特集 2017年3月6日

今週は「3月の冬将軍」が主役です あと出し天気予報

木曜(23日)の風の予測。低気圧がこのコースなら南風が強まって嵐に。しかし、もっと南を通ると、そこまで吹かない。
冬将軍、今シーズン最後のあがき?列島は冷たい空気(青色)にスッポリ。
1週間の天気予報を振り返って当たったかどうかを検証する週1連載。
勝敗とその理由を振り返ります。はたして今週の成績はどうだったのか。

(本連載は振り返りが中心で、詳しい予報は行っていません。予報が見たいかたはウェザーマップなどの専門サイトをどうぞ)
1977年滋賀生まれ。お天気キャスター。的中率、夢の9割をめざす気象予報士です。 好きな言葉は「予報当たりましたね」。株式会社ウェザーマップ所属。
ツイッターでも気象情報やってます。(動画インタビュー)

前の記事:また木曜日がねらわれる 春の嵐に? あと出し天気予報

> 個人サイト ウェザーマップ・増田雅昭 ツイッター @MasudaMasaaki

1週間を振り返る(東京都心周辺)

1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。
1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。

“東京都心”では大ハズレはなかったんですが…

先週は、木曜(2日)の雨もうまく当てて、まずまずの成績。

ただ、じつは隠れた大ハズレが。

金曜は「スカッと青空」という予報どおり、朝からよく晴れた。
なんの疑いもなく、そのまま晴れで終わると思った、昼下がり。

東京都心の上空に、気づけば雲がたくさん。

「あれ?」と何気なく開いた雨雲レーダーのサイトを見て、固まる体。

神奈川県の東部に、雨雲が発生。しかも、夏の雨のようにどんどん発達している。
ひさびさにビックリした全く想定外の雨。
濡れたみなさん、ほんとごめんなさい!

東京都心は、雨の観測はなかったので予報は当たり…というのは、さすがにちょっとちょっと気が引けるので、△にさせていただきます(午後の曇りを当てられなかったし)。
ぎりぎり雪が混じってくれたおかげで、土曜は当たり。綱わたりっぽいけど、なんとかパーフェクト達成。
この季節にあんな急に雨雲が出るって、なかなか気づけないですよ…。

この冬は暖冬として扱われそうです

気象庁の区分では、12月~2月が「冬」。
なので、先週の2月28日午後23時59分をもって、この冬が終わった。

そんなスパッとした分けかたもどうかと思うが、記録を残すための区切りと、ひとまず自分を納得させる。

この2月までの3か月は、全国的に気温が平年より高かった。
後年、この冬を振り返ると、「暖冬」だったと扱われるだろう。
この冬の平均気温。オレンジが平年より高い。(気象庁HPより)
この冬の平均気温。オレンジが平年より高い。(気象庁HPより)
でも、11月に東京で雪が降ったり、1月には寒波が来て西日本で大雪になったり。
けっこうインパクトが強いことも多かった。ほんとうに「暖冬」って、くくっていいのか?

冬がはじまる前に3か月予報とかが出ると、「暖冬」とか「寒冬」とか言われるが、こんな波がある気温に対して、それって意味あるのか?

あー、やっぱり長期予報は好きになれない。当たる予報が好きだ!

【今週のみこみ】気温は低空飛行、冬っぽい日が多いです

今週は、日本列島に冬将軍(寒気)がやってくる。
日本海側で雪が降る「冬型の天気」。今シーズンに冬型になるのも、あと何回か。そう考えると名残りおしい。
日本海側で雪が降る「冬型の天気」。今シーズンに冬型になるのも、あと何回か。そう考えると名残りおしい。
ただ、3月にもなると冬将軍も、チカラの衰えが目立つ。
ドカッと大雪を降らせるわけでもなく、びっくりするような低温をもたらすわけでもない。

