特集 2017年7月25日

初心者にもおすすめ!えんとつの魅力発見ツアー

青い空にえんとつ。素敵じゃないか。
青い空にえんとつ。素敵じゃないか。
清掃工場のえんとつが好きで、時々ぼーっと眺めていることがある。でも、他の人にも魅力がわかってほしい。えんとつに興味がない友人を連れて、えんとつを眺めるツアーを実施した。最終的には興味を持ってもらえらばいいなと思いながら、都内にある個人的に好きなえんとつをまわった。
1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー)

前の記事:カレーライスに1番合うのはカレー粉でした


恵比寿駅からスタート

今回誘ったのは友人は2人。名前は能登さんと名前を知らない能登さんの友人だ。
能登さん(左)と名前を知らない人(右。私はボーダーの人と呼んでいる。)
能登さん(左)と名前を知らない人(右。私はボーダーの人と呼んでいる。)
能登さんは路上観察が趣味で、町中にある面白いものをツイッターなどにアップしている。ただ、えんとつに関しては「あるなーとは思ってますが、そんなに注目してないです」と言っていた。余談ですが、9月に会社を辞めるらしいです。

そして、名前を知らない、ボーダーの人。名前こそ知らないが、会うのは4度目だ。今日こそは名前を聞こうと思う。えんとつにはもちろん興味はない。この撮影の4日後に企業第一次面接があるらしい。呼んでごめん。

まずは、初心者におすすめの渋谷区にある清掃工場を見に行こう。
途中、能登さんが色々と撮っていた。ちなみにどのようなものを撮っていたのか見せてもらったら、
途中、能登さんが色々と撮っていた。ちなみにどのようなものを撮っていたのか見せてもらったら、
333と数字がそろっている。だまされないようにしないと。
333と数字がそろっている。だまされないようにしないと。

渋谷区のおしゃれな場所で見るえんとつ

恵比寿駅から歩いて約10分。女性にもおすすめのおしゃれな場所からえんとつを満喫できる場所があるので、そこに向かう。
見えてきた!
見えてきた!
見えるたびに「ほら、見えましたよ!どうですか?」と聞くが、「暑いので早く行きましょう。」と促される。今だけだぞ、そう言っていられるのは!魅力にとりつかれてしまえばいい!
団地と緑から見えるのもいいな。
団地と緑から見えるのもいいな。
階段を登れば、
階段を登れば、
ウッドデッキのような木の空間がある。
ウッドデッキのような木の空間がある。
そこから見える周りの建物とは比べものにならない高さのえんとつ。
そこから見える周りの建物とは比べものにならない高さのえんとつ。
青空へとのびるえんとつをおしゃれな場所で見られる。ベンチもあるので座りながら近くにあるカフェでコーヒーを買ってきて飲みながらゆったりと優雅に見られるのもおすすめできるポイントだ。
ここです。代官山から近いので「私おしゃれだけど、えんとつ見たい」と思っているおしゃれガールにもおすすめ。

今回、自分が見たい気持ちが大部分を占めているが、一応ツアーなのでしおりを作ってきた。
「えんとつの魅力を感じるツアー」
「えんとつの魅力を感じるツアー」
時間がなかったので、デザインができなかった。ただ、文字だけだとあまりにもシンプルすぎると思ったので、デイリーポータルZ友の会でもらったマスキングテープを貼ってみた。
作ったときに思ったことを書いた。
作ったときに思ったことを書いた。
これを元にガイドをして行こうと思う。
「ここのえんとつは、約150mありまして、1番高いのは豊島区の清掃工場210mで、1番低いのは大田清掃工場47mです。えんとつは迫力はありますが、周囲との調和を考えて圧迫感のない形状にすることが要求されています。」と笑顔で説明をしているが、
「ここのえんとつは、約150mありまして、1番高いのは豊島区の清掃工場210mで、1番低いのは大田清掃工場47mです。えんとつは迫力はありますが、周囲との調和を考えて圧迫感のない形状にすることが要求されています。」と笑顔で説明をしているが、
参加者たちは「暑すぎて話が入ってこない」と訴えてきた。
参加者たちは「暑すぎて話が入ってこない」と訴えてきた。
落ちる汗を見ると申し訳ない気持ちになるが、なすすべなく「夏だからしょうがないですよね」と訴えを受け流して説明をすすめる。暑いのはこちらだって同じだ。なんなら太っているこちらの方が暑い。

