特集 2014年1月21日

高崎はだるま消費量日本一

火だるま山。わかりやすい地獄絵図。
火だるま山。わかりやすい地獄絵図。
群馬在住の友人と話していた時、すごく妙なことを言われた。
「ほら、高崎ってだるまの消費量が日本一じゃん?」
意味が分からない。だるまの生産量の間違いではないのか。名物だし。
ところが、話を聞いていくうちに納得した。確かにだるまは消費されていたのだ。
年に一度、見たこともないような量のだるまが消費される、その現場に行ってきた。
1973年京都生まれ。色物文具愛好家、文具ライター。小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の人間がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文具を自慢する」という結論に辿り着き、そのまま今に至る。(動画インタビュー)

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高崎はだるまのテーマパークだ

事の始まりは、昨年、高崎のとある大型文房具店さんでトークショーをやってくれ、というお仕事をいただいて訪群した時のことだ。
会場最寄り駅の前にだるまがモチーフになっているラーメン屋を発見して「さすが高崎はだるまの町だなあ」と感心していた。
だるまとマグマ大使ととんこつラーメンのコラボレーション。コラボの意味不明。
だるまとマグマ大使ととんこつラーメンのコラボレーション。コラボの意味不明。
その時、駅まで向かえに来てくれた群馬の友人と冒頭の「消費日本一」の話になったのだ。
で、だるまの消費ってどういうことなのかと僕が問うと、友人はけげんな顔をして「いや、毎年どんど焼きで古いだるまを積み上げて燃やすじゃないか」と答えた。
“どんど焼き”というのは、正月のお飾りやお札を積み上げて焼く儀式である。僕が知る限り、だるまは燃やさない。

もう、最初から富だるま県とその他だるまに乏しい地域とのすれ違いである。

それはさておき、だるまを燃やした経験のないその他地域の人間としては、一度は見てみたいビジュアルではないか。積み上げられ、炎上するだるま。
その場でスマホのスケジュールアプリを立ち上げ、翌年(2014年)のどんど焼き日程を書き込んだ。

そして翌年の高崎再訪

翌年、というか今年、忘れずに高崎を訪れることが出来た。
前回訪れた時はバタバタしていたために見逃していたが、こうして訪れると、確かに高崎のだるま濃度は異常である。

高崎駅の出口で来訪者を待ち受ける3体のだるま。RPGならさっそく1戦闘あるところ。
高崎駅の出口で来訪者を待ち受ける3体のだるま。RPGならさっそく1戦闘あるところ。
どこに行っても、少し視線を動かせばそこにだるま。気を抜いたところにだるま。
名産とはいえ恐ろしいまでの腕力押しである。
名物だるま弁当はリアル版からキティちゃんまで各種だるまを取り揃え。
名物だるま弁当はリアル版からキティちゃんまで各種だるまを取り揃え。
駅の物産コーナーにて、紅白だるまパッケージのお菓子。山盛りでかわいい。
駅の物産コーナーにて、紅白だるまパッケージのお菓子。山盛りでかわいい。
同じく物産コーナーにて。流行り物の取り込み方がものすごく雑。
同じく物産コーナーにて。流行り物の取り込み方がものすごく雑。
お土産菓子のエクレアが去年の流行語大賞のあれを取り込んでいたが、あきらかに字余りなところとか、色々と雑な感じで面白かった。
というかあれは手の平を突き出すようなポーズを取ってこそだと思うのだが、それもだるまには難しいだろう。
そのかわり、だるまの顔のフチ模様が隠し文字で「エクレア」になっているところなどは芸が細かい。良く分からないバランスだ。

高崎駅1階のコンビニにもだるまが睨みをきかす。
高崎駅1階のコンビニにもだるまが睨みをきかす。
駅隣接のローソンには、デザート棚の上に「防犯カメラ作動中」と大書されただるまが。
もしかして片目の中にカメラが仕込まれているのだろうか。
それとも、万引き犯を捕まえたところで店員さんがもう片目を書き込むのだろうか。
駅となりのビルに壁画だるま。遠くから襲ってくるみたいで怖い。
駅となりのビルに壁画だるま。遠くから襲ってくるみたいで怖い。

そして達磨寺へ

今回の目的地は、高崎でもだるまと言えばここ!という、だるまオブだるま、だるまの聖地こと少林山達磨寺である。
達磨寺では、毎年1月の6日と7日にだるま市というだるまだらけの縁日が行われる。で、その一週間後の15日にどんど焼きを行い、去年の分のだるまを焼いてくれるという。

