特集 2016年11月2日

10種類のベトナム麺料理を食べてまわる

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我々がいつも食べる麺類と言えば、なんだ。

ラーメン、うどん、そば、そんなところか。きしめん、そうめん、と広げていけばまだあるが、季節モノだったりご当地モノだったり、いつも食べるかと聞かれると違う気もする。

ベトナムの麺類について紹介したい。その種類の数は、実に10!スープや具材が違うというレベルではなく、そもそも麺の製法からして10種類!フォーだけだと思ってた?とんでもない、極論フォーは日本でも食べられる!ヌードル大国ベトナムの真髄に今、触れてほしい。
1984年大阪生まれ。2011~2019年までベトナムでダチョウに乗ったりドリアンを装備してました。今は沖永良部島という島にひきこもってます。(動画インタビュー

前の記事:身体が覚えてる動きや言葉を教えて!~忘れられない男・血脇守之助~

> 個人サイト AbebeTV おきのえらぶ島移住録 べとまる

10種類とは言ったけど7種類は全部「米」です

今やコンビニにもひとつやふたつはある、フォー。
今やコンビニにもひとつやふたつはある、フォー。
あまり知られていないが、ベトナム人は世界で一番お米を食べる。2012年のデータでは一日の平均量は3.6杯(日本は2杯)、ついでに言えば輸出量も世界2,3位に位置するほどの「お米強豪国」だ。南部の常夏の気候では年に三度の収穫が可能で、有り余る米は惜しみなく、腹に収めるか・海外に売るかのどちらかになる。

なので、ベトナム人は大昔から「いかにして米を飽きずに食べるか」について考え続けてきた。ガリレオ・ガリレイが地動説を唱えたときも、ニュートンが落ちたりんごを目撃したときも、ベトナム人は常に米を食べる方法ばかり考えてきた。

というと真っ赤な嘘になるのだが(フォーの歴史は20世紀初頭からと意外に浅い)、10種類中7種類の麺類が米粉からできているという事実から言っても、米の食べ方に並々ならぬ情熱と努力を重ねてきた国民だろう。

先に書くと、種類はこの通り。

・フォー
・ブン
・フーティウ
・ミークアン
・バインダー
・カオラウ
・ヌイ
・ミー
・ミエン
・バインカン


今回、麺類と併せてお店も書きました。自分で言うなよと思われるかもしれないが、今回の観光情報としての価値はかなり高いですぞ!!ぜひこのページを見ながらベトナム(ホーチミン市)まで来てほしい。スマホじゃなくて印刷してね、ひったくられちゃうからね。

正直辛かったが、ベトナム料理をまだまだ知らないことを痛感できた

思った以上に観光記事になっちゃった感はあるが、食べ物を紹介する以上どうしてもそうなるし、ライターをやってる理由の3割くらいはベトナムのことを日本に伝えたいのでそれはそれとしていい。ともかく今回、麺類を(カオラウを除き)9食攻めることは地味に辛かった。

日本人は、日本で暮らして日本食を食べてきたからこそ日本人だという面もある。いくらベトナム料理は日本人の舌に合うと言われていても、やっぱり日本食は常にちょくちょく挟んでおきたい(そもそも日本人好みは一般に北部料理を差し、私はというと南部に住んでいる)。

しかし、バインダーやヌイなど、なんとなく敬遠していたが食べたらめちゃくちゃ美味しかったという発見があったので、改めてベトナム料理への探究心を怠ってはいけないなと思ったのでした。ホーチミンへ観光に訪れる方は、ぜひとも麺料理を巡ってみてください。
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フォー・世界に誇る国民食

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何を差し置いてもまずはフォー、ベトナムといえばフォーだよフォー。すでに貼った麺類の写真がそれである。

