特集 2016年5月13日

ロンドンのTUBEに大興奮!

ロンドンはTUBEでできている! かっこいい!
ロンドンはTUBEでできている! かっこいい!
小学校高学年から中学生の頃、シャーロック・ホームズに夢中だった。夏休みの自由研究として『赤毛連盟』に関する論文まがいのものを書いた。それを日本シャーロックホームズ協会に送った記憶がある。部屋の壁には19世紀末のロンドンの地図を貼っていた。今思うと親は心配していたんじゃないかと思う。

そんなぼくにとって当然ロンドンは憧れの地だったが、今まで訪れたことがなかった。先日念願かなって行ってきた。感無量。で、行ってみたら、いまやホームズよりドボク趣味に傾倒している身としては地下鉄がとても面白かった。ので、今回はそれについて書きたい。だいじょうぶ、地下鉄の屋根に死体を乗せたりはしていません。
もっぱら工場とか団地とかジャンクションを愛でています。著書に「工場萌え」「団地の見究」「ジャンクション」など。(動画インタビュー

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> 個人サイト 住宅都市整理公団

TUBE!!

ロンドンは地下鉄発祥の地である。1863年にメトロポリタン鉄道の一部として始まった。地下鉄を意味する「メトロ」の語源はこの線の名前だ。

一方、元祖ロンドンでは地下鉄は "TUBE" と呼ばれる。今回実際に乗ってみて「なるほどこれは TUBE だ!」といたく感動した。この記事はもっぱらその「TUBEっぷり」を愛でるものです。とにかくまずはTUBEっぷりをご覧ください。
BANK駅のホーム。ご覧の通り円い、いかにもトンネルって感じがすごくすてき。
BANK駅のホーム。ご覧の通り円い、いかにもトンネルって感じがすごくすてき。
すごくかわいいな! と思ったのはホームの先がさらに小さいTUBEになっていること。かわいいー。
すごくかわいいな! と思ったのはホームの先がさらに小さいTUBEになっていること。かわいいー。
その小さいTUBEからホームのTUBEへ入っていくところ。こうふんする!
その小さいTUBEからホームのTUBEへ入っていくところ。こうふんする!
地下鉄各線の中で
地下鉄各線の中で "DLR" と呼ばれる、東の方を走っている比較的新しい線は、自動運転で運転手がいないので先頭座席からTUBEを堪能できるのでお勧めです。
こんな感じ。地下鉄のトンネルを撮る徳川さんにぜひロンドン行ってほしいと思った。
こんな感じ。地下鉄のトンネルを撮る徳川さんにぜひロンドン行ってほしいと思った。
どうですかこのTUBEっぷりは。丸いトンネルすてき。そこらじゅう国会議事堂駅や高輪台駅という感じだ。

で、このように円いトンネルになるのはシールド工法というやり方で掘るから。
シールドマシンというもの。「みんなで建設中のジャンクション観賞」より。これそのものではないですが、こういうマシンで掘り進むのです。それにしても何度見てもかっこいい。
シールドマシンというもの。「みんなで建設中のジャンクション観賞」より。これそのものではないですが、こういうマシンで掘り進むのです。それにしても何度見てもかっこいい。
日本でも古い地下鉄線以外の多くがシールド工法で掘られているが、ここまでTUBEな感じはそれほどしない。おそらくロンドンの場合はその古さゆえ直径が小さくて、その内径いっぱいを使わなくてはならないから「TUBE感」がむき出しになるのだろう。
大江戸線より狭いんじゃないか!? というぎゅうぎゅうぐあい。
大江戸線より狭いんじゃないか!? というぎゅうぎゅうぐあい。
内径めいっぱいのため、車両自体がトンネルに合わせて円い。TUBE の中を TUBE が走っている感じ。
内径めいっぱいのため、車両自体がトンネルに合わせて円い。TUBE の中を TUBE が走っている感じ。

通路もTUBE!!

