普段いろんな面で豆のお世話になっている。 いろんな面といっても料理くらいですけど。あとは豆まきとか。
醤油、豆腐、あんこ、そして味噌。 しょっぱくなったり甘くなったりしながら我々の食生活を豊かにしてくれる豆。 食糧難の時のために、今研究開発に力も入っている、そんな豆。
ここは目一杯豆と向き合おう。というわけで、白と緑の味噌を造ってみた。
(佐倉 美穂)
仕込みます
味噌は仕込んでから相当寝かす。 半年くらいは当然寝かす。 しかしここでそんなことはしていられないので、1週間しか寝かせないですむ「白味噌」造りに挑戦だ。
大豆は一晩水につけてふっくらさせてから使う。まん丸の大豆がまめまめした長い形になるのが可愛らしい。
それを2〜3時間茹で、潰す。 ポテトマッシャーがないので、地味にすり鉢とすりこぎ・・・もないので、ボウルにめん棒で形がなくなるまで潰す。
お菓子作りにはまっていた中学時代、クッキーを伸ばしていためん棒。 まさか味噌造りの為に豆を潰すとは。あの頃の未来に私は立っているのだろうか。
よく潰れたら、ほぐした麹に塩を混ぜたものをボウルに投入。 大豆のゆで汁を加減をみながら加え、粘土のような固さになるように混ぜる。 できあがったものをビニールに包み、圧力をかけて寝かす。
緑色の豆に選んだのは、そら豆だ。 あの臭い足のような芳香の豆がどう変化するのか。 今回使うのは冷凍そら豆。バラの状態になった豆を柔らかく茹でてから、外の少し硬い皮を剥く。
ところで、私は社会人になるまで、この皮を剥いて食べるということを知らなかった。 職場で茹でた豆をそのまま口に入れたら同僚達に驚かれて私もびっくりだった。 周囲にハイソサエティの壁を感じたものだった。
閑話休題。 そら豆も大豆と同じように加工し、圧力をかけて静置。
できたかな
毎日様子を見ると、どんどん水がでてくるのがわかる。 その都度捨てていたが、この薄茶色の液体、もしかして醤油の仲間? と思って舐めてみた。 甘ぁぁあ。しょっぱ味も足りない。 そうね、そうよね、醤油がこんな簡単にはできないわよね、と実感しました。
4日目あたりで一度味噌を捏ね、とうとう1週間で完成。
料理しました
悩んだ末、味噌を使った料理といったら鯖の味噌煮。大好物です、鯖。酒が進みます。 それと、緑の味噌が映えるように、シンプルな味噌汁。色の比較もしたいので、具は純白の豆腐オンリーで。
さて、いただきます。 まず、鯖の味噌煮。 砂糖やみりんで甘みを足し、ショウガで臭みを消すこの料理、味噌の微妙な味がわからない。市販の味噌と同じに感じる。コクが足りないと言われればそうかもしれない。色は薄い。さすが白味噌。 味噌の料理としては大成功!とても美味しい。
次にそら豆味噌汁。 やはり飲んだ直後のそら豆の香りと甘みが強く、味噌汁とは思えない。麹もこなれなくてつぶつぶのままだ。 味噌汁と言わず、豆のスープと言えば抵抗がないかもしれない。 普通の味噌汁を緑にして甘酒をぶっこんだ感じです。 味噌汁という先入観(というか味噌汁なんですけど)があると完食には辛いかも…。