特集 2011年7月25日

川を越える流し素麺

兵庫県と鳥取県の県境の辺りに滝流し素麺が食べられるお店があるらしいので行かないかと誘われた。

滝!?流し素麺!?なんだその魅力的な所は!!二つ返事で行くと答えた。
1983年三重県生まれ、大阪在住の司法書士。
手土産を持参する際は消費期限当日の赤福で受け取る側に過度のプレッシャーを与える。

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> 個人サイト owariyoshiaki.com

流し素麺に対する思い

流し素麺は今までやったことがないので凄く楽しみではあるが、不安がある。不安というか思い出がある。
真ん中下の方にある小屋が元・流し素麺屋さん。今は営業してなかった。
真ん中下の方にある小屋が元・流し素麺屋さん。今は営業してなかった。
地元に滝のそばで営業している素麺屋さんがあった。子供の頃ずっと行きたくて、ずっとずっと行きたくて、親にお願いし続けてやっと連れて行ってもらった。

初めての流し素麺、きっと横を流れている滝とか使っちゃって、なんかもう凄いことになってるんだろう。あー、ちゃんと素麺掴めるかな!?
そうめん流し…流しそうめん…?
そうめん流し…流しそうめん…?
と、期待を膨らませて行ってみると上の写真の器具が置いてあるテーブルが沢山並んでいた。

それを見た瞬間衝撃を受けた。えっ、竹のといを流れてくるんじゃないの!?あの横の滝は何!?
えっ、なに、嫌だ!となった。

こんなの流し素麺じゃない!!と言って何も食べず、親にはこっぴどく怒られた。
ロケーション最高。
ロケーション最高。
今思えば竹のといで流れてなくてもこの場所だけでも充分素敵だし、なんなら「流し素麺」とは書いて無かった気がしてきた。

それでも僕が流し素麺と聞いて思い出すのはこの事なのだ。

滝流し素麺さんはどうだろう。

滝流し素麺に滝はない

期待と不安を抱きながら、大阪から3時間くらい車に乗って兵庫と鳥取の県境にある滝流しそうめんまでやってきた。
なかなかの山奥。素麺屋といえば山なのか。
なかなかの山奥。素麺屋といえば山なのか。
山を登り、ほぼ山頂に近い所に急に滝流しそうめん屋さんは現れた。自然豊かでかなり良い場所だが、滝は見あたらない。あれっ。
食券制らしい。
食券制らしい。
えっ、そうめん、こんな感じ!?もしや!?
えっ、そうめん、こんな感じ!?もしや!?
滝は?ねぇ、滝は?と思いながら入るとまず食券を買ってくれと言われる。商品を見ると、そうめんが篭に入ってる。

えっ、もしかして、まさか。
やきめし…?
やきめし…?
友人はクリームソーダ…。
友人はクリームソーダ…。
もしかしてここもグルグル回るだけだったらどうしよう。そう思いつつ、そうめんを買ったらやきめしと書いた紙を渡された。

流し素麺は一発芸

おぉっ、なんか凄い。
おぉっ、なんか凄い。
焼きめしと書いた紙を握ったまま奥へ進むとなんか凄い物が見えてきた!
9番さんです。
9番さんです。
川を挟んだ向こう岸に小屋があってそこから川を越えてといがかかっている。凄い!遠い!俺に食べられるために素麺川を越えてくる!

なんだコレ、凄い、でも、滝は?ねぇ、滝は?って思っていたら、「はい、滝流し素麺です」
電話出てたので、あぁ、滝があるんじゃなくて店名なんだ。と気付いた。
知らない間に来てる!
知らない間に来てる!
流し素麺って、といの横じゃなくて正面なのか。と思いながら友人と話していたら、といの下にセットしたザルに素麺がバチャッ!と入った。

えっ、もう始まってるっ!?
予想以上に掴むの難しい。
予想以上に掴むの難しい。
慌てて箸を持ち、つかみ取ろうとするが全然掴めない。スルスルーっと箸をすり抜けていく。
これだけしか掴めない。ザルへの素麺の貯まりっぷりよ。
これだけしか掴めない。ザルへの素麺の貯まりっぷりよ。
こんなに難しいとは知らなかった。コレはといの横に立って、掴んだ分だけ食べられるシステムだったらほとんど食べられないだろう
こんなに難しいとは知らなかった。コレは といの横に立って、掴んだ分だけ食べられる システムだったらほとんど食べられないだろう
こんなに難しいとは知らなかった。コレは といの横に立って、掴んだ分だけ食べられる システムだったらほとんど食べられないだろう
取れない取れない!あっ、取るの上手い!とキャッキャキャッキャ言いながら食べるのは二発目位までで、後は普通にザルからすくって食べる。

ポンポンポンポンと結構な量が流れてくるので食べるのが追いつかない。

回転寿司のように流れている物を好きな分食べる。というイメージだったが、実際は回転寿司が全部自分にだけ流れてくる感じだった。
おしまいの合図はサクランボ
おしまいの合図はサクランボ
友人が「これ、ザルに落としたら流れてても取りやすいね!」と、言いだし、それ、流れてないからな。と思っていたらサクランボが流れてきた。終了の合図らしい。

サクランボが辿り着いたザルの素麺量からほとんど流れの中で掴めていないことがお分かりいただけるだろう。
後はただ食べます。
後はただ食べます。
結構な量が流れてきたが全て流れ終えるのに5分、食べきるのに10分もかかっていないだろう。

初めての流し素麺の感想は

素麺が流れまーす!ドーン!!
なんと、川も越えまーす!!ババーン!!

という、時間とかも含めて素麺が一発芸している。みたいな感じだった。面白かったですよ、一発芸。
頭の上を素麺が流れていく体験。
頭の上を素麺が流れていく体験。

食べ終わった後に、店のおばちゃんに、川で遊んでいき。と言われたので、流し素麺の下で少し遊んだ。

僕の上を素麺が流れていき、知らない人が食べていた。あの素麺は美味しかっただろうか。


また、お店で食券を渡した後、レーン番号の書いたボタンを押して自動的に素麺が流れて来ていたので、全自動化!?と思ってわくわくした。

けれど、向かいの小屋におじさんがいて素麺を流している所を見てしまった。まぁ、そりゃあそうだよね。
やはり人がやっていたか。
やはり人がやっていたか。
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