"TUBE" を連呼していると、ぼくの世代の人間はかつて毎年夏になると冬眠から覚めたかのように突然現れていたバンドのことを連想してしまう。

で、おもしろいのは、車両が通るトンネルだけでなく構内の通路やエスカレーター部分もTUBEだという点。これがすごくかっこよかった。シーズン・イン・ザ・サン。
通路もこの通り TUBE。いいなー。ずっとここにいたい。この曲がりくねり具合がまたTUBE感を高める。
通路もこの通り TUBE。いいなー。ずっとここにいたい。この曲がりくねり具合がまたTUBE感を高める。
通路が合流する部分もちゃんとTUBE! すてきすぎる。ここに住みたい。
通路が合流する部分もちゃんとTUBE! すてきすぎる。ここに住みたい。
階段が置かれたTUBE!
階段が置かれたTUBE!
階段を上っていくとこんな感じにTUBE! なんですかこのかっこよさは!
階段を上っていくとこんな感じにTUBE! なんですかこのかっこよさは!
先に進んだらさらにかっこよさを増していくではないですか! なんですかこのすてきすぎる防護壁は。ぼくをどうする気ですか。
先に進んだらさらにかっこよさを増していくではないですか! なんですかこのすてきすぎる防護壁は。ぼくをどうする気ですか。
振り返るとこんな! デス・スターの内部だと言われても信じそう。
振り返るとこんな! デス・スターの内部だと言われても信じそう。
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ああもう! 横もこんなだし! TUBE感を高める庇!
ああもう! 横もこんなだし! TUBE感を高める庇!
2つ並んでるし!
2つ並んでるし!
そこからエスカレーターがこんなぐあいに発信! かっこよすぎる。どうかしてる。
そこからエスカレーターがこんなぐあいに発信! かっこよすぎる。どうかしてる。
いざ乗ってみたら、エスカレーター空間すらTUBEですよ! もうめろめろ。
いざ乗ってみたら、エスカレーター空間すらTUBEですよ! もうめろめろ。
今見返してもうっとりだ。今すぐ再びロンドンに行きたい。TUBEにまみれたい。

「ロンドン」という名称の写真フォルダにはTUBE写真が数百枚収められていて、すべてをお見せしたいのだがそういうわけにもいかないので、泣く泣くあと数枚にしておく。
どの駅もエスカレーター部分が特にダイナミックTUBEだった。真ん中が階段なのがおもしろい。
どの駅もエスカレーター部分が特にダイナミックTUBEだった。真ん中が階段なのがおもしろい。
これなんかすごーく狭い階段。通る人いるのか。
これなんかすごーく狭い階段。通る人いるのか。
上って振り返った。
上って振り返った。
あと、エスカレーターのフリして実は階段っていうのがあって面白かった。
あと、エスカレーターのフリして実は階段っていうのがあって面白かった。
ああもうまじでかっこいい。
ああもうまじでかっこいい。
これ東京に欲しい。
これ東京に欲しい。
こういう古びたTUBEも愛おしい。
こういう古びたTUBEも愛おしい。
ロンドンにいる間中毎日何回も地下鉄に乗り、そのたびにこのTUBEな光景を見て、ぼくの中ではすっかり「ロンドンはTUBEでできている」というイメージである。

「ロンドン」は漢字当て字で「倫敦」以外に「龍動」と表記する場合もあるそうだが、まさに龍が動いているという感じだ。

コーポレートアイデンティティの元祖とも言われている、有名なロンドンの地下鉄マークも、TUBEをかたどったものだという。
そりゃあこのマークにするよね! という感じ。
そりゃあこのマークにするよね! という感じ。
あとこのBAKER STREET駅の配線がすごいことになってた四谷三丁目を超える。いうなればこれもTUBEだ。
あとこのBAKER STREET駅の配線がすごいことになってた四谷三丁目を超える。いうなればこれもTUBEだ。

近代都市とはチューブでできている

1916年・「ロンドン最新地下鉄の驚異」(『テクノスケープ―都市基盤の技術とデザイン』(鹿島出版会 1995年)に収録)
1916年・「ロンドン最新地下鉄の驚異」(『テクノスケープ―都市基盤の技術とデザイン』(鹿島出版会 1995年)に収録)
上は1916年のキャムデン・タウン駅オープンの広告ポスター。まさに "TUBE" だ。

この図版が載っていた片木篤さんの『テクノスケープ―都市基盤の技術とデザイン』(鹿島出版会 1995年)にはこうある。

「階段、エスカレーター、プラットフォームも電気による照明と歓喜の施されたチューブ、そしてチューブ状のトンネルを同じくチューブ状の電車が走る」

つまり近代都市とはチューブでできているというのだ。たしかに、電気も水道もガスもすべてTUBEによってやってくる。

そういえばみんなだいすき "Youtube" の "tube" はもともとブラウン"管" の意味から転じてテレビのことを指す語だ。"CRT" の "T" も "Tube" の頭文字。言われてみればブラウン管って電線というTUBEがお茶の間に突き刺さって、その末端で広がっている形状といえる。Youtubeをブラウン管で見てみたいものだ。液晶じゃなくて。

