特集 2013年8月19日

事務所を新幹線にして仕事に集中する

新幹線では仕事がはかどる説を検証します
新幹線では仕事がはかどる説を検証します
今やノートパソコンがあればどこでも仕事ができる時代。煮詰まった時などは事務所にこもっているより、外に出て仕事をした方がはかどることもあるだろう。なかでも特にはかどる場所といえば、新幹線の中ではないだろうか。

僕もたまに利用するが、新幹線の車内ではなぜか普段より集中力が発揮できる。とはいえ、煮詰まる度に新幹線に乗っていたら一気に破産だ。仕事をすればするほど貧乏になってしまう。

そこで、事務所を新幹線にすることにした。
1980年生まれ埼玉育ち。東京の「やじろべえ」という会社で編集者、ライターをしています。ニューヨーク出身という冗談みたいな経歴の持ち主ですが、英語は全く話せません。

前の記事:メジャーコンビニのレア店舗めぐり

> 個人サイト Twitter (@noriyukienami)

新幹線だと集中できる

先日、東京から京都までの出張があったのだが、仕事がたまっていたので新幹線の中でパソコンを開いた。新幹線は座席も狭いしテーブルも小さい。決して快適な環境とはいえないはずなのに、事務所でやるより3倍くらい仕事がはかどった。このまま10時間くらい乗ってたら1週間分くらいの仕事ができそうな勢いだった。
まだまだ仕事したかったのに目的地に着いてしまった。残念
まだまだ仕事したかったのに目的地に着いてしまった。残念
この機会を逃すまいと帰りの新幹線でもビールを我慢して仕事した
この機会を逃すまいと帰りの新幹線でもビールを我慢して仕事した
車内にはぼく以外にも仕事をしている人がたくさんいた。まさに走るコワーキングスペースだ。この新幹線の中で様々なビジネスと金が動いている。

事務所を新幹線にしよう

というわけで(何が「というわけで」なのか)事務所を新幹線にしよう。
なお、新幹線の材料は主に段ボールだ
なお、新幹線の材料は主に段ボールだ
一面に白スプレーを塗って
一面に白スプレーを塗って
窓を切り抜く
窓を切り抜く
これで新幹線の要素の8割が完成した
これで新幹線の要素の8割が完成した
まずは段ボールで新幹線の窓枠をつくった。次にこの窓枠に新幹線の車窓風景を再現したボードを合体させる。
東京~名古屋間
東京~名古屋間
静岡~新大阪間
静岡~新大阪間
東海道新幹線の車窓風景が再現された
東海道新幹線の車窓風景が再現された
ちなみにじっさいの新幹線からは名古屋城も金閣寺も見えないけど、これならネット上にフリー写真がある場所ならどこでも車窓にできる。
じっさいの車窓風景はほぼこんなだ
じっさいの車窓風景はほぼこんなだ
ボードを変えれば東北新幹線になる
ボードを変えれば東北新幹線になる
あと、新幹線といえばあの小さなテーブルである。
そう、前の座席からビヨーンと出てくるアレである
そう、前の座席からビヨーンと出てくるアレである
ここでも余った段ボールが活躍
ここでも余った段ボールが活躍
お茶も置けるなかなかの強度
お茶も置けるなかなかの強度
(自分の中では)だいぶ新幹線に近づいた
(自分の中では)だいぶ新幹線に近づいた
デスクが小さいのでパソコン作業は窮屈だ。だがそれがかえって集中力を研ぎ澄ませる
デスクが小さいのでパソコン作業は窮屈だ。だがそれがかえって集中力を研ぎ澄ませる
足元にはワゴン販売も用意した
足元にはワゴン販売も用意した
これで僕が考える新幹線の8割方は完成(残りの2割はここは新幹線だと思いこむ強い心)。日本が誇る高速鉄道のほぼ全ての要素を段ボールに委ねる形だ。
デスクが窮屈だったのでグリーン車(自分の机)に移動した
デスクが窮屈だったのでグリーン車(自分の机)に移動した
これで(目を細めて視界を限定すれば)視覚的にはほぼ新幹線。さらに新幹線気分を盛り上げるため、新幹線の運転音をBGMにする。
目が耳がここは新幹線だと訴えかける
目が耳がここは新幹線だと訴えかける
ちなみに運転音は実際の新幹線で採取した
ちなみに運転音は実際の新幹線で採取した
人間は無音より適度な騒音があった方が集中できるというが、新幹線の小気味いい加速音はBGMとしてまさにうってつけだ。弊社の公式BGMに採用しよう。
イヤホンだと宅急便の人が来ても気づかないのでとった。社内に響き渡るガタンゴトン
イヤホンだと宅急便の人が来ても気づかないのでとった。社内に響き渡るガタンゴトン
あと、新幹線が集中できる要素といえば時間が限られていることではないかと思う。目的地に到着するまでの限られた時間内で作業を終えなければならないプレッシャーがアドレナリンとなり、集中力を倍化させる。というわけで今回は、のぞみで東京から新大阪に向かう車中を想定して仕事に励むことにする。
30分経過。いま新横浜あたり
30分経過。いま新横浜あたり
時間の経過とともに風景をスライドさせる
時間の経過とともに風景をスライドさせる
横浜のハーバービューが見える新幹線
横浜のハーバービューが見える新幹線

集中できたのか

遊んでいるように見えるが、実際に仕事には集中できたのかというと驚くことにできた。事務所で仕事しているとしょっちゅうコンビニに行ってサボってしまうのだが、今は新幹線に乗っているので作業に没頭せざるを得ない。

いや、実際には乗っているわけではないのでいつでもコンビニには行けるのだが途中下車したくなった時にはユーチューブで新幹線の動画を見て気分を盛り上げた。
気づけばもう京都
気づけばもう京都
そうこうしているうちに新幹線は京都に到着した。
ゴールの新大阪まで残り15分。まとめの作業に入る
ゴールの新大阪まで残り15分。まとめの作業に入る
けっきょく3時間弱で企画書1本とメールのやりとり10本、原稿1本の仕事を消化した。ふだんならダラダラ半日くらいはかかる仕事量が約半分で済んだことになる。

人間の集中力は1日90分が限界と聞いたことがある。対して、東京~新大阪間はのぞみで約2時間40分だ。つまり新幹線に乗ればふだんより2倍の時間、集中力を発揮できるということが実証された。

なぜ新幹線だと集中できるのか?

その答えはおそらく

・必要最低限のコンパクトなワーキングスペース
・適度な騒音と揺れ
・移動時間内に仕事を終えなければいけないプレッシャー
・誘惑が少ない(コンビニとかいけない)

とこんなところではないだろうか。

ただ、窓枠を作ったりするのに2時間くらいかかっているので、結果トントンか、後片付けもいれたらマイナスかもしれない。
新幹線のように仕事が速くなりたい
新幹線のように仕事が速くなりたい
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