はっけんの水曜日 2016年8月10日

昆虫、ウーパールーパー、ピラニアを食べる! 横浜の「珍獣屋」で珍獣を食べ尽くしてきた

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横浜にある有名店「珍獣屋」。
昆虫や鹿肉、イノシシ肉、はたまたウーパールーパーといった変わった食材を提供するお店。

神奈川県出身の僕は前からお店の存在を知っており、今回気になっていたので怖いもの見たさで行ってみることにした。
生き物のスペシャリストである篠原かをりさんに同行してもらった。
大学中退→ニート→ママチャリ日本一周→webプログラマという経歴で、趣味でブログをやっていたら「おもしろ記事大賞」で賞をいただき、デイリーポータルZで記事を書かせてもらえるようになりました。嫌いな食べ物はプラスチック。

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野毛たべもの横丁にある存在感を放つお店

珍獣屋は横浜の桜木町駅を降りた野毛通りにある。野毛通りはたくさんの飲み屋があり、酒好きにはたまらない場所だ。
たべもの横丁の名に恥じず、飲食店や飲み屋がひしめき合っていた
たべもの横丁の名に恥じず、飲食店や飲み屋がひしめき合っていた
そしてその一角に誰もが目を引く看板がある。この看板こそが今日の目的地である「珍獣屋」である。
とにかく目を引く看板。「珍獣屋」の3文字は力強い。
とにかく目を引く看板。「珍獣屋」の3文字は力強い。
いざ珍獣のすみかへ
いざ珍獣のすみかへ
中に入ってみると店名とは違いおしゃれなバー風であった。とても珍獣がでてくるとは思えない。むしろデートで使えそうな内装。
おしゃれ~
おしゃれ~
店員もさわやかな二人組だった
店員もさわやかな二人組だった
おしゃれな店内に忘れそうになるが、ここはあくまで「珍獣屋」なのである。置いてあるメニューをよく見ると、思わず二度見してしまうものばかりである。
昆虫は当たり前。
昆虫は当たり前。
うさぎ1匹まるごと姿焼き!?
うさぎ1匹まるごと姿焼き!?
他にもヘビ、マンボウ、ピラニア、トド、、、食べたことある食材を探す方が難しい
他にもヘビ、マンボウ、ピラニア、トド、、、食べたことある食材を探す方が難しい
お店でメニューを一通り見て少し目眩がした。
珍獣しか食べるものがない。味がまったく想像できなくて怖い。もちろん僕は虫や珍獣を食べるのは人生で初めて。

篠原かをりさんと珍獣を食べよう

今回はただ食べるだけでは面白くないので、「食べる生き物のことをきちんと知ろう」ということで、生き物のスペシャリストとして篠原かをりさんに同行してもらった。
着ているシャツもよく見ると昆虫という大の虫好き。
着ているシャツもよく見ると昆虫という大の虫好き。

篠原かをり

慶應義塾大学に所属する大学生。
2年連続高校生クイズ全国大会に出場した経験もあり、クイズ女王としてもバラエティ番組などに出演。
出版甲子園という大会で優勝し、虫の生態を人間の恋愛に例えた「恋する昆虫図鑑 ムシとヒトの恋愛戦略」という本を発売。
大の虫好きで、ゴキブリやタランチュラなどの様々な生き物を飼っている。成人男性のヒモを飼っていることでも一部で有名。
テレビやラジオ、雑誌などで活躍中。

恋する昆虫図鑑

ムシとヒトの恋愛戦略
今日はよろしくお願いします!
珍獣屋は変わったものしか出てこないお店ですけど、篠原かをりさんはそういったものに抵抗とかありますか?
よろしくお願いします。
昆虫は普通に食べることがあるので、むしろ大好きです。
家でゴキブリ飼っているのですが、それを調理して食べたりするときもあります。
(思ったよりヤバイ人を連れてきてしまった)
出会って数秒でヤバイ人とヤバイ店に来てしまったと後悔が押し寄せてきた。
だけど来たからには食べるしかない。 昆虫に詳しい篠原かをりさんもいるということで、まずは虫を食べてみることにした。

さっそく昆虫を食べよう

初めは食べやすいということで「バッタ」と、僕が小学生の頃に授業で飼育したことのある「カイコ」の唐揚げを注文した。
まさか小学校で育てていた昆虫を食べる日がくるとは思わなかった。小学生のカイコ飼育している自分に「大人になったら、それ食べるんだぜ?」って伝えたい。
上がバッタで下がカイコ。
上がバッタで下がカイコ。
食べるのにだいぶ勇気がいるビジュアルですね、、、
そうですか?
バッタはすごく美味しいですよ?

