた。このところ撮影などを手伝ってもらうことが多く、いろいろ面倒もかけているのだが、


この人に付き合わなきゃいけないという類の面倒


お願いすると、「やっぱり巻きこまれるんですね」みたいな諦めに近い表情で協力してくれた。


よっ、毎度 

そうそうお茶をね


なるほど。見た目としてはこういう感じになればいいわけか。
要するに、背後にいる人物に相当するものがあればいいのではないか。

 

●クッションによる見立て


大きめのリュックに  

クッションをつめて

背負う


登山にでかけるのに早起きしすぎて寝ぼけてる人みたいだが、そうではない。
この上から袢纏を着れば、立派な二人羽織にみえるはずだ。


子守り?

みえる。いないはずの赤ん坊の姿が、あたいには確かにみえる。

乳飲み子の幻影はみえても二人羽織にはどうもみえない。

 

●もっと大胆に

最初の二人羽織の写真を改めて検証してみる。
背中の部分が盛り上がっているといった立体感よりも、正面からみた際にできる撫で肩の三角形が重要だという気がしてきた。
あえてなにも背負わずに、正面からみたときの感じをデフォルメしてはどうか。


あ、ジャミラ


懐かしい。大方ジャミラになるんだろうなとおもってはいたが、やっぱりそうなった。
ジャミラの持つ哀切も、うまく表現できているのではないだろうか。


第23話『故郷は地球』より
ウルトラ水流にたじろぐジャミラ


とりあえずジャミラの形態模写は、ここに完成をみた。

●本質に迫る

ジャミラのエピソードは案外とファンが多いのであんまりふざけていると怒られてしまう。次の作戦に移ろう。

説明するまでもないが、二人羽織の面白さは、表にでている人が自分のものであるはずの両手を自在に操ることができないという状態にある。この制御のきかなさをどこかで感じることが、ひとり二人羽織をするうえでも大切なのではないか。
クッションのような柔らかいものではなく、こちらの動きをある程度制限させるようなものを身につけたほうが、雰囲気がでるにちがいない。


いいんじゃないか?


●ウクレレの意外な活用法

無理して理屈っぽいことを書いたわりには、いきなりご陽気なアイテムの登場である。大きさがちょうどよかったのと、なんとなく顔っぽいというあたりが決め手になった。


なんとなく顔っぽい


とりあえず袢纏を羽織ってみよう。


ほう


ほほう


いい。これはいい。背中の感触が望んだとおりだ。これで座って蕎麦でも食べたら、立派に二人羽織にみえるのではないだろうか。

いや待てよ、なにも座る必要はないか。ひとりなんだから自由に立って歩けばいい。
立ちあがっても後ろに人がいるようにみせればいいのだ。

●ズボンを履かそう

二人羽織は後ろの人の姿がみえないようにするわけだが、今回やりたいのは、「ひとりだけど二人羽織にみえる」なのだから、むしろ後ろの人の存在を強くおしだしていきたい。
後ろの人の脚にみえるよう、タオルの詰めものをしたズボンをぶらさげることに。


妙になまめかしい


なんだろう。変に色っぽい感じに仕上がってしまった。


わきあがる劣情


どうしよう。ソックスにズボンを入れているのがセクシーなのだろうか。今後、個人的には実用性があるかもしれない発見だ。


最終的にはこれに落ちついた


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