ともあれこの本は工場のかっこよさに目覚めた大学生の時に何回も読み返したお気に入りの本なのだが、今回ロンドンの地下鉄を見てほんとうにそうだなあ、と実感した。形状の説得力ってすごい。

いきなり話が変わりますが最後につながります

で、ここでいきなりだがオックスフォードに行った話をしたい。ロンドンからバスで2時間ほど。学問の都であるこの街で、宿泊できる大学の寮があるというので、それをお目当てに一泊してきた。
Keble Collegeというオックスフォード大学のひとつ。TUBE画像だらけから急にふつうに良い風景写真です。
Keble Collegeというオックスフォード大学のひとつ。TUBE画像だらけから急にふつうに良い風景写真です。
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学生寮としてつくられた、こういう部屋に泊まれるのです。
学生寮としてつくられた、こういう部屋に泊まれるのです。
階段こんな。
階段こんな。
廊下こんな。さきほどまでのTUBE画像が嘘のよう。
廊下こんな。さきほどまでのTUBE画像が嘘のよう。
いやはや絵に描いたような「オックスフォードの大学」だ。街もイメージ通りすぎて逆にびっくりだった。
街の様子。こんなところで育ったらぼくも工場や団地を愛でるような人間にはならなかったんだろうな、と思った。いや、べつに悔いてはおりませんが。
街の様子。こんなところで育ったらぼくも工場や団地を愛でるような人間にはならなかったんだろうな、と思った。いや、べつに悔いてはおりませんが。
あまりにもオックスフォードオックスフォードしてて、そのオックスフォードっぷりに気圧されて全体的にへっぴり腰だった。地下鉄や工場とちがってこういう「良い風景」になれてないもので。

中でもいちばん恐る恐るだったのは朝食会場である大学の食堂だ。
ここで朝食……だと?
ここで朝食……だと?
「ほんとうにいいのかここに入って」というへっぴり腰からはじまり、勇気を出して入場したらしかも宿泊客のテーブルは一番奥だという緊張感。たくさんの肖像画に見つめられながらのブレックファースト。時差ボケも吹き飛ぶ。

で、この食堂を見て、映画ハリーポッターを連想した方もいらっしゃると思う。実はそのロケ地になったカレッジ "Christ Church" もすぐそばにある。せっかくなのでそこにも行ってみた。
Christ Church の食堂。映画ハリーポッターの食堂シーンのロケ地だ。
Christ Church の食堂。映画ハリーポッターの食堂シーンのロケ地だ。
というか、食堂入口前の階段室がすごい。
というか、食堂入口前の階段室がすごい。
中庭。「試験中だから静かに」という看板があった。現役の大学であり観光名所である。
中庭。「試験中だから静かに」という看板があった。現役の大学であり観光名所である。
すっかりふつうのイギリス観光旅行記みたいになってしまった。地下鉄画像ばかりではページを先に進み読んでもらえないのではないか、という心配からではない(それもちょっとあるけど。それにしちゃ出すタイミングが遅い)。

なんとこのオックスフォードへのバスの名前がなんと "tube" だったのだ。
乗っていったバス。バスなのに TUBE。
乗っていったバス。バスなのに TUBE。
なぜ "tube" なのか調べても判然としなかった。おそらく、Youtube と同じでもはやチューブ状であることの意味は失われ「交通機関といえばTUBE」ぐらいの感じになっているのではないかと思う(詳しい方がいたら教えてください)。

一般ウケする画像はここまでだ

さて、他にロンドンの地下鉄に乗っていて気になったのがアナウンスと構内表示だ。まず名物とも言われる "Mind the Gap" だ。これは日本だと「電車とホームの間があいております。足元にご注意ください」に相当するアナウンス。駅に到着する度に男性の良い声で威勢よく流される。とても印象的だった。

調べたところ、残念なことにこの声の持ち主である Phil Sayer さんは先月亡くなったそうだ。この記事にも "The voice of London's iconic 'Mind the Gap' announcements" とあるので、ロンドンっ子から愛されるアナウンスなのだと思う。あの美声。よく分かる。ご冥福をお祈りします。

日本での英語アナウンスだと "watch your step" なので、おや、と思ったわけだ。言い方が違うんだなあ、と。そういえば香港の地下鉄もロンドンと同じように "Mind the Gap" と言っていた。かつてイギリス領だった名残なのだろうか。

