特集 2011年7月7日

メガネ曇る問題と向き合う、葛西ラーメン食べ歩き

地元のオススメラーメン店をご紹介します
地元のオススメラーメン店をご紹介します
デイリーポータルZきってのグルメを自負する僕にとって、食べ歩きはもはや生活の一部といっていい。最近はもっぱらラーメンの食べ歩きにはまっている。

そこで今回は、この場を借りて地元のおいしいラーメン屋をご紹介したいと思う。

曇ったメガネと格闘しながら。
1980年生まれ埼玉育ち。東京の「やじろべえ」という会社で編集者、ライターをしています。ニューヨーク出身という冗談みたいな経歴の持ち主ですが、英語は全く話せません。


> 個人サイト Twitter (@noriyukienami)

おいしいラーメン屋がわりと多い葛西

僕が現在暮らしているのは東京都江戸川区の葛西。よく千葉県と間違えられるが、ギリギリ23区内である。べつにラーメン激戦区というわけではないが、なかなか粒ぞろいの店が揃っていると思う。
1軒目は葛西駅西口すぐの「東西そば」
1軒目は葛西駅西口すぐの「東西そば」
シンプルな醤油ラーメン530円
シンプルな醤油ラーメン530円

1軒目/昔ながらの中華そば 「東西そば」

最初に訪れたのは葛西駅に程近い「東西そば」。24時間営業で、夜は立ち飲み屋も兼ねる。庶民の食堂といった雰囲気だ。

ラーメン専門店ではないが、看板にでかく「ラーメン」と掲げていることから、ラーメンが店の代表的メニューのひとつであることがわかる。
さっそくいただく
さっそくいただく
特別インパクトのある味ではない。誰もが安心して食べられる、食べたことのあるラーメンだ。穏やかなスープの醤油味と縮れた中太麺。具はねぎ、メンマ、ノリ、チャーシューといたって普通。その普通ぶりに逆にポリシーを感じてしまうほど普通である。盤石の普通がここにある。

こういうスタンダードなラーメンはやはり旨い。
それはメガネも曇るほどのうまさ
それはメガネも曇るほどのうまさ
夢中でラーメンをすすっていたら、メガネが激しく曇ってしまった。ラーメンを食べるメガネ男子にとってはおなじみの現象だが、こんなおっちょこちょいな見た目では、せっかくのラーメンレポートが台無しである。今回はそんなラーメンあるあるを伝えたいわけじゃない。

せっかく素敵な一杯と出合えたのに、水を差された気分だ。

「メガネを洗って出直してこい」ってことだろうか?
よく見えない
よく見えない

2軒目/極上の半熟煮玉子 「ちばき屋」

気を取り直して、2軒目を紹介したい。

葛西でラーメンといえば、ここ「ちばき屋」を思い浮かべる人も多いはず。メディアにもちょくちょく登場する有名店である。

ラーメンに「半熟煮玉子」を初めてのせた店としてもよく知られている。
葛西きっての有名店
葛西きっての有名店
麺は細いちぢれ麺
麺は細いちぢれ麺
鳥ガラベースの醤油スープは黄金に輝く
鳥ガラベースの醤油スープは黄金に輝く
油少なめでスッキリ、しかし厚みのある味
油少なめでスッキリ、しかし厚みのある味
大きめのチャーシューは気前よく2枚使用
大きめのチャーシューは気前よく2枚使用
これも王道の醤油ラーメンだが、和食出身の店主が丁寧に作り上げたスープは懐かしさの中にも深みがあり、まさに「職人の仕事」といえる逸品だ。僕もこんな仕事をしたいものだ。

ラーメンの具としては珍しいカイワレ大根の辛味が舌を刺激し、アクセントを与えているのもおもしろい。おもしろくて旨い。
そして名物の半熟煮玉子ももちろん最高だ
そして名物の半熟煮玉子ももちろん最高だ
安定感抜群のスープに、カイワレ大根の意外性、そして半熟煮玉子というスター性。

まさに「記憶に残るラーメン」。ラーメン界の三冠王とでも言うべき、落合級のとんでもない実力の持ち主だ。
しかし油断すると、湯気がメガネを曇らす
しかし油断すると、湯気がメガネを曇らす

メガネが曇るのはもううんざりだ

うまいラーメンだからと夢中になって丼に顔を近づけるほど、悲しいことにメガネは曇ってしまうのだ。こんな悲しい思いをするくらいならラーメンなんて食べないほうがマシだ。

