特集 2017年12月19日

めちゃ辛なローカルフード「ニュータンタンメン」を知る

世の中にはまだまだ知らないローカルラーメンチェーンがあるのです。
世の中にはまだまだ知らないローカルラーメンチェーンがあるのです。
あなたはニュータンタンメンを知っているだろうか。神奈川県川崎市を中心に広がるラーメンチェーンである。濃厚なゴマが香るスープにひき肉が乗った担々麺ではない。ニューが付いている。おいしいので紹介したい。
1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー)

前の記事:サンドイッチに怒っているので新しい具を考える


ラーメン好きと一緒に行くニュータンタンメン

1人で食べ歩いてもおいしさが伝わらないかもしれない。そこで今回ガイドの方をお呼びした。デイリーのライター玉置さんの知り合いであるマダラさんである。ラーメンを自作するほどのラーメン好きなので心強い。
自作するほどのニュータンタンメン愛好家と言っても過言ではない。
どこのお店に行くか話し合った結果、マダラさんが好きな新丸子のお店に行くことになった。基本的には同じだが、お店によって味のバランスなどが違うらしい。

ひき肉の量やスープに入っているニンニクの刻み方、スープの味が少しずつ違うらしく、それを味わうのも魅力の一つである。
東急東横線新丸子駅から徒歩2分のところにある新丸子店。
東急東横線新丸子駅から徒歩2分のところにある新丸子店。
仕事帰りのマダラさん。
仕事帰りのマダラさん。
ラーメンに詳しい人とラーメンを食べるのは緊張もするが、動物園をムツゴロウさんと一緒に回るぐらい興奮もする。楽しみだ。
まずはメニューを頼む。
まずはメニューを頼む。
料理が来るまでの間、普通の担々麺と違う点を聞いてみた。

「まずは一般的な担々麺がごまだれなのに対して、ニュータンタンメンはスープが塩ベースです。そこににんにくと唐辛子が入り、具はかき玉とひき肉が入ってます。」
おいしいだけではなく元気にやせられる、魔法のラーメン。(諸説あると思う)
おいしいだけではなく元気にやせられる、魔法のラーメン。(諸説あると思う)
そして、辛さを選ぶことができる。ひかえめからメチャ辛までは一般的だが、お店によってはそれ以上に辛くすることができる。
「ちなみに辛さによって、出てくる順番が違います。ひかえめから段々と唐辛子を入れていくので、辛くなればなるほど麺がやわらかめになります」
「ちなみに辛さによって、出てくる順番が違います。ひかえめから段々と唐辛子を入れていくので、辛くなればなるほど麺がやわらかめになります」
厨房を観察しながら「あの韓国唐辛子、買うと結構いい値段するんですよ」と自作するゆえの悩みを漏らしていた。
厨房を観察しながら「あの韓国唐辛子、買うと結構いい値段するんですよ」と自作するゆえの悩みを漏らしていた。
待つこと10分弱。ついにニュータンタンメンがやってきた。
これがニュータンタンメン。見た目が赤い。
これがニュータンタンメン。見た目が赤い。
唐辛子の赤さと、卵の黄色が美しく食欲をそそる。よく料理は見た目だというが、一番おいしい色は赤と茶色だと思う。ただ、かなり辛そう。

――赤い!? 辛くないんですか?

「実はそんなに辛くないんですよ。韓国唐辛子は辛さの中にも独特の甘さとうま味があって辛くしてもおいしいんです。」

聞きながらもにんにくの匂いが胃を刺激してくる。早く食べたい。
たまらず食らいつく。
たまらず食らいつく。
マダラさんの言う通りそこまで辛くなく、ピリッとした辛さがあるがそのあとに広がるうま味がすごい。スープやニンニク、ひき肉から出たダシ、韓国唐辛子のうま味がひろがる。
麺もぷりぷりしてる。
麺もぷりぷりしてる。
決して高級な味ではない、ジャンクな味だ。しかし、たまに食べたくなる味である。

「飲んだ後に来ることが多いんですが〆に最適です。他のラーメンみたいにスープに油を使ってないので、さっぱりと食べられるんですよね。」

確かに見ためはエネルギーを感じる色合いだがさっぱりとしている。
レンゲがでかいのもニュータンタンメンの特徴。具をすくって食べやすい。
レンゲがでかいのもニュータンタンメンの特徴。具をすくって食べやすい。
口が小さい人だと入らないのではと思うぐらい大きなレンゲも特徴である。普通のレンゲだと、口に入るスープや具が物足りないときがあるが、ニュータンタンのレンゲだとガッツリと食べられる。

