特集 2015年6月2日

牛皿は奇跡の食べ物

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手軽に牛丼が食える時代だが、牛丼よりももっと食べてほしい食べ物がある。「牛皿」だ。

「あれでしょ?ただ、牛丼の具なだけでしょ?」と言わないでほしい。すごいおいしいから。
1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー)

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牛皿ってなんだ?

どこの牛丼屋に行っても必ずあるが、頼む人が少ないメニューが「牛皿」である。

メインメニューではないのか、目立たない場所に書かれていたり、小さく書かれていたりと牛丼屋のおすすめメニューではないが、大好きな食べ物だ。
牛丼、牛ねぎ玉丼に比べて、文字が明らかに小さい。もっと前に出てアピールしてほしい。
牛丼、牛ねぎ玉丼に比べて、文字が明らかに小さい。もっと前に出てアピールしてほしい。

僕と牛皿、初めて物語

初めて牛皿を食べたのは、父親と牛丼屋に行ったときだ。初めて牛丼屋に行ったのだが、父親が並盛りといっしょに牛皿を頼み、私にも頼んでくれた。それが牛皿デビューだ。

初めての牛丼屋で牛皿デビュー。もしかしたら、牛皿の神に愛されているのかもしれない。

父親は「牛肉が少ないからこうして食うとうまい」と言って、牛丼のご飯が乗った牛肉の上にさらに牛皿の肉をかけた。その道徳に反するような行為と目の前にある山盛りの牛肉たちに興奮した記憶がある。

「これは金持ちの食べ物だ…」と子ども心ながらそう思い、あれから食べることはなかったのだが、頭のどこかでその光景を覚えていたのだろう。
圧倒的なボリュームが記憶の片隅にあった。
圧倒的なボリュームが記憶の片隅にあった。
そして、社会人になって牛丼屋に行ったときのこと。お金に余裕があった私は、メニュー表を見ながら「懐かしいな牛皿。昔、父親と食べたな~」と思い、牛丼にプラスして牛皿を頼んだ。

すると、登場したのがこちらだった。
空腹の胃を刺激するフォルム。
空腹の胃を刺激するフォルム。
「なんだこれは!? 美しい皿にボリューム感溢れる肉たちは…」

腹がペコペコな自分には、衝撃的な光景だった。

そして、極めつけはこれだ。
うま味が詰まったあの汁。
うま味が詰まったあの汁。
牛皿には汁が入ってくる。「別に珍しくもなんともない」と思う人がいるかもしれないが、私みたいな小心者が「牛丼、汁だくで」なんて、通ぶった注文ができるはずもない。

だが、牛皿を頼めばあの汁が手に入るのだ。
待望の汁が…
待望の汁が…
今かかった!
今かかった!
牛皿の肉をのせる。こうして牛丼は進化した牛丼になった。
牛皿の肉をのせる。こうして牛丼は進化した牛丼になった。
欲しくてたまらなかった汁が手に入り、いくら食べても減らない牛肉に幸せな気分になった。肉を先に食べてしまわないように、ご飯と肉の食べるバランスを考えなくても、ただ食べればいい。

「奇跡が起きた…」

牛皿が奇跡の食べ物となった瞬間だった。

牛皿の楽しみ方

それからというもの、牛皿の魅力にはまった私は様々な牛丼屋で牛皿を頼んだ。

牛丼以外にもかけておいしい食べ方を探すためだ。結果的にはどんなメニューにかけてもおいしい。

その中でも個人的にやっている食べ方を紹介しようと思う。
私的牛皿絶景の1つ、「牛皿とビール~冷ややっこを添えて~」
私的牛皿絶景の1つ、「牛皿とビール~冷ややっこを添えて~」
仕事終わりに一杯飲みたいとき、居酒屋は恥ずかしい。でも、カウンターしかない牛丼屋では、恥ずかしくない。ビールだって置いてあるのだから「さぁ、お飲みない!」と言われているようなものだ。

