特集 2011年11月18日

八戸の工場がすごくかっこいい!

八戸の「八」はパラダイスの「パ」に似ている。
八戸の「八」はパラダイスの「パ」に似ている。
「一生勉強」という言いまわしがあるが、ほんとうにそうだ。工場ってかっこいい!と言い続けて、なんとなく工場鑑賞の専門家気どりのぼくだが、まだまだ知らないすてき工場は世の中にたくさんある。

ここ、八戸もそのひとつだった。いや、ほんとにかっこいい。一生勉強だ。工場の。
もっぱら工場とか団地とかジャンクションを愛でています。著書に「工場萌え」「団地の見究」「ジャンクション」など。(動画インタビュー

前の記事:角のタバコ屋めぐり

> 個人サイト 住宅都市整理公団

縄文とか江戸とかもういいんじゃないか

過日、八戸にあるちょうかっこいい露天掘りの鉱山、八戸キャニオンについて書いた。あれはほんとうにすごかった。鳥肌立った。

で、この八戸訪問の際には、工場めぐりもした。これまで全国の工場めぐりをしてきた工場鑑賞家として当然である。なにせ八戸といえば八戸セメントなどの非鉄金属工場で有名な街なのだ。

…って、そう思ってるのぼくだけかしら。そうなんだよなー、八戸の観光を調べると国宝の合掌土偶とか城下町云々とかの話ばかりでてくるんだけど、もうさ、そういう縄文とか江戸とかいいんじゃないか。昭和だよ、昭和。戦後の産業都市指定の話もっとしようぜ。
「城下町」の「城」ってこれのことでしょ?八戸セメント。【大きな画像はこちら】
「城下町」の「城」ってこれのことでしょ?八戸セメント。【大きな画像はこちら
天守閣ってこれでしょ?
天守閣ってこれでしょ?
うん、だんだん城に見えてきた。
うん、だんだん城に見えてきた。
治めてほしいものです、こんな城に。
治めてほしいものです、こんな城に。
川を挟んで全景をじっくりと鑑賞できるこの絶好のポジションもすばらしい!【大きな地図で見る
しかも、この好立地ぶり。地図でまわり見るとわかるが、ふつうの市街地からしれっと見える。すばらしい。高校や中学校からもよく見えそうだ。すばらしい教育だと思う。
いったん広告です

「しっれと感」が魅力

八戸市街のすごいところはこの「しれっと感」だと思った。街のいろんなところに、何気なく工場構造物が立っている印象だ。これはちょっと珍しい雰囲気。カジュアルに工場鑑賞が楽しめる素晴らしい街だと思った。

このことが最もよくわかるエピソードのひとつが、前述の八戸キャニオンの取材の時知ったあること。

なんと鉱山から港までベルトコンベアがつながっているそうだ。となると住宅街の地下を走っているそうだが、きけばこれを敷いたとき経路上に住宅はそれほどなかったのだという。
住宅街の下をコンベアが!びっくり。いつかこのコンベアたどる、っていうのをやってみたい。(八戸鉱山展望台の説明看板より)
住宅街の下をコンベアが!びっくり。いつかこのコンベアたどる、っていうのをやってみたい。(八戸鉱山展望台の説明看板より)
こんなぐあいに地下コンベアが!(経路は適当です)【大きな地図で見る
この一件からしても、八戸の街と工場の混在ぶりがわかるというものだ。すてきだ。

コンベアの先っぽがすごい!

なんだかながーいものが見えるぞ!【大きな地図で見る
さて、八戸キャニオンは見た。じゃあ、そのコンベアの逆の端、港側はどんなか見たくなるのが人情というものだ。見てみよう。
うひょー!これはすごい先っぽっぷり!
うひょー!これはすごい先っぽっぷり!
銀河鉄道999の出発地が八戸港だとは知らなかったです。
銀河鉄道999の出発地が八戸港だとは知らなかったです。
いったん広告です

