特集 2017年4月21日

日本最古のビリケンさんを拝んでくる

これが日本一古いビリケンさんだ!
これが日本一古いビリケンさんだ!
取材で神戸を歩いていたら、たまたま日本最古のビリケンさんと出逢うことができた。ありがたや、ありがたや。

ところでビリケンさんってなんなんのさ。
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。(動画インタビュー)

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新世界はビリケンさんだらけ

大阪の通天閣がある新世界一帯は、なにやらいたるところに年を重ねたキューピー人形みたいなものが飾ってある。これはビリケンさんというものらしい。

お地蔵様とか恵比寿様とか招き猫とか信楽焼のタヌキみたいな、なんとなくありがたいものなんだろうなと漠然ととらえ、深くは考えずに生きてきた。
その大きさを競うようにビリケンさんが飾られている。
その大きさを競うようにビリケンさんが飾られている。
そんなビリケンさんと私の薄い関係だが、神戸を取材で歩いていた時に、たまたま日本最古のビリケンさんの存在を示す看板を発見。

ビリケンさんがなんなのかわからないが、きっと途方もない価値と確かなご利益があるものなのだろう。
ビリケンさんって福之神だったのか。
ビリケンさんって福之神だったのか。

日本最古のビリケンさんを拝みにいこう

ビリケンさんが祭られているのは、松尾稲荷神社という場所らしい。

気を引き締めて、鳥居をくぐり進んでいく。
この先にビリケンさんがいるのか。
この先にビリケンさんがいるのか。
鳥居の密度がすごいな。
鳥居の密度がすごいな。
ビリケンさんではなくキツネさん。
ビリケンさんではなくキツネさん。
ウルトラマンの墓かと思った。
ウルトラマンの墓かと思った。
松尾稲荷神社に到着。
松尾稲荷神社に到着。
神社の中に入っても、まだビリケンさんはいない。
神社の中に入っても、まだビリケンさんはいない。
どうやらこの奥にいるようだ。日本最古だけあって様付けで呼ばれている。
どうやらこの奥にいるようだ。日本最古だけあって様付けで呼ばれている。
うわー、なんだかドキドキしてきた。

人魚のミイラとか、ツチノコの剥製とか、宇宙人の死体とか、何が出てきてもおかしくない厳かな雰囲気。

でもこの先にあるのはビリケン様。さすが大阪。いやここは兵庫県神戸市か。

これが日本最古のビリケン様だ!

突きあたりを左に曲がると、その先にビリケン様はどっしりと鎮座していた。
いた!いや、いらっしゃった!
いた!いや、いらっしゃった!
さすがは日本最古。堂々の風格だ。
さすがは日本最古。堂々の風格だ。
これこそが日本最古を誇るビリケン様である。髭を剃ってボウズにしたハクション大魔王ではない。 尖った頭に丸い鼻、つぶらな瞳に大きな耳と唇。

どこか無国籍な印象だ。
で、このビリケン様って、結局誰なんですかね。
別角度から。ディズニーのスティッチっぽくもある。
別角度から。ディズニーのスティッチっぽくもある。

ビリケン様とは誰なのか

私にはまったく想像できないビリケン様の由来だが、ちゃんと説明が書かれていた。

もともとはアメリカの彫刻家が1907年に考えた神様の像で、それが幸運のマスコットとして世界的に流行したらしい。

そうか、空想上のキャラクターだったのか。それって今でいうゆるキャラだ。
がんばって読もう。
がんばって読もう。
ビリケンという名前の由来は、当時アメリカの大統領だったウィリアム・タフトの愛称であるビルにちあんだものだとか。一文字もあってないな。またロシアのイヌイットがセイウチの牙で作るベリケンという人形がモデルという説も。

そしてここのビリケン様は、大正の初めに神戸元町の洋食屋さんがアメリカ人水兵の持ってきたビリケンを真似て作ったもので、大黒様と混ざった姿から『ジャパンビリケン』と呼ばれていたそうだ。
ありがたいキャラクターグッズもあるよ。
ありがたいキャラクターグッズもあるよ。
かっこいい刺繍の財布を購入しました。
かっこいい刺繍の財布を購入しました。
アメリカで生まれたビリケンが日本に伝わり、神戸の地でジャパンビリケンが生まれ、なぜか大阪の新世界を制覇しているという謎の歴史。

調べたらとてもおもしろそうなテーマだが、これからも深く考えずに、なんとなくありがたがって生きていこうと思う。

その由来を知っても、いまだにビリケンさんはよくわからない人形という印象だが、この財布のデザイン、そして「ジャパンビリケン」という言葉の響きは、とてもかっこいいなと思った。ありがとう、ビリケン様。
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