特集 2016年6月4日

水揚げされたばかりの魚が大量に安く買える朝市

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「腰越の朝市の情報求む!」という投稿が、たか☆さんからはまれぽ.com編集部へとどいた。

調査してみたら、その日に水揚げされた魚が、大量に安く買えるイベント! 地元の人たちを中心に、誰でも参加できるお得な朝市だった、ということがわかった。

はまれぽ.com 酒井 明子
はまれぽ.comは横浜のキニナル情報が見つかるwebマガジンです。毎日更新の新着記事ではユーザーさんから投稿されたキニナル疑問を解決。はまれぽが体を張って徹底調査します。

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神奈川県内で開催されている「朝市」を調べてみたところ、横須賀や三崎、葉山などの各所でも月に数回行われていた。
神奈川県ホームページを見ると漁港は13ヶ所
神奈川県ホームページを見ると漁港は13ヶ所
朝市が行われる腰越漁港
朝市が行われる腰越漁港
腰越の朝市については、ウェブサイトなど見てもどのくらいの規模なのか、詳しい様子がいまいち分からない。一体どんな人が利用しているのか・・・いきなり参加してもいいものなのか・・・そこでとりあえず突撃してみることにした!

毎月第1、第3木曜に開催、朝市に潜入!

神奈川県ホームページによると、腰越の朝市が開催されるのは4月~12月の間の第1、第3木曜日の午前10時から。開始ギリギリに行けば余裕か・・・と思いつつも、念のため午前9時30分に腰越駅に到着! 徒歩3分のところにある漁港に向かった。

すると・・・
海岸沿いに出たら、この看板が目印
海岸沿いに出たら、この看板が目印
テントの前にはすでに列が!
テントの前にはすでに列が!
開始30分前にもかかわらず、すでに列ができているではないか! 並んでいる方にどこから来たのか聞いてみると、地元の人だけでなく、東京・下北沢からわざわざ来たという人もいた。

これは期待が膨らむ・・・。テントの中を見てみるが、この時点では台があるだけで特に魚などの姿はなかった。ちなみにテントの近くでは、地元の野菜を買えるこんなコーナーも。
地元で採れた新鮮な野菜を販売
地元で採れた新鮮な野菜を販売
販売者の奥様によると、朝市の日はこちらの野菜直売所も設けられるとのこと。どれもスーパーで買うよりも安くて新鮮なものであった。

開始10分前、漁業市場のほうはさらに列が伸びていた。
20人以上が並ぶ行列になっていた。これでもいつもより少ないらしい
20人以上が並ぶ行列になっていた。これでもいつもより少ないらしい
そのころからテントの中の台の上には、徐々に魚介たちが運びこまれてきた。漁師さんに話を聞くと時期によりラインアップや量は異なるものの、この日はなかなか豊作とのこと。ざっと数えたが15種類以上の魚介たちが並んでいた。
開始目前に台の上に置かれはじめた魚介の数々
開始目前に台の上に置かれはじめた魚介の数々
すごい魚の量にみんなソワソワ・・・
すごい魚の量にみんなソワソワ・・・
商品は午前10時前に台に置かれたものの、お金を払って購入できるのは午前10時ジャストからという決まりらしい。テントの中に並んでいる先頭の人たちは、お金を手に握りしめながらすでに目星をつけている様子。テント外に並んでいるためラインアップがよく見えないライター・酒井は、買い逃したらどうしようとドキドキしていた。

いよいよ朝市スタート!

