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ちしきの金曜日
 
夏の倉庫街
こういうやつ


夏がやってきた。

ぼくの夏の記憶は倉庫と結びついている。暑い暑い夏の日、工業地帯の倉庫街、じりじりと照りつける太陽のもとでぼくは倉庫街を自転車で走っている。準工業地域で育ったぼくの遊び場はそういう場所だったのだ。だから、大きな倉庫群を見るとノスタルジーを感じる。

まあ、そういう環境で育つとこういう大人になってしまうわけですが。

今回はそんな個人的な思い入れもあって、工業地帯の倉庫を鑑賞してみました。

(text by 大山 顕



■なじみの倉庫街へ

青春時代によく訪れた近所の倉庫街へ久しぶりに向かった。わかってる。ろくな青春じゃない。それは言うな。

今回何年かぶりに訪れて初めて気がついたが、この行きつけの倉庫街は「冷凍団地」という名前だった。暑い夏にはぴったりだ。英訳も「Reito Town」。投げやりな翻訳スタンスが好ましい。
暑い夏にはぴったりの倉庫街だ

ひさしぶりの倉庫街。過ぎ去ったあの日を思い出し、目頭が熱くなる。

こういう光景がぼくの原風景だ。100%サバービアの血がぼくには流れている。初めて恋をしたとき。理由なき苛立ちにさいなまれていたあの日。いつもそこには工業地域の光景があった。思い出すと思わず目頭が熱くなる。

うそ。言い過ぎた。特に目頭とか熱くなんないし、理由なき苛立ちとか無かった。

毎度のことながら賛同を得にくい鑑賞趣味なのでなんとかロマンチックな方向へ話を持って行こうと思ったのですが、はやくも限界です。


立ち並ぶストイックな直方体。青春とか関係なく普通にグッとくる光景だ。だよね。ですよねー。

以前林さんと工場を見て歩いたこ とがある。あのとき鑑賞したのは化学プラントを中心とした分かりやすい魅力の構造物だった。それらデートにも活用できそうなとっつきやすいスペクタクル ビューと違い、おなじ工業地域でも倉庫街は、渋い。派手な要素はどこにもなく、そこにあるのはただストイックなたたずまいの構造物だ。

しかし、普通の市街地ではお目にかかれないそのスケール感やテクスチャは、じっくり見ていくとなかなか見応えのある構造物だ。ぼくなりに精一杯フォトジェニックに撮影してみたので見てみて欲しい。


倉庫を対象に精一杯のフォトジェニック・シューティング。

無駄にフォトジェニック。

なんて素敵な倉庫。

さて、倉庫の洗礼を済ませたところで、次ページから倉庫鑑賞の見どころを解説していこう。

 

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