特集 2012年2月6日

串カツで食いだおれちゃえ!

!
以前、「大阪タコヤキ・カルチャーショック」という記事を書いた。大阪のタコヤキ店を食べ歩き、大阪のタコヤキは全国のタコヤキと概念が違う、粉の魔法の食べ物なんだ、衝撃を受けたぞ! いう記事だった。

1月末、大阪に行く機会があったので、その続編として、串カツを食べ歩いてみることにした。
もちろん目指すは、通天閣のある新世界だ!

…というわけで新世界に降り立ったのに、いきなりうどん食ってる取材班(私と友人R)。
「うどん、うまいですね」
埼玉生まれ。電子書籍『初恋と座間のヒマワリ』(リイド社刊)発売中。最近、ほぼ毎日ブログを更新していますので、良かったら読んでください。

前の記事:としまえんが、いい感じにひなびていた

> 個人サイト 日々の凧あげ通信アネックス

「おたべや」のうどん
「おたべや」のうどん
「さばぶしとか入っててね。しょうゆ、ぜんぜん使ってなくて。出汁がうまいです。ここは『おたべや』っていう、観光客のあまり来ない店らしいんですけど…おたべや最高!」
「やっと胃が動いてきましたよ」
「昨日、夜中3時まで、酒飲んじゃいましたからねえ」
「旅先はしょうがないですよね…、さて、どこからいきましょ」
「有名店はメモってきたんですけどね。いわゆる、ネットランキングみたいなもの」
「おお!」
「これ、さっき歩きながら見たら、行列とリンクしてたんですよ。並んでる=ランク上位、っていう。そういうの追っかけて食べてもつまらないから、勢いで、座れそうな店、はしごしちゃいましょ!」
「そんなノープランなのかよ!」
まずは、じゃんじゃんという店に入りました。
まずは、じゃんじゃんという店に入りました。
理由は、KARAのサインがあったから。(しかしこのあと、いろんな店で、KARAのサインを見かけることになる)。
理由は、KARAのサインがあったから。(しかしこのあと、いろんな店で、KARAのサインを見かけることになる)。
うーん、いいながめ。串カツ、れんこん、なす、名物ホルモン。
うーん、いいながめ。串カツ、れんこん、なす、名物ホルモン。
今回は、串カツ(牛肉)を食べ比べます。
今回は、串カツ(牛肉)を食べ比べます。
はむ。 ん、なんか、かために、衣が付いている感じ。カリッとしてるけど、なぜかうちの実家の母のフライに、味が似ていた…。
はむ。 ん、なんか、かために、衣が付いている感じ。カリッとしてるけど、なぜかうちの実家の母のフライに、味が似ていた…。
ホルモンは、特徴のある味がガツンとくる。お酒がすすみそう。

「串カツってこんな感じだっけ? 充分おいしいけどさ」
「まあ、一件目ですから」

ソフトドリンクと、串カツ4本だけ食べて、ざっと店を出る。
東京の飲食店だったら怒られそうな行為も、大阪の観光地では許される(多分)。


次、朝日へ。
派手な外観ではある。
派手な外観ではある。
うん、このカラっと揚がった感じがいいね。
うん、このカラっと揚がった感じがいいね。
おいしー。
おいしー。
カラっと軽い衣がいい。
ホルモンも食べてみたが、くさみがなく、苦手な人も食べられる感じだった。

しかし、串カツに関するコメントって、衣の完成度の感じしか、出て来ないものだなあ。

「ところで、大阪の地元の人って、このへんの観光店には来るのかな?」
「タコヤキは買ってるけど、串カツはどうなんかな」
「ちょっと分からないねえ」


3軒目、横綱。
ここも原色バリバリ看板だ。
ここも原色バリバリ看板だ。
山いも、うずら、ホルモン、串カツ。
山いも、うずら、ホルモン、串カツ。
何度見ても、いいながめ。
何度見ても、いいながめ。
こんな断面。
こんな断面。
1軒目と同じ感じの、しっかりした衣だった。オキナワのテンプラ的な固さ。

「それにしても、関西の人は、小麦粉の固さに関して、こだわりがあり過ぎだよね」
「だから美味しいんだけどね」
「日本標準だと“揚がってればいい”っていうところを、微調整に微調整を繰り返してる感じだよね」
「美味しいんだからいいんじゃないのか」

