カステラ屋さんに併設された喫茶室
赤い屋根に白い文字のレトロ具合がかわいい。
古めかしい雰囲気ではありますが、ショーケースの中にカステラやロールケーキが並び、現役のお店であることがうかがえる『かすてらの店 中屋洋菓子店』。
お店を構えて100年にもなるという、地元で愛される名店です。
そして、カステラ屋さんに併設されている『喫茶室』。
私が今もっとも入りたいお店というのが、こちらの喫茶室なのです。
「よくある、昔懐かしい喫茶店でしょ?」
などと思われるかもしれませんが、『よくある』という言葉に収まるものではありません。
なんといってもこの喫茶室、いつ行っても開いていないのです。
どことなくミステリアスに感じられる『Tea Room Nakaya』
カステラ屋さんは通常営業
ぱっと見た感じで、カステラ屋は電気も灯っていてショーケースも使われているから営業してるのが分かるけど、喫茶室の方はもう営業してないんじゃないの?と思われるかもしれません。
ショーケースに並ぶカステラやロールケーキ。
中屋洋菓子店のカステラ。
ところどころでザラメの食感が楽しめます。
しかし、カステラを買いながらご主人に
「喫茶室はもうやめちゃったんですか?」
とうかがうと、
「いや、やってるよ。平日だけ」
とのことで、カステラ屋は年中無休で営業しているけれど喫茶室は平日にしか営業していないそうなのです。折悪く、この日は日曜日。
じゃあ、平日にまた来てみようかな。
それが、私の喫茶無間地獄のはじまりでした。
カステラ自体は、卵の風味とやさしい甘さの素朴で美味しいおやつといった感じです。
もっちりずっしりのボリュームあるカステラですが、ふんわり柔らかい口当たりでぺろっと食べられます。
平日のお昼にだけ営業しているらしい
その後、平日に上野近辺に外出する機会があったので、所用をすませた夕方に訪れてみました。
開いている気がしない。
どうやら喫茶室は平日の昼間限定だそうで、来るのが一足遅かったようです。
一番人気のジャムロール。
つぶつぶのいちごジャムがたっぷり。
ジャムロールは、カステラの素朴な甘さといちごジャムの酸味と甘味がベストマッチで美味しかったです。しっかりした風味のあるカステラ生地、昨今の甘さ・カロリー控えめブームに一石を投じるガツンとした味のあるジャム、どちらが欠けてもこの味は出ないでしょう。
さすが一番人気、是非お勧めしたい一品です。
翌日も上野で用があったので、ランチタイムぎりぎりの2時少し前にやって来ました。
似たような画像になるので写真は省きますが、やはり閉まっていました。
買い物しながらご主人に聞いてみると、
「喫茶室は昼の1時間しか開けていない。」
という衝撃の事実が判明。
12時から1時くらいの間が狙い目、というか、その時間以降は開けていないそうなのです。
期間限定アップルケーキ。
中までりんごがぎっしり。
アップルケーキは、タルト風の生地としゃきしゃきした食感が残るりんごの程よい甘さがおいしく、ちょっと上品な雰囲気があります。たっぷり使われているりんごの美味しさを堪能でき、「りんごの美味しい期間しか出さない」というのも納得の味です。
平日お昼の1時間を狙いました
ご主人の言葉を信じて、平日昼間にやって来ました。
時間は、およそ12時半。
もはや見慣れた光景。開いてない。
いや、もしかしたら外からは開いてないように見えるけどドアを開けたら営業してるのかもしれない。
この扉の向こうは意外とにぎわっているのかも。
そんなかすかな願いを込めて、鍵はかかっていないけど特に客を出迎える雰囲気でもない扉を押してみると
ドアの向こう側。明らかに営業してない。
ゲーム機がテーブル代わりになっているのが分かりましたが、そのテーブルの上に荷物が置かれていて明らかに営業中の雰囲気ではありません。動揺して写真がブレてしまってすみません。
これはどういうことだ、とご主人に聞いてみました。
--あの、喫茶室やってないんですか?!
「喫茶は平日昼間の1時間しかやってなくて…」
--今日は?!