高崎駅からは、二駅先の群馬八幡駅まで移動。達磨寺まではここから徒歩で10分ほど。

やはり駅にはだるま。勿論ここでももう1戦闘ある。
やはり駅にはだるま。勿論ここでももう1戦闘ある。
よく見たら、駅のステンドグラスがだるま!見つけられると嬉しい。
よく見たら、駅のステンドグラスがだるま!見つけられると嬉しい。
ステンドグラスは、丸が2つくっついただけの図案だが、ちゃんとだるまだ。
ディズニーランドにおける丸3つの隠しミッキーに対して、タカサキーランドの隠しだるまである。
公衆トイレの看板もだるま。
公衆トイレの看板もだるま。
こうなってくるとゴミ箱まで疑わしい。
こうなってくるとゴミ箱まで疑わしい。
いちど隠しだるまに気付いてしまうと、もはや森羅万象、丸っこい形のものは全てだるまではないかと思えてくる。
たまに訪れた人間でさえこうなのだから、高崎にずっとお住まいの方には、ありとあらゆる丸がだるまに見えているのではないか。
どこまで行ってもだるまがついてくる。
どこまで行ってもだるまがついてくる。
橋の欄干によく丸い石の玉みたいなのが付いていることがあるが、あれですらだるまに見えてくる。
というかこれは本当にだるまだった。

正直、目的地に着くまでにすっかりだるま疲れである。
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達磨寺はさらにダルマまみれ

群馬八幡駅からだるままみれになりつつ10分ほど歩いたところで、「縁起だるま発祥の寺」こと少林山達磨寺に到着である。
巨大だるまですぐわかる。
巨大だるまですぐわかる。
だるま、意外と鼻が高い。
だるま、意外と鼻が高い。
今まで気付いていなかったのだが、このサイズまで拡大されると、だるまにはちゃんと鼻がある、というのが見て取れる。
単なる球体では無かったのだなあ、だるま。
これまでだるまに触れる機会の乏しい人生を過ごしてきたため、基本的な造作も理解していなかったようだ。
看板を細長くしたためか、だるまのアスペクト比がおかしい。オーバルだるま。
看板を細長くしたためか、だるまのアスペクト比がおかしい。オーバルだるま。
さすが達磨寺だけあって、これまで以上にだるまが潜んでいる。
とにかく至るところにだるまあり、だ。
この写真の中にもだるまがいます。
この写真の中にもだるまがいます。
いた。
いた。
もともと、上の案内地図にある川へ洪水で流されてきた大木を、行者が達磨大師(禅宗の開祖)の像に彫ってお堂に収めたのがこの寺の起こりというから、もう最初からだるまなのである。

その後、近隣の養蚕農家がカイコの繭に似せて丸い張り子だるまを作って縁日で売りだしたのが、現在のだるま市とのこと。
カイコの繭型なので、当初のだるまは今ほど丸くなく、寺の巨大看板や駐車場看板のようなタテ長が本来のだるまなのだそうだ。
アスペクト比おかしいとか言って申し訳ない。そっちが正しかった。

だるま寺務所

山門をくぐると、そこはもう人間界ではない。だるま界である。
お守りも、絵馬も、全てだるま。
人がいるところには、だるまもある。
人がいるところには、だるまもある。
お札やお守りを置いている寺務所は、もうだるまではないものを探す方が難しいぐらいである。
あちこちが赤い!
あちこちが赤い!
おみくじイン、だるま。
おみくじイン、だるま。
小ぶりのだるま。
小ぶりのだるま。
だるまの粒。
だるまの粒。
御守り袋がだるま。かわいい。
御守り袋がだるま。かわいい。
もちろん絵馬もだるま。
もちろん絵馬もだるま。
だるま絵馬の隣にお地蔵さんが描かれた絵馬があった。
久しぶりにだるま以外の縁起物を見たおかげで、なんだかちょっとうれしかった。
一番の大物は36,000円。
一番の大物は36,000円。
もちろん、寺務所の中には通常のだるまも売られている。
値段の横に「丸」とあるのは、昔から使われているだるまのサイズを表す単位だそうだ。
1丸で幅11cm、ここにある最大の60丸だと65cm。だるまを購入する時に「そこの10丸のひとつちょうだい」などと注文できると、プロダルマーっぽくてかっこいいようだ。

