特集 2012年2月24日

対馬は韓国人観光客が本当に多い

日本人1に対して韓国人30(もしくはそれ以上)の勢いでした。
日本人1に対して韓国人30(もしくはそれ以上)の勢いでした。
先日、対馬に行って来た。

対馬は韓国人旅行客が多いという話を聞いていたが、行ってみたら本当に多くてびっくりした。

その様子をレポートしたい。
長崎より九州のローカルネタを中心にリポートしてます。1971年生まれ。茨城県つくば市出身。2001年より長崎在住。ベルマークを捨てると罵声を浴びせられるという大変厳しい家庭環境で暮らしています。

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取り囲まれる

離島には何度も行ってるが、えてして離島というのは人が異様に少なく、町エリアを一歩出るとそこから先は誰にも会わない、といったケースも珍しくない。
道を尋ねようと思ったが、人の姿が見当たらない(第一村人を発見できない)。携帯の電波も圏外なのでネットで調べることもできない。
道を尋ねようと思ったが、人の姿が見当たらない(第一村人を発見できない)。携帯の電波も圏外なのでネットで調べることもできない。
まぁ、人が少ないのは離島に限らず地方は中心部以外どこもそんな感じで、それが離島ゆえに少々グレードアップしている、と言ったらいいだろうか。

そんな雰囲気だったので、ここで韓国人観光客の大集団と出遭った時には、そのギャップに心底驚いた。
展望台へと向かう階段。
展望台へと向かう階段。
烏帽子岳展望台という対馬の有名スポットに来てみたのだが、ご覧の通りすごい人口密度。離島でこういう光景に今まで出遭ったことがなかったので驚いた。
大盛況。
大盛況。
見ただけだと、日本人と韓国人はほとんど区別がつかない。が、聞こえてくる会話はすべて韓国語。みんな楽しそうにワイワイガヤガヤ大声で喋っている。

時折「カムサムニダ」とか、私の知ってる言葉もいくつか聞こえてきた。
この中にただ一人日本人として自分が混じってる状況は、かなりのアウェー感だった。
この中にただ一人日本人として自分が混じってる状況は、かなりのアウェー感だった。
烏帽子岳展望台からの眺め。絶景スポットです。
烏帽子岳展望台からの眺め。絶景スポットです。
どわ…、一体何台バスが来てるんだ?!
どわ…、一体何台バスが来てるんだ?!
離合するのに苦労するほどたくさんの観光バスが。
離合するのに苦労するほどたくさんの観光バスが。
対馬・観光スポットのひとつ旧日本軍の砲台跡。ここでも取り囲まれた。。
対馬・観光スポットのひとつ旧日本軍の砲台跡。ここでも取り囲まれた。。

標識の類はもちろんハングル語

これだけ韓国人旅行客が多いと、主要な観光スポットはみな韓国語表記が当たり前になっている。
道路の標識。
道路の標識。
デンワボックスも。
デンワボックスも。
ホテルの中も。
ホテルの中も。
逆に注意書きなどに韓国語がないとこっちが不安を覚えるほどだ。(「トイレ故障中」みたいな大事な注意書きに韓国語が添えられてないのがあって心配になった。 )

対馬の携帯電波事情

対馬は島の89%が森林とのことで、町エリア以外ではほとんど携帯が通じない。

少なくとも私のAUの携帯、ソフトバンクのiPhoneはダメだった。(ドコモはアンテナを何ヶ所か見かけたので、ひょっとするとイケるのかもしれない)

iPhoneはほとんど役に立たなかった。
出かける前にグーグルマップ上に行きたい場所をチェックしてたが現地でまったく見られなかったし、ツイッターで「○○なう!」とつぶやくのもできなかった。
olleh?!
olleh?!
と、そのiPhoneに突如メッセージが届いた。

「あれ?ここは電波入るんだ。
ソフトバンクがんばってるなぁ…」
と思って見ると、いつも「SoftBank」と書いてあるところに「olleh」と書いてある。

「オレエ…?!これ何!?」
と思って受信したメッセージを読むと、
海外?!
海外?!
なんと、韓国の電波を拾い、そこにつながってしまったのだ

たまたま数日前、海外に行ってえらい高額請求が来たという記事を読んだばかりだったのですぐにピンと来て、接続先の設定を「自動」から「手動」に切り替えた。

しかし、海外に行ってないのに海外のキャリアにつながってしまうとは、さすが国境の島。

韓国まで49.5kmの展望所

天気がよければ韓国が見える、という展望所に行った。その名も韓国展望所。韓国までの距離はわずか49.5km。
韓国展望所。うん、たしかにこういうの韓国で見たことある。
韓国展望所。うん、たしかにこういうの韓国で見たことある。
天気がいい日にはここから釜山辺りが見えるという。が、この日は天気がよかったものの見えなかった。もう少し空気が澄んでいないとダメなようだ。

犬の散歩をしてるおばちゃん曰わく、見える時は建物のかたちまでよく見えるという。夜には釜山で打ち上げた花火も見えるそうだ。
軍艦島みたいに建物がたくさん建ってる島があった。
軍艦島みたいに建物がたくさん建ってる島があった。
韓国は見えなかったが、目の前にある不思議な島はよく見えた。小さな島なのに建物がたくさん建っていて、ちょっと軍艦島を彷彿させる。

海栗島(うにしま)といい、航空自衛隊のレーダー基地だそうだ。これとは別に、山の上には海上自衛隊がある。また下対馬には陸上自衛隊(山猫部隊)もある。他にも海上保安庁の巡視艇やら、水産庁の取締船などもあって、このあたりはさすが国境の島という感じだ。
ここにも韓国人観光客のご一行がやって来た。
ここにも韓国人観光客のご一行がやって来た。
しばらくするとまた観光バスが1台やって来て、中から韓国人観光客がぞろぞろと降りてきた。

韓国風の建物、飛び交う韓国語。
日本でこんなに韓国気分が味わえるところもそうそうないんじゃないだろうか。
韓国展望所は、入り口の門から韓国風だった。
韓国展望所は、入り口の門から韓国風だった。

手軽に行ける海外

という感じで、対馬では韓国人観光客がうわさに違わず、というか予想をはるかに超えて多かった。離島でこんなに大勢の観光客を見るとは思わなかった。

もっとも、数で言ったら東京を訪れる韓国人客の方がずっと多いだろう。が、対馬は元々の人口が少ない上に日本人観光客もほとんどいないので、相対的に異様に多く感じた。
韓国から来た人々はみな楽しそうだった。
対馬は多くの日本人からすると、「国内なのに下手な海外より行きにくい、特に理由がない限り行かない場所」なのかもしれないが、韓国人からすると、「超手軽に行ける海外」として魅力があるのではないだろうか。お手軽だが、文化は完全に日本なのでちゃんと海外気分を楽しめるのもいいところではないかと思う。
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