「かっぱ橋で売ってますよ」とマダラさんが教えてくれたので、カバンに入れて持ち歩きたいと思う。マイレンゲ。

忘れてはいけないみそ餃子

ニュータンタンに来たのならラーメンの他にも食べてほしいものがある。それがみそ餃子である。
こちらがみそ餃子。たれの茶色はおいしさの証だ!
こちらがみそ餃子。たれの茶色はおいしさの証だ!
焼き餃子ではなく、水餃子にみそだれをかけた一品。甘酢がきいたこのたれはさっぱりとしていて、思い出すだけで食べたい気持ちになる。このたれをたっぷりとつけて食べるとビールがすすむし、ご飯もすすむ。中身も豚肉も野菜がしっかりと入っていて、かなりクオリティが高い餃子だ。

どこから目線で言っているがわからないが、王将の餃子を5皿食べた自分言うのだからおいしい。この餃子を食べるためだけに来てもいいほどである。

実は川崎には「かわさき餃子みそ」というのがあり、餃子に力を入れている地域なのだ。
というのをマダラさんに教えてもらった。
というのをマダラさんに教えてもらった。
別のお店で聞いたところ、ニュータンタンでかかっている餃子みそのたれは川崎餃子みそのたれと少し違い、ピリ辛にしているところが多いらしい。
別のお店のみそ餃子。こちらは唐辛子がかかっている。
別のお店のみそ餃子。こちらは唐辛子がかかっている。
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ニュータンタンをはしごする

まだ、お腹に余裕がある。近くの店舗が歩いていけるそうでそこも行くことにした。
2店舗目。ラーメンの〆にラーメンを食べに来た。
2店舗目。ラーメンの〆にラーメンを食べに来た。
やってきたのは小杉店である。満席なことも多く、行列ができることもある人気店だ。何か珍しいものがないかメニュー表を見ると、みそ餃子とは別の餃子がある。
「うまい! ニラにんにく餃子」商品名の前にうまいと書いてあるので、確実にうまい。
「うまい! ニラにんにく餃子」商品名の前にうまいと書いてあるので、確実にうまい。
でも、デートの前に食べちゃだめです。
でも、デートの前に食べちゃだめです。
ニラにんにく餃子も魅力だが、メニュー表を見ると他にも魅力的なメニューを見つけた。
左下に焼肉と書いてある。焼肉はいつだって食べたい。
左下に焼肉と書いてある。焼肉はいつだって食べたい。
ラーメンも焼肉も食べられる。何か悪いことが起こるのではないかというぐらい豪華な組み合わせだ。
でも、よく見たら焼肉はやめていた。悲しい。
でも、よく見たら焼肉はやめていた。悲しい。
聞いたところ昔はやっていたが、人が来すぎてしまうのでやめてしまったらしい。ただ、他のお店では焼肉もやりつつ、ニュータンタンを提供しているお店もあるようだ。

中に入って注文をする。 ニラにんにく餃子はもちろん、マダラさんはタンタンメンのメチャ辛とライス、私はタンタンメンセットを頼んだ。2軒目とは思えないほどガッツリと食べる。
タンタンメンセットの「4杯食ったら金とるぜ」の文章にロックを感じる。
タンタンメンセットの「4杯食ったら金とるぜ」の文章にロックを感じる。
こちらがタンタンメンセット。このボリュームでご飯が3杯も食べられるのだから大食いな人にもおすすめである。
こちらがタンタンメンセット。このボリュームでご飯が3杯も食べられるのだから大食いな人にもおすすめである。
そしてこちらがニラにんにく餃子。スタミナがたぎる味である。
そしてこちらがニラにんにく餃子。スタミナがたぎる味である。
ニラの風味がたまらない餃子である。今、この画像を見ているだけでよだれが出てくる。
そして、マダラさんが頼んだニュータンタンのメチャ辛。マグマかなと思った。
そして、マダラさんが頼んだニュータンタンのメチャ辛。マグマかなと思った。
何も言わずに淡々と食べるマダラさん。
何も言わずに淡々と食べるマダラさん。
一口もらったが辛さよりもおいしさが勝つ。大辛よりも辛さを感じるが、やはり辛さよりうま味のほうが強い。本当に辛さに弱い人でない限りはメチャ辛でもいいかもしれない。
そして、最後はご飯を入れて食べる。最高においしい食べ方である。
そして、最後はご飯を入れて食べる。最高においしい食べ方である。
お店の人に食べ比べしていることを話すと「同じだろ~、材料が同じなんだから」と笑いながらもおいしい理由を話してくれた。

