特集 2016年1月4日

今週後半は冬が逆襲してきます ~あと出し天気予報

3日の最高気温(気象庁HP)。正月三が日は、いきなり4月並の気温のところがありました。
3日の最高気温(気象庁HP)。正月三が日は、いきなり4月並の気温のところがありました。
1週間の天気予報を振り返って当たったかどうかを検証する週1連載。
勝敗とその理由を振り返ります。はたして今週の成績はどうだったのか。

(本連載は振り返りが中心で、詳しい予報は行っていません。予報が見たいかたはウェザーマップなどの専門サイトをどうぞ)
1977年滋賀生まれ。お天気キャスター。的中率、夢の9割をめざす気象予報士です。 好きな言葉は「予報当たりましたね」。株式会社ウェザーマップ所属。
ツイッターでも気象情報やってます。(動画インタビュー)

前の記事:2016年は新春に気温の春がきます ~あと出し天気予報

> 個人サイト ウェザーマップ・増田雅昭 ツイッター @MasudaMasaaki

大みそかの夜に空振りしました

1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。
1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。
この年末年始、予報を当てきれなかったのが、大みそかの夜。
小さな前線が通過して雨の可能性ありと見ていたが、東京ではけっきょく降らず。

前日の30日夜、予報を組み立てるときに頭に浮かんだイメージは、年越しで外に出ている人が、雨に濡れている光景。
寺社の人混みから、「なんだよ~気象予報士」みたいな声も聞こえてくる(感じがする)。

まずい。

気象予報士だって、気分よく年越ししたい。
そんな気持ちが、「大みそかの夜は、にわか雨の可能性あり!」を強調させて、空振りの結果に。

除夜の鐘の音を聞きながら、自らの煩悩が取り除けていないことを悟った年越しの夜。

でも、東京は降らなかっただけで、関東ではちょこちょこ降ったところはありますからね。

そんな言いわけも、煩悩が取り除けていない証拠か。
今年は、まだ一回も予報をハズしてない予報士がこちらです!言えるうちに言っておきます。
今年は、まだ一回も予報をハズしてない予報士がこちらです!言えるうちに言っておきます。

お正月は春の暖かさになりました

今年のお正月は、年末の記事で書いた通りになって、さいさき良いスタート。ちゃんと春の暖かさがやってきた。

東京は3日に16.2℃まで上がって、沖縄では25℃を超えたところもあった。正月から、いきなり25℃以上の夏日ですよ。

ただ、ちょっと過去を調べてみると、正月三が日に暖かかった年は、2月に寒さがやってきている。

最近だと2014年。2月に関東などで2週連続の大雪だった時も、元日に東京で15℃を超えていた。

人生は、暖かい春ばかりつづかない、今年も油断せずに生きろ、と教えられているような年はじめ。
天気は人生訓だ!

【今週のみこみ】このまま暖かいわけはないんです

正月休みは、シベリアに帰省していた冬将軍という名の寒気。
春の陽気がニュースになる中、主役の座を奪われて危機感をいだいたのか、今週後半には仕事をはじめる。

たいして働いてないのに、ほかの人の評価が上がると慌ててそれなりに働き、仕事をしている感を出すサラリーマンのような冬将軍。
シベリアで正月休みに入っていた冬将軍。今週後半は日本へ南下してきます
シベリアで正月休みに入っていた冬将軍。今週後半は日本へ南下してきます
今回の冬将軍は、たいした強さではなく、年明けらしい普通の強さ。
そんなヤツでもちゃんと仕事をすれば、三が日の暖かさが春の夜の夢だったかのように、寒くなる。

今週末、ほんとにちゃんと寒くなるのか。
結果は来週!
!
今週の格言
『正月三が日に暖かい年は、2月に寒さがやってくる!』

質問コーナー

「人間が天気をコントロールできる日は来るのでしょうか。」

全部は難しいかもしれませんね。

2008年の北京オリンピックの開会式で、雨雲にむかって小型のロケットを何発も打ち上げて、雨雲を消したということがありました。

そんなもんできるか、と信じてなかったのですが、当日、北京周辺の雨雲レーダーを見ていて、びっくり。
北京の中心部に近づく雨雲が、不自然に消えていたんです。
それ以来、ありえない話ではないかも、と思うようになりました。
北京五輪開会式のときの雨雲レーダー(北京市気象局)。画面中央が北京。西から近づく大きな雨雲がこのあと消えた。
北京五輪開会式のときの雨雲レーダー(北京市気象局)。画面中央が北京。西から近づく大きな雨雲がこのあと消えた。
日本でも、飛行機で雲の中にドライアイスなどをまいて、雨を増やすといった実験が行われたりしています。
今後(ずっと先ですが)研究が進めば、雨・曇り・晴れのコントロールは、「ごく一部の地域」でできることはあるかもしれませんね。

ただ、空はずっとつながっています。
どこかで大気の流れを変えると、ちょっと横の別のところが変わり、さらに離れたところが変わって…となりますし、さらに、人間の動きが起こす細かな風などが加わることを考えると、天気を全部コントロールするのは、難しいのかなと思います。

詰め天気

先週の問題は、こちらでした。
正解と次の問題は、来週アップします!

追加のヒントは、「西北西からの風。松山市から風上にヒントが」です。

解答はこちらから↓
正解は来週!
編集部より:増田さんへの質問を募集しています。投稿はこちら。


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