夏の暑さで食欲がだいぶビビッてきている今日この頃。そんなチキンな食欲には食べ放題やデカ盛り、大食い、家系や二郎のラーメンなどで対応するのが基本だよ、とおっしゃる親愛なるはまれぽ読者のために、今回はキニナル投稿にある大船の「食事処ときわ」をご紹介します。
ここの天丼のエビが、なんだかすごいことになっているらしいです。ではでは、大船へ行って来ます!
観音様が待っている大船へ!
駅東口階段降りて、信号を渡って、右に! 徒歩15秒ほど
緑色ののれんが目印! 「食事処ときわ」
表のメニュー看板をチェック。昼食メニューの永久不滅ランキングみたい
お話をお伺いしたのは、2代目石井総一郎(そういちろう)さんと3代目洋彦(ひろひこ)さん
まずは、2代目総一郎さん(82歳)にお店の歴史を聞く
「お店は創業100年以上。場所も大船、屋号も変わらず『ときわ』。戦後すぐの昭和21(1946)年、11歳の時からお店に立っています。当時は、葉山の行商が持ってくる魚をネタにして、お刺身、天ぷらをこしらえていました。昭和25(1950)年には寿司を握るようになり、メニューもそのころからほとんど同じ、変わりはないよ」と2代目総一郎さん。
3代目の洋彦さん(52歳)。鎌倉市消防団・本団部長も経験したとのこと
その後、2005(平成17)年の店舗改装の時、メニューを3代目洋彦さんが見直した際、見た目のインパクトも大切だなということで「天丼のエビを立てる盛り方」を始める。
「ここらへん(鎌倉・大船)で昔から食堂といえば、そば、うどん、寿司、お刺身、天ぷらと、同じようなメニューだよ。だから見せ方を工夫しようと『エビが立っている天丼』をやってみたってこと」と3代目洋彦さん。
東京スカイツリーより先だったよ、でも・・・
メニューに加えたはいいが、『エビが立っている天丼』という見た目のインパンクトも開始当時(東京スカイツリー誕生前)、まったく話題にならなかったそうだ。「まあ、小さなお店だから、誰も気がつかなかったんですよ」と3代目。
しかし2012(平成24)年5月の東京スカイツリー誕生後、テレビなどで紹介されて人気メニューになったとのこと。
忙しいのもほどがあるよなぁ~
「テレビの力はすごいよ。テレビにちょいと取り上げられただけで、毎日毎日天丼ばかりだから。くたびれちゃうよ。外国人も多いよ。それからはもう取材は断っていて・・・」と2代目総一郎さん。
「そうだ、おもしろい話があるよ。スマホの画像を見せてきて、天丼の注文をするお客さんの多くは、『天丼(エビ・穴子・野菜)』と『A天丼(エビ・カマス・野菜)』のどちらを注文すればいいのか悩むことが多くて。天丼もA天丼も、どちらも海老は立っているので、カマスと穴子の好みの違いなのにね(笑)、天ぷらにすると写真では分からないからね。だって私だって分からないもんね、食べないとね(笑)」
今回は写真注文でも分かりやすい海老天丼(1400円)を注文します
いよいよ実食レポ! いきます!
さてさて、いったいどんな天丼がやってくるのか? キニナル投稿にあったように、東京スカイツリーなのかな! まぁまぁ、創業100年以上の老舗店の天丼、それだけでも、期待値アップですね。それでは天丼が出来上がるまで、しばし、店内をご紹介します。
店内と厨房を分けるいい感じに色あせたのれん
4人掛けテーブル席2つに奥のカウンター4席
うどんもそばも、
お刺身、焼肉、なんでもあるのが、
駅前老舗食堂の包容力!
