特集 2015年4月8日

よっぱらい対抗詩歌穴うめクイズ ~お酒のことわざ飲み会シリーズ

飲みながら、詩歌の穴うめクイズに挑戦
飲みながら、詩歌の穴うめクイズに挑戦
お酒のことわざに「酒は詩を釣る針」というものがある。意味としては「酒を飲むことによってリラックスでき感性が豊かになり、詩歌も生まれる、ひいてはいい事を思いつくということ」だそうだ。

それ、本当だろうか。お酒に酔うとむしろ気持ちがゆるんでうっかりしょうもないダジャレを連発するようなことだってあるだろう。

宴会をしながら名作詩歌穴うめクイズに挑戦、どれくらいポエミーになれるか探ってみよう。

※「お酒のことわざ飲み会シリーズ」はその名のとおりお酒にまつわることわざを肴にした飲み会レポートのシリーズです。全3回の今回はいよいよ最終回!(1回目「手酌ファン集合! 手酌会」 2回目「飲まない人はその分食べるって本当ですか」もぜひ)
東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。(動画インタビュー)

前の記事:1~100までの番号入り看板は協力すれば6日で集まる

> 個人サイト まばたきをする体 Twitter @eatmorecakes

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今回は、宴会しながらこのような文芸作品の穴うめ問題にチャレンジしようぞ、という企画です!

しらふ→ほろ酔い→酔い 三段階でチャレンジ

お酒は果たしてポエムを生むか。探るべく、今回は以下のようなルールの宴会をセッティングした。

(1)宴会は2時間
(2)宴会開始前、1時間後、終了後の3回に分けて短歌、詩、小説の一部の文言を隠した穴うめクイズに挑戦
(3)飲酒の量は各々のいつものペースで(無理に酔ってポエミー度を上げようとしないこと)


チャレンジするのは全部で6名。「酒で詩を釣る」にあたりとんでもなく頼もしい面々がそろった。

ご紹介しよう。
林 雄司 デイリーポータルZウェブマスター。「死ぬかと思った」(アスペクト)等著作多数。日本のインターネットに笑いを持ち込んだ第一人者。
●林 雄司
デイリーポータルZウェブマスター。「死ぬかと思った」(アスペクト)等著作多数。日本のインターネットに笑いを持ち込んだ第一人者。
●住 正徳 デザイナー、ライターなど多くの顔を持つが小説家としての一面もある。著書に「ロマンの木曜日」(彩文館出版)
●住 正徳
デザイナー、ライターなど多くの顔を持つが小説家としての一面もある。著書に「ロマンの木曜日」(彩文館出版)
●べつやくれいイラストレーター。「ココロミくん」(アスペクト)、「ひとみしり道」(メディアファクトリー)などコミックエッセイの著作多数。
●べつやくれい
イラストレーター。「ココロミくん」(アスペクト)、「ひとみしり道」(メディアファクトリー)などコミックエッセイの著作多数。
●大北栄人
●大北栄人
ライター、映像作家。記事「リカちゃん人形をダンボールで作ると泣けます」が単体で24,000件以上の言及ツイートを集めるなどヒット記事多数。
●瀬津勇人 ニフティ株式会社 ブランドデザイン部 部長。ニフティ社のデザインチームを仕切る。テクニックとパッションを同時にあやつる商用デザインは文筆に近い作業なのではと急遽アサイン
●瀬津勇人
ニフティ株式会社 ブランドデザイン部 部長。ニフティ社のデザインチームを仕切る。テクニックとパッションを同時にあやつる商用デザインは文筆に近い作業なのではと急遽アサイン
●古賀及子<br> デイリーポータルZ編集部所属。本記事の担当ライター。代表記事の「納豆を1万回まぜる」は発表10年が経つ今も多くのメディアに取り上げられ続けている。<br> ※宴会会場では進行役を担当し、後日自宅会場にて回答を作成
●古賀及子
デイリーポータルZ編集部所属。本記事の担当ライター。代表記事の「納豆を1万回まぜる」は発表10年が経つ今も多くのメディアに取り上げられ続けている。
※宴会会場では進行役を担当し、後日自宅会場にて回答を作成

