ちしきの金曜日 2013年7月5日

すし屋の「し」とうなぎ屋の「う」

ダイナミックなすし屋の「し」。通称「ダイナミッし」。
ダイナミックなすし屋の「し」。通称「ダイナミッし」。
すし屋の「し」ってなんだかすごいことになってるよなあ。

そう思って「し」を探し求めて自転車ですし屋のハシゴをした様子をご覧ください。ちなみに、食べてはいません。
もっぱら工場とか団地とかジャンクションを愛でています。著書に「工場萌え」「団地の見究」「ジャンクション」など。

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ししゅんきの「し」

これが通学路にあった(いまもある)すし屋の看板
これが通学路にあった(いまもある)すし屋の看板
先日、久しぶりに中学校の通学路を通った。

風景はほとんど変わっていなくて(友達が住んでいた社宅はなくなっていたが。今思えばあれはすごくいい団地だった。もったいない)なつかしいなあ、と歩いていたそのとき、とある店の前を通りかかって思い出したことがあった。およそ25年ぶりに呼び覚まされた記憶だ。

それは京成線の踏切の脇にあるすし屋さん。もはや駅前とは言えない住宅街の真ん中にあるすし屋で小さいながら存在感を放っていた。だから子供心にも印象に残ったのだろう。

で、その呼び覚まされた記憶とは「このすし屋さんの看板の文字おもしろいなあ」って思ったってことだ。

そうなのだ、すし屋の「し」ってダイナミックだ。

当時はこのすし屋独特の「し」だと思っていたようだが、40歳になった今は知っている。たいていのすし屋の「し」はダイナミックだよ!
「し」の部分だけ抜き出してみた。ダイナミック!これを「ダイナミッし」と呼ぼう。言いづらい。
「し」の部分だけ抜き出してみた。ダイナミック!これを「ダイナミッし」と呼ぼう。言いづらい。
甘酸っぱい思春期の思い出、いやほぼ酸っぱいだけ、いや、しょっぱい、かな。の、思い出を元に、今回はすし屋のダイナミックな「し」描写、いわゆる「ダイナミッし」を鑑賞して回ろう。

それにしても中学生当時からこんなことばかり見ていたのだな、ぼく。

すし屋さがしの「し」

近所を自転車で走り回り、ひたすらすし屋を探す。中学生のぼくよ、25年後君はこのていたらくだよ!
近所を自転車で走り回り、ひたすらすし屋を探す。中学生のぼくよ、25年後君はこのていたらくだよ!
これが今回「ダイナミッし」探しで動き回った移動ログ。例によってGPSロガーで記録した</a>もの。よく巡ったなー(ログを Google Earth で表示したものをキャプチャ、加工)
これが今回「ダイナミッし」探しで動き回った移動ログ。例によってGPSロガーで記録したもの。よく巡ったなー(ログを Google Earth で表示したものをキャプチャ、加工)
「たいていのすし屋の『し』はダイナミックだよ」と啖呵を切ってみたものの、いざ探すとなかなか「ダイナミッし」がない。

結論から言うと、上記の通学路の「し」はかなりの名品だということが分かった。

「最初に偶然出会ったものが最高傑作」という現象はよくあるが「ダイナミッし」もまたそうだったというわけだ。

思えばぼくが団地に目覚めたのは高島平団地だったし、ジャンクションを意識的に見るようになったきっかけは箱崎ジャンクションだ。そういうことだ。そういえば、萩原さんのダムとの出会いも宮ヶ瀬ダムだそうだ。やっぱりそういうことなのだ。なんの話だっけ。
ダイナミックでないとはいわないが、すし屋の「し」の可能性はこんなものではないはずだ。
ダイナミックでないとはいわないが、すし屋の「し」の可能性はこんなものではないはずだ。
「鮨」を漢字ではなくひらがなにしてみないか。
「鮨」を漢字ではなくひらがなにしてみないか。
あたらせっかくの「し」をもったいない。
あたらせっかくの「し」をもったいない。

思わぬしゅうかくの「し」

今回、4時間あまりで20数件のすし屋を見て回ったのだが、想像していたよりも「ダイナミッし」が少なかった。

おかしいな。あらゆるすし屋に「ダイナミッし」があるイメージだったのだが。これはアレだな。「特殊例が記憶に残りやすい」という心理学でよく出てくるやつだな。

しかし、「ダイナミッし」の有無でその店の方向性を感じ取ることができるようになったのは収穫だ。そんな収穫いらないが。
いろいろ見て分かったのは、チェーン店系すし屋に「ダイナミッし」なし、ってことだ。
いろいろ見て分かったのは、チェーン店系すし屋に「ダイナミッし」なし、ってことだ。
あと回転系にもほとんど見られない。
あと回転系にもほとんど見られない。
あと、逆に高級感のあるすし屋にも「ダイナミッし」はない。
あと、逆に高級感のあるすし屋にも「ダイナミッし」はない。
このように、むしろダイナミックとは対極のしっとりとした雰囲気で迫る場合が多い。
このように、むしろダイナミックとは対極のしっとりとした雰囲気で迫る場合が多い。
こういういまどきの(なにがいまどきなのかはよく分からないが、なんとなく)すし屋にも「ダイナミッし」はない。
こういういまどきの(なにがいまどきなのかはよく分からないが、なんとなく)すし屋にも「ダイナミッし」はない。
こういういまどきの(なにがいまどきなのかはよく分からないが、なんとなく)すし屋にも「ダイナミッし」はない。
こういういまどきの(なにがいまどきなのかはよく分からないが、なんとなく)すし屋にも「ダイナミッし」はない。
文字に頼らない、ファサードの「いかにもすし屋的雰囲気」デザインで主張。やるな。
文字に頼らない、ファサードの「いかにもすし屋的雰囲気」デザインで主張。やるな。
この店なんか店名にも「し」が含まれているのに!
この店なんか店名にも「し」が含まれているのに!
分かったのは、いわゆる「まちのおすし屋さん」がダイナミックな「し」を使うのではないか、ということだ。

チェーン店系でも回転寿司でもなく、かといって高級路線でもない。駅から少し離れた、近所の常連さんが行くすし屋。そういうお店に「ダイナミッし」はあるようなのだ。

冒頭の通学路のすし屋はまさにその典型だった。なるほど。

いやいや、なるほど、じゃないよ。
その点、このすし屋はかなりいい感じだったのだが…!
その点、このすし屋はかなりいい感じだったのだが…!
そっちいっちゃったかー
そっちいっちゃったかー
おちつけ、自分。
おちつけ、自分。

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