恋人の手を握る瞬間
休日の昼下がり、手をつなぎ歩いているカップルを見ると幸せな時間が流れていることを実感する。彼女の左手と彼氏の右手、その逆も然り、幸せのお手本とも言えるのが手をつなぐ行為ではないだろうか。
幸せな時間
中でも恋人の手を握る最初の瞬間はドキドキするものだ。「手つなぐ?」と聞いてから手を握るのもいいが、若干後ろを歩く恋人の手を振り向かずに握るというのもドキドキが増していい。私はこの手の握り方が好きだ。
手を取る最初の瞬間がドキドキして好き!
もっともこの「手をつなぐ」という行為は一人では成り立たないものだ。どんなにドキドキしたくても恋人がいなければ実現しないのである。しかし、私はそのドキドキを一人で手に入れることに成功した。一人でも後ろを歩く彼女の手を黙って握る瞬間を作り出すことができたのだ。
一人ですが、この次の瞬間にはドキドキを感じることができます!
ドキドキは一人でも!
我々は「手をつなぐ」という「手」の部分に捕われ過ぎて一人では手をつなげないと思い込んでしまっている。我々が「手をつなぐ」行為から感じたいのは、手を握った瞬間のエレベーターに乗って降りる時の体がフワッとするあの感覚に似たドキドキだ。それを感じることさえできればいいのである。
これでそのドキドキを感じることができます!
リュックサックに傘
上の写真の装置で、手を握った瞬間のドキドキを手に入れることができる。装置と言ってもリュックサックに傘を引っ掛けただけである。ポイントは振り向かずに手探りで傘を探し握ることだ。そうすることで恋人の手を握った瞬間のドキドキを味わうことができてしまう。
普通に歩く
振り向かずに手(傘)を探す
手(傘)を握る
もはや彼女は必要ない。これであのドキドキを感じることができる。彼女の手とはビニール傘なのだ。また傘にシュシュをつけることで、手を探す時や握る瞬間に自分の手がシュシュに触れ、恋人の袖の感触を再現している。
一点だけ問題があり握った瞬間は再現できているが、握り続けると手ではなく傘であると分かってしまう。実際、傘なので仕方がない。そのため、握った次の瞬間には傘を離すことをオススメしたい。
ずっと握ると傘と分かりドキドキは消え、笑顔も消える
彼女の手とはビニール傘だ
「彼女の手=ビニール傘」に行き着くまでには様々な苦労があった。何が一番彼女の手と勘違いできるだろうか、と私は研究を重ねたのだ。世の男性が彼女と手をつなぐ間も、私は彼女の手に近いものを追求した。そのような努力は必ず身を結ぶのである。
ソーセージは違った
フキも違った
伊達巻きはべとべとして全然違った
いろいろなものを試した。写真はその一例に過ぎない。女性の冷え性で少し冷たい手、女性の柔らかい握った時のフィット感のある手、そのような手を私は女性の手以外から探したのだ。その結果がビニール傘だった。そして、シュシュだ。これであの体がフワッとするドキドキを味わえるのだ。
沢庵も違った
一人でもデートができる!
もちろん若干の脳内での思い込みは必要だ。最初から「傘を握る」と思って傘を握っては、いくらシュシュをつけたところで傘である。だって傘だから。大切なのは「俺は今から彼女の手を握るんだ」と思い込んでから傘を握ることだ。
そうると、
デートである
人はこの方法で恋人の手を握った瞬間を味わえたと言っても勘違いでしょ、の一言で片付けるかもしれない。しかし、恋愛とは結局は勘違いの一種なのだから、傘を握って恋人の手と勘違いすることは、勘違いというくくりでは恋愛と同じ場所に属する。つまり恋人と本当に手をつないでいることと変わりないのだ。
幸せな瞬間
先にも書いたように傘を探す時は絶対に振り向いてはダメ。後方に恋人がいない現実を見ることになるからだ。手探りで恋人の手を探すことがポイントだ。そしてずっと握っていると傘なのですぐに離すこと。すると一瞬だけは恋人の手を握った瞬間を味わえる。
「一目惚れ」という言葉があるように、人はその一瞬を大切にする。つまり手を握る瞬間だけでも、手をつないだように勘違いできるなら、もはやそれで問題ないのだ。自分にそう言い聞かせることで強い人間になれると私は信じている。
結局は現実を見たものが負けですよ!(この写真は現実を見た瞬間)
女性の手とは傘である
女性と手をつなぎたくていろいろな研究を重ねてこの結論に行き着いた。リュックサックにビニール傘を引っ掛けてシュシュをつける。非常に簡単な方法だ。これで初めて女の子を握った瞬間のドキドキを味わえるのだ。この事実を知人に伝えたら「は?」と言われた。冷静に考えれば「は?」だけれど、恋愛なんて現実を見たものの負けだ。浮かれ続けることが大切なのだと理解している。
傘を探していてシュシュに触れた瞬間が一番ドキドキする!