一般に、牛肉の入りのフォー・ボーと鶏肉入りのフォー・ガーがあり、正直なところを述べると、フォーはホーチミンではなくハノイに行って食えと言って差し上げたい。

すべてがそうとは言えないものの、北部はダシが効いてるけど、南部の味付けは化学調味料が覇権を握っているからね。
ホーチミンのフォーの名店、「Pho Hoa」。
ホーチミンのフォーの名店、「Pho Hoa」。
11時とランチには早かったけどほぼ満席!
11時とランチには早かったけどほぼ満席!
フォーの製法は、砕いた米を水に溶いて乾燥させたものを刻んで麺にする。そのまま茹でる場合もあれば、乾燥させて乾麺化させる場合もある。

そして、これから出てくる米粉麺はすべてが同じ製法で、水の配分・厚み・乾燥する方法&時間が異なるだけ。それで食感のバラエティーが7種類分もきっちりと生まれるものなのだから、大したものである。
この店のフォーは少し細め。
この店のフォーは少し細め。
これは「油状」といいます。
これは「油状」といいます。
油条はいわゆる揚げパンで、あらかじめテーブルに並べられており、麺に飽きたり足らないなと思ったらスープに浸して食べてお会計時に課金式。

これが置いてある店はスープもハノイ風(あっさりとした味、味の素などの化学調味料少なめ)であることが多い。
女性ではなく男性が調理してるって、ベトナムでは珍しい風景です。
女性ではなく男性が調理してるって、ベトナムでは珍しい風景です。
そして人気店の前には行商が集まる法則。
そして人気店の前には行商が集まる法則。
重ねて言うけど、フォーを食べたいならハノイへ!「Pho Hoa」も名店には違いないけど、ハノイのフォーは絶対うまい。

とくに「Lo Duc」通りの「Pho Thin」はキング・オブ・フォーの呼び声高く(日本人好みなだけかもしれないけど)、南部で「フォーを食べたけどおいしくなかった」と言う人を一列に並べて口をねじ開けてぶち込んでいきたい美味しさです。

そのほか調理方法にも、焼きフォーや揚げフォーに、担々麺風スープに入ったものもある。こいつらどれもめっちゃ美味い、検索すればすぐに出てくるので調べてみてくださいね。

あんまり書くとホーチミンの人に怒られそうなので言い訳すると、南部はフォーよりフーティウです。そんなフーティウは次の次のページ。
店名:Pho Hoa
住所:260C Pasteur, P.8, Q.3, TP.HCM
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オバマが食べて一気に世界的知名度を手に入れたブン

ブンチャー屋の店内。
ブンチャー屋の店内。
5月、ベトナムにオバマ大統領が来た。そのときにハノイのローカル店で食事をする写真がSNSで一気に拡散され、「一体何を食べているんだ!?」と世界中(だいたいベトナムかアメリカ)から注目を集めた料理が、ブンチャー。(こちらの写真

The President's chopstick skills are on point . #buncha #hanoi

anthonybourdainさん(@anthonybourdain)が投稿した写真 -

これね。
「客がオバマに無関心すぎる、ヤラセだろ」なんてことも言われた写真だが、アメリカ合衆国大統領が庶民の味を口にする光景は多くのベトナム国民を感激させたに間違いない。

「(広告効果を与えないため)すべてのビールがラベルの見えない配置にしてある」と鋭いコメントをしていた人もいるが、そうだとするとアメリカに本社のあるペプシだけ見えているところも、国益まわりの思惑がちら見してとてもおもしろい。
そんなブンチャーの写真はこちら。
そんなブンチャーの写真はこちら。
そしてこれがブン。
そしてこれがブン。
こんな感じで盛って食べるけど、人それぞれだったりもする。
こんな感じで盛って食べるけど、人それぞれだったりもする。
ブン(米粉麺)とチャー(ミンチ)でブンチャー、フォーに比べてプルプルとしており、日本国内のベトナム料理店ではそうめんを代用することが多いらしく、我々日本人にとってはそのイメージで良いかもしれない。
そこに、魚醤ベースの甘酸っぱいタレと、炭火で焼いた豚肉とつくね、そこに付け合せの香草をのせて食べる。