また、「この列車は~行きです」という車内アナウンスが "This train terminates at ~" だったのも英語に堪能でないぼくには興味深かった。ぼくが耳にする日本での英語車内アナウンスは "This train is bound for ~" だ。英語の授業でも "bound for" で習った気がする。

実はこの "bound" はロンドンの地下鉄では別の場所で使われている。路線の方向を示すのだ。 "Westbound" というように。
ホームが方面によって分かれている場合が多く、どっち方面かは
ホームが方面によって分かれている場合が多く、どっち方面かは "Westbound" (西行き) "Eastbound" (東行き)というように方角で示されていた。
この駅では「北行き」「南行き」。
この駅では「北行き」「南行き」。
このように方角で行き先を示すやり方をとても面白く思った。

というのも、地下鉄における現在位置と行き先の把握において、距離と方角は有効な手がかりではないと思うから。

身体的なスピード感覚と地上の風景の両方から切り離された地下鉄とは、言うなれば「時間のかかるワープ」みたいなものだ。地下鉄は「どっちの方角へ何キロ進んだか」という地理的なものとは全く異なる都市の把握の仕方を生み出したと思う。「何線に乗って何分」という理解だ。距離ではなく時間のみで都市を測っている。

これは「3.11帰宅ログから分かったこと」でも思ったことだった。

そもそもこの感覚は、地下鉄より前に鉄道の登場によってもたらされた。W・シヴェルブシュの『鉄道旅行の歴史―19世紀における空間と時間の工業化』によれば、ハイネは『鉄道により空間は殺され、われわれに残るは時間のみ……』と言ったそうだ。地下鉄はその極致だ。

ちなみに同書では鉄道がもたらしたもうひとつのあたらしい感覚として車窓風景を挙げ論じている。地下鉄に至ってはそれすら失われ、現在ぼくらは液晶の「窓」を通して地理的に全く関係のない個々人の「ソーシャル」を眺めている。



なんだか論文みたいになってきたぞ。すみません。

で、この地理的方角と距離を当てにしない、という態度はロンドンの地下鉄路線図そのものが体現している。
ふつうの路線図に見えますが、実はこれ革命的なのです。https://tfl.gov.uk/maps/track/tube より。
ふつうの路線図に見えますが、実はこれ革命的なのです。https://tfl.gov.uk/maps/track/tube より。
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現在世界中で当たり前になっている地理的方角の正確性を捨て「ダイアグラム」になっているこの路線図の元祖は1931年にHarry Beckによってロンドンの地下鉄でデザインされたのが最初。それまでは、下のようにいわゆる地図に路線を重ねて表示していた。
Harry Beckの発明以前、1908年の地下鉄路線図。Wikipedia「ロンドン地下鉄路線図」より。
Harry Beckの発明以前、1908年の地下鉄路線図。Wikipedia「ロンドン地下鉄路線図」より。
駅や路線は地理的に均等に配置されているわけではないので、実際の地理に即して路線図を描くととても見づらい。

でもこう思うのは今のぼくらの眼から見れば、であって、当時はこれがふつうだった。"A History of the London Tube Maps” には歴代の路線図が集められている。これを見るとHarry Beckの発明がいかに革命的であったかがよく分かる。

なにが言いたいのかというと、ダイアグラムになった地下鉄において "Westbound" は無いんじゃないか!? と驚いたのだ。地理捨てたはずじゃないか、と。

現に東京の地下鉄では「西行き」「東行き」などとは言わない。東西線、南北線であっても行き先は「~方面行き」だ(今気がついたけど、東西線の東の終点が "西" 船橋ってややこしい。いや、ふだんこれをややこしいと思わないぐらい地理的な把握をしていないということか)。

しかし、Harry Beck以降の路線図でも、唯一地理的な要素で排除されていないものがある。それはテムズ川だ。
ふたたび現在のロンドンの地下鉄路線図。テムズ川が描かれている点に注目。同様に https://tfl.gov.uk/maps/track/tube より。
ふたたび現在のロンドンの地下鉄路線図。テムズ川が描かれている点に注目。同様に https://tfl.gov.uk/maps/track/tube より。
これ、すごく興味深い。繰り返しになるが、地下鉄に乗ってたら川越えたかどうかなんてわからない。位置を把握するために描かれたとしても、車窓からそれが確認できるわけではない。

