広告企画♪ 2017年7月18日

養命酒の新パッケージが地味すぎるので爆誕してもらった

「新!」「パッケージ!」「爆!」「誕!」
「新!」「パッケージ!」「爆!」「誕!」
先日に、特撮のロケ現場で爆破結婚写真を撮る、という記事を書いた。

非常に多くの方に読んでいただけて嬉しかったのだが、その流れからちょっと妙な依頼があった。

具体的に言うと、編集安藤さんから「養命酒のパッケージが新しくなったんですが、あまり代わり映えしないんですよ。なので、爆破してやろうと思うんですが、きだてさんも行ってもらえませんか」という連絡が来たのだ。

何を言ってるんだろう、この人は。
1973年京都生まれ。色物文具愛好家、文具ライター。小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の人間がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文具を自慢する」という結論に辿り着き、そのまま今に至る。(動画インタビュー)

前の記事:進化型三角巾で骨折ライフを快適に暮らす

> 個人サイト イロブン Twitter:tech_k

事情はこういうことだった

まず分からないのが、「養命酒のパッケージが新しくなったのに、代わり映えしない」というところ。
養命酒と言えば、なんと創製は1602年(Wikipediaより)で、400年以上の歴史がある。その養命酒のパッケージ変更なんだから、これはもう日本史の教科書に載っていいレベルの大ごとである。

で、「このパッケージリニューアルの告知宣伝をデイリーポータルZでやって欲しい」ということで、編集安藤さんが養命酒製造さんに直接伺って話を聞いてきた、というのだ。
まずは担当の佐熊さん(左)と鳥山さん(右)に話を聞く。
まずは担当の佐熊さん(左)と鳥山さん(右)に話を聞く。
というか、そもそもそんな歴史的大事業であるにも関わらずリニューアルが「代わり映えしない」とか、そんなことがあるはずがないだろう。
養命酒2017のパッケージは、もう未来感バリバリにサイバーで、光ったりARだったりスマホ対応になってたりするに違いないのだ。もしかしたら養命酒の瓶がドローン的に空を飛ぶ可能性すらある。
佐熊「まず外箱の赤色が鮮やかになりまして」鳥山「あと、この注ぎ口に液だれを防ぐ中栓を」
佐熊「まず外箱の赤色が鮮やかになりまして」鳥山「あと、この注ぎ口に液だれを防ぐ中栓を」
安藤「……これ、地味だぞ」
安藤「……これ、地味だぞ」
なるほど、事情は了解した。
これはあれだ。爆破した方がいい案件だ。新パッケージ、爆破しに行こう。