ブンは家庭の食卓でも白米に並ぶ主食で、カレーやビーフシチューに入れたり、ベトナムでのコンビニではおでんの具として売り出されるほどの万能食材。
かつて日本式のカレーをつくってご飯が尽きたところ、大家さんがブンを大量に持ってきたことがある。さすがにないわ、と思いながらも食べ慣れちゃうもんで侮りがたしブン。語尾のようになってしまった。
なお、前述のオバマが来店した店は、後に名前を「ブンチャー・オバマ」に変えました。
なお、前述のオバマが来店した店は、後に名前を「ブンチャー・オバマ」に変えました。
チャーヨー(揚げ春巻き)とバイントム(エビとさつまいもの揚げ物)もおいしいよ。
チャーヨー(揚げ春巻き)とバイントム(エビとさつまいもの揚げ物)もおいしいよ。
店構え。
店構え。
店名:Bun Cha Hanoi
住所:8A/9C2 Thai Van Lung, P.Ben Nghe, Q.1, TP.HCM
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ほんとはカンボジア生まれだけどベトナム化しちゃったフーティウ

フォーとブンに加えて、このフーティウが「ベトナム庶民ヌードル御三家」と言ってもいい。朝、路上にプラスチック製のテーブルとイスに座って麺類をすすっている人がいれば、それはこの三つのどれかだろう。

本当はカンボジア生まれのフーティウだが、現在のホーチミン市に当たる土地はかつてカンボジア領だったので、食文化が土地にとどまったと言われている。

フーティウもまた米粉麺、ただしフォーやブンにコシがない一方でそれがある。ざらついた表面とほんのり感じる豚肉独特の臭みが個人的に好きではないのだけど、歯ごたえがあるだけに満腹感は一番かもしれない。
あんまりきれいな店で食べるようなものでもないんですがね。
あんまりきれいな店で食べるようなものでもないんですがね。
ワンタン入りフーティウ、苦手意識あったけど…これはうまい!
ワンタン入りフーティウ、苦手意識あったけど…これはうまい!
持ち上げると、光が当たった部分からざらつきが伝わるだろうか。
持ち上げると、光が当たった部分からざらつきが伝わるだろうか。
アッサリとしながらもコクの強い、豚をベースとしたスープに、固めのフーティウがほどよく絡む。ワンタンは頬張るとジュッと肉汁がにじみ、美味しい。
ここで思い出したように食事の写真を撮る。
ここで思い出したように食事の写真を撮る。
ベトナムの麺類に付け合せの香草や野菜は当たり前、左上は珍しいミートパイか。
ベトナムの麺類に付け合せの香草や野菜は当たり前、左上は珍しいミートパイか。
店名:Tung Hung
住所:147 Tran Hung Dao, P. Cau Ong Lanh, Q.1, TP.HCM
今になって10種類は多すぎたと思ってきた。米粉御三家については語ることが多かったということもあるが、これからちょっと巻きでいきます。
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中部地方の代表格、私も大好きなミークアン

ミークアンは中部都市・ダナンの名物麺料理。
いわゆる「汁なし麺」で、豚肉、エビ、魚肉ソーセージ、ゆで卵、ネギにピーナッツに、特徴として器をスッポリと隠すくらい大きな煎餅が入っている。ピリッと辛い魚介ダシのスープに、この煎餅を割って浸して食べる。

そう、この汁なし麺が好きで…
汁なし麺が…
汁なし麺が…
お汁たっぷり!!
お汁たっぷり!!
しかも豚肉も入ってない。いつもとつくってる人違うだろう絶対コレ、と店員に言ってもそこはローカル。

ベトナム語で伝えられない自分が悪いのだけど、怒っていることだけは伝わったようで、とにかく申し訳なさそうに「ソーリーソーリー」と言われると、自分がクレーマーになったようでたちまち怒りも萎えた。