うっすらとした、しかし確かな緊迫

瀬津メンバーこそデザイナーとはいえ、その他は全員文章のプロである。しかもキャリアも実績もあるメンバーが大半を占めた。

答えるのはクイズとはいえ文章に関するもの。ひどい結果を出せば今後の仕事にもかかわる。

穏やかな中にお互いがお互いをけん制しつつ「どうなるんだこの宴会」という思いは共有している不思議な空気が流れている。

要は、緊迫、である。
和やかななかにある確かな緊張
和やかななかにある確かな緊張
住メンバーはしきりに「どんな答えが欲しいですか?」「記事が書きやすい答えってどういうのでしょう」確認している。プロならではのホスピタリティだ。

しかし今日は回答に影響を及ぼすようなリクエストなどは一切避けた。ぜひ素の己をぶつけてほしい。

しらふで取り組む!・1問目~3問目

1問~3問までは飲酒前に挑戦する。これが終わるまで乾杯はおあずけだ。
これ終わるまで乾杯はしませーん!
これ終わるまで乾杯はしませーん!
乾いた喉をうるしたい気持ちを通せんぼするようにメンバーの前にあらわれた3問はこちら。みなさんもぜひ、ご一緒に!
1問目
1問目
2問目
2問目
3問目
3問目

出題も、プロ

さて、今回は猛者への出題ということもあり出題もその道のプロにお願いしている。

歌人で小説家の加藤千恵さんである。

急に人気作家が出てきたぞという感だが、偶然にも私の昔からの知り合いなのだ。加藤さん、よろしくお願いします。
○加藤千恵 歌人、小説家。歌集に「ハッピーアイスクリーム」(マーブルブックス) 。 小説に「ハニー ビター ハニー」(集英社)、「あとは泣くだけ」(集英社)、「蜜の残り」(角川文庫)等著作多数。
○加藤千恵 歌人、小説家。歌集に「ハッピーアイスクリーム」(マーブルブックス) 。 小説に「ハニー ビター ハニー」(集英社)、「あとは泣くだけ」(集英社)、「蜜の残り」(角川文庫)等著作多数。
今回は、あまたある短歌、詩、小説からこれぞという問題を7題用意してもらった。

「名作だけれどメンバーが知らないであろう作品から、簡単に当たりはしないけれど見当がつかないほど難しくはない問題を」という無理すぎる条件をクリアしたうえ、「正答が予想外になるような問題にしてみました」とのこと。

あえて宴会には同席せず後日回答を確認してもらっている。
宴会会場ではメンバーが、悩む!
宴会会場ではメンバーが、悩む!

本気でやんなきゃダメなやつだ

思った以上の難問に会場が静まった。シンキングタイムは10分。集中のなかにやはりメンバー同士の思惑の探りあいも続く。

回答者が一人ではない以上、他のメンバーとの回答のバランス感も重要なファクターになってくる。それを各メンバーが意識しているのだ。

「時事問題系のワードを入れたいけど、そういうことじゃないんですよね?」
「どうします? もうボケます?」
「今は笑いで逃げて、酔ううちにだんだんポエミーになってくるんといいんじゃないですかね」

クイズの回答とはいえ文学作品へのアプローチ。生みだすものはそれもひとつの「作品」といってもいい。気は抜けない。

この企画、思った以上に本気使うやつだぞ!
終了後すぐにでも乾杯すべく、ファーストドリンクがスタンバイされたが、ねばるメンバー
終了後すぐにでも乾杯すべく、ファーストドリンクがスタンバイされたが、ねばるメンバー
結局、全メンバーが(雑談をはさみつつ)10分をオーバーして3問を回答した。
ここで飲酒解禁。とりあえず、乾杯!
ここで飲酒解禁。とりあえず、乾杯!
なお、次なる出題時の回答に影響を及ぼさないよう、各回答はメンバー間で共有しないこととした。
べつやくメンバーのみは最後までノンアルコールで通してもらうのだが(べつやくさんはお酒を飲むと眠たくなってしまうタイプ)「これ…しらふで最後まではかなり大変かもしれません…」そこをなんとか!
べつやくメンバーのみは最後までノンアルコールで通してもらうのだが(べつやくさんはお酒を飲むと眠たくなってしまうタイプ)「これ…しらふで最後まではかなり大変かもしれません…」そこをなんとか!
さて、ここから1時間は通常の宴会とかわらない。