午前10時になった瞬間から購入スタート!
午前10時になった瞬間から購入スタート!
みなさまがちゅうちょなく大量買いしていく姿に圧倒されつつも、なにか買わなければと焦る・・・。列にそって前に進んでいくと、ようやくテントの中へ。まだまだ魚たちはたくさん残っていた。
この日の目玉であるメダイはこの大きさで3000円!
この日の目玉であるメダイはこの大きさで3000円!
サバがこのサイズで300円は信じがたい!
サバがこのサイズで300円は信じがたい!
カマス、豆アジ、イシモチなどもこの安さ!
カマス、豆アジ、イシモチなどもこの安さ!
魚介はすべてこの日の早朝の漁で水揚げされたものなので、とにかく新鮮! 1匹単位ではなく数匹や1皿単位で売っているものが多く、値段を2度見することもしばしば・・・。「シロムツ1匹ください」と言ったところ「5匹で1000円」とのことで迷わず購入決定!
イカも一皿単位で大量に売られていた
イカも一皿単位で大量に売られていた
タコやサザエも大量!
タコやサザエも大量!
テントの奥のほうには干物やメザシもあった
テントの奥のほうには干物やメザシもあった
最初は整列していた行列も、後半はなしくずし的に・・・。すでに売り切れのものもあったが、特別お目当ての魚があるわけでなければ、どれを買っても間違いはなさそうだった。「迷ったときはどんな風に調理するのがおすすめか」を聞くと、どの漁師さんもやさしく教えてくれるのがうれしい。
煮つけにするならどれがいいのか真剣に相談
煮つけにするならどれがいいのか真剣に相談
ほとんどのものが1000円を超えないので、ここに来る際は1万円や5000円はくずしてくるのがベスト。販売スタート当初、みんなが手に握りしめていたのは確かに1000円札だった。テントを抜けるとそこにもまた行列を発見!
いったん広告です
テントの外ではバケツいっぱいのイワシの子どもを販売
テントの外ではバケツいっぱいのイワシの子どもを販売
ざる一杯のこの量でなんと200円!
ざる一杯のこの量でなんと200円!
最後の最後まで新鮮な魚介を提供していて、あっぱれ! 結局ライター・酒井は迷いまくりテント前を何往復もした結果、4品を購入した。
2300円で驚きの量を買えて大満足!
2300円で驚きの量を買えて大満足!
40匹近い大量の豆アジ。500円
40匹近い大量の豆アジ。500円
シロムツは5匹で1000円。編集部・山岸とシェア
シロムツは5匹で1000円。編集部・山岸とシェア
ビッグサイズのタコも500円
ビッグサイズのタコも500円
サバは1匹300円でお買い上げ
サバは1匹300円でお買い上げ
しかしこのサバ・・・自分でさばける自信がないなと悩んでいたら、なにやらさばいてもらえる場所があるらしいと聞きつけ、市場の裏にまわってみた。するとそこには漁港の組合長が魚をさばく姿が! ずうずうしくもお願いをしてみた。
何に調理するか聞かれたので、シメサバ用でお願いした
何に調理するか聞かれたので、シメサバ用でお願いした
見事な手さばき!
見事な手さばき!
組合長の鈴木さんは小さいころから腰越の海で漁師をしているらしい。腰越の朝市は25年以上前から開催されているとのことだった。照れ屋なのかなかなか目を見てもらえなかったが、シメサバのおいしい作り方まで丁寧に教えてくれた。
さばいてくれた上、塩までまぶしてくれて感動
さばいてくれた上、塩までまぶしてくれて感動
今年で77歳の鈴木さん。いまでも毎朝、漁に出ている
今年で77歳の鈴木さん。いまでも毎朝、漁に出ている
ちなみにテントのすぐそばにある「漁業販売所」では、獲れたての魚をおいしく食べることができる。普段は午後1~5時まで、水・金休みの営業だが、朝市の時間帯だけは特別に営業をしているとのこと。
その日獲れた魚介が出されるため、メニューは日替わり
その日獲れた魚介が出されるため、メニューは日替わり
美人店主がその場で揚げてくれるのがうれしい
美人店主がその場で揚げてくれるのがうれしい
アジフライとイワシの天ぷら(各250円)をいただいた
アジフライとイワシの天ぷら(各250円)をいただいた
フライなんてどこで食べても大差ないだろう・・・と思っていたが、大間違い! 獲れたてはフライにしてもおいしい! 揚げ物なのに身がふわふわ柔らかく、とにかくやさしい! 大満足の遅めの朝ご飯となった。

朝市のほうはと言えば、開始から1時間かからずして完売! 午前10時30分ごろにはすでにテントごと片付けられていて、跡形もなくなっていた。
先ほどまであんなににぎわっていたとは信じがたい
先ほどまであんなににぎわっていたとは信じがたい
買い物を終えた人たちに聞いてみると、多くは地元の方で、毎回買いに来るとのこと。やはりスーパーにはない新鮮さと安さが魅力で、買ったものはご近所で配ったりもするそうだ。

そしてみなさん保冷バッグを持参! 確かにライター・酒井も保冷バッグに入れて帰ったのだが、1時間以上かけて自宅に着いたときには、底に水が埋まっていた。入れてもらったビニールだけでは水がしたたってくるので、遠方からの人はこれからの時期、必ず持参することをおすすめする。

自宅で戦利品を調理!

この日の夜、自宅でさっそく朝市で買ったものを調理してみた。サバはすでにさばいてもらったので、2時間ほどで塩を落としたあと酢につけこむだけ。大量の豆アジと大きなシロムツは内臓をとるのに大苦戦・・・。結果、できたのがこの3品!
いつも以上に豪華な食卓に!
いつも以上に豪華な食卓に!
身がぷりぷりのシロムツは煮つけに。これが一番おいしかった
身がぷりぷりのシロムツは煮つけに。これが一番おいしかった
シメサバ、シロムツの煮つけ、豆アジのから揚げ。シメサバは新鮮な上に、味がしっかりと染みこんでいて大満足! 豆アジは内臓取りに苦戦したため形がいびつだが、片栗粉をまぶしてノンフライヤーに入れただけで、ジューシーでおいしいから揚げとなった。

さすがに大量だったので、食べきれなかった豆アジは内臓をとって冷凍、タコも後日のたこ焼きパーティー用に冷凍庫行きとなった。

取材を終えて

地元の人しか利用できない朝市かと思いきや、遠方からもファンが来るほどの人気イベントで、誰でも参加しやすいなというのが正直な感想。業者が利用するというよりも、本当に地元の人に愛されている朝市なのだなと感じた。そしてとにかく新鮮で安い! こんなにおいしい魚が月2回買えるなら、ここに引っ越してきてもいいのでは・・・と思う満足度の高さ! 魚料理の楽しさも知れたので、しばらくは朝市巡りにはまりそう・・・と思うのであった。

―終わり―
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