特集 2012年3月26日

頑張りすぎだよアメリカンパワーブレンダー

こういうこともできちゃうミキサー
こういうこともできちゃうミキサー
ある日の夕食時、妻が「新しいミキサーが欲しいんだけど」と言い出した。

いいんじゃないだろうか。家にあるのが最近調子悪くなってきてたみたいだし、電器店で3000円くらいから並んでいるのを見たことがある。ちょっといいのにしてもまあ1万円くらいだろう。

そう思って気軽に「いいんじゃない」と返事をしたら、「でも、8万円するのよ」と妻。えっ?
1973年東京生まれ。今は埼玉県暮らし。写真は勝手にキャベツ太郎になったときのもので、こういう髪型というわけではなく、脳がむき出しになってるわけでもありません。→「俺がキャベツ太郎だ!」

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夢がふくらむぶっ飛びミキサー

8万円のミキサー。自分内の常識を超えた価格。製品の噂を聞いた妻の説明では「とにかくすごいのよ」とのフレーズが何度も出てきた。

そりゃそんな値段するんだからすごいだろう。とりあえずはどんなものか見てみたくなってきた。いろいろなところで実演販売をしているそうなので、調べて行ってみよう。
会いに来たぞ
会いに来たぞ
君か、お高くとまってるのは
君か、お高くとまってるのは
やってきたのはショッピングモールにあるおしゃれ系雑貨店。たまたま実演販売員のいないタイミングだったようだが、食材とともにミキサーが置かれている。
桁が一つ違うんじゃないか
桁が一つ違うんじゃないか
「バイタミックス」という名前のこの製品。情報通り79800円という価格がついている。改めて目にして、息を呑む値段だ。

茫然と立ちつくしていると、販売員が戻ってきて、「どうぞどうぞ、ちょっと食べてみてください」と、この製品で作ったものの試食を勧めてきた。
フルーツで作ったスムージー
フルーツで作ったスムージー
ピーナツバターもできるらしい
ピーナツバターもできるらしい
まずは果物をミックスしたスムージーを飲んでみる。…おおっ、なんだこれは。予想以上のなめらかさ。テュルテュルとしたのどごしが新鮮。

材料をそのまま入れて作ったというピーナツバターも、ねっとりとした食感がおいしい。作りたてということもあってか、風味がとても強いのもインパクトがある。
パンフレットの疑問点
パンフレットの疑問点
これはすごいな……でもなんかやばい流れだな…。妻も試食して「ねっ!ねっ!」と連呼している。

ここは一度落ち着こう。とりあえず冷静にパンフレットを見てみようではないか。そこには「混ぜる」「潰す」といった食品加工の機能が紹介されている。

その中で違和感があったのが「加熱」。それはミキサーの機能ではないだろう。
繊維質の多い材料を投入
繊維質の多い材料を投入
そのことを販売員に聞くと、「このミキサー、4~5分回すと摩擦熱であたたかい料理もできるんですよ」とのこと。

摩擦熱?あれか、寒いときに手をこすり合わせるとあったかくなるやつか。確かにミキサーは回転部分と材料とがこすれると言えばこすれるけど、あったかくなるほどだろうか。
いよいよ本気出してきた
いよいよ本気出してきた
にわかに信じがたい話だが、販売員は「じゃあ実際にスープ作ってみますね」と、中にゆでたサツマイモとゴボウを入れ、豆乳・コンソメキューブを加えて混ぜ始めた。

今回は少々時間がかかるので、その間販売員さんにいろいろ話を聞く。やはり自宅に持っているそうで、そのすごさに惚れ込んでこの仕事をなさっているとのこと。ただ、今でも旦那さんにこの機械の値段は話していないそうだ。

自分の場合、もう知ってしまったのだが。どうリアクションすればいいのだろう。
あったけえ!
あったけえ!
話しているうちに、いい感じにできてきたようだ。容器部分を触ってみると、本当にあったかい。上の蓋を外すと、湯気も立っている。