薬用養命酒、新容器採用とパッケージ変更のお知らせ

薬用養命酒ご愛飲者およびデイリーポータル読者各位。
「いいちこ」に対抗して、かっこいい風景に溶け込む新しい養命酒の写真。
「いいちこ」に対抗して、かっこいい風景に溶け込む新しい養命酒の写真。
養命酒製造株式会社(代表取締役社長 塩澤太朗)は、お客様の利便性向上のため、「薬用養命酒」の容器をリニューアルいたしました。また、あわせてパッケージデザインの変更も行います。
なお、成分、効能、容量には変更ございません。
新・養命酒のビンくんと、新ハコさん。これから僕たちをよろしくね!
新・養命酒のビンくんと、新ハコさん。これから僕たちをよろしくね!
容器に関しましては、まず、キャップの形状を変更し、開けやすい形にしました。
新ボトルのキャップシールをはがしてキャップを見せる鳥山さん。そこ取れるのか、と現場で驚いた。
新ボトルのキャップシールをはがしてキャップを見せる鳥山さん。そこ取れるのか、と現場で驚いた。
かっこいい重機に囲まれて淡々と説明する養命酒マーケティング部のお二人。ビンくんたちが所在なさげ。
かっこいい重機に囲まれて淡々と説明する養命酒マーケティング部のお二人。ビンくんたちが所在なさげ。
また、お客様からのお問い合わせが多くあったキャップの固着を改善する目的で、養命酒を注ぐ際の液だれを防止する「中栓」をつけました。
これにより液切れが良く注ぎやすくなると同時に、瓶口についた液が固着してキャップが開けにくくなることを防ぎます。
崖から失礼します!養命酒の新ラベルです!
崖から失礼します!養命酒の新ラベルです!
ラベルもデザインを刷新いたしました。大切な情報を正しくお伝えするため、表記用フォントを視認性の高いユニバーサルフォントに変更しております。ただ、現在は崖の上からなのでその辺りはわかりにくくて申し訳ありません。
もちろんパッケージのデザインも変更しております!赤色が前より鮮やかになりました!
もちろんパッケージのデザインも変更しております!赤色が前より鮮やかになりました!
外箱の表記もユニバーサルフォントになっております。
さらに文字色を黒から白に変更するなど、より読みやすい配色に改善しました。
新・養命酒のビンくんと新ハコさんを今後ともよろしくね!
新・養命酒のビンくんと新ハコさんを今後ともよろしくね!
以上、新容器採用とパッケージ変更をお知らせしました。
「新しくなった養命酒!」
「新しくなった養命酒!」
「爆!」
「爆!」
「誕!」
「誕!」
爆誕した新・養命酒を今後ともよろしくおねがいいたします。
あまりにかっこいいのででかい写真も置いておきます。壁紙にどうぞ。