じゃあ私が先に食べますね。
そういうと篠原かをりさんは、一切の躊躇なくバッタを口に入れた。ためらいとかまったくなかった。バッタを食べる生活が日常だと言わんばかりだった。
柿ピー食べるみたいに気軽に食べていた
柿ピー食べるみたいに気軽に食べていた
女性が躊躇なく食べているのだから、僕も食べないわけにはいかない。
正直ものすごく食べるのを躊躇するフォルム。足なんかそのまま形が残っている。
野をかけずりまわって、必死に捕まえようとしていたあの緑の虫。唐揚げとして再会するとは夢にも思わなかった。
誰がどうみてもバッタです。本当にありがとうございました。
誰がどうみてもバッタです。本当にありがとうございました。
顔が青ざめるくらい口に入れるのを躊躇した
顔が青ざめるくらい口に入れるのを躊躇した
(バリバリ、ボリボリ)
どうですか?
あれ、、、これ、、、美味しい!!
小エビ食べているみたいですね。むしろ箸が止まらない系のやつだ、どんどん食べたくなる。
お酒のおつまみとして最高ですよね!
バッタは僕の予想をはるかに越えて美味しかった。
こんなに美味しいなら子供のときにバッタ捕まえて、逃がさないで食べてればよかった。駄菓子屋でお金つかわないで近所のバッタを食べつくせばよかった。

カイコの方も食べてみたけど、こちらもかなり美味しい。バッタより少しクセがあるけど、これもお酒にすごく合う。虫って普通に食事として食べられるんだなー。
富岡製糸場ってあるじゃないですか?

あそこではカイコの糸も作られていたんですが、休憩中にカイコを食べていたって話もあります。
それくらい昔から虫って普通に食べられていたんです。
たしかにこれは仕事の合間に食べたくなる気持ちもわかる
バッタが美味しかったことにより珍獣屋への信頼感が出てきたが、次の試練はすぐにやってきた。
次はなんとみんな大好き「ゴキブリ」。そして「タガメ」だ。
左がタガメ、右上がゴキブリ
左がタガメ、右上がゴキブリ
うお、、ゴキブリか、、、
それにしてタガメもなかなか見た目にインパクトありますね
見た目もたしかに強烈ですけど、おもしろいのは匂いです
タガメの匂い嗅いでみてください
(クンクン)
あれ!
なんでかわからないけど、リンゴみたいな匂いがする!!
そうなんです
すごくフルーティーな香りがするんです
タガメは実はカメムシの仲間で、匂いでフェロモンを出していると言われています
実はセミやアメンボもカメムシの仲間らしい。知らなかった。
セミがカメムシの仲間なのは驚いた
セミがカメムシの仲間なのは驚いた
タガメは食べるのに本当に躊躇した。なにせ見た目が本当にそのまま。しかしタガメに関しても篠原かをりさんは何の躊躇もなく口に入れて食べ始めた。
タガメを食べる時も躊躇がない。というかこの写真けっこう衝撃的だな、、、
タガメを食べる時も躊躇がない。というかこの写真けっこう衝撃的だな、、、
僕も食べてみたが、匂いのとおりにタガメは青りんごのような甘みのある不思議な味だった。
クセがものすごく強いので好き嫌いが分かれそうだが、他の店ではなかなか食べられないので、珍獣屋に行ったら挑戦してほしい。というかタガメの匂いをぜひ嗅いでほしい。

