キミコ方式という描き方がある
それは「誰でも絵が描ける」という夢の様な方式らしい。松本キミコ先生が考案したからキミコ方式。従来までとは全く違う描き方らしいのだが、一体どういう方法なのか?
学校で習ってきた絵の描き方はどうだっただろう。まず構図を決めてから下書きをして、最後に色をつける。そう教わってきた。しかし、キミコ方式においてはその順序がまったく逆になる。その特徴を箇条書きでまとめると、
・描き始めの1点を決め、細部から全体へと広げていく。
・下描きはしない。いきなり絵具で描く。
・3原色と白だけで描く。
・絵に紙を合わせる。
・どこでやめてもりっぱな作品。疲れた時が完成した時。
という事になる。
確かに、どれも僕が知っている絵の描き方と随分違う。特に最後の2つ、「絵に紙を合わせる」「疲れた時が完成した時」あたりは今までの教育の常識を覆す。
絵に紙を合わせる
描きすすめていくうちに、絵が画用紙の中に入りきらなくなったら画用紙を足していく。その結果、写真2の様に人間より大きなニワトリの絵が完成する事もある。逆に絵が小さかったら、画用紙の余白を切り落とそう。
疲れた時が完成した時
描き疲れてしまったらそこで終わってしまえばいい。もやしを描いていて(何でいきなりもやしが例に挙がっているのか、それは後述します)疲れたら、画用紙の余白を切り落として、「もやしの根っこ」とタイトルをつけよう!(写真4)。これでも立派な作品だ。
「計画性を持ちなさい」。学校の先生はいつもそう言っていた様に思う。でもどうだろう、キミコ方式はそういう教えとは対極にあって、かなりリベラルだ。とにかく、絵を描く事が楽しくなければいけない、という事らしい。
「人生は試練だ」
と、小学校6年生の時の担任は授業に柔道を取り入れた。畳みの上でパチンパチン受け身の練習をさせられて、帰りたい、帰りたいと思っていた日々が思い起される。あれはあれで正しかった、そう思って今まで過ごしてきたけど、キミコ方式の登場でその辺が揺らぐ。
で、キミコ方式の教室に向かった。
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