特集 2017年9月8日

ワラワラに飲みに行く

ワラワラは最高でした
ワラワラは最高でした
笑笑はいつでもやっている。
数年前、日曜日の夜10時ぐらいに田町で飲める店を探したら笑笑だけが開いていた。
ビジネス街+日曜夜というアゲインストにも負けずにいつもの雰囲気で営業していた。笑笑は心の友だ。

そんなワラワラに飲みにいこうと思う。
1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

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ワラワラへの道

ワラワラへはシアトルから飛行機で行った。
尾翼におっさんの顔が描いてあるアラスカ航空である。
尾翼におっさんの顔が描いてあるアラスカ航空である。
飛行機に乗るのは1時間ほど。車でも行けない距離ではないらしいが、車も免許もない我々にはどうしようもない。
尾翼のおっさんはよく見ると2バージョンある
尾翼のおっさんはよく見ると2バージョンある
しかし飛行機から見える景色を見て、車で来なくてよかったと本当に思った。
あきらかに多摩川や江戸川ではない感じの川
あきらかに多摩川や江戸川ではない感じの川
1時間のフライトの後、ワラワラについた。僕が知っている笑笑とずいぶん雰囲気が違う。
「ようこそワラワラへ」って英語で書いてある。
「ようこそワラワラへ」って英語で書いてある。
ここがワラワラかー。しかしこんな早い時間にワラワラに来たのははじめてだ。入れるかな。

茶番は終わりだ!

説明もなく続けてしまったが、ここはアメリカ合衆国ワシントン州のワラワラである。そういう地名があるのだ。
この原稿、7行目までは日本の居酒屋チェーン「笑笑」のことだったが、9行目からはワシントン州のワラワラに話がすり替わっているのだ。

笑笑と同じ名前でおもしろーい、という初期衝動だけで来た。
後から考えたらあれぼったくられてたかもなーという値段のバスに乗って町の中心地へ
後から考えたらあれぼったくられてたかもなーという値段のバスに乗って町の中心地へ
こっちのワラワラにも唐揚げの下には英字新聞風の紙が敷いてあるのだろうか。もしかして新聞が日本語だったりしたら素敵な反物質の世界である。
楽しみだ。
きたぞワラワラの中心地。小さいけどきれいな町だった
きたぞワラワラの中心地。小さいけどきれいな町だった

ワラワラだらけの町

到着が13時ごろだったので、レストランが開くまで町を見物した。
笑笑がトヨタのように巨大企業で、企業城下町を作った世界があったらこんなだろう。思わずそんなことを考えた町だった。
ワラワラハイスクール
ワラワラハイスクール
ワラワラポリス
ワラワラポリス
ワラワラ教会
ワラワラ教会
フリーペーパー「ワラワラライフスタイル」
フリーペーパー「ワラワラライフスタイル」
ワラワラ土産店
ワラワラ土産店
僕にはワラワラという地名が面白いのだが、アメリカ人にとってはただの田舎町である。そこにおみやげやがあるのも意外だった。
入って見るとかっこいいTシャツを売っていた
入って見るとかっこいいTシャツを売っていた
柄とTシャツのボディを選ぶとその場でプリントしてくれる
柄とTシャツのボディを選ぶとその場でプリントしてくれる
リアル店舗ながらオンデマンド。在庫リスクを抱えなくてよいしくみである。やるな、ワラワラみやげ。2枚買った。

お店だってワラワラだらけである

町のメインストリートを歩いてもワラワラだらけである。あたりまえだが。
ワラワラってこっちではいろんなジャンルを抱える企業グループで、日本にはたまたま飲食だけ来ているのか、ヒュンダイのように、などとまた勝手な妄想をして納得しそうになる。
ワラワラビジターセンター
ワラワラビジターセンター
ワラワラ洋品店
ワラワラ洋品店
ワラワラセラー
ワラワラセラー
ワラワラはワインの産地として有名なのだ(これは本当)。日本の笑笑とシンクロする瞬間である。
地元のスーパーにはワラワラ産のワインが並んでいた。
ワラワラのワイン
ワラワラのワイン
ワラワラのワインは素朴な味わいでおいしかった。
日本の笑笑がこのワインを輸入しても養老ビールのようにプライベートブランドのように思われてしまうかもしれない。
でも笑笑でワラワラワインフェアをやってほしい。「アメリカで飲んだなー」と自慢するので。
これはワラワラじゃなくてダマダマ。もう少しで土間土間だったのに!
これはワラワラじゃなくてダマダマ。もう少しで土間土間だったのに!

ワラワラのめしがうまい

ワラワラだけの世界を堪能してついに夕方、飲みに行く時間である。
Tripadviserによると地中海料理の店が一押しだったがここまで来て地中海はない。アメリカ料理の店にした。
しかしアメリカ料理ってなんだろう。
レンガの模様がセブンイレブンっぽいがコンビニではない
レンガの模様がセブンイレブンっぽいがコンビニではない
落ち着いた雰囲気のワラワラ
落ち着いた雰囲気のワラワラ
笑笑みたいなメニューではなくて、いかにもアメリカの文字だけメニューだった
笑笑みたいなメニューではなくて、いかにもアメリカの文字だけメニューだった
steakとかcrispyとかなんだかうまそうな単語が並んでいるものを頼んでみたのだが、来たものを見ると笑笑っぽいのだ。
ちょっといい笑笑である。
あ、こういうのある
あ、こういうのある
皿も似てる気がする。肉はこっちのほうがうまそうだけど
皿も似てる気がする。肉はこっちのほうがうまそうだけど
どちらも笑笑よりも味がしっかりしていて、美味しくすることに躊躇がない。
なかでも居酒屋っぽかったのがadult mac’n cheeseというメニューである。
マカロニがチーズの中にちっぷりと!
マカロニがチーズの中にちっぷりと!
Mac’n cheese(マカロニとチーズ)というファストフード的なメニューに「大人の」とつけて出しているのだ。
居酒屋メニューにある「昔ながらのナポリタン」みたいなものである。きっと。
注文したときもウエイトレスが「やっぱそれだよねー(意訳)」みたいな感じで帰って行ったので確信した。
ワラワラバレーのワインもうまい。絞って作りましたー、という味
ワラワラバレーのワインもうまい。絞って作りましたー、という味
肉にかかっている果物のソースが手作りだった。アメリカ人は大雑把だと思っていたが、美味しくするための手間は惜しまないのかもしれない。と母数=1で語りそうになった。
母数=1で導かれた結論通りデザートもしっかり甘くてうまかった。
デザートとその奥でほくそ笑む妻
デザートとその奥でほくそ笑む妻
ワラワラの名の通り楽しい店だった。ただここは日本の笑笑のように深夜までは営業していないようだ。
でも、かなり、結構うまかった。
ワラワラでもハッピーアワーやってた
ワラワラでもハッピーアワーやってた
「ワラワラ、おいしかったですねえ~」とアメリカでは誰ひとりわからない吉田類の真似をしているところ
「ワラワラ、おいしかったですねえ~」とアメリカでは誰ひとりわからない吉田類の真似をしているところ

逆の人もいるかもしれない

僕は経堂という町に住んでいる。
シュトゥットガルトあたりにキョードーみたいな名前の店があって、そこの常連が日本にキョードーって町があるから行ってみようぜ、って来たりしないかなと思っている。
来たら優しくしたい。
シュトゥットガルトは縁がない町ということで行っただけで特に意味はない。サンパウロでもいい。
ワラワラの夕暮れ。REMのジャケットみたいな景色があちこちにあった。
ワラワラの夕暮れ。REMのジャケットみたいな景色があちこちにあった。
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