特集 2017年8月27日

地元のワルがたまる場所~たまりたいがゆえに怪談を流す~

こちらは銭湯ではなくなった建物です。
こちらは銭湯ではなくなった建物です。
子どもの頃、クラスに1人2人はいませんでしたか?ワル!

決まって彼らは、地元にホームポジションが存在していました。地下道、自販機の前、場末の公園…そんな「ワルがたまる場所」を募集しましたこの企画、最後の大放出です!

いただいた投稿は一部編集しております。
1984年大阪生まれ。2011~2019年までベトナムでダチョウに乗ったりドリアンを装備してました。今は沖永良部島という島にひきこもってます。(動画インタビュー

前の記事:地元のワルがたまる場所~ワルは季節のお届け人~

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たまらずにいられいでか

10年ほど前に瀬戸内海の離島に住んでいましたが、コンビニエンスストアが無く、夜9時以降は灯りもほとんどないので、ヤンキーや高校生たちは自販機の灯りにたまっていました。昆虫と同じで走光性があるのだなと思いました。
ちびじろう
あはは!もうちょっと時報みたいになってる!夜のカラスか。
それでもたまり場に家を選ばないあたり、譲れない反抗心があるのでしょう。
四国の離島の出身です。離島といっても本土と比較的近く、子供でも船で気軽に本土まで行けてしまう中途半端な離島です。中途半端すぎて島内で商業が発生する余地がなく、金銭の授受が発生する場所は島内で郵便局のみ。街灯すらろくにないので不良のたまる場所もなく、島内の不良たちは「本土行き定期船の待合所」に溜まっていました。見た目は山村のバスの待合所です。トタンで三方と屋根をつけて、粗末なベンチに島のおばあちゃんお手製の座布団が並んだ場所に不良が溜まっていました。
ふむし
もうそのままチケットのもぎりでもやった方がみんな幸せじゃないのか、いや働きたい訳ではないのか。どれだけメンチを切ろうがいつでもお尻を柔らかく包んでくれるのはおばあちゃんの愛情、というところもまた素敵。それにしても瀬戸内海の離島のワルは大変そうだな。たまるために本土へ渡る訳にもいかないし。
ヤナイ園芸という種苗屋さんです。とても小さな町で、そもそも不良が溜まるような店が無く、小さなカウンターもあり雑貨や食料品も置いてある種苗屋さんに集まっていました。ちなみに、ここのミックスジュース(100円)は、その場で作ってくれることもあり絶品です。あとドーナッツもおいしいです。
時計
品揃えが種苗屋じゃないですよ!ワルの存在がかすれます。植物についてめちゃくちゃ詳しくなってそう。
ウチの地域では地元のワルがたまらなくなりました!我が家の隣が小さな公園で、夏場になれば毎晩どこからかワルが集まり花火やバイクのふかし音、笑い声や奇声など一晩中騒ぎ、その騒音で隣近所を悩ませておりました。しかし、ふと気がつくと、ここ数年夏場でもその騒ぎが明らかに極端に減りだしました。かれこれ数年前から急激なスマホの普及により、暑い夏場に支度をして家を出て夜な夜もいちいち現地に集まって顔を合わせなくても、グループLINEなどでワルグループでコミュニケーションができるようになったのでは?と推理します。
まるとも
マジですか。今やたまり場すらもヴァーチャルへ!でも確かに今時の子どもはクラスなどでもLINEグループをつくっているとも聞くし、雑談するくらいならそれこそ手の中のスマホで済みそうですね…。って、それはもはやワルと呼べるのか。ただのLINEユーザーではないか。

ワルは銭湯に行きたがる説

ネルソンさんと同郷の者です。

温泉という名の銭湯の2階にあった小さなゲームコーナーにワルがたまっていた覚えがあります。

小学校の時に朝礼で校長先生がゲームコーナーに行っては駄目だと言うくらい溜まり場になっていました。

当時は子供だけで校区から出たらダメだと言われていたので、駄菓子屋かコンビニと、あとその銭湯くらいしか行く所がありませんでした。
おけいはん
ガンッガンッに地元の話すぎて笑います。今やその銭湯も存在しないので言いますが、大阪城温泉ですね。モンモン背負っているお兄さんがたまに来ていた。湯上がりにカウンターで頼むソフトクリームが好きでした。夜はともかく、昼間から一階のゲームコーナーで遊んでいるヤツはちょいワル以上。でもそこだけ先に撤去されたから時代が違うかな?ローカルトークですみません。