それでいて本体部分は全く熱を持っていないので、モーターの熱が移って温かくなっているわけではないことがわかる。物体は、超混ぜるとあったかくなるのだ。理屈でわかっても目の前でこうして起きるとやはり驚きがある。
未知の物質ができあがった
未知の物質ができあがった
こうしてできあがった「サツマイモとゴボウのコンソメスープ」。飲んでみる。口にまず訪れたのは驚きのプルプル感。

味の前の食感から意外。ゴボウが入ってるとは思えないなめらかさ。妻も「なにこれー」と、思う壺にはまっている。ただこれは、はまって楽しい壺だ。

もちろん味わいもコクがある。「素材の味が引き出されてる」ってこういう感じかというまろやかさ。
冷静になるにはここを見るんだ
冷静になるにはここを見るんだ
切るのではなく「粉砕」
切るのではなく「粉砕」
わかった、この製品のすごさはよくわかった。ただ、そのぶん値段もすごいという現実も忘れてはならない。おかしいだろ、ミキサーに8万円って。

煮詰まって無言でいる私たちに、販売員が「海外だとiPhoneとか入れちゃう人もいるみたいです」と告げた。

えっ、今iPhoneって言った?そう、厚く頑丈なブレードで、そうした工業製品も粉々になるらしいのだ。

なんか来た。自分の心になんか来た。ついに壁が壊れた。未知のおいしさに触れてその性能を見せつけられたあと、iPhone粉砕で背中を押されたのだ。
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バカが考えるホールフード

「新しい調理器具でおいしい料理作っちゃうよ!」という持続性が心配な妻のときめきと、「とにかくすげえパワーだ!」という小学生男子的な私の憧れとが交錯して放った光は、自宅にこのミキサーをもたらした。
おめでとうございますと自分に言いたい
おめでとうございますと自分に言いたい
ついにやった…俺、やっちゃったんだ……という緊張感が表情に出てしまっている。電気製品を買って期待と不安が入り交じる気持ちになるのは久しぶりだ。
「2 PEAK OUTPUT HORSEPOWER」って
「2 PEAK OUTPUT HORSEPOWER」って
こういうことか
こういうことか
箱には製品の特徴などが英語で書かれている。「2 PEAK OUTPUT HORSEPOWER」というのは2馬力ってことだろう。頭の中で2頭の馬がミキサーの周りをぐるぐる回り始めたが、そういうことでいいんだろうか。

「386km/h」ともある。あれか、スーパーカーか。別紙によると、回転数としては毎分37000回転だそうだ。
トロフィー気分で
トロフィー気分で
シンプルでかっこいい操作部分
シンプルでかっこいい操作部分
取り出してみると、改めてでかい。この手のものは店で見たときと比べて、家で見ると急に大きく見えることがあるが、これもそうだ。このあたりもやっちまった感を演出する。

高額な商品だが、最新のテクノロジーで多彩な機能というわけではない。できることと言えば、ただただ刃が回るだけ。
ここが心臓部
ここが心臓部
あんまり聞いたことない期間
あんまり聞いたことない期間
速度の調整ダイヤルこそあるが、タイマーもなく、どこかに光るスイッチがついていたりということもない。消費電力は最高で900Wだそうだが、そのエネルギーは全て刃を回すことに費やされる。

それって電子レンジとかの電力だろ。それを刃をグルグルさせるだけのために使うというのだからバカげてる。7年という保証期間まで強力だ。
なるほど、ホールフードか
なるほど、ホールフードか
そこで毛蟹ちゃん登場
そこで毛蟹ちゃん登場
製品には「ホールフードレシピ」と題されたレシピ本がついてくる。ホールとはここでは「whole」、つまり「全体の、すべての」とかいった意味の言葉。材料を丸ごと使った料理ということだ。

普段は捨てている種や皮なども使って、そこに含まれている栄養素を取り入れようという、健康志向の提言だろう。タイミングのいいことに、ちょうどこの日は実家から毛蟹が届いたのだ。
お前ならできるはず
お前ならできるはず
そういうことならと、容器に殻ごと投入。ちょっとハードかも知れないが、そこに馬が2頭いると思えば、こんなの楽勝という風にも思えてくる。

