重慶「曹家湾」駅
まずは中国の面白地下鉄駅ファンの間で神格の駅「曹家湾」の駅に行ってみた。内陸重慶にある駅だ。
まずは動画を見てもらいたい。地下部分はごく普通なのだが、地上に上がると何もない。何もなさすぎる。
久々に地上にあがったら、ものすごい長さの時間が経過し、文明がなくなっていた。そんな錯覚さえ感じてしまう。
駅前に商店がなく、いや家すらない。建物といえば、地下に繋がる駅の入口のみ。あとは客待ちする白タクのバイク(要交渉)とか車とか。どんな世紀末なのかここは。
駅の上から見渡す。まだ使われてないエレベーターの出口もある
出入口は1つだけ。地下鉄駅構内の学校とかバス停とかビル名が書かれるはずの「出口周辺案内」でも、まったく何も書かれていない。うん、たしかに。書きようがない。
一番近くの家から駅まで歩いてみる。集落はどこかわからない
手抜きに見えて手抜きではない出口案内。本来は3か所あるらしい。
客よりもWifiの基地局のほうが多い
当然地下鉄の中間駅なので、頻繁に列車はやってきて全て停車する。でもほぼ利用者はいない。
利用者はいないけれど、中国の地下鉄には空港のような荷物のX線検査があって、そのために無人の駅で何人ものスタッフが待機していた。
昆明「虹橋」駅
中国で虹橋というと、東京の羽田空港的なポジションの上海の虹橋空港を想像するのが一般的だ。雲南省の昆明地下鉄にも虹橋駅があり、この駅が地元ニュースや掲示板で「ヤバい」と話題になっている。
駅自体はどの都市でもだいたい同じデザインなのでつまらない
駅が円の中の赤い部分で、横には巨大なジャンクションがある
駅前では高速道路よろしく車が通過していく。 横断歩道も歩道橋も信号もない。
大きな高速道路のような道の横に駅の出口があるが、道路の反対側に渡るのが実質不可能だ。わたるなら、遥か先のジャンクションまでいって歩道部分を潜り抜けて反対側にいくしかない。
附近案内で書かれている最寄りのバス停にしても駅前になく、あまりに遠い。
大きな道路沿いには建物がまるでないので、次に道を渡らずにマンション群に向かって道路を背にして道を歩いてみる。
地下鉄駅からの散歩で水筒を持ってこなかった。これがまずかった。照りつける日光と喉の渇きでぶらり駅散歩が地獄の行軍に。
白い建物が大きな地下鉄駅だ。こを背にして未舗装の道を上る。気分はトレッキング。
動画で紹介できないほど長い道をひたすら登る。遠くにジャンクションが見える。 工事で少しは家ができるのだろうか。
なぜかヒュンダイの新車がたくさん野ざらしになっていた。まだ建物はない。
最初に見た建物が家畜小屋だ。何か飯をくれと訴えやってくる。 すまない、渡すものは何もない。
さらに道を進むと舗装された道があるが、ゴミが散乱している。
マンションモデルルームの停車場の入口にきた。ゴミ捨て場は停車場の最奥だった。
ようやく文明のあるところに着いた。しかしそこも建築中のマンションばかりで商店がない。水が飲めそうで飲めない。痛いところをつく。
虹橋駅は地図を見るとまともに見えて、人家に行くルートがめちゃめちゃ険しい。また人家から駅に行く方法はそれ以上に難しい。何より駅前の道を渡るのが命に係わるレベルだ。
もうちょっとなんとかならんのかと思いそうだが、放置しても大きく開発しても、それでもそれが日常に思えてしまうのが中国のすごいところだ。
広州「低湧」駅
広州は広東省で大きな都市だが、地図で見ると低湧駅はとりわけなにもない。周囲にあるのは釣り堀くらいだ。地下鉄はこの周辺は地上を走るが、上からみても何もないのだ。
低湧駅はすごい駅ではないかと、ある土曜日に期待して降りてみたら、これが意表をつかれた。
エアコンがきいた地下鉄からの車窓がこれでわくわくしませんか?
結構高いところにあり、長いエスカレーターで降りる。
駅の周囲に建物はないけど、野菜やくだものが売られている!
現代マッピングテクノロジーを超越した駅前商店街がそこにはあった!
なお釣り堀もいってみた。謎の馬とスパイダーマンのオブジェが。
ほんと脈略ないです。なんで導入したのか知りたい。。。
新鮮な庶民メシが食べれる食堂に入ってみたよ。
駅からろくに歩いてないのに、歩いた達成感が半端なかった。
仮想現実だった
全てが新鮮だった。駅前に何もないことに僕は慣れていなかった。
さらにいうなら、田舎の列車に乗るならまだ心が準備しているのだが、地下鉄から降りた後のギャップについていけなかった。それは突然VRゴーグルをつけて街歩きをするかのようだった。それぞれちょっとしか現地で時間をかけてないのに、達成感が妙にあった。脳が騙されてるよ、これ。
VR田舎散歩、作るべきですよこれは。