そしていよいよ次はゴキブリを食べることに。
次はゴキブリですね
ゴキブリは本当に美味しいですよ
ゴキブリか、やっぱり印象が、、、
そういえば、これは日本のゴキブリと違いますよね?日本にいるゴキブリって食べられるんですか?
食べられないことはないですけど、日本に生息しているのは雑食が多いので、衛生面でオススメできません
食用のゴキブリは森に住んでいて、木の蜜などをエサにしている種類が多いですね
ゴキブリに食用とかあるのか、、、、
あります。
アルゼンチンモリゴキブリやデュビアという種類は 食用としてよく使われます
ゴキブリも躊躇したけど勇気を振り絞って口に入れる
ゴキブリも躊躇したけど勇気を振り絞って口に入れる
あれ、、、やばい!美味しい!!
というより今日でてきた昆虫で一番美味い。なにこのサクサク感。
食感いいしビールとの相性が最高すぎる。
本当に美味しいですよね
これくらい小さい種類だと素揚げだけでも美味しく食べられます
虫とビールの組み合わせハマリそう、、、
「ゴキブリを食べる」というイメージから、あまり良い印象を持つ人も多くはないと思うが、パリパリとしていて本当に美味しい。ビールがあったら永遠に食べられ続けられそう。
さらにゴキブリは栄養価が非常に高く、タンパク質が非常に豊富。そのうえ抗癌作用もあるらしい。食料として有能すぎるだろ。

昆虫だけじゃない!珍しい珍獣が盛りだくさん

もちろん珍獣屋は昆虫だけではない。このお店だけでしか食べられない珍しい食材がたくさんある。
ただ食べたことないものばかりでメニューを見ても何を選んで良いのかわからなかったので、店長さんにオススメを聞いてみることにした。
高校のサッカー部にいそうな爽やかさ。笑顔が眩しい。
高校のサッカー部にいそうな爽やかさ。笑顔が眩しい。
昆虫以外になにかオススメの料理ありますか?
今日だと「鹿のアキレス腱の煮込み」はすごく珍しいですし美味しいですよ。貴重な部位なのでぜひ。 あとウーパールーパーは人気がありますね
鹿肉は食べたことありますけど、アキレス腱は私も初めて食べます!
じゃあ「鹿のアキレス腱」は頼みましょう!
というかウーパールーパーって食べられるんですね、、、
「鹿のアキレス腱の煮込み」と「ウーパールーパー」を注文した。
ウーパールーパーの揚げ物の見た目は衝撃的だった。あの可愛い生き物がこんなにカラッと揚げられてしまうなんて。
味は白身魚のような感じで美味しい。
味は白身魚のような感じで美味しい。
ウーパールーパーは少し前にペットとして大流行した。そのときの印象で「飼う生き物」としての認識が強い。しかし篠原かをりさんが言うには、ウーパールーパーはもともと食用で流通したものなので、食べる事自体は普通のことらしい。

「鹿のアキレス腱の煮込み」は絶品だった。希少な部位なので食べられるのはラッキーらしい。
牛肉や豚肉と違い多少クセはあるものの、コクがあって深い味わい。味付けもビーフシチューのようで美味しい。白いご飯食べたくなってきた。
アキレス腱なので1頭から少量しかとれない。
アキレス腱なので1頭から少量しかとれない。
他にもこの日はピラニアのお刺身やトド刺し、イノシシの顔面焼きなどを食べた。自分でこの文章書いていて「すごいもの食べていたんだな」と今更ながら実感した。
イノシシの顔面焼き
イノシシの顔面焼き
トド刺しとピラニア
トド刺しとピラニア
本当に変わったものしかないお店ですねー
店長さんはなんでこの変わったお店で働くことになったんですか?
僕はジビエがすごく好きなんです
狩猟をやろうと思っていて、このお店で働きはじめました

(※ジビエとは、狩猟で獲った天然の野生動物の肉を食べること)
狩猟!カッコいい!
この店の料理もすごく好きで、「鹿の心臓」は特にオススメです
すごく希少なので、たまにしかお出しできないのが残念です
珍獣屋のすごいところは「珍しい食材がある」というだけでなく、料理がどれも美味しいところ。
そして本当に希少な食べ物が多いので、時期によって食べられる食材が変わるのも面白い。
もの珍しさで一回行ってみるとクセになる食材が多くて、また来たくなる。実際にリピーターの人も多いらしい。

近い将来に虫が主食の時代がやってくる?

