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![]() アメリカ名物(たぶん)のビルの正面に張り付いた非常階段がすてき、という話です。
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過日ニューヨークに行って感動したことの一つは、ビルの非常階段だ。「ほんとうにあるんだ!」とちょっと感動した。
窓の外につけられた、ほんらい火災の時などに使うはずのものだが、TVドラマや映画などでは、もっぱらFBIに追われる登場人物が脱出するために使用されている。 見てみると街中にたくさんあって、どれも同じようでちょっとずつ違う。ビルの正面にあるくせに見栄えを気にしている様子もない。でもなんかキュート。 見かけるたびに写真に撮ったので、それをご覧ください。 ![]() ![]() 前の記事:「NYの路線図が分かりづらくてスカートがまくれる」 人気記事:「チェルノブイリは「ふつう」だった」 > 個人サイト 住宅都市整理公団 こういう非常階段ってアメリカ特有まずは「いかにもアメリカの非常階段っぽい」というものをだーっと並べます。
![]() ![]() 「こういうの、TVドラマでさんざん見た!」と思った。
![]() ![]() じっくり見てると、気づくことはたくさんある。たとえば非常階段があることで、雨や雪の水が垂れてビルが汚れちゃうんだな、とか。
![]() ![]() 屋上にも避難できるタイプもあるんだな、とか。そして右の方のビルはなんでないんだろう、とか。
![]() ![]() 建物の色の違いにかまわず非常階段は同じ黒、っていう気の利かなさがいい。
![]() ![]() 真ん中の窓の部屋は、左右どちらかの続き部屋なんだろうな、とか中に思いをはせたりする。
![]() ![]() これは窓2つでひと世帯かな、とか。
![]() ![]() でもこうなると分からない。
![]() どうだろうか。なぜこれをすてきだと思うのか自分でもよく分からないが、すてきだ。ニューヨーク滞在中、非常階段ばかり見ていた。
中にある普段使う階段から避難できない場合に使うものなのはわかるが、必ずしも一戸に一つというわけでもなさそうなのが不思議だ。とはいえ、ここではそういうことを調べて解説しようとは思わない。あくまで、外から見た見栄えを愛でたい。 非常階段自体は世界中にあるけれど、こういう雰囲気のものはアメリカ特有だと思う。レンガ貼りのデコラティブなファサードに空気を読まずに張り付く。それがいい。 ![]() ![]() ビルのデコラティブ具合に関して特に思うのは、ファサードの一番上、屋上部分の装飾だ。これなど典型的。
![]() ![]() これなんかも。なんてことないビルでも、一番上をこういう風にすると急にマンハッタン感出るな、と思った。あと、このビル、非常階段が擬態するかのようにビルの色に合わせられていてキュートだ。
![]() 街中いたるところにいくらでもある、というのも心躍る。前回書いた給水タンクと同様特に珍しいものではない。でもこういうものこそが真の街の名物だと思うのだ。自由の女神とかじゃなくて。
![]() 目的地まで届いていない奇妙さなんとか説明可能な魅力を探してひとつ思いついたのは「なんとなくドンキーコングを思い出すから懐かしい感じがするのだろうか」ということ。
もうひとつは「地面まで届いていない様子が階段としては変だから惹かれるのでは」だった。 ![]() ![]() このように、階段は地面までとどいていない。
![]() ![]() 「必要最低限」って感じの構成にぐっとくる。そしてやはり地面までは届いていない。
![]() ![]() 1階が店舗だと、店の入口の上で終わる。
![]() ![]() こちらも店の入口で終わるタイプ。
![]() 階段はふつう目的地に通じているもののはずだが、これらの非常階段は日常の状態では目的地である地面まで達していない。だからやや奇妙に感じるのだと思う。
![]() ![]() 「途中から始まって、途中で終わる」というように見える。
![]() ![]() 通常の状態では、人間は目的地まで行けないのに、ツタは非常階段を伝ってのぼってきている。
![]() 当然のことながら、下まで達しちゃってたら泥棒にとってかっこうの侵入口になってしまう。だから一番下はハシゴを降ろして使うようになっているわけだ。
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