3軒目/濃厚風味の八丁味噌ラーメン

ここまでのレポートでもしラーメンの味が正確に伝わっていないとしたら、それは味を表現するボキャブラリーが足りないからではなくメガネが曇っているからだ。

では、どうすればメガネを曇らすことなくラーメンを食べることができるのだろうか?
葛西駅ガード下の「みそ膳」
葛西駅ガード下の「みそ膳」
「八丁みそラーメン」730円
「八丁みそラーメン」730円
名古屋の八丁みそを使った珍しい味噌ラーメン
名古屋の八丁みそを使った珍しい味噌ラーメン
「八丁みそ」「玄海みそ」「胡麻みそ」「とんこつみそ」。みそラーメン専門店だけあって、全国の味噌を使ったバリエーション豊かなメニューが揃う。

スープの温度もアツアツで、湯気とともに味噌の濃厚な香りが立ち昇ってくる。

とても旨そうなラーメンだが、メガネにとっては厳しい戦いになりそうだ。
緊張
緊張
しかし「八丁みそラーメン」は想像以上の難敵だった。麺を持ち上げただけで、一瞬にして視界からラーメンが消え去ったのだ。
・・・
・・・
スープにコクがあるとか、シコシコした太麺とよく絡み合うとか、たぶんそんな感じのとてもうまいラーメンだったと思うが、開始2秒でメガネが曇ったショックで、正直味はよく覚えていない。
かなり旨いラーメンだったですよ(たぶん)
かなり旨いラーメンだったですよ(たぶん)
熱っ!
熱っ!
・・・
・・・
4軒目/どさん子
4軒目/どさん子
塩ラーメン。梅干しの酸味がアクセント
塩ラーメン。梅干しの酸味がアクセント

プロペラ作戦

メガネを曇らせる湯気がにくい。こんなやつはもう吹き飛ばしてしまおう。というわけで、こんなものを用意してみた。
これで湯気を撃退
これで湯気を撃退
小さいが、けっこうな風力があるプロペラ
小さいが、けっこうな風力があるプロペラ
頭上にセット
頭上にセット
プロペラの風で湯気を吹き飛ばしてしまえば、レンズに湯気がふれることなく食べ進めることができると思ったのだ。
でも、目測をぜんぜん誤ってた
でも、目測をぜんぜん誤ってた
プロペラの位置が高すぎて、ぜんぜん湯気を吹き飛ばせていない。明後日の方向に風を送ってしまっている。

妙案だと思ったが失敗だ。湯気を吹き飛ばすちょうどいい角度にプロペラを調整するとこんなふうになってしまうのだ。
口がふさがってラーメンが食べられないという、ラーメン好きにとって致命的な事態に
口がふさがってラーメンが食べられないという、ラーメン好きにとって致命的な事態に

ラストチャンス

もうお腹も限界に近い。次の一杯が最後のチャンスだろう。絶対にメガネを曇らせるわけにはいかない。

そうだ、いいことを思いついたぞ。
5軒目/「大勝軒」。池袋のあの店と関係があるかどうかは不明
5軒目/「大勝軒」。池袋のあの店と関係があるかどうかは不明
シャキシャキの辛ネギがたっぷりのったラーメン
シャキシャキの辛ネギがたっぷりのったラーメン
これもなかなかホットなラーメンだが、100%メガネが曇らない方法を編み出した僕にとっては恐れるに足らず。
どんなに勢いよくすすっても
どんなに勢いよくすすっても
曇らない
曇らない
どんなに顔を近づけても
どんなに顔を近づけても
曇らない
曇らない
なぜならレンズを外したから
なぜならレンズを外したから

レンズを外しただけでした

レンズがあるからメガネは曇る。ならばレンズを外してしまえばいいという大胆な発想である。これで長年のメガネ曇る問題は解決した。

レンズを外したら視力が下がるじゃないかと思う人がいるかもしれないが、下がった視力はコンタクトレンズで補完しているので安心してほしい。

これで全ての問題はクリア。メガネをしたまま心おきなくラーメンを食べることに見事成功したのだった。
これのために初めてコンタクトを買った。目が痛い
これのために初めてコンタクトを買った。目が痛い

もっといい方法ないっすかね?

ラーメン好きメガネ男子を苦しめるレンズ曇る問題。最後は力技で締めてしまったが、もっとうまい方法はなかったのか、今も苦悩している。

メガネを外すことは簡単だ。だが、そんな逃げの戦法ではいつまでたっても己を克服することはできない。これからも訪れるであろう様々な人生の困難に正面から立ち向かうためにも、まずはこの問題を解決したい。
5杯のラーメンは全て完食しました
5杯のラーメンは全て完食しました
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