読み終わったら、あなたもぜひ近所の標識をウォッチしてみてください。新しい発見があるはず。
(梅田カズヒコ)
ちょっとした疑問から調査をスタート。
今回の調査の発端になったのは、左の二つの道路標識だ。両方とも同じ甲州街道沿いの都庁近くの交差点に立てられていた看板。何か不思議な事はないだろうか? 字のフォントが違う? いやいや、もっと決定的に違うものがあるんですよ。英語表記の部分に注目してください。 新宿区の方はShinjuku Wardと書かれているが、渋谷区はSHIBUYA-KUと書かれている。大文字小文字の違いはこの際多めに見るとして、WardとKUってのはどうなんだろう。え? まだ気にならない? じゃーその下の標識はどうですか? 中野区の看板。 今度はNakano Cityと記載されている。ほら、段々疑問が沸いてきません? Nakano Cityって事はつまりOsaka City(大阪市)とかYokohama City(横浜市)と変わらない事になる。これはもはや中野区独立宣言だ。中野は東京の一部だと思ってた君、間違いだ。中野区はこの看板を借りてちゃっかり独立宣言をしてしまったぞ! この他にも現在は取り外されていたが以前見かけたものには『港区』→『Minato Area』というバージョンもあった。 どうやら『区』にはWard、City、Areaの3つの英訳の仕方があるようだ。
※補足(うちにあった英和辞典参考) 【Ward】1.(行政・政治・選挙区画としての)区;(イングランド・スコットランドの)区; →全体の中の区分としての意味合いが強い。 【City】1.都市、都会、大きな〔重要な〕町 2.(米)(市長と市議会の行政下にある自治体としての)市 →一つの独立した都市という意味合いが強い。 【area】1.地域,地帯,区域,地方,(特定の用地にあてた)区域,場所。〔類義語〕zone →広大な場所にも狭い場所にも用いるのが特徴。
同じ『区』なのに、どうして区によって『Ward』、『ku』、『City』となってしまうのだろう? 神経質な日本人が作っている公的な標識だからちゃんと表記方法も管理されていると思うのが当然だ。さらに各駅の駅前に英会話教室を営業している英語大好き日本人なのだ。表記を間違うわけがない。これは何か深い理由があるに違いない。 さっそく東京都建設局に電話したところ企画課というところにまわされ… 「いや、表記がバラバラだということは考えられません。」 うそつき! いや、これは僕らには話せない深い事情があるに違いない。そこで国土交通省にも聞いてみた。 Q区の英語表記がなぜ違うんですか? 「お恥ずかしい話統一できてないのが現状です…」 Q統一する予定はあるんですが? 「今のところは統一できてないのが現状です」 Qじゃあ深い意味はないと。 「えー、申し訳ありません」
なんだかいじめてるみたいなのでこの辺でやめておいた。
ちなみに、僕は学生時代、五教科で英語の成績が一番悪かった。だから気持ちはわかる。英語なんてどうだっていいんだ。でもなんだか日本人がバカにされそうなので、せめて国(公共)で英語表記するものぐらい、ちゃんとマニュアルを作って作成してもいい気がします。
本日のおまけ