それにしても、子どもだけで校区を出るときの背徳感はヤバかった。あれを簡単にやってのけるヤツが私にとってのワルでした。

3年B組ー!と言ったら花火投げつけられそう

地元が金八先生の舞台になった荒川の土手の近所なので、夏になると橋の下で所謂やんちゃな人が集まって爆竹やねずみ花火、ロケット花火で戦いが始まってました。普通の花火でないのがポイントです。
ハイブリッジ高橋
聖地もクソもないですね…!破裂音と煙が立ち込めて、クリアになると倒れ込む金八先生の姿が。

ワルと幽霊でシフト組みされているのかもしれない

地元のワルがタムロしているところ、というと実家から徒歩5分ほどの海岸公園です。今となっては某食研の宮殿工場が出来、それほどでは無くなったようですが、わたしの子供の頃は日が沈んでからは近づいてはいけないと言われていました。
ぴ~す
>日が沈んでからは近づいてはいけない
もうまんま妖怪の類みたいで笑います、海に引き込まれるぞ的な。

ゲーセンは弱肉強食

地元のシヅオカヤというスーパーの屋上に小さなプレイランドがあり、そこには立ち寄ってはいけないと学校から指導がくるほどヤンキーがたむろしていました。50円で遊べるスト2が設置されてコイン置きして並んでた小中学生ゲーマーたちは置いてあったコインをカツアゲされるという悲惨な目にあってしまいました。
かいどう
小中学生ゲーマーはそれを分かっておきながらまた行くってことですよね?
水飲みに行って肉食動物に狩られるけどそれでもまた行く草食動物みたいだ。

インテリヤンキーによるイノベーション

音楽室や理科室などの特殊教室がある旧校舎の女子トイレです。自殺した女生徒の幽霊がでるという噂があり、誰も近寄らないのでヤンキーが隠れてタバコを吸うのにもってこいでした。数年後の同窓会で幽霊云々は先輩の代からヤンキーのみに伝承された生徒よけのデマだと聞かされて賢いヤンキーもいるのだなあと妙に感心した思い出があります
どぞう
あははは!賢いは賢いんだけど、別の方面に活かせ。

またはくにおくん?

たむろではなく、ヤンキーといったら暴走族でした。中学生の頃、塾の終わりに先生から「族が鉄パイプ持ってうろついてるから、全員親に迎えにきてもうよう頼むように」と言われ、公衆電話に行列したのはいい思い出(笑)
南埼玉某市民
それもう親呼ぶ以前に世紀末化してますよ!

名前もそれっぽいけれど

ワンダーグー(通称ワングー)。茨城を中心に展開する本レンタルDVDゲームソフトの店です。駐車場が広いので、夜になると背もたれが異常に高い改造原付が集まってきます。どの店舗にもセブンティーンアイスの自販機があるので、私にとってセブンティーンは不良の食べ物です。
そこなしぬま
どの店舗にもあって不良の食べ物のイメージってことは、県内各地にたむろしていたんでしょうか…。改造原付は気合が入ってますね。それでも素直にパクパクとアイスを食べる光景は可愛げがある。冬はどうするのか気になってきました。

違う、そうじゃない。

地元の明屋書店の駐輪所です。そこでカツアゲにあって、500円の図書券を出したら「いらねー帰れ」と解放してもらったので「ありがとう」と言って帰りました。
あらいはま
言うまでもないけどさ、ありがとうじゃないよ!

むしろ、しまむらから土地を奪い返そうとしているのかも

ファッションセンターしまむらの前の小さな駐車場です。駅前のしまむらなので、自己顕示欲の強い彼らには溜まり甲斐があるのだと思います。夏は花火をしていることもあり、風流を感じられます。
塩昆布
駅前の店舗駐車場で花火って、百歩譲って追いやられた先住民でもなければ許されない行為だわ。

時代は移り変わり、ワルのたまり場はLINEグループに!?

みなさま、たくさんの投稿ありがとうございました!

いろんなところにたまってるなぁ~と思い知らされた訳ですけども、見かけなくなったという報告は衝撃。昔の夏はもっと夕立があったのに、昔の夕暮れ時はカラスが鳴いていたのに、といった儚げな感傷になぜだか浸ってしまいます。少子化もあるのでしょうけど、本当にLINEグループに移っているのかもしれません。

尾崎豊(の歌詞)が盗んだバイクで夜のとばりの中へ走り抜けたように、ワルのたまり場とは彼らの反発心の行き場とも言えるのかもしれません。そう考えると家では成立しないことも納得だ。海岸だって、種苗屋だって、しまむらだって、本土への船の待合室だっていいじゃないか!それが彼らの反発心。でもその行き先がLINEはやっぱりなんとなくイヤだなぁ。LINEがどうこうじゃなくて。
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