特集 2014年1月24日

木の葉隠れで落ち葉を満喫

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ほどよく水分の抜けた葉っぱに足を踏み入れてカサっと音を立てるのがすごく好きです。
健康維持、そして落ち葉を踏んだ音を楽しむため、たまに近所の公園を散歩しています。
でも、今の時期せっかくたくさんの落ち葉があるんだから、踏む以外に何か有効活用できないだろうかと思っていたんです。

そこで、落ち葉の活用法として忍者を参考にしてみました。
1980年北海道生まれ。
気が付くと甘いものばかり食べている偏った食生活を送っています。


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忍法・木の葉隠れの術に挑戦

落ち葉を使った遊びといえば、昔からやってみたかったのがこちらです。
忍法・木の葉隠れの術!
忍法・木の葉隠れの術!
き、消えた!!
き、消えた!!
これだけだと何だか分からないと思うので説明しますが、追われている忍者がポーズを決めて念じたら木の葉が舞い散り、追っ手がそれに気を取られているといつの間にか忍者がいなくなっている、といったストーリーを想定しています。
伊賀の影丸とか風のフジ丸みたいな忍者漫画の主人公を想像してください。

自分を忍者だと思いこみ、それっぽいポーズを取って足元の落ち葉をまき散らしながらカメラの撮影範囲外に逃げるという動作を何度も繰り返しました。
落ち葉をまきながらフレームアウトする忍者。
落ち葉をまきながらフレームアウトする忍者。
落ち葉を見るとやってみたくなる忍術ナンバーワンですが、実際にやる機会はなかなかありませんよね。
こうやって実際に試してみて、木の葉で敵を気を引き付けたり気付かれないうちに姿を消してしまう忍者の能力に改めて感心させられました。
こんな風に葉っぱまいてたら、絶対敵に怪しまれる。
こんな風に葉っぱまいてたら、絶対敵に怪しまれる。
撮影した写真を見返して、落ち葉が舞い散る様子が一切画像に反映されていないことにむなしさを覚えましたが、忍者気取りで落ち葉をまくこと自体は楽しかったです。

もっと現実的な木の葉隠れの術に挑戦

木の葉に紛れて身を隠す方法は、木の葉をまき散らすばかりではありません。
状況に応じて落ち葉や木の葉に偽装して身を隠すのが木の葉隠れの術なので、もっと写真で分かりやすい方法も試してみたいと思います。
落ち葉を一カ所に集めて、
落ち葉を一カ所に集めて、
適量集まったところで埋まります。
適量集まったところで埋まります。
『カムイ外伝』によれば、これでうまく隠れることができるはずです。
不器用な忍者は今の私みたいに苦労して隠れてたのかな、などと想像すると、今まで尊敬するだけの存在だった忍者が少しだけ身近に感じられました。
忍者気分を味わいたい時はもちろんですが、葉っぱで風が遮断されてわりと暖かいので、寒がりだけど冬に外で遊ばなきゃいけなくなった時などにもお勧めの忍術です。

ただ、自分で自分を完全に埋めるのはかなり大変です。
かき集めた落ち葉の中にもぐる時、下半身は腕を使って葉を寄せたり散らせたりして隠していけますが、上半身、特に肩より上は腕で葉の量を調整するのが難しく、完全に隠れることはできませんでした。
ただ隠れるだけなのに、案外難しい。
ただ隠れるだけなのに、案外難しい。
なので、実際に追っ手から逃げる時には、木の葉隠れ一本に頼るより別の忍術を組み合わせる方がいいと思います。
埋まりながら、自分の埋まってるところ明らかに存在感があるよなーと感じたので、それを逆手に取る作戦はどうでしょう。
絶対そこに何かいるだろう、と思いがちですが。
絶対そこに何かいるだろう、と思いがちですが。
木の葉隠れと見せかけて、草陰にじっと隠れるウズラ隠れの術というフェイク。
木の葉隠れと見せかけて、草陰にじっと隠れるウズラ隠れの術というフェイク。
追っ手から逃げられるかについてはさておき、木の葉隠れそのものがとても楽しかったです。
落ち葉の山に寝そべって葉っぱがカサカサと音を立てるのも気持ちいいですし、自分が落ち葉の中に埋まるという非日常感にもたまらなくわくわくしました。
これ、完全に埋もれることができたら相当テンションあがるだろうなー。