みんなだるまを買ってる。
みんなだるまを買ってる。
このご夫婦はこの後さらにもう一個購入。
このご夫婦はこの後さらにもう一個購入。
ところで、先週にだるま市があったばかりなのに、なんでみんな今ごろだるまを買っているのだろうか。
立ち聞きするに、どうもだるま市は大変混雑するので、どんど焼きついでにだるまを買った方が楽でいいよね、ということらしい。
なるほど、これもプロダルマーのテクニックなのだろう。

なにもかもがだるま

無論、寺のだるまは買うばかりではない。
置いてある道具や看板もだるまだし、奉納された昨年のだるまもある。
祈祷受付の申し込みは、だるま筆立ての鉛筆で。
祈祷受付の申し込みは、だるま筆立ての鉛筆で。
  本堂への指示看板もだるま。
本堂への指示看板もだるま。
奉納されただるま軍vsおじさん。息詰まる睨み合い。
奉納されただるま軍vsおじさん。息詰まる睨み合い。
手の生えただるまの指示に従って本堂へ行くと、そこにはすでに両目が入っているだるまが奉納されていた。
これは今年になってから納められただるまなので、来年のどんど焼きに燃やされるものらしい。確かに、全体的に新しいだるまだ。
まだ1月半ばだというのにもう大願成就したのだろうか。羨ましい限りである。
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だるま博物館

達磨寺本堂の隣の建物は、日本中のだるまを集めた『だるま博物館』になっている。
今までも相当にだるまばかりだったが、ここからはさらにだるま密度がえらいことになっていくので、その旨ご了承いただきたい。
だるま博物館入り口。交通安全のぼりにもだるま。
だるま博物館入り口。交通安全のぼりにもだるま。
達磨大師とだるまとだるま提灯。
達磨大師とだるまとだるま提灯。
だるま博物館とは言うが、要するにこじんまりとした小屋に日本全国の珍奇なご当地だるまがぎっしり詰め込んであるだけの場所である。
その珍奇さときたら、もし地球上の文明がこの建物以外すべて滅んだとして、その後に宇宙人か何かがここにやってきたら、地球の生命そのものに対して結構な誤解が生じるだろうなあ、というぐらいにはおかしなことになっている。
堂々たる歴代総理大臣のだるま。
堂々たる歴代総理大臣のだるま。
棚の上には、中曽根康弘、小渕恵三、福田赳夫という群馬出身の総理大臣が納めただるまが見下ろしている。
しかし、真っ当な、いわゆるイメージ通りのだるまは実のところこの棚上の総理大臣ゾーンぐらい。残りは全部、キン肉マンの超人募集的な全国おもしろだるまゾーンである。

新潟はだるまの概念がおかしい。
新潟はだるまの概念がおかしい。
顔の部分はノーマルだるまと差異がない。
顔の部分はノーマルだるまと差異がない。
浜松だるまは冬でも暖かい。
浜松だるまは冬でも暖かい。
謎のフスタニカ。マトリョーシカとは別物なのか。
謎のフスタニカ。マトリョーシカとは別物なのか。
ちなみにロシアのマトリョーシカは日本の箱根細工だるまが元になっているという説もあるので、これもだるまの亜種としてカウントできるらしい。

彫りだるま。狂気を感じる。
彫りだるま。狂気を感じる。
見るだけで寿命が縮む系の顔がいくつかある。
見るだけで寿命が縮む系の顔がいくつかある。
なまめかしい姿態。恋人にしたい大師ナンバーワン。
なまめかしい姿態。恋人にしたい大師ナンバーワン。
米粒写経ならぬ米粒だるま。
米粒写経ならぬ米粒だるま。
高崎駅コンビニの防犯だるま色違い。カメラに加えてブザーまで装備か。
高崎駅コンビニの防犯だるま色違い。カメラに加えてブザーまで装備か。
JR東日本でお馴染みのペンギン、と主張する何か別の生物。
JR東日本でお馴染みのペンギン、と主張する何か別の生物。
ペンギンだるまは実際にJR東日本高崎支社から奉納された変わりだるまらしい。
顔の周りに「Suicaホルダー数目標達成」とある。どうやら目標は無事成就して、両目を入れてもらったようだ。

さて、ここでだるま豆知識。
だるまの目は、まず左目(向かって右)を入れ、願い事が成就したら右目(向かって左)を入れる。
ただし選挙の時は逆に右目から入れることが多い。(正式なルールは特にない)