次、有名店に一応行っておくかー、と思って、「だるま」を見たら激並びしていたので、
「近江屋」の別館に入店することにした。
「近江屋」の別館に入店することにした。
いったん広告です
有名店、近江屋(の別館。なぜならば別館はすいていたから!)
有名店、近江屋(の別館。なぜならば別館はすいていたから!)
近江屋のソース入れ、でかっ! ちょっとした枕くらいの大きさがありました。
近江屋のソース入れ、でかっ! ちょっとした枕くらいの大きさがありました。
これが近江屋名物、ぽってり衣か!
これが近江屋名物、ぽってり衣か!
ほら、ふっかふか。甘くないホットケーキみたいな味。 (でも、牛肉串以外のメニューは、カラっとした衣で揚げてくれるのです)。
ほら、ふっかふか。甘くないホットケーキみたいな味。 (でも、牛肉串以外のメニューは、カラっとした衣で揚げてくれるのです)。
この店は!
明らかに他店より美味しかった。メニューの豊富さ、揚げ加減、最高。東京じゃ食べられない味。出来るならばこの店で、腰を落ち着けて飲みたかった。

その店で、隣席の男性が、興味深い話をしていた。
・このへんには久しぶりに来た
・昔は50円で映画を見て、串カツを食べて帰るのが楽しみだった
・その頃は、「だるま」と「近江屋」しかなかった

なるほどなるほど、老舗なんですね…さすが。
今度、新世界に来た時には、ここでガッツリ食べよう、と決心して店を出る。



次、24時間営業という店、壱番。
!
しょうが、サーモン、ホルモン、串カツ
しょうが、サーモン、ホルモン、串カツ
肉、はいってるよー。
肉、はいってるよー。
カラっとさわやかな味で、美味しかったんだが、24時間居酒屋の雰囲気って、東京も大阪も一緒だなーと思った。どこか、ちょっと、すさんでいるというか…いや、そういうの嫌いじゃないですけど。

次、アーケード内の「てんぐ」へ。
ここだと寒さがしのげるかなあ、と、少し並んでみた。
しかし、前に並んでいた、子連れカップルの子供さんのほうが、騒ぎ回り、私たちの足を踏み、荷物も踏んだのだが、母親が「あーらごめんなさい(プイッ)」と言ったので、取材班のはらわたは煮えくりかえったのであった。
しかし、前に並んでいた、子連れカップルの子供さんのほうが、騒ぎ回り、私たちの足を踏み、荷物も踏んだのだが、母親が「あーらごめんなさい(プイッ)」と言ったので、取材班のはらわたは煮えくりかえったのであった。
きっと、正気で食べたら美味しい串カツなんだと思うんだけど。味が分からなかった。
きっと、正気で食べたら美味しい串カツなんだと思うんだけど。味が分からなかった。
ガッツリ並ぶ大人の店に、わざわざ幼稚園児を並ばせて、店内でサイダー飲ませるだろうか。他にもファミリー席の店、いっぱいあるのに…ぶつぶつ。
ガッツリ並ぶ大人の店に、わざわざ幼稚園児を並ばせて、店内でサイダー飲ませるだろうか。他にもファミリー席の店、いっぱいあるのに…ぶつぶつ。
というわけで、土手焼きも食べたんですけど、うーん白みその味だった! そのくらいしか覚えてません。てんぐさん、すいません。
というわけで、土手焼きも食べたんですけど、うーん白みその味だった! そのくらいしか覚えてません。てんぐさん、すいません。
友人とプリプリ怒りながら、帰路につく。
新大阪の駅構内にも、串カツ&うどんの店があったので、とりあえず食べてみた。
そこそこ美味しいぞ! 新世界の串カツより、1.6倍くらい、値段が高いけど。
そこそこ美味しいぞ! 新世界の串カツより、1.6倍くらい、値段が高いけど。

「そんで結論なんですけど」
「そうね~。こんなに食べ歩いたことないから、ちょっと分かったのは…。
どこ入っても、東京の串カツ屋よりは、安くて美味しいってことかなあ」
「うーん、そうかもね」
「あとは『近江屋』。あそこいいわ。老舗はカタイね。鉄板ね。」
「美味しかったねえ~。地味な店がまえだったけど。地元の人が食べてる感じがした。」
「素人舌にも、『こんな串カツ作れない!!』って味でしたよね。牛串以外は、サクっとしてるんだよなあ…油っこくなくて。」
「でも並んで食べるのはキツイよねえ」
「本来、並んで食べるものじゃないしねえ、ファストフードだしなあ」
「……とにかく大阪の人の、小麦粉にかける情熱は、ハンパないって感じしましたよ。正直、中身の具よりも、皮とソースがメインで食べてるわけだし」
「そう考えると不思議ね」
「思ったほど、胸焼けしなかったし、たのしかったです!」
「わたしも!」
「とにかく近江屋別館最高!」
「おたべやもね!」
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