特集 2011年11月26日

扇風機をろくろにした陶芸のススメ

簡単でかなり楽しいです!
簡単でかなり楽しいです!
陶芸で使われる「ろくろ」。クルクルと回り、湯呑みや茶碗などを作る際に使われる装置だ。誰しも一度くらいはテレビ等で見たことがあるのではないだろうか。

僕もぜひろくろを使った陶芸にチャレンジしてみたいのだけれど、ろくろは買うと高い。そこで、同じようにクルクル回る扇風機をろくろとして使ってみようと思う。
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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> 個人サイト Web独り者 彼女がいる風の地主恵亮

扇風機はろくろです!

ろくろには、手で回すタイプと電気で回ってくれるタイプがある。テレビで見かける陶芸家は後者のろくろを使い器的なものを作っている。僕もぜひそれをやってみたい。
そこで、扇風機です
そこで、扇風機です
しかし電動のろくろは買うと高い。そこでろくろとは回るという点で共通している扇風機を、ろくろとして使うことを思いついた。本来は涼むために使う扇風機を、陶芸という芸術のために使うのである。
ホットボンドで、
ホットボンドで、
プラスチックのお皿を扇風機に付けて、
プラスチックのお皿を扇風機に付けて、
ろくろの完成
ろくろの完成
順調。こんなに簡単にろくろが完成すると思わなかった。少し前まで遠い存在だったろくろがわずか3分で目の前に。

重いと扇風機が回らなくなるのでプラスチックのお皿をチョイスしている。またホットボンドは取れやすいので、ろくろから扇風機に戻すことも容易だ。
粘土はこれを使います
粘土はこれを使います

楽しい陶芸ライフ

粘土は家のオーブンで焼けるものを東急ハンズで購入した。思っていたより高い値段だったけれど、陶芸教室に行くよりはきっと安い。そして、僕は陶芸家を意識して作務衣を着ている。弟の彼女から誕生日に貰ったものだ。
粘土をろくろに置く
粘土をろくろに置く
ろくろ(扇風機)に粘土を設置してスイッチを入れる。するとろくろはクルクルと回りだす。意外と勢いがよく、このまま飛んでいくのではないかと思うほど。飛ばないで! と即座に水で濡らした手を粘土に添える。
粘土に手を添え形を作っていく
粘土に手を添え形を作っていく
これがかなり楽しい!
これがかなり楽しい!
粘土に手を添えるとろくろの回転スピードは遅くなる。文化祭で調子に乗って、飲酒とかしちゃって怒られた直後のような感じ。そのため粘土を水でよく濡らし、やわらかくして形作って行くことが重要だ。
陶芸の面白さを知った瞬間(音はでません)

次こそは

なにせ初めての陶芸だったのでろくろの扱いに難儀した。テレビなどではお約束のように一回失敗して粘土がグチャ~となるけれど、あれは演出ではなくたぶん本当だ。僕の場合も湯呑みを作るつもりが徳利になってしまった。
湯呑みのつもりが、徳利の完成!
湯呑みのつもりが、徳利の完成!
不器用をフルに発揮してしまったようで、ろくろを使わなくても作れるような徳利が完成してしまった。しかし、とにかく楽しく陶芸にはまる人の気持ちを初めて理解した。日曜大工ならぬ、日曜陶芸を始めようと思った。
こんどこそ湯呑みを作ります
こんどこそ湯呑みを作ります
二回目は多少なれたのか、手に粘土が馴染む。本当のろくろを使ったことがないけれど、この扇風機ろくろでも十分に事足りる。

冬場、押入れで眠る扇風機の新たな使い道が判明した。ろくろだ。これからは眠っている暇などないのだ。
今度こそ湯呑み完成!
今度こそ湯呑み完成!

オーブンで焼く

完成した湯呑みはこのあと、しっかり乾燥させてオーブンで焼かなければならない。といっても一週間ほど放置しておけば勝手に乾燥してくれる。意外と陶芸は手がかからない趣味なのかもしれない。
一週間放置して乾燥した湯呑みと徳利
一週間放置して乾燥した湯呑みと徳利
オーブンで1時間ほど焼く
オーブンで1時間ほど焼く
この扇風機ろくろはお金もかからず全て家で楽しめる。これなら陶芸を趣味にするハードルはかなり低い。趣味は、と聞かれ陶芸、と答える日も遠くない気がする。
焼いた後は、冷やしてうわぐすりを塗って、
焼いた後は、冷やしてうわぐすりを塗って、
もう一度焼いて
もう一度焼いて
完成!
完成!

最高の一口

自分で作ったためか、形はいびつだけれど、かなり満足の行くものになった。乾燥させている1週間も「まだかな、まだかな」と学研のおばちゃんを待つ子供のように首を長くしていた。
満足の行く出来
満足の行く出来
いびつな形ですが、それは味ということで
いびつな形ですが、それは味ということで
徳利はろくろを使わずに形作ったようにも見えるけれど、湯呑みはろくろで作ったおかげで待ち時間なしで乗り換えできた、のような滑らかな表面になっている。難点を挙げれば、どちらも浅いということ。一口分のお茶しか入らない。
一口分ですが満足です
一口分ですが満足です
飲み口が売っている湯呑みより厚かったり、徳利は花びらのようになっていて、どこから飲めばいいか悩んだりするけれど、それは個性という便利な言葉で処理して、素晴らしい作品ができたと大変満足だった。
いつものお茶がいつもより美味しく感じた!
いつものお茶がいつもより美味しく感じた!

楽しい扇風機ろくろ陶芸

最初はどうかと心配していたのだけれど、扇風機はろくろとして、しっかり機能した。しかも、楽しい。プラスチックのお皿も100均で買った物なので、粘土とうわぐすり以外はお金もかからない。今後は扇風機ろくろ陶芸の第一人者として陶芸家っぽい、たなびくような白いあごヒゲをはやしていこうと思う。
花びら徳利、と言えば聞こえがいい
花びら徳利、と言えば聞こえがいい
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