説明後に感想を聞いてみた。
「あっちのマンションを見たときと同じ気持ちです。」
「あっちのマンションを見たときと同じ気持ちです。」
「あるなーと思うぐらいの感じです」
「あるなーと思うぐらいの感じです」
思いのほかにぶい反応。もしかしたら、暑かったからかもしれない。日陰を見つけたのでそこから見てもらう。
涼しい場所からえんとつを見てもらう。
涼しい場所からえんとつを見てもらう。
その直後を撮影した写真が次である。
記念撮影をした写真には無の表情がうつっていた。
記念撮影をした写真には無の表情がうつっていた。
「ダメかもしれない。」そんな思いを胸に秘めながら次の場所に向かう。次は絶対素敵だから。
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海沿いの中央区のえんとつ

次は晴海埠頭公園近くの中央区の清掃工場にあるえんとつだ。電車とバスで向かう。
バスから見えるえんとつを撮影している能登さん。魅力がわかってきたんだろうな。
バスから見えるえんとつを撮影している能登さん。魅力がわかってきたんだろうな。
バスを降りると、
バスを降りると、
三角形のえんとつがそびえる。
三角形のえんとつがそびえる。
中央区のえんとつは上空から三角形に見える。その姿は、かつてエジプトにあったオベリスクの塔のような、あれです、要はかっこいいです。
この鋭い角度が見ていて、気持ちいいえんとつ。
この鋭い角度が見ていて、気持ちいいえんとつ。
逆光でのシルエットもしびれる。かっこいい。
逆光でのシルエットもしびれる。かっこいい。
このえんとつには、2人も「いいですね!」と言ってくれた。
このえんとつには、2人も「いいですね!」と言ってくれた。
気に入ってくれたのか、写真を撮りまくりである。そうだろう、良さがわかってくれたかい。
ベンチのある場所でえんとつを見上げながら説明。
ベンチのある場所でえんとつを見上げながら説明。
こちらは平成13年7月に完成し、高さは23区内で2番目に高い180m。伊勢谷友介の身長100倍あるのだ。ここのえんとつの魅力は「青い空にささるような高さのある部分」「海沿いらしいさわやかなデザイン」である。
えんとつの近くには運動できる場所もある。試しにクライミングをしてみたら、簡単なコースでもここから一歩も動けない。
えんとつの近くには運動できる場所もある。試しにクライミングをしてみたら、簡単なコースでもここから一歩も動けない。
遊んだ後にえんとつの感想を聞いてみた。
能登さん
バスに乗って遠足気分になったからか煙突を見てテンションがあがった。遠くにきた感じが楽しさを増幅していたかも。煙突のイメージから遠く、鋭角の塔はきれい。
ボーダーの人
三角形の煙突なんて考えたこともなかったのでインパクトが強かった。言われなければこれが煙突だとわからないだろう。青空を切り裂くような鋭角が印象的だった。渋谷区と比べると煙突初心者にも見所がわかりやすく、取っつきやすい。デザインの青色と澄み渡る空の青のマリアージュは見る者の心を洗うようだ。
「マリアージュってなんだ…?」と疑問にはなったが、気に入ってくれたのは間違いない。渋谷区の屈辱を果たした。
説明後、併設している施設でご飯を食べた。好評価だったのでごはんがおいしい。
説明後、併設している施設でご飯を食べた。好評価だったのでごはんがおいしい。
食べ終わり、施設の案内を見ると、「屋上庭園」があるらしい。試しに行ってみたところ、開放感の空間が広がっていた。
開放感のある屋上庭園へ。
開放感のある屋上庭園へ。
そして、屋上から見るえんとつもまた違った迫力がある。好きなあの娘の違う一面を見た感じだ。
芯のある、強い一面もあるえんとつ。好きです。
ビジュアルもいいが、にじみ出る心の強さを感じませんか。
ビジュアルもいいが、にじみ出る心の強さを感じませんか。
あまりの良さに記念撮影に入った。
あまりの良さに記念撮影に入った。
帰るのが惜しくなるほどの良さがある。
帰るのが惜しくなるほどの良さがある。
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最後は北区の渋いえんとつ