目を入れる時は、墨が流れて「黒い涙」を流すことにならないよう、墨にでんぷん糊などを混ぜて粘りのある墨液を作っておくのが良い。

以上、せっかく聞きかじったのに入れる場所が無さそうだったので、無理矢理入れた豆知識だ。
近々大願を立てたり出馬の予定などある方は役立てて欲しい。

徐々に不穏な空気が漂う

さて、だるま博物館で珍奇なだるまを眺めているうちに、外が少しざわつきはじめた。
そろそろどんど焼きが始まるのではないか。

本堂とだるま博物館の裏手、普段は駐車場であるスペースに人が集まり始めている。
行ってみると、ブルーシートでちょっとした丘的な何かが築かれている。

高さ約3mほど。普通に丘だ。
高さ約3mほど。普通に丘だ。
まあ、他にそれらしきものも無いのでたぶんこれがそうなんだとは思うのだけど。
それにしても、想像していたよりかなり大きい。

よく見ると、ブルーシートの合わせ目から赤いのがちらちら覗いている。
あっ。
あっ。
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赤い山脈あらわる

ブルーシートの隙間からチラ見えしただるまの表情に僕が軽く怯えている間にも、お寺の方々の手によりどんど焼きの準備は粛々と進められていく。
臨時の祭壇。真ん中の像は達磨大師。
臨時の祭壇。真ん中の像は達磨大師。
そしてどんど焼き開始10分前にはついにブルーシートも取り払われるような動きになった。
周囲がなんともいえない緊張感に包まれる。
さあ、シート取るよー。
さあ、シート取るよー。
お寺の人の「せーの」という声かけで、ざざざっと一気にシートが引きはがされる。
引きずられるシート、転がり落ちるだるま。軽いスペクタクル動画。
引きずられるシート、転がり落ちるだるま。軽いスペクタクル動画。
左端の写真撮ってる人と対比すると、山の大きさが分かる。でかくて赤い。
左端の写真撮ってる人と対比すると、山の大きさが分かる。でかくて赤い。
一度にこんな大量の赤いものを見たことがあるか。
一度にこんな大量の赤いものを見たことがあるか。
すごい。なんか良く分からないけどすごい。
何がどうすごいのかと言うと「すごく赤い」としか言い様がないけど、とにかくなんかすごい。
人の頭よりでかいだるまがゴロゴロと。
人の頭よりでかいだるまがゴロゴロと。
実際、群馬以外の場所で生活する限り、だるまなんてそうそう見るものでもない。自分で思い返してもたぶん去年一年で10個も見ていないはずだ。
それがこの数である。去年どころか、これまでの人生で見ただるまの総数を間違いなくこの一瞬で超えた。
あと、もう一回言うけど、すごく赤い。赤すぎて怖い。
山から転げ落ちてくるだるまを投げ戻すお寺の人。無造作。
山から転げ落ちてくるだるまを投げ戻すお寺の人。無造作。
積み上げてあるだるまも、さすがにこれだけの量があるとバラエティ豊かである。かつ、赤い。
目を鉛筆で入れてあるだるま。墨と筆を準備するのが面倒だったのか。
目を鉛筆で入れてあるだるま。墨と筆を準備するのが面倒だったのか。
刺青っぽい絵入り。仁侠だるま。
刺青っぽい絵入り。仁侠だるま。
上の刺青っぽいだるまは、よく見ると眉毛など顔の黒い部分が鶴と亀になってる。
こういう細かい部分にもデザインが施されていて、見飽きない。赤いし。
胎生だるま。子だるまがみっちり詰まってる。
胎生だるま。子だるまがみっちり詰まってる。
そして、あまりの赤さにうっかり忘れていたが、このだるまたちは今から燃やされるのである。全部。

いよいよ炎上

どんど焼きは時間通りに始まった。
まずは和尚さんの読経から。
ありがたいお経ですよ(たぶん)
ありがたいお経ですよ(たぶん)
読経が始まって1分も経たないうちに、僕の後ろにいたおばさんたちが「もう、お経はいいから早く火つけて欲しいわね」という旨の発言をしていた。
お経を拒否した上で火を着けろ、という。どう聞いても即地獄レベルの不謹慎発言である。
その願いが成就したのかどうかは分からないが、わりとすぐに読経は終了した。