以前はこの近所に住んでいて毎日のように利用していたのだけど、とにかく会話もせず寡黙な外国人で通っていたから、たぶんおばちゃんめっちゃビックリしたろうな。でも俺は悪くないぞ、何よりも肉入れろ肉。
それでも食べてるときは怒ってるように見えないもんです。
それでも食べてるときは怒ってるように見えないもんです。
麺はふわふわと柔らかいきしめんといったところ、優しい食感。
麺はふわふわと柔らかいきしめんといったところ、優しい食感。
この顛末で情報を載せるのもどうかと思うが、普段は本当にオススメできる中部料理のお店なので行ってみてほしいと思います。まぁ、ミークアンはダナンで食べるべきなんだけどね。この店は実はコムスン(Com Suon、炙り豚肉のせご飯)が美味しいです。
南部は店先で豚肉を炙るスタイルが一般的、昼時はこんな光景をよく見かけます。
南部は店先で豚肉を炙るスタイルが一般的、昼時はこんな光景をよく見かけます。
お店に入りそうで入らない。
お店に入りそうで入らない。
店名:Hong Hanh
住所:17A Nguyen Thi Minh Khai, P. Ben Nghe, Q.1, TP.HCM
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麺類なのに砂糖入り、ほぼきしめん感覚のバインダー

バインダーは北部にある、ハイフォンという港街の名物料理。麺類の中では変わり種で、なんとサトウキビが練り込まれている。
といっても甘いということもなく、入っていると言われれば甘いかも?というくらいで、良い意味で風味付けにとどまっている印象。
こちらがバインダークア&魚介類トッピング、カラフル!
こちらがバインダークア&魚介類トッピング、カラフル!
見ての通り、具材はモリモリで色も鮮やかで食欲をそそられる。港町の料理らしく具材は魚介が主体で、エビ、あさり、魚の練り物、カニのすり身、揚げ豆腐、あとはラロットと呼ばれる牛肉のぶどう葉巻きが入っていた。
麺の色はこの通り、赤茶色。
麺の色はこの通り、赤茶色。
食べづらそうにしていますがそんなことはないです。
食べづらそうにしていますがそんなことはないです。
スープもカニのダシが十分に取られていて、美味い。実はバインダーに対して食わず嫌いなところがあって、まともに食べる機会は今回がはじめてなのだが、「あ、かなり美味しかったんだ」と驚いた。
ベトナム料理のお店って、ハズレも多い(と私は思う)けど、美味しいところはとことん美味しいんだよな。

食感はほぼきしめんと同じと言ってもいいくらいで、日本人が嫌う要素が見つからない。
ハイフォンはハノイからバスで2、3時間ほど走った場所にあるので本場の味をぜひどうぞ。ホーチミン市では数少ないハイフォン料理店のここに。
具もひとつひとつ凝ってる、小さいカニかと思いきやすり身をあとからくっ付けていた。
具もひとつひとつ凝ってる、小さいカニかと思いきやすり身をあとからくっ付けていた。
底には大量の空芯菜が敷き詰められていて、野菜もいっぱい摂れる。
底には大量の空芯菜が敷き詰められていて、野菜もいっぱい摂れる。
店構え、街の中心地寄りです。
店構え、街の中心地寄りです。
店名:Lang Cua Dong
住所:18A/5 Nguyen Thi Minh Khai, P. Da Kao, Q.1, TP,HCM

この街でないと食べられない、伊勢うどんがルーツ?のカオラウ

やっとこさ米粉麺の最後は、カオラウ。実は以前、このカオラウだけに絞って取材した記事を書いている(『ベトナムの郷土料理のルーツは四世紀前の伊勢うどん説』)。

三重県の伊勢うどんをルーツとする(かもしれない)麺料理で、ざらついた表面にスクッと歯で切れる固いが粘度の低い麺が特徴的。
そんなカオラウさんがこちら。
そんなカオラウさんがこちら。
この麺料理は、ベトナムのどこでも食べられるのではなく、中部にあるホイアンという街にのみ限定される。その理由は独特な水質にあり、街の井戸から組み上げられる水だけが、カオラウ独自の麺の性質をつくることが敵うのだ。

という訳で、唯一カオラウだけが今回の取材対象。前に行っててよかったー。
カオラウを前に目を輝かせております。
カオラウを前に目を輝かせております。
住所:ホイアンに行けばたくさんあります

