特集 2013年2月13日

口の形から作るキスチョコ

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キスチョコというチョコがある。 スライムみたいな独特の形をしたチョコだ。

その気になる名前の由来には諸説あるらしく、 中でも製造器がチョコを絞り出す様子がキスしてるみたいだからというのが有力らしい。 確かにあの形はキスする時の口の形に合う気がする。

とはいえ本当にキスの口でチョコを出したら、そんなキレイな形にならないだろう。 じゃあどんな形になるのか、と疑問に思ったら試してみたくなりました。
1985年生まれ札幌市出身。髪がとても硬いため寝癖がなかなか直りにくい体質。そのためよく帽子をかぶっています。

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これがキスチョコ

バレンタインシーズン真っ盛りの中、レジで「お包みしますか」と聞かれ、自分の性別を改めて確認しながら買ってきたこれがキスチョコである。
ハグでキス。欧米かと突っ込む隙もない完全なる欧米。
ハグでキス。欧米かと突っ込む隙もない完全なる欧米。
底は平らになっている。
底は平らになっている。
これがまるでキスするように機械から作られている姿は想像しにくい。 そもそも機械のキスというものが全然イメージ沸かない。

ただ人に置き換えるとなんとなく分かるような気がする。 イメージにするとこんな感じだろうか。
顔の長さは気にしないでください。
顔の長さは気にしないでください。
絵心のなさからとてもキスの唇とは程遠いのは置いといて、 誰も正解を知らないのをいいことに言うが、雰囲気としては近からず遠からずではないか。
実写でも再現。
実写でも再現。
確かにピッタリだと思う。
確かにピッタリだと思う。
キスチョコの由来説には「製造時の音がキスの音に聞こえるから」というものあるらしい。

ただそれだと工場中に妙な音が響き渡り続けることになるから、キスするように作られてる説が有力だと思う。

口からチョコを出す

それで本題の「本当の口でチョコを作ったらどうなるのか」だが、 これはどうやってみたらいいのだろう。

考えられるのは唇を型取りして柔らかい素材で成形し、 それをチョコの絞り口として使ってチョコを出す道具を作る方法。
想像図を描いたらツチノコの亜種みたいになった。
想像図を描いたらツチノコの亜種みたいになった。
ただ自分でキスっぽい口を作ってみたらとっても気色悪かった。 自分の口を型取りするのはやめておこう。
その代わりとしてのマスクである。
その代わりとしてのマスクである。
マスクから取った型を粘土で固定。これに着色した原液を流し込む。
マスクから取った型を粘土で固定。これに着色した原液を流し込む。
思いっきり漏れ出たので思いっきり雑な修正をする。
思いっきり漏れ出たので思いっきり雑な修正をする。
念のためマスクでもしておこう。
念のためマスクでもしておこう。
流した原液は、固まると人肌に近い柔らかさになるタイプの物。

粘土の方から大量に漏れ出ているのは気になるが、 固まれば本物に近い唇が出来るはずである。

それが出来れば、その唇を絞り出す口としてチョコを絞り出せばいいはず。
漏れるなよ!絶対漏れるなよ!
漏れるなよ!絶対漏れるなよ!
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こぼれた

前フリでお気づきかと思いますが、 先ほど型に流し込んだ原液は完全に漏れ出しました。
5時間後の惨状。
5時間後の惨状。
仮面でもやってて本当に本当に良かった。
仮面でもやってて本当に本当に良かった。
しかし不安なことに一向に固まる気配がない。 だいたい5時間ぐらいで固まると原液の説明書には書いてあったのだけど、 なんらかの分量を間違えたのか。

やり直すにしてもまた時間もお金もかかるからすごく怖い。とりあえず一日様子を見ておこう。
はい固まりませんでした。
はい固まりませんでした。
翌日になってもまったくダメだった。調べてみるとこの原液は0.01g単位で精密に計るぐらいが理想らしい。

