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特集


ロマンの木曜日
 
誰でも絵が描けるようになる
ネコジャラシを描く
僕は絵が描けない。それでも仕事で絵コンテをおこさないといけない事が間々あって、そういう時は無理して描く。すると大抵打ち合わせの席で失笑がおきてしまう。笑いが取れて良かったと思いつつも、微妙に傷付いていた。
今まで、絵を描けるのは「才能」が必要で、自分にはそれがないと思ってきたが、そういう考えを覆す理論がある事を知った。その理論に乗っ取って絵を勉強すれば、誰でも絵が描ける様になるという。

早速、体験入学してきました。

(text by 住正徳



通勤途中にみかけるこの看板がキッカケ。ちょっと「ドラえもん」っぽい
写真2:紙を足していくうち人間よりも大きなニワトリが
これはもやしの完成図
写真4:途中でやめても「もやしの根っこ」とタイトルをつければ作品に
柔道を習う子どもたち(イメージ写真)

キミコ方式という描き方がある

それは「誰でも絵が描ける」という夢の様な方式らしい。松本キミコ先生が考案したからキミコ方式。従来までとは全く違う描き方らしいのだが、一体どういう方法なのか?

 

学校で習ってきた絵の描き方はどうだっただろう。まず構図を決めてから下書きをして、最後に色をつける。そう教わってきた。しかし、キミコ方式においてはその順序がまったく逆になる。その特徴を箇条書きでまとめると、

・描き始めの1点を決め、細部から全体へと広げていく。
・下描きはしない。いきなり絵具で描く。
・3原色と白だけで描く。
・絵に紙を合わせる。
・どこでやめてもりっぱな作品。疲れた時が完成した時。

という事になる。
確かに、どれも僕が知っている絵の描き方と随分違う。特に最後の2つ、「絵に紙を合わせる」「疲れた時が完成した時」あたりは今までの教育の常識を覆す。

絵に紙を合わせる
描きすすめていくうちに、絵が画用紙の中に入りきらなくなったら画用紙を足していく。その結果、写真2の様に人間より大きなニワトリの絵が完成する事もある。逆に絵が小さかったら、画用紙の余白を切り落とそう。

疲れた時が完成した時
描き疲れてしまったらそこで終わってしまえばいい。もやしを描いていて(何でいきなりもやしが例に挙がっているのか、それは後述します)疲れたら、画用紙の余白を切り落として、「もやしの根っこ」とタイトルをつけよう!(写真4)。これでも立派な作品だ。

 

「計画性を持ちなさい」。学校の先生はいつもそう言っていた様に思う。でもどうだろう、キミコ方式はそういう教えとは対極にあって、かなりリベラルだ。とにかく、絵を描く事が楽しくなければいけない、という事らしい。

「人生は試練だ」
と、小学校6年生の時の担任は授業に柔道を取り入れた。畳みの上でパチンパチン受け身の練習をさせられて、帰りたい、帰りたいと思っていた日々が思い起される。あれはあれで正しかった、そう思って今まで過ごしてきたけど、キミコ方式の登場でその辺が揺らぐ。

 

で、キミコ方式の教室に向かった。


 

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