夜にも見てみた

これほどダイナミックなコンベア風景はあまり見たことがない。住宅街の地下から飛び出して、サイロのてっぺんめがけて昇っっていく。
コンベアの中に入ってみたい。運ばれたい。【大きな画像はこちら】
コンベアの中に入ってみたい。運ばれたい。【大きな画像はこちら
すぐ手前は港になっていて、周りがひらけていることもありダイナミックさもひとしお。【大きな画像はこちら】
すぐ手前は港になっていて、周りがひらけていることもありダイナミックさもひとしお。【大きな画像はこちら
で、とてもかっこいいので、夜にも見てみようと。
やっぱりなー、かっこいいわけだよなー。
やっぱりなー、かっこいいわけだよなー。
うひょー!
うひょー!
コンベアの先、到達したサイロのさらに先には、船に積み込むための設備があってそれがまたすてきだ!
コンベアの先、到達したサイロのさらに先には、船に積み込むための設備があってそれがまたすてきだ!
八戸キャニオンから掘り出された石灰石は、前述の八戸セメントの工場の他、コンベアでここまで運ばれ船に積まれて全国の他の工場に送られるわけだ。

住友金属のグループなので、ぼくの行きつけの鹿島の製鉄所などにも運ばれているようだ(鉄鋼つくる際に石灰石が必要)。ということは、電車の車輪を見たら、そこに八戸を想うべきなのではないか(住友金属の鉄道車輪のシェアはほぼ100%)。

銀河鉄道999っぽい、と連想したが、あながち無関係でもなかった。あれの車輪も八戸キャニオン由来かもしれない。さらに言うなら機械の体の原料も八戸からきているかもしれない。
いったん広告です

港がいいんだな、八戸は

今回の八戸の訪問は1泊だけだったのだが、この夜はもう1か所魅力的な工場に連れて行ってもらった。そこも港の施設だ。グレーンターミナル。そう、本記事冒頭のちょうかっこいい写真がそれ。もう1回載せてしまおう。
そうか、港がかっこいいんだなー、八戸は!【大きな画像はこちら】
そうか、港がかっこいいんだなー、八戸は!【大きな画像はこちら
ちょうどタンカーがいて荷揚げをしているところでした。
ちょうどタンカーがいて荷揚げをしているところでした。
近寄って見てみたい!荷揚げされたい!
近寄って見てみたい!荷揚げされたい!
いやはや、かっこいい。どうしてうちの近所にないのかしら八戸。

グレーンターミナルとは、飼料を運んできて保管しておく設備のこと。ここ八戸の東北グレーンターミナルは脇にフェリーターミナルと公園があって、間近から鑑賞できる好立地。すばらしい!
場所はここ。南側に整備されている公園がナイス!【大きな地図で見る
街の「しれっと感」もいいけど、八戸はやっぱり港だなー、と思った。ほかにもこういう場所とか。
いいねえ!
いいねえ!
「みちのく」っていう船名にもぐっときた。
「みちのく」っていう船名にもぐっときた。
クレーンかわいい。
クレーンかわいい。

とはいえ、たいへんだったよね

なんて、のんきに「すてき!」とはしゃいでいたけど、3.11の地震では八戸もけっこうな被害を受けたのだ。港もたいへんだったし、これら工場、とくに港の施設はいまようやく地震前の能力まで戻りつつあるところ。そうそう、今回は見に行けてないけど、同地の製紙工場も先日ようやく復旧と聞いた。

また見に行きたいと思ってます。工場見にいくことで東北にお金を落とす、っていうのもいいんじゃないかと。いやほんとに。
あと八戸のこの朔日町とか六日町とか十三日町とか二十八日町とかっていう怒濤の「○○日町」めぐりもやりたい。【大きな地図で見る

工場好きのための忘年会、今年も開催します!

あと八戸のこの朔日町とか六日町とか十三日町とか二十八日町とかっていう怒濤の「○○日町」めぐりもやりたい。【大きな地図で見る
あと八戸のこの朔日町とか六日町とか十三日町とか二十八日町とかっていう怒濤の「○○日町」めぐりもやりたい。【大きな地図で見る
以前記事にした「ドボ年会」、今年もやります。【昨年の様子→「ドボ年会」をやってみた

八戸で開催、ってことならきれいな話なんだけど北九州です。いやー、寒そうなんでひるんで南に向かってしまいました。すみません。

でもほら、これも記事にしたけど、北九州すごいのよ!【→北九州はエルドラドだった!】工場好きならぜひ一度は訪れなきゃならないです。興味ある方はぜひ。詳しくは→こちら
▽デイリーポータルZトップへ

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