おのおの好きなものを食べ、飲む。お酒が進むあいだに本当にメンバーの脳内のポエム力は上がるのだろうか。

ここで、読者の皆さまだけに先に回答をお見せします

ほろ酔いの2回目のクイズタイムを迎える前に、読者のみなさまには1問目~3問目までの答えと回答を先にお見せしよう。
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かわす、気をつかう、がっぷりよつ

各メンバーは複数案考えたなかでこれぞという一つを回答として出してもらっている。

第1問 問題はこちらであった。
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回答は。
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回答のテンションが「かわす」か「ど正面からぶつかるか」の2手に分かれたか。

出題の加藤さんにも聞いてみた。※以下、緑の文字は加藤さんのコメントです。

短歌だということが分かれば○内に7音が入ることが分かる問題でした。

瀬津さんの「お別れの会」は7音にしようとした結果、かわいくなった感じがしますね。

古賀さんの「人生である」はちょっとずるい! これ入れるとどんな作品も落とせるオールマイティーカードですよね。
ちなみに住さんの「つくしんぼ」は宴会で使わせてもらったお店の名前
ちなみに住さんの「つくしんぼ」は宴会で使わせてもらったお店の名前
より詩的な「深夜の自覚」を下げて「つくしんぼ」を採ってる
より詩的な「深夜の自覚」を下げて「つくしんぼ」を採ってる
住さんは会場の居酒屋「つくしんぼ」さんの常連客。酔う前だからかポエムをつむぐつむがない以前に店に気をつかった格好だ。大人か。
べつやくさんの回答にはイラストが。加藤さんと2人ひとしきり「かわいい…!」「かわいいですね…!」となごむ。これもまたずるい回答!
べつやくさんの回答にはイラストが。加藤さんと2人ひとしきり「かわいい…!」「かわいいですね…!」となごむ。これもまたずるい回答!
大北さんの「原野の夜警」はすごいですね。日常語の語彙にはないことばを使っていて。

大北メンバーは地頭の良さを出してきた。メンバーそれぞれ、戦い方がまちまちだ。
回答について語られているとは知らず、宴席には料理がならびだした。さあ飲むぞ
回答について語られているとは知らず、宴席には料理がならびだした。さあ飲むぞ
続いて2問目。
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最後たもとに入れますよね、それがヒントになっています。たもとに入るサイズの、3文字のもの。

そして回答は。
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瀬津メンバーが完全な正解を出した。今回はあくまで、ポエミーになるかどうかをさぐる目的で、正解を求めるものではないがそれでも「おお!」と声が出る。
瀬津メンバーは「ガラス玉」という、住メンバーの「ビー玉」に近い回答も検討するなかで正解をつっこんできた
瀬津メンバーは「ガラス玉」という、住メンバーの「ビー玉」に近い回答も検討するなかで正解をつっこんできた
べつやくさんのこゆび…すごいですね…! 一気に事件性が。

全体に回答の内容はばらばらですが「こゆび」と林さんの「入れ歯」は一体感があるんですよね。ご夫婦らしいですよね。
(林メンバーとべつやくメンバーは夫婦です)

まさかこんなところで夫婦っぽさが出るとは。
なお、お2人は店できょうだいに間違われたこともある
なお、お2人は店できょうだいに間違われたこともある

ライターとデザイナーの違い

たたみかけて3問目。
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太宰治の作品だというのがヒントですよね。それだけで中2っぽいワードが入るんだろうなというのが分かるので…。

では、回答は。
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流れが流れなだけに、「ひどくかわいそうな状態」が集まった。どれも風に吹かれたら最高に厳しそうである。

お、住さんの「荒野に生えるススキ」はほとんど正解といってよさそうだぞ。
パーカーの胸のプリントを「EXILE、ですか?」と突っ込まれ続けていた住さんが
パーカーの胸のプリントを「EXILE、ですか?」と突っ込まれ続けていた住さんが
さらに加藤さんは林メンバーの回答にひとしきりばかうけ、林メンバーの必要に尿意にこだわり推敲しまくっているところに心揺さぶられていた。