ドキドキしながらスイッチオン。モーターがうなる音とともに、蟹がバキバキ言い始めた。
ほぐし身的にはなってるが
ほぐし身的にはなってるが
これは無理だろ
これは無理だろ
しばらく回して中身を取り出してみる。…うーん、殻は確かに壊れているけど、なめらかになっているわけではないビジュアル。実際、口に入れると殻の破片が大きく感じられ、かなりの不快感がある。

回しながら見ていたときも、あまりちゃんと混ざっていないように見えた。材料に流動性がないため、刃の当たらない部分に材料が収まってしまっていたのだ。
お湯を追加して性能を発揮させたい
お湯を追加して性能を発揮させたい
なんかファンシーな色になってきた
なんかファンシーな色になってきた
そのため、ここでお湯を加えてみる。改めてスイッチを入れると、水分が行き渡って全体がしっかりと回り始めた。色もなんだかイチゴミルクみたいになってきている。

そういえば「蟹の殻にはキチンキトサンって栄養があるのよ」と、よく栄養の話をする母が言っていた。やってることはバカみたいだが、栄養面での意味合いはあるのかもしれない。
どこかで見たことあるこの感じ
どこかで見たことあるこの感じ
これならあり得る
これならあり得る
しばらく回して中の様子を見ると、すっかりペースト状になっている。色味からしてもなんだか見覚えのある感じがして、思い当たったのはフルーチェだ。

すっかりデザート気分になったつもりかも知れないが、食べてみるとしっかりと濃厚な毛蟹味。エキスが全体に広がった味わい。殻の粒状感はまだあるが、この程度なら食べ物としてありかも、というところまで砕かれている。
毛蟹丸ごとスープ
毛蟹丸ごとスープ
よく見ると毛がピロッと出てる
よく見ると毛がピロッと出てる
調味料を加えながら鍋であたため、玉子を溶いてスープに仕立てる。蟹率がかなり高い贅沢な一品だ。

食べた感想は、まあいけるけど、やっぱり殻は入れない方がうまいだろうな、というもの。そこは「栄養とってる感」でカバーして、さらなる境地を求めてみよう。
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新しいホールフードのスタイルを求めて

私が毛蟹を片付けたあと、妻が普通の材料を使ってスムージーを作っていた。
きめ細かくてうまい
きめ細かくてうまい
いくつかの果物に加え、小松菜を混ぜたもの。色合いがきれいな上、舌触りもなめらかでおいしい。普通に、いや普通以上にうまい。

そういう真っ当な方面は妻にまかせて、私は独自の可能性を拓いてみたい。
スムージーの材料にも使われるアボカド
スムージーの材料にも使われるアボカド
でも気になるのはこの特徴
でも気になるのはこの特徴
この機械、その力強さを示すためか、パンフレットには「アボカドの種さえも瞬時に粉砕」とある。実だけではなく、種にも貴重な栄養素が含まれているらしい。

まさにこれがホールフードというやつなのだろう。ならば、これまで捨てられてきた部分に、局所的なスポットを当ててやりたい。
今日の主人公は君だ
今日の主人公は君だ
それにしても硬い
それにしても硬い
アボカドの種が粉砕できるなら、それが主役の一品を作ってやろう。アボカドの種ジュースだ。

これまで何も気にせずゴミ箱行きだった大きな種。改めて手にしてみると、その硬さに驚いた。ナッツ類も言ってみれば種の一種だろうが、これはそれらと違い、まるで歯が立たなさそうな硬さ。

でもバイタミックスならやってくれるのだろう。水と一緒に投入して、スイッチを入れてみる。
砕けてる砕けてる
砕けてる砕けてる
ほどなくミルキーに
ほどなくミルキーに
しばらくガタンゴトンと音を立てながら、種はみるみるうちにクラッシュ。すげえと思っていると、どんどん細かくなってココナッツミルクのような感じになってきた。