人の手を借りる木の葉隠れの術。

自力で落ち葉にもぐるには限界があるので、人に埋めてもらうことにしました。
人の手を借りなきゃいけないなんて、それってもはや忍術として失敗なんじゃないのって気がしなくもないですが、この際、忍術としての存在意義より見た目と自分の欲求を優先させます。

幸い、友人に「落ち葉の中に隠れたいので埋めてほしい」とお願いしたところ快く引き受けてもらえました。
これから埋めてもらいます。
これから埋めてもらいます。
一人で挑戦した際の反省を生かして多少工夫していますので、ご説明しましょう。
(1) うつ伏せの状態で埋まる。
仰向けで落ち葉に埋まると、顔が葉っぱのかけらや砂まみれになります。うっかり目に入って角膜が傷ついたりしたら困るじゃないですか。

(2) マスクをする。
あの後一日中のどがいがらっぽかったのと、鼻を噛んだら砂っぽいものが混じっていたので、ウイルスを99%カットするというマスクで挑みます。

(3) 髪は結んで帽子の中にしまう。
落ち葉が髪に絡み付くので、帽子の中に隠しました。

(4) 帽子も変えました。
帽子の色を枯葉に近付けて、より自然に隠れることを目指します。それと、髪を洗ったら砂がちらほら出てきたので、編み目が詰まった帽子にしました。

(5) 大きい公園でやる。
地元の公園だと人目が気になりますが、人がたくさんいる都会ではちょっと変なことするくらい誰も気にしません。多分。

(6) 体勢にも気を付ける。
脚を伸ばした状態だと立ち上がったり逃げ出したりしにくい気がしたので、うつ伏せになりつつ前傾姿勢で脚を曲げた体勢で挑みます。
これが、私の考える木の葉隠れに挑むベストな体勢。
これが、私の考える木の葉隠れに挑むベストな体勢。
ここから、落ち葉で覆い隠してもらいます。
自分で隠れる時は不完全な状態でも2~3分の時間がかかりましたが、人にやってもらうとほんの30秒程度であっという間に隠れることができました。
順調に隠れていきます。
順調に隠れていきます。
完全に埋まった状態。
完全に埋まった状態。
「遠目で見たら、隠れてるなんて全然気付かないよ」
と友人のOKも出たので、ひとまず木の葉隠れは大成功ということにします。

完全に隠れきれなかった時でも相当ワクワクしたので、完全に埋まったらさぞや興奮するだろうと思っていましたが、意外とそうでもありませんでした。
外界の光や音が遠くなり、自分ひとりの世界に没頭できるというか心が落ち着くというか、むしろ興奮とは真逆な状態でしたが、すごく心地よかったです。
このまま3年くらいもぐっているのもいいかもしれない。そんな気分になりました。
落ち葉の中で写真を撮ってみましたが、何だこれ。
落ち葉の中で写真を撮ってみましたが、何だこれ。
そんな私とは逆に、初対面なのにこんなことを手伝ってくれた友人の友人は
「きっと、死体を隠すのってこんな感じだよね!」
とテンション高めで、わりと楽しんでくれたようでした。
何だか『スタンド・バイ・ミー』みたいですね。
いや、ただ死体っていうキーワードだけで落ち葉も忍者も関係ないし、全然違ったな。

ちなみに、マスクをしたにも関わらず奥歯の方に砂っぽい感覚があったり帽子をかぶってたけど帰ってからお風呂に入って髪洗ったら砂っぽいのが出てきたり、失敗から得たノウハウは結局役に立ちませんでした。
砂とか汚れとか気にせず、思いっきり楽しむのがよさそうです。
気にしてもこうなるので、途中から気にするのはやめました。
気にしてもこうなるので、途中から気にするのはやめました。

秋から冬にだけできる、季節限定忍術です

埋まる方も埋める方もそれぞれの楽しみ方がある木の葉隠れの術、すでに忍術じゃなくなっている気もしますが、遊びとして楽しかったのでこの冬是非一度お試しください。
落ち葉のある季節にしかできませんので、興味のある方はお早めに!
私も、もう一回くらい挑戦したいと思います。

ところで、落ち葉の中から出てくる自分の姿が忍者というよりゾンビのようだったので、死体を隠しているようだという言葉は意外と真理なのかもしれません。
ゾンビっていうかキョンシーだろうか。
ゾンビっていうかキョンシーだろうか。
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