将来の食糧不足が心配な中で、FAO(国際連合食糧農業機関)などの機関では、昆虫食の研究が進められているらしいという噂を聞いた。
今日食べていた昆虫が家庭の食卓に並ぶ日がくるのだろうか。
昆虫が主食になるってありえるんですか?
昆虫はタンパク質などの栄養価がすごく高い上に、生産のコストが全然かからないので、食料不足になった場合に食虫は普通になると思います。
それに牛や豚がいなくなったとしても、昆虫がいなくなるということはありえないと思います。

どのくらいの数の昆虫が世界にいるかわかります?
昆虫の数ですか?かなり小さいものもいますしね、、、
うーん、1000億とかですか?
100京匹以上いると言われています
100京匹!!
「京」って算数の教科書以外で見たことない数字だな、、、
例えばアリだけで見ても相当な数がいます
世界中のアリの総体重と、世界中の人間の総体重を比べると同じくらいになると言われています それくらい世界は虫で溢れているんです
人間1人にたいしてアリは1000万匹で同じくらい。人間と総体重が同じになるってことだけど、アリが世界で何匹いるのか想像もつかない
人間1人にたいしてアリは1000万匹で同じくらい。人間と総体重が同じになるってことだけど、アリが世界で何匹いるのか想像もつかない
昆虫はエサのコストも少ないですし、狭い場所で大量に飼育できます。骨もなくて全部食べられるのでゴミもでません。
昆虫はすごく可愛い上に、すごく良い食材なんです。
今日食べてみて味も美味しかったですし、たしかにこれはもっと流行るかもしれないですね
でもやっぱり見た目がネックですよね、虫の見た目がダメな人って多いですし
粉末状にしたり、ペーストにしたりして形を変えて今後食べられていくと思います。
少し前にアメリカで「コオロギ入りのチョコバー」が発売されて話題になっていましたよ
篠原かをりさん自身もマウスを使用して昆虫食の実験などを行っているらしい。こういう人が世の中を変えていくんだろうな。
篠原かをりさん自身もマウスを使用して昆虫食の実験などを行っているらしい。こういう人が世の中を変えていくんだろうな。
これから世の中どんどんと虫を食べる文化が広がっていくと思います

日本では昆虫を食べられる珍獣屋のようなお店はなかなかないので、食べれば身体にも良いですしオススメです!
なんか上手い具合にまとまった気がする

最後にデザートの「異物混入プリン」を食べる

最後に珍獣屋の名物デザートの「異物混入プリン」というのを食べることにした。

異物混入って名前だから、プリンの中に虫が入っている感じかと思ったら、異物丸出しの見た目だった。
衝撃的なこのプリンはぜひ店頭に行ってみて確かめてみてください、、、
この衝撃はぜひお店で!!
この衝撃はぜひお店で!!
見た目は異物が丸出しですけど、プリンは美味しいですね!
プリンの美味しさも含めて、最後まで衝撃の連続だった。あらためてすごいお店だ。
他では味わえない異質の空間ですごく楽しかった。珍獣屋に来なければ、人生で口に入れることはないであろう料理ばかりだった。
楽しさと美味しさ、さらに驚きも備わっている飲食店は唯一無二なんじゃないだろうか。
誰と来ても絶対に盛り上がるから今度はプライベートで来よう。

珍獣屋では現在アルバイトを募集しているとのこと。珍獣好きはぜひ応募しよう。
アルバイト募集中!
アルバイト募集中!
大学生の彼は「珍獣屋に面接に行った話をネタにしようと思って応募してみたら受かっていた」と言っていた。
大学生の彼は「珍獣屋に面接に行った話をネタにしようと思って応募してみたら受かっていた」と言っていた。
昆虫や珍獣に興味ないけど働いている人もいるらしいので「変わったバイトがしたい!」って人にも良いかもしれない。
珍獣屋

住所:神奈川県横浜市中区野毛町1-45 港興産ビル3号館2階1号室
TEL:045-260-6805

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(珍獣屋twitter)

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