回答としてはボツにしてる「ふくれ膀胱モンスター」もかっこいい。尿意の記述もここまでくるとバンド名である。
何しろ「尿意」で回答したいという熱意
何しろ「尿意」で回答したいという熱意
「膀胱」という字は正確に書くために検索までしていた
「膀胱」という字は正確に書くために検索までしていた
加藤さんからは、ひとつの表現(尿意)をいろいろと変形させ文字数にあわせようとする林メンバーに対し、瀬津メンバーが全く別の切り口の案をたくさん出しているという指摘も。

これもしかして、ひとつの言葉をいじくりまわすライターと、オーダーに対して常に複数案用意するデザイナーの違いなのではないか。
A案、B案、C案、D案…
A案、B案、C案、D案…
以上、しらふで取り組んだ1問目から3問目であった。全体的にポエミーか否かというよりも、きちんと正解を目指して答えるかちょっと狙ってふざけるかを考えて選択した、という回答だったのではないか。

感情がこみ上げるなかでわきあがるようなポエジーは今のところないように見える。
現在までの「酒は詩を釣る針」度:0%

ほろ酔いの4問目、5問目

さあ、カメラを宴会会場に戻そう。開始からまだ1時間。2回目のクイズの時間です。いよいよお酒が入っての回答、お願いします!
配布!
配布!
1時間というとまだ酔いもまわらないころであろうかと心配したが、用紙を配布すると住メンバーからこんなコメントが出た。

「もう、やだーん」

しめた、酔ってるぞ!

観覧席のみなさまもまたどうぞご一緒に。
通算4問目
通算4問目
5問目
5問目
問題を前にし各メンバーさきほどのような緊張感はほとんどなくなり、お互いの様子をうかがうというよりもちょっと相談しあうような言葉が交わされている。

まさにリラックスだ。ポエミー度も期待できるのではないか。
と思ったら、もうできた?! 大北メンバーがやたらなはやさ!
と思ったら、もうできた?! 大北メンバーがやたらなはやさ!
10分以上かかった初回に比べ、今回は全体に回答が早い。とくに大北メンバーは2分も要さなかったのではないか。

はっ! これはもしかして…
レモンサワー早く飲みたいから?
レモンサワー早く飲みたいから?
じつはこのタイミングで宴席を「おいしいレモンサワー」が席巻していたのだ。

氷を入れて焼酎をいれたら(コラボ記事らしくいうと、このとき使う焼酎はいいちこの25度が最適なのだという)炭酸水を注ぐ前にレモンを絞るというもの。

これ飲みたさにクイズを早々に終えみんなそそくさとレモンサワーを飲むのに戻っていった。

レモンサワーに気を取られつつ回答したといってもいい。お酒の効果が詩歌を生む間逆の方向へ向かっている気もするが…さて回答内容は。次のページで見ていきましょう。
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改めて、問題はこちらだった。
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単純に同じ言葉がならぶなかでどうするか、『あかんぼ』を繰り返すか、『わらふ』で繰り返すか、それとも全く違う言葉を入れるかを考える問題ですね。

回答は。
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「ドリーミングナイト」が圧倒する

どんな言葉を入れるかの前に反復のなかでどういうふうに答えるか、を考える問題だ。

この問題は林さんが際立っていて。「ドリーミングナイト」がすごい。住さんの「かーちゃんは はしる」もさすがですし、べつやくさんの「あかとんぼも わらふ」で、あかんぼ と あかとんぼ って一文字違いなんだ! って初めて気づきました。

名作ぞろいだ。これはもしやことわざ通りお酒が人をポエミーにさせたということなんじゃないか。

ただ大北メンバーの「ダチャンボ」ってなんだろう。「バンドのDachamboのことですかね…?」と加藤さんと2人首をひねった。

ダチャンボは一旦忘れ、続いて5問目はどうだろう。
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回答はこちら。
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だいぶ内容の違う答えが出揃った。ノンアルコールで参加しているべつやくさんが「月」でほぼ正解。正答を出すという意味ではお酒のリラックス効果よりも、しらふの冷静さが勝ったか。