マカロニなのにモチモチしてる、ローカル・ジャンクフードのヌイ

ヌイは、マカロニ。どう見てもマカロニ。醤油などの調味料といっしょに炒めたジャンクフード的な立ち位置であり、「どうせこんな味でしょ」と勝手に想像していたが、取材をきかっけに「せっかくなら」と美味しい店を探して行ったところ、大当たりを引いた。
中華街のど真ん中にあるので、店先にも漢字が入ってる。
中華街のど真ん中にあるので、店先にも漢字が入ってる。
ヌイ・ボー・サオ、マカロニ・牛肉・炒めたもん。だ。
ヌイ・ボー・サオ、マカロニ・牛肉・炒めたもん。だ。
どれどれ…ん!
どれどれ…ん!
これ、マカロニじゃない!いや、形こそマカロニなのだが、食感が非常にプリプリとモチモチとしている。あとで調べたところ、これもまた米粉麺(と、小麦粉のミックス)。ベトナムの米はバケモノか、どれだけトランスフォームをすれば気が済むのか。
もちーんとしてるんですよ、もちーん!っと。
もちーんとしてるんですよ、もちーん!っと。
このモチモチっぷりが、チリソースと、さらに目玉焼きから溶け出した黄身がいい感じに絡み、ジャンクフード感はあれど美味しいもんは美味しいんじゃ!とねじ伏せられる勢い。

しいて欠点を言えば、ベトナムの牛肉は筋っぽく固いので、アゴが徐々に痛くはなるくらい。
中華街だからか、コーヒーにお茶が付いてきた。
中華街だからか、コーヒーにお茶が付いてきた。
何か飲むか?と聞かれて、それならとミルクコーヒーを頼んだ。このとき時間は朝10時、路上で喧しくトラック運転手が荷台を下ろす風景を眺めながら、中華街の店先で隠れるようにしてコーヒーを飲む時間はなんとなく心地がよい。
このグラデーションはいいコーヒーだ。
このグラデーションはいいコーヒーだ。
おだやかな休日…いや、仕事中だった。
おだやかな休日…いや、仕事中だった。
店名:Pho Long Den
住所:15 Nguyen An, Q.5, TP.HCM

普遍の玉子麺、ミー

玉子麺は玉子麺、それがミー。日本人に食べ慣れたラーメンの麺と同じだ。中国から流れてきた食文化だと言われている。
市場の脇にある、おそらく元は移動式屋台だったお店。
市場の脇にある、おそらく元は移動式屋台だったお店。
屋台は古めかしいが、メニューはちょっと洒落ている。
屋台は古めかしいが、メニューはちょっと洒落ている。
ベトナムはおよそ1000年も前から中国とは交流と因縁とも言える関係にあり、自国の至るところに中華文化が見え隠れする。

この屋台もその名残りで、市場の隅や古いお店の中に置かれて、そのまま席に座って食べられる。車輪があるところから、かつては街中を移動していたのだろう。
「ミーホアンタンくれ」「はいよ」
「ミーホアンタンくれ」「はいよ」
ミーホアンタン、要するにワンタンメン。
ミーホアンタン、要するにワンタンメン。
屋外での食事は、衛生面を気にしてお箸を紙でしごくことが一般常識。
屋外での食事は、衛生面を気にしてお箸を紙でしごくことが一般常識。
鶏ガラスープに、さっと湯引きしただけのレタス、歯ごたえのあるネギに、ハムとその裏に沈んだワンタン。頂上にはひき肉と揚げられた玉ねぎがのってある。これらのラインナップと見た目で味は想像できると思うので詳しくは書かないが、ただただ美味しい。
見慣れた麺だよね。
見慣れた麺だよね。
プリプリのワンタン!
プリプリのワンタン!
ちなみにここは市場の外周にあって、
ちなみにここは市場の外周にあって、
この固め派に満足いただける(はずの)プリンは一個30円なのでご賞味あれ。
この固め派に満足いただける(はずの)プリンは一個30円なのでご賞味あれ。
市場そのものもとんでもない種類が揃う布市場なので、好きな人にはたまらないはず。
市場そのものもとんでもない種類が揃う布市場なので、好きな人にはたまらないはず。
店名:Mi Chu Cau - Cho Tan Dinh
住所:Cho Tan Dinh, Q.1, TP.HCM

