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コネタ


コネタ370
 
鳥の群れに突っ込む

 早朝の冬の海岸を通りがかったら、渡り鳥の群れがすごかったので、突っ込んでいってみました。

(text by 法師丸



 今回訪れたのは千葉県のとある海岸。冬の間、比較的温暖な南房総で羽を休めるためか、たくさんの水鳥たちがいる。画像に見える白い点々は全て鳥なのだが、この写真ではわかりにくいだろうか。




 寄ってみるとこんな感じ。かなりの密度で集まっている。早朝ということもあってか、周囲に人影は全く見当たらない。

 じっとおんなじ方を見つめ続けている鳥たち。胸に湧き上がってくるこの興奮はなんだろう。




 さらに寄って撮影すると、それぞれの様子もよくわかる。全体的に鳥ならではのとぼけっぷりとうつろな感じは共通だが、ポーズが少しずつ違っていたりしてかわいい。どうにかなりそうだ。




 あやしい奴登場である。写真ではわかりにくいのだが、海岸の砂に高めの段差ができていて、白く点々と見える鳥たちはまだ高みにいるこちらに気づいていない様子。気配を殺しながら、ゆっくり近づいていってみる。




 しかし、その段差を飛び降りようとしたその時点で鳥たちは何かを察したように飛び立ち始めた。まだそれなりの距離があるじゃないか、何をそんなに敏感になっているんだ。待ってくれよ、ちょっと待ってくれよ、別に悪さをするつもりはないんだ。

 一緒に遊びたいだけなんだ。わかってくれないか。




 そんな思いむなしく、鳥たちは次々と飛び立っていく。バカ爆走である。




 バカ大爆走。なんとか近づきたいと思って走るが、どんどんいなくなっていく鳥たち。さっきまであんなにたくさん集っていたのに、なんで、なんで…。




あー…。




 すっかり台無しな感じになってしまった。太平洋ひとりぼっち。意外と溶け込めるんじゃないかと思っていたのだが、面倒な奴だと思われてしまったのだろうか。もしそうだったらごめん。

 鳥たちに届かなかった思い。必要以上に早い段階で飛び立っていってしまった。飛んで行ったあともしばらく様子を見ていたのだが、改めて距離を置いて待っていても戻ってくる気配はなかった。

 取り残された自分。ゆっくりと休んでいたところを乱してしまったのなら申し訳ないと思う。

 久しぶりに本気で走って疲れました。


 

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