特集 2012年12月16日

四畳半プロジェクションマッピング

ただの白い箱がきのこの山に。ワーイ。
ただの白い箱がきのこの山に。ワーイ。
プロジェクションマッピングという技術が2年ぐらい前から流行っている。

ビルなどの立体物に映像を投影して模様や形が変わったように見せるのだ。東京駅のリニューアルオープンでも行われていた(YouTubeにあった映像)。

おもしろそうなので僕にもできないものですかね。

1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

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プロジェクションマッピングできのこの山をたけのこの里に

結論から言うと、できたのだ。この映像を見ていただきたい。きのこの山がたけのこの里に瞬時に変わる。
きのことたけのこが同居する箱
白い箱にきのこの山とたけのこの里の箱を投影している。
………。果たしてこれをプロジェクションマッピングと呼んでいいのか不安になるが、メジャー感あふれるプロジェクションマッピングを畳の部屋に持ち込んだという点では記念碑的な作品ではないか。

明かりをつけたときの畳の縁や出しっぱなしのコロコロが味わい深い(貧乏くさい)。

作りかた

5分でできそうなプロジェクションマッピングだが、意外に時間がかかった。まずプロジェクターが小さいのしかない。いきなり個人的な理由で恐縮だが。
iPhoneと同じサイズのプロジェクター。小さいのはすばらしいがあんまり明るくない
iPhoneと同じサイズのプロジェクター。小さいのはすばらしいがあんまり明るくない
1年前、会社が新宿に引っ越したとき、帰りに新宿プリンスホテルから出る暖房の水蒸気を見て、あそこに自分の姿を映したいと思って買ったのだ。
実際に水蒸気にむかって投影してみたが全く届かず、竹槍でB29を落とそうとした国民ここにあり、みたいな結果になった。

それからしまい込んでいたがプロジェクションマッピングのために再び登場である。

こうすりゃできるだろという安易なやりかた(失敗します)

たけのこの里の箱の絵を白い箱に投影すればいいんだろう。ふんふんと軽い気持ちで作ったのが以下の手順である。
たけのこの里を写真に撮り…
たけのこの里を写真に撮り…
写真加工ソフトでまわりを黒く塗る
写真加工ソフトでまわりを黒く塗る
きのこの山の箱に…
きのこの山の箱に…
コピー用紙を貼って白くする
コピー用紙を貼って白くする
白い箱にたけのこの里の映像を投影すればできるだろ、と思ったら…。
はい、失敗
はい、失敗
プロジェクションマッピングの作り方を調べると、パソコンで3Dのモデルを作り、その結果をプロジェクターを複数台使って投影するらしい。ざっくり言うと、とても大変、ということだ。

くさって天井にあてて遊んでたらおもしろい絵が撮れた。もうこれでいいかもしれない。
ゼビウスの板のように浮くたけのこの里
ゼビウスの板のように浮くたけのこの里

とりあえずの方法

試行錯誤の結果、遠近感がない映像を投影すると箱全体に映すことができた。
こんな遠近感ゼロの映像を
こんな遠近感ゼロの映像を
80度ぐらいの角度で当てる
80度ぐらいの角度で当てる
まーこれでいいんじゃないでしょうか
まーこれでいいんじゃないでしょうか
そしてできあがったのが冒頭の動画である。

さらに余計なことをしたのがこの動画。
きのこの山を食べてしまったり、スーパーマリオやフリスクにもなる
お菓子だけではなくファミコンカセットの箱にもなるという夢のような映像である。小学5年生の夢だ。あとファンタがあれば完璧。

パッケージを開けたときのきのこの山にあんまり(ほぼ)立体感がないのは、絵に描いた餅というメッセージを伝えたかったからである(強がり)。
このシーンは
このシーンは
こういうことがしたかったんです
こういうことがしたかったんです
ただ、影と光を描いたら立体的になった。
きのこの山の箱の上に浮く、ターバンを巻いた自分。ずいぶん分りにくいことになってしまった。
きのこの山の箱の上に浮く、ターバンを巻いた自分。ずいぶん分りにくいことになってしまった。

プロジェクションマッピろうぜ!

ドラえもんで自宅に温泉の映像を投影して家にいながら温泉気分という話があった。あれはきっとプロジェクションマッピングだ。
あれができるようになったら、温泉旅館に自宅の部屋の映像をうつして旅行気分ゼロというのもやってみたい。
テトリスブロックを下から見たらこんな感じかな
テトリスブロックを下から見たらこんな感じかな
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