意外な色に変身したアボカドの種。中の成分が溶け出しているのだろう。これは栄養ありそうだ。
すっかり液状になった種
すっかり液状になった種
左の写真の数十秒後
左の写真の数十秒後
乳白色の液体になった種。飲んでみようとグラスを用意。容器を取り出して注ごうとすると、ずいぶん色が変わっている。この間、たぶん数十秒ほどなのだが、何かドラマチックなことが起きているだろうか。

いろんな意味で未知の世界を見せてくれるパワフルミキサー。どんな味がするのだろうか。
これはうまそう
これはうまそう
レモンの欠片を浮かべ、アボカドの実をグラスのふちに添えてみる。色も赤肉メロンのような感じで、トロピカルムードが漂ってくる。では飲んでみよう。
これは…
これは…
図工室の味だ!
図工室の味だ!
飲んで一発でわかる味。端的に言って、木の味だ。この感じ、図工の時間の木工作でおがくずが口の中に入ってしまったときのことがよみがえる。

栄養はあるかもしれないけど、健康になることの大変さを味わったようにも思う。ただ、今回のように単体で使うのではなく、上手に他の材料と組み合わせれば、よい意味での渋みを加えて味を深めることはできるのかもしれない。

もう少しホールフードの曲解を続けてみよう。今度はすでにできあがっている料理を、丸ごと一体化するというアプローチだ。
この完成された味を
この完成された味を
もう一度生まれ変わらせる
もう一度生まれ変わらせる
今回用意したのはカップヌードル。ベストセラーのカップ麺はすでに完全にできあがっている品物だと思うが、これをホールフード化してみたい。

容器に入れて、スイッチオン。1分もしないうちに、かなりなめらかになった。
ピーナツバターみたいになった
ピーナツバターみたいになった
思っていたより粘度が高い。素材の味を引き出すのがこの機械の特徴のひとつだが、この試みはどんな味わいになるのだろうか。
一見普通ですが
一見普通ですが
中身はこんな状態
中身はこんな状態
飾り用に少し取っておいた具をトッピングして盛りつける。においはいつものカップラーメンだが、ビジュアル面では自分でやっててわかっているのに、とてもそうは思えないのが不思議な感じ。
スプーンで食べるラーメン
スプーンで食べるラーメン
箸ではつかめないので、スプーンですくって食べてみる。…におい同様、味も確かにカップヌードル。ただ、食感が全く異なるので、元々がラーメンだったことを思い出すと頭が混乱する。

決してまずくない。ただ、ねっとりとした食感と食べ慣れた味とが一体になっているのがどうにも解せない。ラーメン風の味付けのポタージュだと考えを切り替えればなんとか納得できるというところだろうか。
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「たた混ぜる」という調理

強力なエネルギーで様々なものをグイグイ混ぜるこの機械。当サイトで「混ぜる」と言えば、大きな注目を集めた「納豆を一万回混ぜる」というライター古賀さんの記事。

よく混ぜるとおいしくなるという納豆を、箸を手で持って1万回混ぜるという試みだ。最終的に納豆がカニ味噌みたいな味になったという結果も意外だった。
知らない世界見せてやるぜ
知らない世界見せてやるぜ
一万回の世界にあっという間に届くスペック
一万回の世界にあっという間に届くスペック
回転数が1分間当たり37000回というパワーを誇るこの機械。計算すると、1万回混ぜるのに17秒ほどだ。

古賀さんは手動で混ぜて1時間40分かかったとのこと。カニ味噌味の納豆は食べてみたいけれど、そんなに時間がかかるなら大変すぎると思っていた私にちょうどいいではないか。
なんか…おもしれえ!
なんか…おもしれえ!
十数秒でこのなめらかさ
十数秒でこのなめらかさ
努力や苦労の積み重ねは完全に排除。全くもって無粋だが、文明の発達にはそういう側面があるのだ。

