特集 2012年3月23日

ありえないところに釣り人がいる

釣り人は、どんな冒険家よりも先回りしてそこにいる。(川口浩探検隊のテレビカメラのように)
釣り人は、どんな冒険家よりも先回りしてそこにいる。(川口浩探検隊のテレビカメラのように)
釣り人がどんなところにもいる。

物理的に無理っぽいところでも、辻褄が合わないところでも、アリバイが成立しないところでも、冒険家が命懸けで辿り着いた前人未踏の地だろうと、とにかくどんなところでも釣り人がちょこんと座って釣り糸を垂れている。今の科学では証明できないと言っても過言ではない。…いや、それはちょっと言い過ぎた。

でも、ほんとに「どうなってんの?!」と言いたくなるくらい意表を突くところに釣り人がいる。その様子をレポートしたい。
長崎より九州のローカルネタを中心にリポートしてます。1971年生まれ。茨城県つくば市出身。2001年より長崎在住。ベルマークを捨てると罵声を浴びせられるという大変厳しい家庭環境で暮らしています。

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一見ただの防波堤で釣りをしてる人に見えるが…
一見ただの防波堤で釣りをしてる人に見えるが…

釣り人は現代のオーパーツ

上の写真、ただ防波堤で釣りをしてる人にも見えるが、カメラを引いて見ると…
陸と繋がってない。
陸と繋がってない。
釣り人が座っている防波堤が陸と繋がってないのだ。向かいの防波堤は陸続きだが、ジャンプして渡るには無理がある。スーパーマリオだって海に落ちるくらい距離がある。
なぜそんなパズルみたいなところに釣り人は座ってるのか?
なぜそんなパズルみたいなところに釣り人は座ってるのか?
こちらはもっとすごい。 (すごいというかひどいというか…)
こちらはもっとすごい。 (すごいというかひどいというか…)
ぼんやりと海を眺めていたら、
よく見ると…
ん? あれは……
ん? あれは……
釣り人だ!
釣り人だ!
およそ罰ゲームとしか思えないところに釣り人がいる。
おっ、釣り人。
おっ、釣り人。
遠くに釣り人の姿が見える。
もしや、と思って別アングルから見ると…
やはり陸で繋がってない!
やはり陸で繋がってない!
いやいや目の錯覚でしょ?と思うかもしれないが、そうではない。拡大してみれば…
釣り人だ。
釣り人だ。

モーゼだろうか?

これらの釣り人は一体どうやって海を渡ったか、不思議に思う人も多いと思う。

釣り人は海の上でも歩けるのだろうか?
海の上を歩いてる。
海の上を歩いてる。
中には上の写真のように歩いて渡ってしまう人もいるが、多くは「瀬渡し」と言って、早朝に小型の船で渡してもらい、夕方迎えに来てもらうシステムでやっている。(いずれ私もチャレンジしたいと思う)

しかしそれにしても、「もし迎えの人が忘れたりでもしたらどうするんだろう?」とか、想像すると不安な要素はいっぱいだ。(小便は海に向かってするとして、大は?とか)
「猿の惑星」を思い出した。
「猿の惑星」を思い出した。

人類が滅亡した後でも釣り人はいるだろう

人が滅多に来ない場所が私は好きで(そういうところほどいいネタが転がってるものだ)、 たまにネタ探しにわざわざ人がいないところを求めて行く。

上の写真もそんな場所のひとつで、湾に漂う廃船を見ながら、
「この雰囲気、『猿の惑星』のラストシーンみたいだなぁ。」
などと考えていた。(=砂浜に自由の女神が埋まってるアレ)

さらにもう少し奥へと進むと、人類滅亡後の地球的雰囲気から一転、当たり前のように釣り糸を垂らしてる人がいて呆気にとられた。
たとえ地球が滅亡しても釣り人だけはいるに違いない、と思った。
たとえ地球が滅亡しても釣り人だけはいるに違いない、と思った。

軍艦島に行った時にも

漁船に乗って行った。
漁船に乗って行った。
!
軍艦島は、2009年から上陸できるようになり、私も一度上陸して来た。

「いやいや、これはさすがに迫力あるなぁ」
と、その非日常的光景に感慨に耽っていたわけだが、帰り際にふと海側を見て我が目を疑った。
え?!
え?!
こんなところに釣り人?!
こんなところに釣り人?!
軍艦島のすぐ横の、柱の跡のような物の上に釣り人がいた。

ある意味、軍艦島の光景以上に驚いた。
(しかもどうやってあそこに飛び乗ったんだろう?という高さ。かつ日差しを遮るものが一切無い、トイレは…?、落ちたら…?)
すごい岩。
すごい岩。
こちらは船で沖に向かって5kmほど行ったところにある大角力という島(岩?)を見に行った時のこと。

写真からもわかるように、かなり鋭角にそびえ立った島で、そこに人がいるなんてことは予想だにしなかったのだが…
えええ?!
えええ?!
島の反対側へと回ってみると、岩にへばりつくように釣り人がいたのだ。
ものすごく驚いた。もう、私を驚かせるためにいるとしか思えない。
ものすごく驚いた。もう、私を驚かせるためにいるとしか思えない。
そのすぐ隣にも無人島があって…
島全体が斜めに傾いている。無人島。
島全体が斜めに傾いている。無人島。
そこにもやはり釣り人が。
そこにもやはり釣り人が。
と、とにかくどこにでも釣り人がいる。

どんなに「ありえないだろう」と思うところ(場所的にも日時的にも)だろうと、さながらマジックショーのように釣り人はそこで釣り糸を垂れているのだ。

アポロ宇宙飛行士たちが見たのもたぶん…

1969年アポロ11号が初めて月面に着陸した時、その様子は全世界にテレビ中継されたが、着陸直後の2分間、通信が途絶えている。その間に何があったのか?が各地で議論されていて、「UFOを見たのでは」とか、「月にあるはずの無いものがあったのでは」とかいろいろと物議を醸してきたわけだが、私の想像ではおそらくそれは「釣り人」だ。

月に着陸した宇宙飛行士は、そこで釣りしてる人を見かけて、「…ってわけなんだけどどうする?」「それはちょっと無かったことにしよう」というやり取りをしたのではないかと。そんな想像力を働かせてしまうくらい釣り人は神出鬼没だ。
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