特集 2013年5月25日

脳波センサーはウソ発見器になるのか

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バラエティ番組や映画などでよくみるウソ発見器。
一般的なものは発汗や脈拍の反応で測定しているらしいですが、昨今では脳波で反応を測定するウソ発見器も開発されつつあるそうです。

僕のもっている脳波センサーでもウソ発見器みたいな
ことができるんじゃないかな?と思って実験をすることにしました。
1975年茨城生まれ東京在住。 雑魚雑魚というモノ作りユニットで活動しています。


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集中度とリラックス度が計れる脳波センサー

まずは脳波センサーのご説明。
アメリカのneurosky社で開発されたもので
最近だと話題の脳波ネコミミはこのセンサーが使われています。
額にあてたグレーの部分で脳の微弱電波を受信します。
昔どこぞの団体がつけていたヘッドギアと違ってスタイリッシュです
昔どこぞの団体がつけていたヘッドギアと違ってスタイリッシュです
沢山のパラメーター
沢山のパラメーター
今回使う”集中度”と”リラックス
今回使う”集中度”と”リラックス
ヘッドセットには脳波をビジュアライズしてくれるこんなアプリが同包されています。
今回利用したいのは一番反応がわかりやすい右下の集中度(ATTENTION)とリラックス度(MEDITATION)です。
このパラメーターが平常時と比べて激しく動いたときに"動揺"ととり"嘘"をついているということにします。