ツアーの締めくくりは個人的に1番好きな北区のえんとつである。
南北線志茂駅から徒歩5分くらい。
遠くから見るえんとつと、
遠くから見るえんとつと、
少し近くに寄った見たえんとつ。
少し近くに寄った見たえんとつ。
いいですねよね!
いいですねよね!
いいえんとつに説明がいらない。一応、説明するがここのえんとつは、今回見たえんとつの中では、1番低い120mだ。昔からあるような古い雰囲気があるが、平成10年3月竣工で平成生まれである。建築家の石山修武が設計を行い、デザイン性が高いが周囲とのバランスがとれたえんとつだ。
ほかのえんとつと違って、多角形が素敵ですよね。
ほかのえんとつと違って、多角形が素敵ですよね。
飛行機とえんとつ。
飛行機とえんとつ。
ほかのえんとつに比べると、色合いがないがそこに渋さを感じるだろう。
ほかのえんとつに比べると、色合いがないがそこに渋さを感じるだろう。
個人的な好きなえんとつだが、2人はどう思ったか。
能登さん
偶然にもほんの2週間前にも併設しているプール目当てで訪れていた。そのときは道に迷わない目印くらいの印象だったけど、よく見てみると確かに味はある。ただ疲れからか2つ目のときほどテンションはあがらなかった。色も塗られておらずかなり武骨な印象だった。あの煙突のうえに住めるとうれしい。
ボーダーの人
多角形のゴツゴツとした見た目で、全体的に重厚な雰囲気を醸し出している。彩色もなく、まるでその頂上には見張り役でもいるかのようである。しかし初心者目線ではやはり中央区のほうがテンションが上がった。今回見た中では最も「中に人がいそうなデザイン」だったことは間違いない。
2人とも中央区のえんとつの方が好きらしい。こちらはこちらでいいと思うけどなー。最後のイベントとして、今回のツアーを締めくくるために絵を描いてもらった。
「北区のえんとつ、えんぴつに似ていますね。」と能登さんが気づく。
「北区のえんとつ、えんぴつに似ていますね。」と能登さんが気づく。
そしてできた絵がこちらだ。
能登さんが描いた絵。見た瞬間(僕らのこと嫌いなのかな)と思った。
能登さんが描いた絵。見た瞬間(僕らのこと嫌いなのかな)と思った。
そして、悲しい自由律俳句。
そして、悲しい自由律俳句。
「えんとつにまつわる俳句を作ってください」と無茶ぶりをしたのも悪かったが、こんな悲しい俳句を作られるとは思わなかった。しかし、後日、感想を聞くと楽しかったらしい。
能登さん
ありがとうございました。社会科見学のようでお世辞ではなく楽しかったです。
ボーダーの人
知らない世界を覗くことができて楽しかったです! 暑くないときならもっと楽しかったことでしょう
楽しんでくれてよかった! 涼しくなったら違うえんとつを見に行こう。
楽しんでくれてよかった! 涼しくなったら違うえんとつを見に行こう。

ぎょうざは食べませんでした

海沿いなら青色が使用されていたり、北区などは落ち着いた雰囲気だったりなどえんとつそれぞれに特色があるものなのだ。普段、あまりじっくりと見ないものを見に行くのは楽しい。今度は看板の裏側を見に行こう。
途中で見つけた工事用の鉄板にハートマークが。インスタにアップしたい。インスタやってないけど。
途中で見つけた工事用の鉄板にハートマークが。インスタにアップしたい。インスタやってないけど。
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