いままで100円ショップで買った1メモリ20gの秤を使ってた。そりゃダメだ。
いまの精神状態。
いまの精神状態。
仮面がちょっとおもしろくなっただけでは、とても終われない。 ちゃんと計量してもう一度やろう。
これで失敗したらもうあきらめる宣言。
これで失敗したらもうあきらめる宣言。
もう二度と漏らさない。
もう二度と漏らさない。
もう二度と適当に計らない。
もう二度と適当に計らない。
でも自分を信用できないので、漏れることを想定して箱に入れておく。
でも自分を信用できないので、漏れることを想定して箱に入れておく。

もっと唇を

きちんと計ったからたぶん大丈夫だろう。が、もしものこともあるので リスクマネージメントはしておきたい。
別の唇も用意しておこう。
別の唇も用意しておこう。
まずは熱湯で柔らかくなるおゆまるから出来た唇。
まずは熱湯で柔らかくなるおゆまるから出来た唇。
いま人肌のゲルを流し込んでる型とほぼ同じものだが、 途中でこれそのままでもいいじゃないかと気づいた。
赤いホットボンドはマスクの裏側に盛って形を作る。
赤いホットボンドはマスクの裏側に盛って形を作る。
うわぁ…これはなかったことにしよう。
うわぁ…これはなかったことにしよう。
ひょっとこは言わずもがなである。
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意外な健闘を見せるひょっとこ

流し込んだ型が固まるまでまだだいぶかかりそうなので、 別に用意した唇でチョコを出すとどんな感じになるか試してみよう。

ひょっとこはこれ以上ないぐらいにキス顔であるから、 今回の試みにうってつけである。
裏から漏斗で口に流し込む。
裏から漏斗で口に流し込む。
お好きな効果音を脳内再生してください。
お好きな効果音を脳内再生してください。
かなりのディープキスでした。
かなりのディープキスでした。
あ、なんかキスチョコっぽい、かも。
あ、なんかキスチョコっぽい、かも。
本物と並べてみた。
かなり健闘している。
かなり健闘している。
チョコが溶けすぎてはいるが、 スライムのように上に尖ってるあたりとかだいぶ本物に近いのではないだろうか。

キスチョコのキスはひょっとこ説浮上。 欧米人のキスは、ひょっとこみたいなのが一般的なのかもしれない。

キスというより噴射

次はおゆまるでマスクから型を取った口だ。 ひょっとことはまた違う、艶めかしいキスチョコを見せて欲しい。
ポリ袋を付けるためにホッチキスで留めたら、随分パンクになった。
ポリ袋を付けるためにホッチキスで留めたら、随分パンクになった。
噴出するようにチョコを出す。
噴出するようにチョコを出す。
その後なめらかなキスへと移行。これが欧米式なのか。
その後なめらかなキスへと移行。これが欧米式なのか。
「プハァッ」と息が聞こえた気がした。
「プハァッ」と息が聞こえた気がした。
ひょっとことだいたい同じような形だ。
ひょっとことだいたい同じような形だ。
口から出たチョコは概してこんな形になるのかもしれない。
口から出たチョコは概してこんな形になるのかもしれない。
口の形が横に広い分、ひょっとこよりやや崩れた形ではあるが 似た形状になった。ひょっとこだろうと仮面の型だろうと、キスはキスということだろうか。

いやどっちもキスじゃないです。

ひょっとこ=アメリカン・ラブ

実際にキスでキスチョコのような形はもちろん出来ないと思う。 ただ近い形にはなることは分かった。特にひょっとこ並に唇を前に突き出すとより効果的。 欧米人はひょっとこみたいなキスをよくするのだろうか。

ひょっとこのお面が売られてる日本は欧米人から見たらとんでもなく卑猥な国に見えてるのかもしれないし、見えてないのかもしれない。
あ、そういえば固まりませんでした。
あ、そういえば固まりませんでした。
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