デイリーポータルZ編集部に乱入してきました

嘘つきはいねーがー。
雑魚雑魚も脳波ネコミミみたく話題になるような脳波ウソ発見器アプリをつくってひと儲けしたいぞー。
その前にお前らの”ウソ”を暴く実験をしてやろうかー!
久しぶりの白衣姿で現れた雑魚雑魚
久しぶりの白衣姿で現れた雑魚雑魚
突然の乱入に驚きの様子を隠せない編集部員たち
突然の乱入に驚きの様子を隠せない編集部員たち
驚くのも仕方がない。
これからお前達のウソをことごとく暴いてしまうからな。覚悟するのだ編集部員たちよ!
怖じけずいて目も合わせないのであろう編集部員たち
怖じけずいて目も合わせないのであろう編集部員たち
微妙な空気になったので仕切り直そうといったん部屋を出ようとしたとき、林さんが雑魚雑魚のセッティングした机にすわって脳波センサーをいじり始めました。
さすが林さん自ら脳波センサーをつけるなんて勇気がある
さすが林さん自ら脳波センサーをつけるなんて勇気がある
思わぬ刺客に緊張が走る雑魚雑魚、変なメガネを取ってしまった
思わぬ刺客に緊張が走る雑魚雑魚、変なメガネを取ってしまった
ということで1人目の実験相手は林さんになりました。
ついでに実験ルールの説明をしましょう。
実験相手に脳波センサーをつけてもらい、
1から6まで番号のわりふってあるコップの中の1つに招き猫を隠してもらう。
黒くて招き猫だかなんだかわからない
黒くて招き猫だかなんだかわからない
あまり考えすぎないようにどうせ当たるんだから
あまり考えすぎないようにどうせ当たるんだから
隠している様子が見えないように雑魚雑魚は背を向け部屋の外にいる。
目でみてなくても脳波でわかっちゃうのさ
目でみてなくても脳波でわかっちゃうのさ
準備ができたら視覚から入る雑念を避けて欲しいのでアイマスクをしてもらう。
雑魚雑魚は席について相手の平常時の脳波状況を確認する。
何でも見透かされそうで怖いだろう
何でも見透かされそうで怖いだろう
対戦開始と同時に集中度があがった
対戦開始と同時に集中度があがった
平常時の脳波が確認できたらこんどは質問を始める“あなたが招き猫を隠したのは○番ですか?”
相手は全て”いいえ”で答えてもらう。
隠している番号をいったときに”いいえ”というのは“ウソ”になるので動揺して脳波が乱れるはずなのです。
平常時の状態をメモっておく
平常時の状態をメモっておく
4番と言った時にリラックス度が上がった!
4番と言った時にリラックス度が上がった!
シメシメの顔になる雑魚雑魚
シメシメの顔になる雑魚雑魚
自信をもって4番を開ける
自信をもって4番を開ける
雑魚雑魚はそれを見極め招き猫が隠されたコップを当てることができるのか?という実験である。
なにはともあれ1人目の林さんの結果は…。
4番空っぽです!ハズレ!
4番空っぽです!ハズレ!
まだ一人目、想定内です。余裕の笑みの雑魚雑魚
まだ一人目、想定内です。余裕の笑みの雑魚雑魚
さぁ2人目はなんでもむかないで食べちゃう安藤さん。
本当はむいて食べたいんだろう?
ウソばかりついて!雑魚雑魚がウソを暴いてあげますよ。
緊張せいか背筋がピントする安藤さん
緊張せいか背筋がピントする安藤さん
似たようなパラメータの位置でとまっているのでこれが変化した瞬間が”ウソ”なのだ
似たようなパラメータの位置でとまっているのでこれが変化した瞬間が”ウソ”なのだ
安藤さんのパラメーターは平均して落ち着いていて1から6まで質問してもあまり変化ない。
早くもピンチの雑魚雑魚。
さぁ脳波よ。教えておくれ安藤さんの”ウソ”を。
そのときコップ3、4の質問の間で一瞬変化が現れる。
一瞬だがリラックス度が通常よりも上がったぞ
一瞬だがリラックス度が通常よりも上がったぞ
雑魚栗原は4、雑魚平野は3
雑魚栗原は4、雑魚平野は3
ここで雑魚雑魚の意見が食い違った。
2人目にして早くも仲間割れか?
ただし番号は3か4である。
ここは一旦雑魚平野の意見3で勝負してみる。
さぁ結果はどうなんだ!
3だけど4ともとれる差し方!
3だけど4ともとれる差し方!
連続ハズレ、どーん!
連続ハズレ、どーん!
しかも正解は3でも4でもない1だった
しかも正解は3でも4でもない1だった
安藤さんが1のコップを開く表情が心無しか遠慮してみえたのは気のせいだろうか。
まだでも2人目だ。この部屋にはあと5人編集部員がいる。
次いってみよう!
雑魚雑魚はドアの外にだされてしまった
雑魚雑魚はドアの外にだされてしまった
さぁ次は最初からかなり脳波センサーに興味をもっていた地主さん。
こうなったら3度目の正直で当てちゃうぞ!
後ろからの視線を感じずにはいられない
後ろからの視線を感じずにはいられない
ハズレを案じているのか波形がXになっている
ハズレを案じているのか波形がXになっている
幾多のプレッシャーを感じながら、今回は短時間で答えを探す作戦にでてみた。
ゆっくり質問をすると動きによっては前後のコップでどちらかわからなくなってしまうからだ。
速く質問することによって流れの中で変化をみようという作戦だ。
3人目にして信憑性が怪しくなりつつあるが、当たろうがハズレようが”変化”をしたときのコップを選んでいるのは最初から変えてはいない。
今回は早い段階で決めた
今回は早い段階で決めた
変化があった
変化があった
この後、その事件は起こる
この後、その事件は起こる
コップ3という確信があったので最後の確認の質問をしようとしたとき事件は起こった。
雑魚平野の「3ですか?」の質問に対してなんと地主さんが「正解です!」と言い放ったのだ。
本来ならば”いいえ”で答えなければならないところである。
オーマイ、ガー!
オーマイ、ガー!
「3でいこうと思ってたのに!」という雑魚平野の言葉を編集部の誰が信じてくれるだろうか。
でもやっと当てる事ができたので心の中ではひと安心だ。
雑魚雑魚の中でもコツみたいなを掴んだように思えた。
やさしい編集部が当たったていで写真をとってくれた
やさしい編集部が当たったていで写真をとってくれた
さてここからはダイジェスト版でお送りします。
最初は7人でしたがあとから編集部に訪れてきたライターさんも巻き込んで最終的には9人と実験ができました。
ここから正解率は上がっていくのかどうか。
きになりますかね?あ、そんなに気になりませんか?