「沼」という要素と、「釣り」という要素と、「詩」という要素があって、みなさんどの要素にひっぱられたかが違いますね。

沼で釣るから「鰻」、詩ができるから「心」といった具合だ。

私はマンガによくある、釣りで長靴しかつれなかったというシーンを連想して早々に「靴」としたのだが、靴を粉にして飲むのは絶対にやだぞ。なぜ気づかなかった。
くやしいのでおいしかったピザの写真を載せておきます
くやしいのでおいしかったピザの写真を載せておきます
そして大北メンバーの「ぬ」である。シュール、と言っちゃていいのかどうか迷うパターンの回答。「原野の夜警」からずいぶん遠いところへやってきた。レモンサワーに気をとられすぎたのではないか。

一方瀬津メンバーの「心」は全体からすると飛びぬけてポエミーだ。今のところポエミーに変わったのは瀬津メンバー一人というところだろうか。
現在までの「酒は詩を釣る針」度:20%
ポエミーよ、おこれ!
ポエミーよ、おこれ!

酔っ払って6問目、7問目

さてカメラは再度宴会会場へ。

お店の好意をうけ予定では2時間で宴会終了のところ開始3時間ほど経過したところでの最終問題出題となった。

はっきりいうと、完全に例のレモンサワーが効いた。べつやくメンバー以外、全員立派に酔っ払いである。
盛り上がりすぎて一週間分くらい笑った。脳もさぞ活性していることと思う
盛り上がりすぎて一週間分くらい笑った。脳もさぞ活性していることと思う
ここで最後の2題を配布。この陽気なテンション、ポエミーとは違う種類の感情のような気がするが回答にどう反映されるか…!
住さん、問題ですよー
住さん、問題ですよー
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では最後のクイズタイム、問題はこちら。
第6問
6問目
最後の2問ということで、一気に各メンバーの回答も見てしまおう。
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直接的表現をさけるという作業

この問題は、全員いかに直接的な表現で書かないかを酔った頭でがんばって考えたという問題であった。

瀬津さんの『会ふこと』はほぼ正解ですよね。前半からくずれませんね。

逆に崩れたのは住メンバーか。陽気になるだけなって、陽気さの針がふりきれすぎた。
大北メンバーにカメラを渡したところ撮影されていた写真
大北メンバーにカメラを渡したところ撮影されていた写真
最後の問題は加藤さんご自身の作品から。ここまでの問題は権利の関係から古い作品が多かったが、最後は時代の新しい作品である。
第7問
7問目

答えを教えてください

ここまできていよいよ住メンバーからキリっとした顔で「もういいから、答え教えてくださいよ」というコメントが(酔ってる)。

そういいながらも問題が手に渡ると一番嬉々として取り組んでいたのもまた住メンバーである(やはり酔ってる)。
「何文字を入れればいいのか数えても頭に入ってこない…」
「何文字を入れればいいのか数えても頭に入ってこない…」
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ポエムになるかどうか以前に、あまりにも陽気になったテンションをどうおさえて問題に取り組むかが焦点となりつあるが、さすがプロ集団だけに文字数ぴったりの回答を出し最後まできっちり仕事はやりとげた。

加藤さんどうでしょうか。

崩れたと思った住さんの 「いきもの係的な」にはまりました。文字数をちゃんと規定におさえるために「いきものがかり」の「がかり」を漢字にしてますよね。

よっぱらいなりの工夫である。

瀬津さんの「何もかわらぬ」は、答えの「いつかばらける」と意味は全く逆なのですが、感情のベクトルとしては正解と同じ方向を向いているなと感じました。
やりとげた! と思ったら、まだ飲むんだ
やりとげた! と思ったら、まだ飲むんだ
「服を着てない」と、ここへきていきなり服を脱いだ大北メンバーは「歯ぐきが弱い」という案をボツにするなど最後の最後に妙なアクロバティックさ。

