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ひらめきの月曜日
 
ゆだりゆく卵

卵をゆでる。だいたい半熟は5分、固ゆでは8分でなべから引き上げる。

思ったのだ。じゃあ、茹ではじめて1分後の卵はどうなってるんだろう。6分後は?

卵が徐々にゆだる様子の中身の変化を、この目でたしかめてみたい!

(text by 古賀及子





いっぺんに20個ゆでる

そんなわけで卵を2パック、20個買ってきた。ゆだる間の卵の様子を逐一調べるため、今回はこの20個をいっぺんにゆで、時間差で取り出して、中身の様子を一つずつ検分していこうと思うのだ。

今回、まさに大人の自由研究という感じがしやしないか。初夏の蒸し暑い狭い自宅キッチンで静かに興奮がわき起こる。ゴゴゴゴゴ。


2パック買い。これだけですでに祭り気分

今回のゆでルールは

ゆで卵の作り方って、家庭によってかなりまちまちな気がする。ほとんどなべ底がかくれるぐらいの少ない水で普通に卵をゆでている人がいたり、ゆでるお湯に律儀に酢と塩を入れていたり、沸騰したらすぐ火を止めて余熱でゆでるという人もいた。

今回は小学校の家庭科で習ったような超基本のゆで方でやってみたいと思います。こんなかんじ。

1・卵を室温にもどす
2・かぶるくらいの水にいれ、塩を入れて火にかける
3・沸騰するまで菜ばしでころがす
4・沸騰したら火を弱めて沸騰をキープ


室温に戻して20個すべてなべに。あまりのぎちぎち加減に、この後なべをもう一回り大きいのに交換した

徐々に卵を取り出すルールも敷いた。卵は、卵白が70度から80度、卵黄が65度から70度で凝固が始まるというので、沸騰のちょっと手前から徐々に引き上げていく。

5・20個のたまごは、生ひとつを除いて沸騰手前までゆでる
6・沸騰手前から、1分ごとに1つずつ取り出す
7・取り出した卵はマジックでナンバリングする

たまご20個を一度に扱う取り組みである、単純明快なルールだけど、実はものすごく緊張している。

失敗してもう一度やることになったら、40個の卵が我が家の冷蔵庫に残ることになるのだ。たまご好きとしては嬉しいのだが、逆に好きなあまりにうっかり1日で全部たべちゃったらどうしようという不安がある。卵いっきに40個食べるってそれはマズイ、いや、20個でも十分大変か。はらはら。


生ひとつはゆでずにキープ 時間がいのちの企画だ。カウントは正確に!

ゆで、スタート

震える指先で茹で、スタート! まずはカラカラと沸騰するまでなべをかきまぜる。黄身を真ん中にするというのはもちろん、なべのなかの19個に湯でむらが起こらないようにしなければならない。

ちなみに、ふだんわたしは固ゆで、しかもギッチリ火の通った完璧な固ゆでが好きで、いつもゆで卵は放っておくぐらい長時間ゆでる。水に塩や酢はあまり入れることもなく、こうして菜ばしでかき混ぜるのなんてそれこそ家庭科の授業以来かもしれない。

こうしてなべの面倒をみていると、ゆで卵でもちゃんと料理なんだなあという、いい気になってきたりして。

と、ぼんやりしている間にだんだんゆで湯が沸いてきましたよ。


なべ肌がにぷつぷつ気泡がついてきた。ここを起点に卵を引き上げていきます 起点から5分後にグラグラ沸騰。大量の卵がなべを打ち、「ごとごとごとごと」とテーブルまでゆれていた。うおー

起点の卵を「1」として、あとは1分後とに卵をすくって引き上げてはマジックでナンバリングする繰り返し。楽そうではあるのだが、取り出して拭いて卵に数字を書くのがものすごく熱い。

お玉で卵救う→手にとって「あちっ、ちっ、ちー」→卵をおとしそうになる→よろよろマジックで数字を書く→時間がたつことに気づき、慌てて次の卵をすくう→「あちっ、ちっ、ちー」

これを、休む暇なく19分間続けたわけである。

コントだ。

卵の様子よりも、この様子を動画で早回し再生でもしてお届けしたほうがよっぽど面白かったのではと思いながら、すべての卵が引きあがった。


ひきあげた卵は水で冷やしていました

いよいよここから中身の検分にうつるわけだが、天気もいいし先の作業は近所の公園で行うことにした。

卵と芝生って、なんというか相性が良いと思いませんか


いい天気ですし外へ



 

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