味の濃い牛皿にはキンキンに冷えたビールがよく合う。冷ややっこと一緒に食べるのが個人的に好きだ。
店舗によっては牛皿の大盛りもできる。こちらは2倍盛り。
店舗によっては牛皿の大盛りもできる。こちらは2倍盛り。
私的牛皿絶景その2。テーブルに置いてある唐辛子をかけた。
私的牛皿絶景その2。テーブルに置いてある唐辛子をかけた。
牛皿にある汁をかけて食べてもおいしく召し上がることができます。
牛皿にある汁をかけて食べてもおいしく召し上がることができます。
再び奇跡が訪れた瞬間。
再び奇跡が訪れた瞬間。
あぁ、どうしよう。ずっとうまい。2倍盛りなんて飽きちゃうかなと思ったけど、最初から最後までおいしく食べてしまった。

起きちゃったな、奇跡。
定食にだってつけることができる。
定食にだってつけることができる。
「定食も食べたいけど、牛丼も食べたい」そんな食いしん坊(私とか)に是非、試してほしいのが、この食べ方。

定食と一緒に牛皿を注文すると、定食の肉で白飯を食べつつ、牛皿で牛丼にして食べることだってできる。定食の肉と牛皿をいっしょに食べることも可能だ。
見た目は悪いがおいしい。またまた、起きちゃったな奇跡。
見た目は悪いがおいしい。またまた、起きちゃったな奇跡。
色んなものにプラスすることができる牛皿。だが、プラスできるのは、店内だけではない。他のお店の食べ物と合わせることができる。

他の食べ物と牛皿

牛丼にこだわっている人は「あそこの牛肉はおいしいけど、ご飯はここが好きなんだよな」という人もいるかもしれない。
牛皿はお持ち帰りすることもできる。
牛皿はお持ち帰りすることもできる。
好きな牛丼を買ってきて、
好きな牛丼を買ってきて、
ご飯の上から肉だけを取り除いて、
ご飯の上から肉だけを取り除いて、
他のお店で買ってきた牛皿をかけて(この時、お腹が減っていて早く食べたい気持ちから一回かけてしまっています)、
他のお店で買ってきた牛皿をかけて(この時、お腹が減っていて早く食べたい気持ちから一回かけてしまっています)、
他店丼が完成。
他店丼が完成。
違う牛丼屋の牛肉に、また別の牛丼屋のご飯を合わせることができる。

実際に食べてみると、全然違いがわからないがおいしい。

他のファストフードと合わせてみる

うますぎることで有名(自分の中で)な牛皿だが、全く牛丼屋とは別のお店の食べ物と合わせてみたい。

だって、奇跡の食べ物だから、なんだって合うはず。
夢の競演が今始まる…。
夢の競演が今始まる…。
挟んでみた。巨大なカロリーを感じる。
挟んでみた。巨大なカロリーを感じる。
ライスバーガーで中の具が「牛丼」というは実際の商品でも見かける。しかし、パンを挟んだものは見たことがない。

これがおいしいなら、関係者の皆様はマネして下さい。
ぼやける味。
ぼやける味。
合わないこともないが、別に食べた方がきっとおいしいと思う。それぞれの味がぼやける感覚だ。口の中は「ジャンクさ」が漂い、高カロリーだと胸を張って言える。

「僕は今、カロリーを食べています!」

野菜たっぷりのサンドイッチはどうか?

ジャンクさをなくせば、おいしいと思い、野菜サンドを買ってきた。
野菜のたっぷり入れたサンド。
野菜のたっぷり入れたサンド。
かなりのボリューム感。
かなりのボリューム感。
食いづらさが半端ない。アゴが外れそうになった。
食いづらさが半端ない。アゴが外れそうになった。
甘辛い牛肉と野菜が合わさっておいしい。しかし、食いづらさがものすごい。

でもおいしいから奇跡が起こったと言っていいと思う。奇跡!

牛皿ブームが来てほしい

個人的はかなりおすすめしている牛皿。本当においしいので、皆さんもぜひ食べてみて下さい。僕も食べます。
デイリーの人たちと牛丼を食べたときの写真。牛皿を目の前にめちゃくちゃうれしそう。
デイリーの人たちと牛丼を食べたときの写真。牛皿を目の前にめちゃくちゃうれしそう。
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