特集「でかいもの」 2016年3月3日

でかい文房具自慢

ギターとピックではなくて、ハサミとハサミ。
ギターとピックではなくて、ハサミとハサミ。
文房具ライターなどと名乗っていることもあり、普段は雑誌やWEBで「最新ボールペンの機能チェック」やら「新発売手帳どれがオススメか」みたいな記事を書いている。
で、今回の特集にあたって編集部古賀さんからメッセージが届いた。
「きだてさんには鉄板中の鉄板、でかい文具で書いていただけないかと思うのですが、、いかがでしょうか」
そんなカテゴリでの文房具記事の依頼、初めて聞いた。
書くけど。自慢したいから。

(この記事はとくべつ企画「でかいもの」シリーズのうちの1本です。)
1973年京都生まれ。色物文具愛好家、文具ライター。小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の人間がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文具を自慢する」という結論に辿り着き、そのまま今に至る。(動画インタビュー)

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> 個人サイト イロブン Twitter:tech_k

我が家にある、でかい文房具自慢

文房具ライターと名乗る前から、僕は文房具コレクターだった。
それも、ロボットに変形するボールペンだとかライター付きのホッチキスだとか巨大な文房具だとか、そういう変な文房具ばかりを専門に集めている。
お土産としてわりと定番の巨大筆記具
お土産としてわりと定番の巨大筆記具
巨大文房具と言っても、雑貨屋や地方のお土産物としてよく見かける巨大ボールペン、巨大鉛筆なんかは比較的ベーシックなものだ。
あと、ものによってはダイソーなど100均でも購入できる。
巨大色鉛筆、ダイソーでも売ってる。もちちろん1本100円だ。
巨大色鉛筆、ダイソーでも売ってる。もちちろん1本100円だ。
でかく見えるが、まぁ、大したことはない。
でかく見えるが、まぁ、大したことはない。
重量比でみても、通常の鉛筆が4gなのに対して巨大鉛筆は125g。せいぜい約31倍で、巨大文房具界では比較的小物の位置づけである。
パッと見ではわかりにくいが、でかい。
パッと見ではわかりにくいが、でかい。
大物といえば、例えばこの消しゴム。
関西以西における消しゴムの定番、SEEDのRadar消しゴムだ。
このままではちょっとサイズ感が伝わりにくいので、手に持ってみよう。
わかりやすく、でかい。
わかりやすく、でかい。
でかい。そしてお値段も10,000円となかなかの巨大さである。

通常の型番S-100(100円サイズ)が重さ19gなのに対して、この巨大なS-10000は2287g。
値段は100倍だが、サイズは約120倍。

でかい。そしてお得だ。100円の消しゴムを100個まとめ買いしたら、タダで20個もおまけをつけてくれたと考えて欲しい。(自慢ポイント)

問題は、消しゴム100個まとめ買いするシチュエーションがなかなか無いぐらいだろう。

アメリカにはでかいハサミのカテゴリがある

我が家には、ハサミもなかなかにでかいのがある。
全長62㎝。刃渡りだけで30㎝を越えるため、銃刀法(刃渡り8㎝以上のハサミは携帯禁止)にひっかかる危険なヤツだ。
これ、ほぼ武器だ。
これ、ほぼ武器だ。
しかも無駄に切れ味がいい。
しかも無駄に切れ味がいい。
でかいだけじゃなくて、よく切れる。
段ボールぐらいなら、わりと気さくにバッサリと両断してしまう。

「わー、ハサミがでかくて面白いねー」というシャレ含みで作ったにしては切れ味がガチ過ぎるが、他にどういう用途があるのかわからない。
で、いろいろ調べているうちに、ようやくこのハサミの正体に行き当たった。
これ、「Ceremonial Scissors」というハサミらしい。
セレモニアル…つまり、セレモニーでテープカットするためのハサミだ。
「Ceremonial Scissors」で画像検索したら、デカいのがいっぱい。
「Ceremonial Scissors」で画像検索したら、デカいのがいっぱい。
実は我が家のハサミも以前にセレモニー用に使われている。
映画配給会社から「プレミア試写会のテープカット用にハサミを使わせてくれ」と依頼があったので、貸し出したのだ。
デンゼル・ワシントンと、試写会ゲストの武井咲と、ゼメキス監督をぼかした写真。
デンゼル・ワシントンと、試写会ゲストの武井咲と、ゼメキス監督をぼかした写真。
で、その試写会にお邪魔したら、なんとデンゼル・ワシントンとロバート・ゼメキス監督が僕のハサミでテープカットしてたのだ。
サイズだけでなく、ハリウッドの大物が使ったというダブルの意味でデカいハサミである。(自慢ポイント)

ふせんすら巨大

ネット通販でふせんを注文したとしよう。
で、届いたのがこの段ボールだった時のリアクションって意外と難しい。
「ふせんです」ってこれが届いたら、どうする。
「ふせんです」ってこれが届いたら、どうする。
ちなみに僕のリアクションは「うわー」「でけぇ」だった。自分で巨大なふせんを注文したことがわかっていて、なお、これである。
人間が本当に驚いた時って、当たり前なことしか言えなくなるものだ。
届いたのが夏だったんで半袖です。
届いたのが夏だったんで半袖です。
ちゃんと、付箋の元祖3Mが発売している『Post-it』のシリーズである。
製品名が『NOTAS GIGANTES』(巨人のノート)というのも格好いい。

どれぐらい巨人サイズかというと、3サイズある中で最大判型のふせんは一辺の長さが558㎜と、座布団よりも大きい。一般的なふせん(75㎜×25㎜)166枚分というスケールのでかさだ。(自慢ポイント)
これが普通サイズの座布団。
これが普通サイズの座布団。
巨大ふせん(小)と巨大ふせん(中)がこんなぐらい。
巨大ふせん(小)と巨大ふせん(中)がこんなぐらい。
巨大ふせん(大)は、すっぽり座布団が隠れる。
巨大ふせん(大)は、すっぽり座布団が隠れる。
で、こんなふせん、どう使うんだと思ったら、どうも机の上に貼り付けて会議の時にアイデアを四方からだーっと書き込んだりするらしい。
それ、別にふせんじゃなくても良くないか。
ふせんと言えば、やはり「○○さんから電話ありましたので、折り返しお願いします」みたいなことを書いて貼って置いてこそ、ではないか。
伝言、見にくい。
伝言、見にくい。
実際に仕事の連絡を書いて貼ってみたが、どうにも見づらい。

ふせんは普通のサイズの方が便利だと思う。

でかい文房具を並べてみたが、なかなかに楽しい。
本来は手の中にちんまり収まるサイズの文房具が、手に負えないサイズまで巨大化している「スケール感の狂い」が面白いのだ。
使いにくいけど。
我が家の玄関周り。巨大万年筆型のペントレーと、巨大スティック糊オブジェ。なにかの祭壇か。
我が家の玄関周り。巨大万年筆型のペントレーと、巨大スティック糊オブジェ。なにかの祭壇か。
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