べつやくメンバーの「財布に金がない」は字余りなのだが口に出して読むとリズムがあるのがすごい。

酔うとポエミーになる、人もいる

いまとなっては何がそんなに楽しかったのか忘れた写真
いまとなっては何がそんなに楽しかったのか忘れた写真
宴会はまだ続くようだが(結局その後4時間半で終了しました)、クイズはこれにて終了である。

さて、「酒は詩を釣る針」だった…だろうか。
そうだ、住さんが街でからまれてTシャツの首まわり信じられないくらい引っ張られてだるだるになった話で笑ったんだ
そうだ、住さんが街でからまれてTシャツの首まわりを信じられないくらい引っ張られてだるだるになった話で笑ったんだ
結果としては、「酔うとポエミーになる人(瀬津メンバー)もいるが、最初にあったはずのポエミーを陽気さあまって失う人(住メンバー、大北メンバー)もいる…」ということがわかった。
現在までの「酒は詩を釣る針」度:20%

あいうえお作文でおかわり

と、クイズでの検証は終了したわけであるが…

実はこのあと、宴会会場ではいまだ力をもてあましたメンバーが今回の企画のコラボの商品である「いいちこ」であいうえを作文をつくろうじゃないかということになったのだ。
古賀メンバー作。すみませんすみません、あまり覚えておりません
古賀メンバー作。すみませんすみません、あまり覚えておりません
べつやくメンバー作。やはりブレなさが随一。イラストが痛そうやらかわいいやら
べつやくメンバー作。やはりブレなさが随一。イラストが痛そうやらかわいいやら
林メンバー作。いいちこのすすめる風景のようだが急に強引になる最後にきゃっとなる
林メンバー作。いいちこをすすめる風景のようだが急に強引になる最後にきゃっとなる
大北メンバー作。なぞの叙情。なお右下のイラストは…↓
大北メンバー作。なぞの叙情。なお右下のイラストは…↓
さきほどの住メンバーのTシャツグイーンって引っ張られた事件のイラスト。それにしても伸びた
さきほどの住メンバーのTシャツグイーンって引っ張られた事件のイラスト。それにしても伸びた
そんな住メンバー作。炸裂する80年代。この作品が酔ったメンバー全員のツボにはまり(「最高だ!」、「最高です!」と)、発表後ことあるごとにみんなで堪能した
そんな住メンバー作。炸裂する80年代。この作品が酔ったメンバー全員のツボにはまり(「最高だ!」、「最高です!」と)、発表後ことあるごとにみんなで堪能した
さて、ひとしきり全員が作品を出すも残った瀬津メンバーは悩んだままである。
考え続ける瀬津メンバー
考え続ける瀬津メンバー
あれ、もう作文作るのやめちゃいましたか? と思った頃、ふいに「できました」と渡してくれたのがこちら。
いまは、「ああ」 いまさらだけど ちりぢりに これからもただ ずっと よしなに
いまは、「ああ」
いまさらだけど
ちりぢりに
これからもただ ずっと よしなに
3月末に退職した同僚にあてたとのこと。ポエミーの針が振り切れんばかりに振れている。先生、これいま完全に「酒は詩を釣る針」になったのではないでしょうか!

5人のよっぱらいのうち1人ではあったが、酔えば酔うほどポエミーになるという人が確実にいるということがこれで完全に明らかになったのだった。
最終的な「酒は詩を釣る針」度:おおむね20%

短歌でしかも折句です

最後の瀬津メンバーのいいちこ作文、加藤さんにも見てもらったところ「これ、短歌ですね」と瞬時に。

確かに57577になっている。詩歌でこのような縦読みを作ることを「折句」というそうで、期せずしてそんなテクニックのなかで詠んだ歌ということになった。

ううむ……。参加者として凡庸な結果に終わった私としてはくやしい。ぜひリベンジをお願いし一矢報いたい。酒で詩を釣る練習、重ねておきます(飲むぞー)。
酔った大北メンバーが勝手にカメラで撮っていた足首の写真でお別れしたいと思います
酔った大北メンバーが勝手にカメラで撮っていた足首の写真でお別れしたいと思います

撮影協力
安旨肉屋的惣菜居酒屋
渋谷つくしんぼ
03-3476-2983
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