特集 2017年4月18日

砂糖水を赤くするといちごの味がする

ぽわわわわ~ん
ぽわわわわ~ん
砂糖水を赤く着色すると人はいちご味だと思うらしい。むかしなにかの本で読んだ。
味覚が目からの情報に引っぱられるのだという。
たしかにそんな気もする。かき氷のいちごのシロップは赤い砂糖水かもしれない。

じゃあ緑にしたらメロン味だと思うだろうか。逆にいちごの香りがするのに色が違っていたらどう感じるだろう。
1971年東京生まれ。ニフティ株式会社勤務。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと新宿区で活動。 編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。
> 個人サイト webやぎの目

特製砂糖水とつくりかた

確かめるために色と風味の組み合わせが異なる5種類の砂糖水を作ることにした。

砂糖水・赤
砂糖水・緑
砂糖水・紫
砂糖水+いちご風味・緑
砂糖水+いちご風味・紫
いちご風味の赤はただのイチゴジュースだからやらない。
いちご風味の赤はただのイチゴジュースだからやらない。
作り方
1. 500mlの水にガムシロップを6個入れる
2. クエン酸を入れる
3. 着色料で色をつける

少しずつガムシロップを足していったところ、500mlに6個で砂糖水と呼べるぐらいの甘さになった。それでも市販のジュースよりは甘さが足りないのだが、6個以上入れるのが怖かったのでそこでやめた。
なにかを吹っ切るようにガムシロを投入
なにかを吹っ切るようにガムシロを投入
これで赤くなる
これで赤くなる
クエン酸で酸味を入れる
クエン酸で酸味を入れる
試飲
試飲
ガムシロップ+色素だけだとかなり砂糖水なのだが、クエン酸で酸味をつけることでぐっと果実っぽさが増す。
あまりのいちごジュース感に悪い笑顔をする
あまりのいちごジュース感に悪い笑顔をする
さらなるいちご感を出そうと思って芥子の実を入れてみた。(種が入っているつもり)。
つぶつぶいちごジュース
つぶつぶいちごジュース
これはないわ
これはないわ
見事な雑味でいちごっぽさが離れた。よく考えたら種がもりもり入っているいちごジュースなんて見たことがない。

成分は同じで、色だけ変えた3種類の砂糖水を作った。
色が違うだけで全部同じ味である。書いてある果物はあくまでイメージ
色が違うだけで全部同じ味である。書いてある果物はあくまでイメージ

難易度の高い砂糖水もある

甘くていちごの香りがするのに赤以外の色だったらどう感じるだろう?脳を混乱させてやろう。
なんでもいちご風味にする液体。ストロベリーエッセンス
なんでもいちご風味にする液体。ストロベリーエッセンス
数滴たらすだけでなんでもいちご風味になってしまうのだ。ただの水にたらしてみると…コップを近づけただけでいちごの香りがふわっとしてくる。
お!いちごだ!
お!いちごだ!
からの、水~
からの、水~
いちごと思わせておいて無! 味が全くしない。階段があると思ったらなかったときぐらいのスカッと感である。

しかしこれをさっきのガムシロップ+クエン酸にたらすと完全にいちごジュースである。でもそれを緑色にしたらどうなるだろうか?何味だと思うだろう?
こちらは難易度の高い砂糖水
こちらは難易度の高い砂糖水
ではこれを被験者の皆さんに味わってもらおう。

いちご味だと思うだろうか

デイリーポータルZの企画会議のあと、いる人たちに赤い砂糖水を飲んでもらった。「砂糖水を赤くすると人はいちご味だと思うらしい」ということを説明して、いちご味がするかどうかを確かめてもらった。
2時間半の長い会議後に砂糖水をのむ
2時間半の長い会議後に砂糖水をのむ
「………いちごだ」「うん、いちご味だ」
「………いちごだ」「うん、いちご味だ」
実験の趣旨を先に説明したのはいちご味には思えないかな…という弱気からだったのだが、見事な賛同だった。言わなきゃよかった。
主な感想

後味は砂糖っぽいけどいちご味だ
果実っぽさがある
いけるいける
なるほど、あーはいはい
これ、なにも言われなかったらいちごだと思いますよ
先に説明したので、あーなるほどねーという確認するような感想が多い。「これ、なにも言われなかったら…」と構成についての意見も出た。