アメリカンパワーでの納豆まぜまぜ。何も乗り越えることなく、スイッチひとつでちょっと待つだけである。高速で回転している納豆を見ると、なぜだか楽しい気持ちになってきた。

17秒回したところで1万回。本当にあっという間だ。
ものすごくクリーミー
ものすごくクリーミー
食べてみる。…口の中にカニ味噌の味が……広がってこない。

完全にクリーム状になっている納豆は、味もあくまで納豆のまま。その風味は弱くなっているというか、まろやかになっているというか、予想とは逆方向に振れたもの。これは意外だ。

カニ味噌味の納豆は、人力で混ぜたことによる奇跡だったのか。ここに文明の敗北があったのだ。

よくも悪くもまろやかになっていた1万回納豆。ならば、よく混ぜることでまろやかになることがプラスの評価につながる食材を試してみればいいのではないか。
例えばそれは牛乳
例えばそれは牛乳
普通は何かと混ぜるところをソロ活動
普通は何かと混ぜるところをソロ活動
そういう視点で考えたとき、牛乳はどうだろうか。もともとまろやかな味の牛乳が混ぜられることによってさらにまろやかになれば、きっとおいしくなると思うのだ。

そういうわけで、ただ牛乳のみを容器に入れて1分ほど混ぜてみる。牛乳オンリーシェイクだ。
見た目上の変化なし
見た目上の変化なし
グラスに注いでみる。表面に細かい泡が立ってこそいるが、普通の状態とほとんど変わりはない。ただ、飲んでみて違いがすぐわかった。甘みがぐっと出てきているのだ。

錯覚かと思って、別室にいた妻に何も言わず勧めてみると、「甘いねー、なんか入れたの?」とのこと。やっぱりそうだ。何がどうなってるのかわからないが、何かが起きているらしい。
せっかく固形になった君だけど
せっかく固形になった君だけど
その成長を戻すようでごめん
その成長を戻すようでごめん
こういう方向性でおいしくなりそうな食材は何かと考えて、思い浮かんだのは豆腐。シンプルで薄い味である分、素材の味が前に出てくるのではないかと思ったのだ。
あっという間に液状に
あっという間に液状に
ほかほかで湯気が上がる
ほかほかで湯気が上がる
スイッチを入れて回してみると、元々が柔らかい食品のためか、すぐさま液体のようになって勢いよく混ざり始めた。これってもしかして、豆腐をその材料である豆乳に戻してるだけなんじゃないだろうか。

そんな風に思いつつ、今回は加熱もしようと考えて5分ほど回してみた。摩擦で熱が生じて、蓋を開けると湯気で立ち上る。
本日の一品「豆腐の18万回混ぜ」
本日の一品「豆腐の18万回混ぜ」
計算すると18万回ほど混ぜられているこの豆腐。とろとろになったのを器に盛りつけ、醤油を垂らしてネギを散らせる。豆腐を混ぜただけなのに、ちょっとした一品料理のたたずまいだ。
値段を知ってても高級そうに見える
値段を知ってても高級そうに見える
これは……うまい!
これは……うまい!
スプーンですくうと、きめ細かい泡が立っているのがわかる。口に入れてみよう。…これは、とてもおいしいぞ。

まず食感がふわっふわ。そして味は豆腐くささが影を潜め、変わりに甘みが立ち上がってきている。豆乳とは別物のおいしさだ。実を言うと、この豆腐は売り場で一番安かった39円のものなのだが、とてもそうとは思えない滋味がある。

ちょうどよいあたたかさも、味わいを引き出しているように思える。これだけのパワーがあると、混ぜるってそれだけでもう調理なのかもしれない。

赤にしたのはフェラーリみたいだから
赤にしたのはフェラーリみたいだから
ミキサーというありふれた道具でも、パワーが違うと結果もこんなに違うんだと素直に驚いた今回の試み。始めはバカげてると思っていたのだが、今はそのことをわびたい気分だ。

あんたはすごい。今後も壊さない程度にいろいろ試してみたいと思う。
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