田舎のおばあちゃんの家に、なんとなく来て、世間話をだらだらとして、いつの間にかいなくなっている近所の人のような寒気。

冬将軍は、今週いっぱいだらだらっと居座り、冬っぽい気温をもたらして、いつの間にかいなくなる。

「3月はまだ冬」派を勢いづけそうな、今週の気温。
結果は来週!
!
今週の格言
『3月の冬将軍は、いつの間にかいなくなる。
おばあちゃんの家に来る近所の人のような存在』

詰め天気

前回(2/20)の出題は、「この日の東京はどんな天気だったでしょうか?」でした。

選択肢はこの4つ。
1)25℃を超えて夏日→砂ぼこりで空が茶色に
2)25℃を超えて夏日→夜は0℃以下に
3)ふぶき→昼間でも0℃以下
4)ふぶき→晴れて湿度5%以下に
2010年1月13日明け方。気象庁天気図。
2013年3月10日朝。気象庁天気図。
正解は「1)25℃を超えて夏日→砂ぼこりで空が茶色に」だったんです。

南下する寒冷前線の南側は気温が上がりやすくなります。
この日は、朝の時点では、まだ前線から遠く、よく晴れて気温が上がりました。

3月上旬として25℃は記録的な高温ですが、記録的な高温が出るときは、前線の南下がからんでいることがけっこうあります。

午後からは、寒冷前線が通過して、気温が急降下。
前線通過直後の強い北風で、関東平野の砂ぼこりが大規模に巻き上げられて、空が茶色に。大さわぎとなりました。

2)と答えていただいた人が、かなり多かったんですが、さすがに25℃を超えた日の24時までに0℃を下回るのは、東京ではむずかしいですね。24時で6℃でした。
「ありましたね、空が茶色になったこと。 黄砂か?!って騒がれたけど、結局は近郊の畑とかの土埃だった、ってやつじゃなかったでしょうか。(そばーばさん)」

そうそう、その時です!

「関東平野は、まわりに高い山があるため、寒冷前線が通過したからといって、すぐに気温が下がるわけではなく、他の地域よりも半日から1日遅く気温が下がるはず。よって、正解は1です。(ポールさん)」

そうなんです!

「一見2番を選びそうになりますが、2番を選ぶには大陸高気圧の中心が南寄りすぎるのと、高気圧の勢力が弱い気がします。なので、夜はそこまで寒くならないと。(lavさん)」

そういう読みもありますねー。

「答え(2) 個人的に気温の激変が大好きなので(そこなしぬまさん)」

おっ、仲間ですね!気温の激変、ぼくも大好きです。

「バタバタしておりますが、この詰め天気が嬉しいひと時です。(かまきりさん)」

こういったコメントを読むときが、何よりうれしいひと時です!


今週の定石はこちら。
今週の定石
『春に前線が南下して通過するときは、砂ぼこりの可能性がある』
(ひどいのが起こるのは、たまにですが)
今回、正解した皆さんはこちら。

きったんさん、lavさん、naraoさん、ポールさん、
ベルヌーイさん、雄大積雲さん、Kenさん、イシロさん、
そばーばさん、かまきりさん、暗落亭涼蘭さん、
hiroさん、おさかなマイスターさん、ふなさん、
せんばんさん、メロポンさん、スートラさん、ゆりまりさん。

おめでとうございます!


今週の問題はこちら。

今週の問題

この天気図の日に起こったことはどれでしょう?
気象庁天気図。朝
気象庁天気図。朝

(ヒント)

・春の天気図です
・ネットでの天気図検索はナシでお願いします!

<答えはこの4つのどれかです>

1)北海道で気温35℃を観測した所があった
2)石川県で直径10cmの雹(ひょう)を観測
3)岐阜県で湿度0%を観測した所があった
4)高知県で10cmの雪を観測

解答はこちらから↓
理由などとともにお願いします。
正解は再来週(3/20)に!
編集部より:増田さんへの質問を募集しています。投稿はこちら。


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