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特集


はっけんの水曜日
 
「海開き」をみにいく

♪東京〜コミュニケーショーン!

人見知り〜するか〜

海びらきのシーズンだぜ〜

俺は〜泳げないけど〜

砂まじりの〜コミュニケーショーン!

ハッ!

……というシンガー板尾の歌がありましたが(*コレの意味が分からないヤングは、そこらへんにいる年上のお笑い好きの人に訊いてみてください、すみません)、そういえば「海開き」というのを実際に見たことがない。

海、びらき……。
どうやってひらいてるんだろう?

とりあえず、実際に見に行ってみることにしました。ハッ!

(text by 大塚幸代


調べてみると、今年の関東地方の海開きは「7/1(木)」か「7/3(土)」が多かった。
7月から、もしくは7月最初の週末から、という区切りであるらしい。

私はその中から、行ったことがない「茅ヶ崎」を選んでみた。
日本のサーフィン発祥の地で、湘南を代表する海岸だ。なにしろビーチの名前からして「ちがさきサザンビーチ」。茅ヶ崎市出身の「サザンオールスターズ」の名前が付いているという、気合いの入ったビーチなのだ。

「ビーチのオープンは8時から」との情報があったので、早起きして電車に乗った。中野区のアパートを出たのが5時半。7時半には「茅ヶ崎」駅到着。

ビーチは駅から歩いて20分ほどのところにあるという。

神奈川は東京から近いので、リゾートによくある、駅に降りた瞬間に「ああ、海のある町に来たな〜空気が違うわ〜」という感じ……は意外となかった。ふつうの郊外だ。

通りかかったファミリーマートに、浮き輪がディスプレイしてあるのを見て、「そうだ、ビーチがあるんだよなあ」とやっと実感した。

海への道ぞいにあるアパートにも、カジュアルにウェットスーツが干してあった。



まっすぐに歩いていくと、どんどんと建て物が少なくなり、空が広がり、「海のそば」の雰囲気になってくる。

海が見える直前の風景って独特だ。ドキドキする。




でっかいものを積んだ自転車が、私の横をスーッと通った。

……うわ、チャリでサーフボードを運んでるのか!




みんなチャリ移動だ。近所に住んでるんだろうか。

このとき、時間は午前8時10分前。
朝も早いのに、みんな元気だ。サーファーたちの目は「海と遊ぶんだもんね〜!」という期待で、キラキラしているように見えた。

チャリサーファーたちと一緒に横断歩道を渡ると、海が見えてきた。




……そこには、予想以上の数の、たくさんの、たくさんのサーファーたちが、波とたわむれていた。




え? 海……びらき、は? ひらかないで泳いでもいいの?

と一瞬思ったが、よく考えたら、サーファーは冬場でも、ウエットスーツ着用でサーフィンする。

「海びらき」とは、サーフィンのように、自己責任でやるスポーツとは別に、
広く一般人が「海水浴」をするために、自治体が管理するビーチを「開店」させることなのだ。たぶん。

サーファーがたわむれている場所のとなりに、「ちがさきサザンビーチ」はあった。

海の家は7軒ほどあった。どこも、すでに開店していた。



海の家の裏にまわってみる。簡易トイレがずらりと並んでいた。
中に入ってみると、まだ全然キレイだった。




やっぱりトイレは重要だ。ちがさきはトイレバッチリ、これだけで安心感が増す。

 

とりあえず、ビーチに腰をおろしてみる。

ふと見回すと、「ビーチパトロール」らしき赤×黄色の派手な制服の人たちが、朝礼をしていた。




ビーチパトロールって、やはり体育会系の学生なんだろうか。
やっぱ短期バイトだし、夏だし、このサークルの中から、恋とか生まれちゃったりするのかしら。
しっかし、すごい色の帽子とかかぶっちゃってるけど、それが目が慣れるうちに、カッコ良く見えちゃったりするのかしら、

と、余計なお世話を考えつつ、彼らをながめる。

朝礼が終わると、パトロール君たちはキビキビ走って作業に入った。ゴミをひろったり、ブイを移動させたり。

そして「見張り台のイス」を固定させるために、ビーチのまん中に穴を掘りはじめた。




ここで、スピーカーのテストなのか、音楽が流れてきた。

案の定というか、お約束というか、他だったらマズイというか……やはり、「サザンオールスターズ」だった。
「しろくじちゅーも 好きーといってー♪」
この夏の1曲目は「真夏の果実」だ。

(このあと、「シュラバ★ラ★バンバ」や「そんなヒロシに騙されて」や「マンピーのG★SPOT」がかかっていたので、アルバム的には『海のYeah!!』のディスク2だと思うんですけど、いかがでしょうか)

ビーチパトロールのほかに、制服を着た大人たちがやってきた。
手には棒と木ヅチ。

砂浜を横断する形で、棒がコンコンと打ちこまれる。




棒が打ち込まれると、次に紅白のテープを巻き付けていた。

こ、これは……ひょっとして。



「海びらき」のシンボルとしての、テープカットのためのテープは、こうしてアッサリと張られた。


 

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