どうだろう、リニューアルが派手に伝わっただろうか。
メイキングは次のページで。


いったん広告です

養命酒が爆誕するまで

こちらとしては、養命酒リニューアルをこちらで可能な限りハデに格好良くお知らせすることはできたと思う。
正味のところ、これが精一杯だ。

で、ここから先は蛇足というか、いわゆる爆誕メイキング記事である。
お時間のある人はご覧いただきたい。
見渡す限り格好いい写真が撮れるロケーション。
見渡す限り格好いい写真が撮れるロケーション。
先日の爆破結婚写真と同様、今回もコスプレ撮影イベントを主催する「コスナビ」さんにご協力をいただいた。
ロケ現場は、これまた戦隊ものなど特撮番組の聖地として知られている埼玉県寄居町の採石場である。
もう、どこで何を撮っても格好良くなるすごい場所だ。最高。
もう、どこで何を撮っても格好良くなるすごい場所だ。最高。
掘った石を運ぶための古いコンベアがあたりに張り巡らされていたりとフォトジェニックすぎる空間なのだが、今回のメインは新・養命酒の爆破である。
しかも、前回の爆破結婚写真記事では天候トラブルによりできなかった「ナパーム爆破」(火球がぼわっと上がる迫力満点の爆破)が、今回こそはできそうなのだ。
わざわざ「俺も格好良い写真撮りたい」と白スーツを持参した編集安藤さん。ポーズのあまりの決まり具合に軽くイラッとする。
わざわざ「俺も格好良い写真撮りたい」と白スーツを持参した編集安藤さん。ポーズのあまりの決まり具合に軽くイラッとする。
「その手すり、強度的に危ないかも!」と下から声をかけられた瞬間、すごい勢いで腰が引ける編集藤原くん。
「その手すり、強度的に危ないかも!」と下から声をかけられた瞬間、すごい勢いで腰が引ける編集藤原くん。
というか僕自身、今回は養命酒さんの仕事であると同時に、記事にはしないが私用の撮影として、ナパーム結婚写真のリベンジに来ている次第である。
ちなみにこれが無事に撮影できた特大ナパーム爆破結婚写真。バカみたいなハデさで嬉しい。
ちなみにこれが無事に撮影できた特大ナパーム爆破結婚写真。バカみたいなハデさで嬉しい。
この結婚写真と新・養命酒の爆破だが、コスナビさんのご厚意で、普通はやらないスペシャルな爆破(セメント爆破×2と特大ナパームのコンボ)をやっていただいた。
おかげでご覧の通り、とんでもない迫力になっている。
こちらはノーマル爆破。炎が溶岩のような個体っぽさで、これはこれですごい。
こちらはノーマル爆破。炎が溶岩のような個体っぽさで、これはこれですごい。
もちろんノーマル爆破も迫力はとんでもないのだが、見比べていただけると炎の大きさがどれほどのものか分かるだろう。
正直、スペシャルの方は爆破の衝撃波と熱で後頭部が軽く揺さぶられるレベル。
スペシャル爆破の準備を進めるスタッフさん。なみなみとガソリン注いでる。
スペシャル爆破の準備を進めるスタッフさん。なみなみとガソリン注いでる。
ちなみに、爆破の準備を進める専門スタッフの方々が「おーい、スペシャルって(爆薬の)量どれぐらいだっけ?8?」「いいや、10いっちゃおう」という会話をしていたのが聞こえてきて、軽く震えた。
撮影準備完了した新・養命酒。この時点でもう足下がちょっと怪しい。
撮影準備完了した新・養命酒。この時点でもう足下がちょっと怪しい。
…とまぁ、ついつい派手な爆破の方にばかり目が行ってしまうが、今回の撮影、実は爆破以外のパートもけっこう危険が潜んでいたのだ。
何が危険かというと、ご覧の通り新・養命酒のビンくんと新ハコさんの足下の危うさというか、バランスの悪さである。
具体的に言うと、崖の上とか、砂利を積み上げた山の上とか怖かった。
具体的に言うと、崖の上とか、砂利を積み上げた山の上とか怖かった。
こんな格好にもかかわらず、新パッケージ紹介写真を撮ろうとエクストリーム気味な場所に移動するもんだから、撮影中はひやりとするシーンが何度もあった。
タキシードに腕を引かれて採石場の砂利山を下りる養命酒の新パッケージ。要素が多すぎて意味が分からない。
タキシードに腕を引かれて採石場の砂利山を下りる養命酒の新パッケージ。要素が多すぎて意味が分からない。
そんな感じで多少の苦労はあったが、かっこいい養命酒紹介&爆誕写真と動画が撮れたので、良しとしたい。
問題は、やっぱり爆破の方に目を取られて結局のところボトルとパッケージの何が変わったのか、憶えてもらって無いんじゃないかということだが、でも格好良いからいいだろう。

旧ボトルとパッケージはどこへ行くのか

さて、新しい養命酒はこのとおり無事に爆誕したとして、ではこれまで皆さんにご愛顧いただいていた旧養命酒はどこへ行くのだろう。
人知れず消えていくのだろうか。山深くにあるという養命酒の楽園へ行くのだろうか。
皆さま、お世話になりました。先代の養命酒ボトルとパッケージです。
皆さま、お世話になりました。先代のビンくん、ハコさんです。
「もうお前たちの時代じゃない」と言われて自暴自棄になった時もありました。
「もうお前たちの時代じゃない」と言われて自暴自棄になった時もありました。
今はもう、二人でどこか静かなところで余生を送ろうと決めました。
今はもう、二人でどこか静かなところで余生を送ろうと決めました。
永らくのご愛顧ありがとうございました。引き続き後輩の新・養命酒をよろしくお願いいたします!
永らくのご愛顧ありがとうございました。引き続き後輩の新・養命酒をよろしくお願いいたします!

今回の撮影で面白かったのが、養命酒のビンくんとハコさんの人気の高さだ。
移動する先々で「養命酒すごいですね!」「でかい養命酒!」と声をかけていただけるのだ。しかもコスプレの戦隊ヒーローとか仮面ライダーから。あまつさえ、一緒に写真を撮りたいとお願いされたり。
ただ、ヒーローと一緒に写真を撮ると、どうしても「悪の養命酒怪人」というイメージになってしまうので、あまり良くないなー、とも思った。
どうみても怪人。
どうみても怪人。


記事を読んだあとだとこの問題かんたんかも。


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