いわゆる春雨、ミエン

考えてみれば、スープ春雨って日本だとコンビニ商品の印象で、あまり外では食べる機会が少ない気がする。

そんな状況も私がベトナムに住んでいる五年間のうちにガラリと変わっているかもしれないが、それはともかくとしてベトナムで春雨はメジャーな麺類のひとつだ。
すごい透明度!
すごい透明度!
クッタクタになるまで煮込まれた筍が良い風味になっている。
クッタクタになるまで煮込まれた筍が良い風味になっている。
とくにこのお店はこれでもかというくらい濃厚に鶏からダシが取られており、店内に漂う香りがとんこつラーメン専門店を思わせるくらいにガツンと来る。
春雨も日本で食べられるものに比べて太く、角がシッカリとしていて口の中に吸い込むときの当たり具合が心地よい。
周りに敷き詰められた鶏さんたち。
周りに敷き詰められた鶏さんたち。
一本一本が太い、力強い春雨。
一本一本が太い、力強い春雨。
すげぇ口してんな。
すげぇ口してんな。
余談だが、一時期ここによく通っていた頃、駐輪していたバイクに乗ろうとするとよくおじさんが駐車代を求めてきた。人気店は駐輪が無料であることが多いのでケチだな~と思っていたが、この日は何も言われなければ誰もいなかったので、もしかしたらあのおじさんは何の許可もなくパラサイトしていただけなのかもしれない。
左端の親子、学校帰りの子どもを連れてきているってリアル。
左端の親子、学校帰りの子どもを連れてきているってリアル。
店構え。
店構え。
店名:Cat Tuong
住所:65 Thu Khoa Huan, P. Ben Thanh, Q.1 TP.HCM

タピオカ生まれのもちもちうどん、バインカン

で、やっと最後!これは日本だとそうそうお目に掛かれない、タピオカ麺・バインカン。

タピオカと言えば台湾ミルクティーに浮いている黒い玉を思い浮かべる人も多いだろうが、そもそもあれはタロイモで、タピオカはそれを粉状にしたものを指す。

いろんなものをモチモチにしてしまおうって記事が以前ありましたね。
頼んだらなんか一式出てきた。
頼んだらなんか一式出てきた。
バインカンはそのタピオカを麺状にしたもので、テラテラと半透明に輝く麺類。長さも太さもうどんそのものだが、ひと噛みして感じるモチモチぶりは体験したことのない食感のはず。スープは鶏ガラベースが多く、太めの麺がシッカリとスープを口まで運んでくれる。
見てくださいよ。
見てくださいよ。
もはやぷりぷりすぎて可愛さすら感じません?
もはやぷりぷりすぎて可愛さすら感じません?
愛してる!
愛してる!
このお店はゴロッと大きな骨付き肉や鶏の足などからトッピングを選べる。一見すると外国人が近寄りがたい雰囲気があるが、意外にホテルの多いエリアなので、英語でなくとも指差しのやりとりだけで食事するには問題ない。
このアッサリとしたスープが朝にいいんだ。
このアッサリとしたスープが朝にいいんだ。
食いでのある豚肉。
食いでのある豚肉。
店の隅では店員が黙々と下準備していたが、一瞬だけ全員テレビに視線を奪われていた。
店の隅では店員が黙々と下準備していたが、一瞬だけ全員テレビに視線を奪われていた。
店構え。
店構え。
天井が結構いけてるのだが、もともと何の店だったんだろう。
天井が結構いけてるのだが、もともと何の店だったんだろう。
店名:Chao Muc 10
住所:10 Pho Duc Chinh, P. Nguyen Thai Binh, Q.1, TP.HCM
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