「今日はカステラ作りが忙しくて、喫茶を開ける時間ないんだよ。ごめんね。」
あくまでカステラ屋さん併設の喫茶室なので、本業のカステラ屋さんが忙しい時は喫茶室は開けないこともあるそうです。
コーヒーロール。
生地もクリームもコーヒー風味。
甘さ控えめで軽い食感のコーヒー風味のカステラ生地に、ちょっと甘めのコーヒー風味のクリームがたっぷり巻かれています。
バタークリームの懐かしい味わいが癖になる美味しさです。
この日は引き下がりましたが、こうなったら意地でも喫茶室に入りたいと、この翌週、同じ時間にふたたび訪れました。
ところで、みかん一個って何房入っているの?
冬になるとみかんを食べる機会が増えますが、食べるたびに「何房入ってるんだろうか」って気になりませんか。なりますよね。
私もここ数年、皮をむくのが面倒なのでりんご派からみかん派に転じたことで、何房入ってるのか問題について考えることが多くなりました。
人体が基本的に206の骨で構成されているように、みかんが何房で構成されているかを知ることはできないだろうか。そう思い、みかんを数える日々がはじまりました。
78gのみかんで
10房入り。
97gのみかんだと
12房入っていました。
これはあれだな、偶数個入りで重いものの方が個数も多いんだろうな。
と、5個くらい数えた段階で仮説を立て、その後も調査を続けました。
大きめの156gで
10房入り。
80gのみかんで
11房入り。
偶数でもないし、大きさと個数の間の関連性もないし、ドヤ顔で仮説を立てていた自分が恥ずかしい。
人の骨は基本的には206本ですが、年齢によって違うし個体差もあるため、200~208程度のばらつきがあると言われています。
なので、みかんが何房入っているのかということについても、個体差があるので一概に何房とは言い切れない、ということにしてください。すみませんでした。
私が数えた中では、一番多くて13房でした。
そういえば、みかんひと房の中って何粒入っているの?
みかんを食べながら「今食べた房に何粒入っているんだろう」という疑問を持つこと、ありませんか。ありますよね。
私もみかんの房を数えるようになってから気になりはじめました。
大きい房の方が粒も多いのだろうけど、もしかしたらひと粒が大きくてそこまで変わらないのかもしれない。そもそも、ひと粒って実際どのくらいの大きさなんだろう。
ということで、同じみかんの中で一番大きい房と小さい房の粒を数えてみました。
一番小さい3g。
一番大きい14g。
ひと粒ずつ取り出す姿。そういう内職みたい。
小さい方、131粒。
大きい方、442粒。
当然、重い方が数も多いのですが、重さの比率と粒の数の違いがイコールとならないのは、房が大きいとひと粒自体が大きくなるからでしょう。
この結果では小さい方がひと粒あたりおよそ0.023g、大きい方がひと粒あたりおよそ0.033gとなっていますが、もう少しサンプル数を増やすと何らかの法則性が出てくるのかもしれません。
それは今後の課題にして、今日はこれくらいで勘弁してください。
みかんを数えるのに疲れました。
喫茶室はどうした、と思われているでしょうが、翌週に行ってみると、またもやカステラ業が多忙で喫茶を開ける暇がないとのことでした。
本当に忙しそうで、いつもは店頭に人がいなくても声を掛けたらすぐに奥から出てきてくれたのに、その日は呼んでもなかなか出てきてくれなかったほどです。
そんなわけで、6~7回行ったのに未だに中に入れずにいます。
謎を解いたのに犯人が捕まらないくらい納得できない
営業時間だと言われた時間に行っても入れないなんて、よっぽど縁がないのでしょうか。あるいは、誰かが私を喫茶室に入れさせないためにカステラを大量発注しているのかもしれません。
トリックをすべて暴いたのに何らかの力が働いて犯人を捕らえることができないミステリー小説の読後感くらい、もやもやしています。
このもやもやを解消するにはみかんの謎を解くしかないと思い、最近グレープフルーツやぽんかん、たんかんなどにも手を出しているのですが、未だ法則性は見出せずにいます。
いい研究方法があったら教えてください。
店頭に古いガイドブックが置かれていました。いつ頃のものだろう。