清洲橋は永代橋の1kmほど上流にある、鋼鉄でできた吊り橋だ。ドイツのケルン市にあった吊り橋をモデルにしている。作られたのは大正末期から昭和の初めであり、完成からおよそ80年が経過している。だいたい人間なら死んでも良い年齢だが、清洲橋は相変わらず美しくもセクシーな姿を見せてくれる。

この大正浪漫あふれる清洲橋は、関東大震災の復興事業として架けられた。兄妹である永代橋は大正が終わるギリギリである大正15年に完成し、清洲橋はそのだいたい2年後、昭和3年に完成した（大正15年の1926年は同時に昭和元年であるため見かけは3年差だけど2年差になる）。お互いの設計は対になっているそうで、そういえば両方とも青く、永代橋がアーチ橋であるのに対して清洲橋はそれをひっくり返したような吊り橋になっている点に注目したい。

近くの万年橋から見る清洲橋がもっとも美しいとされており、川沿いのテラスから見事な清洲橋が鑑賞できる。ただ、夜の清洲橋は遠くから見ると残念な気持ちになる。ピンク色の明かりが安っぽく下品に光っており、繁華街のネオンのようでいただけない。実際に渡ってみると控えめな明かりに照らされる鉄骨の美しさを堪能できるだろう。清洲橋を渡りながら、上流の新大橋を眺めると実に良い。これから夜は少し寒いけど、デートコースに是非。コートのポケットの中で手を握りあえばいいじゃない。

次回は豊洲にある素敵な鉄橋を紹介します。
( 2009/11/21 21:24:00 )