さあ、次はいよいよ点火だ。地獄ショー(だるま的に)の始まりだ。

ここからは細々コメントするよりも、主に写真でどんな感じだったかご覧いただきたい。
正直、かなりのショック映像が続くので、心を強く持ってお願いしたい。
まずはだるまの隙間に焚き付けの新聞紙を詰め込む。
まずはだるまの隙間に焚き付けの新聞紙を詰め込む。
大きな松明で、お札に点火。
大きな松明で、お札に点火。
お札から広がる火。ここからあっというまに延焼しだす。
お札から広がる火。ここからあっというまに延焼しだす。
舞い上がる灰。
舞い上がる灰。
着火5分でもう被害者(だるま)が。
着火5分でもう被害者(だるま)が。
素材は紙だから燃え出すとあっという間。
素材は紙だから燃え出すとあっという間。
10分後。もうこんな高さまで火が上がる。
10分後。もうこんな高さまで火が上がる。
どんど焼きは、お札やお飾りを焼いて出た煙を体に浴びると無病息災で過ごせる、という言い伝えがある。
ほどよくだるまが燃え始めたところで、まんべんなく煙を浴びるための巡回が始まった。
火が回った頃合いで、和尚さんたちがだるま山の周囲をぐるりと巡回。
火が回った頃合いで、和尚さんたちがだるま山の周囲をぐるりと巡回。
一般のお客さんも続いてぞろぞろと。
一般のお客さんも続いてぞろぞろと。
火勢が思ったよりも激しく、そばまで近寄ると目が開けてられないぐらい熱い。
また、だるまは紙の張り子で中が空洞なので、たまに熱で膨張してボン!と爆発するものもある。怖い。
無病息災と熱くて危険なのがトレードオフだ。
どう見ても惨劇の現場。
どう見ても惨劇の現場。
だるまを燃やした火で餅とスルメを焼くおじいさん。いかにもどんど焼きな風景。
だるまを燃やした火で餅とスルメを焼くおじいさん。いかにもどんど焼きな風景。
ダルマリング・インフェルノ。
ダルマリング・インフェルノ。
ここまで燃えると、もう近寄るの無理。
ここまで燃えると、もう近寄るの無理。
キカイダーみたいな燃え方のだるま。
キカイダーみたいな燃え方のだるま。
ピュリッツァーだるま部門賞受賞写真。
ピュリッツァーだるま部門賞受賞写真。
真っ白に燃え尽きただるま。
真っ白に燃え尽きただるま。
思わず息を呑む残虐写真(だるまの)
思わず息を呑む残虐写真(だるまの)
燃えるだるまの向こうに霞む本堂。
燃えるだるまの向こうに霞む本堂。
生死の境界線。
生死の境界線。
燃えながら、山から転がり落ちるだるま。
燃えながら、山から転がり落ちるだるま。
燃える様子、動画でもどうぞ。
写真を撮ってる最中に、また後ろの方でアマチュアカメラマンらしきおじさんが、連れのおばさんに「このどんど焼きはねえ、燃え尽きるまでまる3日間かかるんだよ」と言っていた。

立ち聞きしながら「へえー、すごいな。3日もか。そりゃお寺も大変だなー」と思っていたのだが、点火から1時間を過ぎたあたりで、すでにかなり燃え尽きた感が漂ってきた。
点火から約1時間半。ほとんど燃えた。
点火から約1時間半。ほとんど燃えた。
今回撮影した中で一番こわい写真。
今回撮影した中で一番こわい写真。
あれだけあっただるまも、2時間足らずでここまでに。
あれだけあっただるまも、2時間足らずでここまでに。
帰り際、お寺の方にどれぐらいで燃え尽きるのか訊ねたところ「遅くとも夕方ぐらいまでには全部燃え尽きるんじゃないですかね。例年そんな感じですし」となんともアッサリした解答が得られた。
あのおじさん、何と間違えて燃え尽きるまで3日という数字を出したんだろう。砂漠で40年以上燃え続けてるガスクレーターとか、そういうやつか。
来年はお前も燃えんだぜ?
来年はお前も燃えんだぜ?
当初は「山積みのだるまを燃やす」という怖い物見たさと興味本位で見物に来たのだが、見終わった後は、とにかくすごいものを見た、という高揚感でいっぱいだった。(ボキャブラリが少なくて馬鹿っぽいが)
普段あまりエンタメ性を感じることのないだるまだが、燃えるとすごいのだ。
良いものを見た。だるまありがとう。

あまり意識せずに写真を撮っていたのだが、結果として一枚も漏れなく何らかの形でだるまが写り込んでいる、という記事になってしまった。
もしかすると、このお寺周辺ではあるあるネタなのかもしれない。写真撮ったらだるまが写り込むあるある。
お寺の売店看板にもかわいいだるまの絵が。「だるだる」という店名もいい。
お寺の売店看板にもかわいいだるまの絵が。「だるだる」という店名もいい。
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