居酒屋で座敷に通される。靴を脱いであがる。トイレに行くときには店で用意してあるサンダルを履いてゆく。
あのサンダル!
あのサンダルってなんかあるんじゃないか。これぞ夜のリアルだ、底辺のリリカルなんじゃないか。酔った勢いでそう考えた。
いくつかの写真をもとに考察を加えてゆくことにしたい。ファーブル先生の気分で。(林 雄司)
健康サンダルタイプ
最もよく見かけるサンダルが健康サンダル系。居酒屋で2時3時まで飲んでおいて健康もなにもあったものではないだろうと思うが、その矛盾は僕がかかえるさまざまな矛盾のカリカチュアだ。
健康サンダルに刺激されてまたお酒を注文してしまう。そんな知恵が「月刊 居酒屋経営」とかに書いてあるのかもしれない。
フラットタイプ
チェーン居酒屋でみかける無機的なサンダル。チェーン全体で仕入れているなら、このサンダルだけで相当な金額になるだろう。ボリュームディスカウントもあるだろう。そんな物語がみえる無難なデザイン。
スーパーフラットと言ってもいい。いや、だめだ。
バンカラタイプ
重くてはきにくい木のサンダル。歩くたびに、カランカランと音がする。♪げたをならしてーやつがくるー、とかいつしか口ずさんでいる。それはサンダルのせいか酔いのせいか。まあ、どっちもでいい。
いっしょに飲んでる人がトイレにいって、サンダルの音で戻ってくるのがわかる。あわてて携帯を閉じる。
スポーツタイプ
今回の記事でいちばん言いたかったのはこれだ。なぜ居酒屋のサンダルに「スポーツ」って書いてあるのか。
スポーツといちばん縁遠い場所にあるサンダルなのに。いや、まず、なんでサンダルにスポーツと書いてしまうのか。ナスカの地上絵ぐらいわからない。誰が?なんのために?誰かからのメッセージなのか。メッセージされてもわかんないよ。
牛角はなにを僕にいいたいのか。下段のスポーツは、SPORT で単数形だ。GOLF の文字がぶれぶれなのは僕が酔っていたからだ。
まとめ
まさかスポーツなんて書かれているとは。僕がトイレに立った瞬間のスナップショットを宇宙人が撮っていったら、僕はすっかりスポーツマンだと思われるだろう。
何気ないものでもよく見ると唐突なことが書いてある。これからもそんなささいな落とし穴に気をつけながら酩酊してゆきたい。みなさんも居酒屋サンダルには気をつけてください。やつら、やばいっすよ。