おそらく、見えなくてもロンドンっ子にとって心理的にテムズ川は非常に重要なのだと思う。

で、気がついた。蛇行しているものの、テムズ川は東西に流れている。この東西軸を基準にしてロンドンを把握しているのだろう。だからきっと "Westbound" という言い方が有効なのだ。

東京において川は県境としては存在感を放っているものの、方角の軸としてはほとんど機能していないからか、地下鉄路線図からは省略されている。その代わり皇居が必ず描かれる。
!
東京メトロ、都営地下鉄、どちらの路線図でも皇居が描かれている。(東京メトロの路線図ページ、都の路線図ページより)
東京メトロ、都営地下鉄、どちらの路線図でも皇居が描かれている。(東京メトロの路線図ページ都の路線図ページより)
たぶんぼくらは東京を中心のある同心円で把握している。「上り方面」「下り方面」という言い方にそれが現れていると思う(地下鉄では使わないけど)。皇居なんて地下じゃなくても「見えない」のにねえ。こと移動の際の足がかりとしては決して東京の中心は空虚ではないのだ。

ちなみにほかの多くの都市でも地下鉄路線図には川が描かれている。パリ、上海、ソウル、ニューヨーク、などはいずれもロンドンスタイルだ。

一方、大阪も名古屋もベルリンも川が描かれてない。ベルリンはどうしてないんだろう。でかい川が流れてるのに。
ホームの位置指示だけでなく、出口にも方角が示してあった。これも東京ではほとんど見られない。でも大阪の地下鉄は出口に方位示してあるな。あれは大阪の街が碁盤の目にきっちり整備されてるからだと思う。「キタ・ミナミ」だし。都市の把握の仕方においてロンドンと大阪は似ているのかもしれない。
ホームの位置指示だけでなく、出口にも方角が示してあった。これも東京ではほとんど見られない。でも大阪の地下鉄は出口に方位示してあるな。あれは大阪の街が碁盤の目にきっちり整備されてるからだと思う。「キタ・ミナミ」だし。都市の把握の仕方においてロンドンと大阪は似ているのかもしれない。

テムズ川の下に別のTUBE

すっかりデイリーポータルZらしからぬ小理屈な内容になってしまった。最後に「ここにもTUBEが!」と嬉しくなった例を挙げておわりにしよう。

テムズ川を横断する人道トンネルだ。
Woolwich Foot Tunnel というトンネル。その北岸の出入口。この入口の佇まいにすでにだいこうふん!
Woolwich Foot Tunnel というトンネル。その北岸の出入口。この入口の佇まいにすでにだいこうふん!
いきなりすてきな螺旋階段! 中心の筒(TUBE!)はエレベーター。あえて階段で下った。
いきなりすてきな螺旋階段! 中心の筒(TUBE!)はエレベーター。あえて階段で下った。
高まる期待と鼓動。
高まる期待と鼓動。
ついに下までたどり着く! ご覧のようにすでにすばらしいTUBEの予感が!
ついに下までたどり着く! ご覧のようにすでにすばらしいTUBEの予感が!
うひょー!
うひょー!
ここが真ん中あたり。ちょっとこわい。けどかっこいい。すてき!
ここが真ん中あたり。ちょっとこわい。けどかっこいい。すてき!
誰もいないが、何かあった時これを押したら本当に助かるのだろうか。
誰もいないが、何かあった時これを押したら本当に助かるのだろうか。
南岸まで450mほど。上りはエレベーターに乗った。そしたらこの内装の重厚感。
南岸まで450mほど。上りはエレベーターに乗った。そしたらこの内装の重厚感。
南岸出口。考えてみたら、この出入口の円筒形の造形をはじめ螺旋階段やエレベーターの筒などって、さきのブラウン管と同じようにTUBEの延長が地上に突き出した形といえる。工法や地質の問題もあるだろうが、たぶんロンドンっ子は TUBE の造形が好きなんじゃないだろうかと思った。
南岸出口。考えてみたら、この出入口の円筒形の造形をはじめ螺旋階段やエレベーターの筒などって、さきのブラウン管と同じようにTUBEの延長が地上に突き出した形といえる。工法や地質の問題もあるだろうが、たぶんロンドンっ子は TUBE の造形が好きなんじゃないだろうかと思った。

シャーロック・ホームズはおいてけぼりですっかりTUBEに夢中であった。またロンドン行きたい。TUBE好きの方は絶対行くべき。
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