ガッツポーズで雑魚雑魚を追い込む橋田さんとの実験

雑魚雑魚が1を選択、正解は3でハズレ
雑魚雑魚が1を選択、正解は3でハズレ

通りすがりで巻き込まれた榎並さんとの実験

雑魚雑魚が5を選択、石川さんが2を選択、正解は1でハズレ
雑魚雑魚が5を選択、石川さんが2を選択、正解は1でハズレ
石川さんは榎並さんの眉毛の動きで2を選択おしい!
当てられてたら雑魚雑魚は退散するところでした。

頭が真っ白で記憶にのこっていない西村さんとの実験

雑魚雑魚が5を選択、橋田さんが2を選択、正解は6でハズレ
雑魚雑魚が5を選択、橋田さんが2を選択、正解は6でハズレ

同じく記憶にございません石川さんとの実験

雑魚雑魚が5を選択、橋田さんが2を選択、正解は1でハズレ
雑魚雑魚が5を選択、橋田さんが2を選択、正解は1でハズレ
雑魚雑魚は榎並さんのところから思考停止してしまったのか5を選択し続けています。
しかもまたまた橋田さんのほうが正解に近い場所を選択しています。

いい感じで酔って現れた加藤さんとの実験

雑魚栗原にいたってはイスにも座っていない
雑魚栗原にいたってはイスにも座っていない
雑魚雑魚が4と5を選択、正解は4でアタリ、もはや確率論
雑魚雑魚が4と5を選択、正解は4でアタリ、もはや確率論

酔った加藤さんに無理矢理参加させられた後輩の方との実験

雑魚雑魚が2を選択、正解は3でハズレ、最後の力を振り絞ったガッツポーズだ!
雑魚雑魚が2を選択、正解は3でハズレ、最後の力を振り絞ったガッツポーズだ!

この脳波センサーはウソ発見器にはならない

最後のほうは頭が真っ白になりながら走り抜けていった。
こんなに棒立ちが似合う2人がいるでしょうか
こんなに棒立ちが似合う2人がいるでしょうか
肝心の実験結果、“ウソ”発見率は9分の2、 2割2部2厘でした。
プロ野球選手でいったら1軍と2軍をいったり来たりの捕手選手の打率ぐらいでしょうか。
今回の実験から得た答えは、僕のもっている脳波センサーでは”ウソ”を発見するのは
容易なことではないということでした。

最後に違う形での実験をしてみた

実験の最後に林さんが一言
「 わざとドキドキしたら当てられるかもしれないから、1000円を入れておいて当てないと雑魚雑魚に取られちゃうというルールでやってみたらどうだろう?」といってきた。
この場合は”ウソ”発見器というよりはただの”何か”発見器だ。
1000円が入っているコップを脳波で教えてあげるということだ。さっそくやってみることにした。
林さんが自腹の1000円をだしてきた
林さんが自腹の1000円をだしてきた
現金は生々しい
現金は生々しい
手順はいままでの実験と一緒だ。
もちろん雑魚雑魚は部屋のそとにいるのでどこに入れたかはわからない。
真っ白な頭をリセットして挑む
真っ白な頭をリセットして挑む
林さんは僕らに念をおくる感じか
林さんは僕らに念をおくる感じか
どう考えても林さんのほうがドキドキしているはずだ。
なにせ伝えられなかったら自腹1000円が雑魚雑魚のものになってしまうのだから。
お互いに先ほどの実験とは打って変わって緊張感がある。
ドキドキで胸に手を当てている林さん
ドキドキで胸に手を当てている林さん
すごくはっきり変化した
すごくはっきり変化した
意見が一致した
意見が一致した
雑魚雑魚5、林さん5で無事1000円を返すことができた。
雑魚雑魚5、林さん5で無事1000円を返すことができた。
林さんが超能力者にみえてきた。
林さんが超能力者にみえてきた。
脳波センサーをつけた人とそうでない人で協力して目的を達成させる仕組みだ。
なんだかテレパシーでうごかされたような気分でした。
ガンダムの最終回、アムロがみんなに逃げ道を教えるシーンを思い出した。
まさにニュータイプ。
雑魚雑魚は今後も脳波センサーの可能性を追い求めます。

おしまい

実験の果ての悲壮感

最後まで写真を撮っていただいていた地主さんの言葉「写真にまで悲壮感がでてますね」
気持ちが極端に落ち込むと写真にまで写りこむのですね。
限りなく透明に近いブルーという言葉がぴったりだ
限りなく透明に近いブルーという言葉がぴったりだ
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