まるで、ウナギの寝床みたいな細長い店内。12年前の改装で、2代目3代目が目の届く大きさと落ち着きあふれる空間にリニューアルしたそう。各種定食もランチタイムだけじゃなく、準備中なしの通し営業のため、遅めの昼食も楽しめるのは、なにげにうれしいです。午後7時45分の閉店とちょっと早いような気もしますが、遅めの昼食や大船飲みの待ち合わせ、その前のひっかけの一杯とか、いろいろと用途がありそうです。心のメモ帳にメモメモ。
キターって思わずガッツポーズをしちゃう、デカさにウマさ!!
「ハイ、おまちどうさま!」
来ました、来た!!! えっ!!! これ、すごいですね! 速攻ガブっていきたいんですけども、このインパクトをお伝えしたく、しばし撮影会を開始します。
登場!
アップ! 絡みつく天ぷら、エビ2本、カボチャ、ししとう、ナス
エビ天のシッポがきれいに撮影できるのはこの角度!
丸いカボチャの姿とぽってりおナスも確認できるのはこちら!
重さや長さをなんだか比べたくなって!
ではでは、イキますよ!(女性ではなくてごめんなさい)
オッー
ウマ、旨い! うわぁーテンションが上がってきたよ!
きつね色の衣に包まれた薄紅色のエビが濃い目のタレと相性抜群。箸が止まらず、エビを1本食べ終える。おみそ汁で少しは落ち着いて、ゆっくり味わって食べるべしとは思ったものの、根っからの貧乏性か、直ぐに次の1品、次の1品と、進んで行く。
ちょっとタレがご飯に染み込み過ぎて甘いかなと感じたら、野菜の天ぷら、ししとうの苦味、かぼちゃの甘みを交互に味わい中和。そのくり返し。
箸が本当に止まらない。2本目のエビ天、哀しいかな秒殺。いつの間にか、完食に近づく。おいしいものを食べる時間って、本当にあっと言う間ですね。
サッサッと
かきあげて
喰らいました
さすが老舗の味! 味も良い! おいしかったです。
ごちそうさまです。最初は大丈夫かなというボリュームでしたが完食。あっ、忘れていました。ここのナスの天ぷらも最高です。ごはんが進む、頼もしいナスです。鎌倉や湘南方面に行くとき、大船下車もありかもと思わせる味でしたよ。
天丼もいいけども、かつ丼も食べてよ!
お腹いっぱいになり、2代目と3代目としばしお話をする。美味しいものを食べた後なので、トークも滑らか、笑いもこぼれて良い雰囲気。夕方前のやさしい時間帯、お店の奥カウンターを囲み、大船の商店街の話なども聞くことができました。
おいしかったですよ!
見た目のインパクトだけだったらどうしょうかと心配してましたけど(笑)
そんなわけないだろう(笑) かつ丼も食べて行く?
と、パンチされているような上の画像マジックにも、やさしく付き合ってくださる3代目。お人柄が分かりますね。
「本当は、かつ丼にも自信があるんだけども。みんな天丼、天丼の注文ばかりになってしまったよ」と2代目。
実は卵にもこだわりがあってね、
この卵は相模原の恵壽卵(けいじゅらん)。卵かけご飯に合う卵ということで、最近では味にうるさい鎌倉の飲食店にも人気とのこと。「この卵でとじた丼もの、最高だよ。特にかつ丼なんて皆大好きだよ!」
食の話から大船、野毛までもお詳しいです、3代目!
「いろんな卵を試していって、行きついた究極の卵です。うちみたいな老舗の店ってメニュー自体は大きく変えることはないので、素材1つ1つには、どうしてもこだわってしまうんだよ」
うーわぁ、かつ丼も食べたくなってきた! でも、天丼でお腹いっぱい。初老の男には、別腹はなし。次回を楽しみにします!
取材を終えて
創業100年以上の老舗店が、天丼のエビを立たせるという、ユニークな試みを実践させていることに感激しました。老舗だからこそ新しいことにチャレンジをしているという3代目の言葉が印象的でした。次回はぜひ、かつ丼も皆様にご紹介したいです!
―終わりー
取材協力
ときわ
住所/鎌倉市大船1-10-15
電話/0467-46-2353
営業時間/11:45~19:45
定休日/日曜日