緑色した砂糖水

予想以上に色に惑わされることがわかったので、これ以降は成分を秘密にして飲んでもらうことにした。といっても同じなのだが、あたかも違うような態度で注いでみる。
「じゃあ、これはどうかな~」などというが中身はさっきと同じ。色が違うだけ。
「じゃあ、これはどうかな~」などというが中身はさっきと同じ。色が違うだけ。
「さっきと違う!」
「さっきと違う!」
………デイリーポータルZは食べ物の記事もたくさん載せているのに大丈夫か、と不安になる反応である。
感想(カッコ内は林の心の声)

青くささがあるね(ない)
さっきと甘味が違うでしょう?(おなじ)
はちみつじゃない?(違うって!)
メロン……いや、抹茶っぽい(どちらでもない)
メロンと言われるとメロンだし、お茶と言われるとそうだ
ガムシロじゃないな(ガムシロです)
いちご味と同じガムシロップだし、お茶でもメロンでもない。実験結果としてはおもしろいのだが、ウェブマスターとしては困ったことになった。

紫色の砂糖水

ぶどうはあくまでイメージカットである。「写真と本文は関係ありません」だ。
ぶどうはあくまでイメージカットである。「写真と本文は関係ありません」だ。
感想

うん、ぶどうだ(違うって)
ぶどうって言われると、ぶどうになる(そういうのありか?)
メロンと比べるとメロン(かなりわからなくなってる!)
わかんない
砂糖水って感じがする
デイリーポータルZのライターは極端に素直な人が集まっているということが分かる結果になった。

全部同じだと教えられてから

3種飲んだところですべて同じガムシロップとクエン酸であることを明かした。
赤いのが一番いちご味がした。(味は全部同じなんだけどね)
はちみつだと言われるとはちみつだと思う
全部いっしょの味だったよ
ぶどうが砂糖水そのまんまだった
全部同じ砂糖水だったのだが、紫→ぶどうが一番暗示がかかりにくいようだった。

いちごとメロンはシロップで騙され慣れているのに比べて、ぶどうジュースは本格的な味のものが多いからかもしれない。
それより500mlにガムシロップ6個入っていたということに驚くメンバー
それより500mlにガムシロップ6個入っていたということに驚くメンバー

いちごの香りがするけど色が違っていたらどうなのか

ここからははじめに説明した難易度の高い砂糖水にチャレンジしてもらう。参考書だったら「力だめし」というアイコンが付くところだ。

緑色のいちごジュースを飲んだときにどう思うだろうか。
つまり、ガムシロップ+クエン酸+ストロベリーエッセンス(いちごジュースの組み合わせ)& 緑の食用色素だ。
注いだだけでいちごの香りがすごい。
注いだだけでいちごの香りがすごい。
これはちょっと匂いで分かってしまうのではないか。色に惑わされるだろうか。
「あー、これね」飲んだ人の表情が明るくなった。わかってしまったか…
「あー、これね」飲んだ人の表情が明るくなった。わかってしまったか…
感想

メロンだ!(えっ!)
メロンフレーバーですね
「匂い味」というか、においに引っ張られた味がする
全然分かってなかった。メロンだ!と喜んでいる。人間は目で味わっているのである。たぶん。
では紫に着色したものはどうなるだろうか。ぶどう味だと思うだろうか。
これまたいちごの香りが強い
これまたいちごの香りが強い
感想

いちごっぽい
いちごだ
ぶどう?
いちご味ということになった(正解)
いちご味ということになった(正解)
紫の色がうすいので赤として認識されてしまったのかもしれない。
わかったこと:

赤いといちご味、緑だとメロン味だと思う
色がメロン色だったら香りがいちごでもメロンだと思う
匂いの有無に関係なく、紫でぶどうとは思わない
デイリーポータルZのライターが素直

めまい味は楽しいぞ

人間は五感で食べるというが、それが一致してないときの混乱はエンターテイメントである。ジェットコースターでめまいを楽しんでいるようなものだ。

特に笑うのは匂いと味が一致しないときである。

真水にストロベリーエッセンスを入れたもの(匂いはイチゴなのに無味)を飲んだときの表情がそれを物語っている。
水だ!の顔
水だ!の顔

そうだ、4月28日にデイリーポータルZのスナックがあるので匂いだけの水もこっそり用意しておきます。

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