「他は提供されたスープを作っているところもあるが、うちは鶏ガラを使っているからね」やはり人気店、こだわりがすごい。

店舗限定のメニューがある

「あと、うちの餃子みたいに各自でオリジナルメニューを作っているところもあるな。」と店員さんが教えてくれた。

マダラさんがよく行っていたお店には「まぜタンタンメン」という汁なしのニュータンタンがあるそうだ。
こちらが混ぜタンタンメンこと「まぜタン」。
こちらが混ぜタンタンメンこと「まぜタン」。
店舗限定ではあるが、複数の店舗に置いてある。汁なしラーメンとも言われるタイプのラーメンで、もやしのシャキシャキとひき肉のうまさ、スープの辛さが絶妙である。食べ終わったらご飯を入れて食べるのがおすすめ。
たまたま行った六会店にはトロミタンタンがある。
たまたま行った六会店にはトロミタンタンがある。
スープにとろみがついており、食べ終わるまで熱々だった。「これしか出ない日も多い」と店主自慢の人気メニューだ。
スープにとろみがついており、食べ終わるまで熱々だった。「これしか出ない日も多い」と店主自慢の人気メニューだ。
こちらは鶴見店のつけ麺のニュータンタン。味付け卵とチューシューはついてくる。どうしてもトッピングしたかったコーンバターは別料金だ。
こちらは鶴見店のつけ麺のニュータンタン。味付け卵とチューシューはついてくる。どうしてもトッピングしたかったコーンバターは別料金だ。
水でしめたことにより麺にコシが生まれて歯ごたえがよく、普通のニュータンタンとは違った雰囲気を味わえる。食べ終わったらご飯を入れて食べよう。基本ご飯を食べたい。

チェーン店でありがながら、お店によって違いが出る素敵な店である。熱狂的ファンができるのもわかる。
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どうしても焼肉があるお店に行きたい

この撮影が終わってから数日後にある夢を見た。ニュータンタンと焼肉を食べる夢である。これは食べたほうがいいという神の知らせに違いない。たぶん、その日の夜に何も食べていないからだと思うが、どうしても食べたい。

横浜市在中であるデイリーライターの井口さんに聞いてみたところ、焼肉があるニュータンタンを知っているという。
そのお店が日吉中の谷店である。
そのお店が日吉中の谷店である。
元々、中華レストランで焼肉もやっていたなごりから焼肉も提供するニュータンタンになった経緯がある。
紹介してくれた井口さん。たまたま、通りかかった際にこのお店を見つけたらしい。
紹介してくれた井口さん。たまたま、通りかかった際にこのお店を見つけたらしい。
偶然、ニュータンタンと焼肉を提供するお店を見つけた井口さんのことを心の中でトレジャーハンターと呼びつつ、注文をしよう。
これが焼肉セット。ラーメンはセットに含まれないので注意。
これが焼肉セット。ラーメンはセットに含まれないので注意。
今回、頼むのはヤングカルビセットである。ヤングで腹ペコな我々にピッタリだ。ちなみに焼肉は1.5人前ある。井口さんは複数人でシェアして、ラーメンを食べることが多いそうだ。
焼肉セットを頼むと甘口と辛口のたれが置かれる。
焼肉セットを頼むと甘口と辛口のたれが置かれる。
匂いで辛口はコチュジャン入り、甘口は砂糖が入っているのがわかった。
匂いで辛口はコチュジャン入り、甘口は砂糖が入っているのがわかった。
楽しみが抑えきれず、立川談志さんみたいなポーズになっていた。
楽しみが抑えきれず、立川談志さんみたいなポーズになっていた。

誕生日の料理がやってきた

待つこと10分ほどで焼肉とラーメンが届いた。誕生日なのかと思うぐらいテーブルの上が豪華である。
誕生日おめでとうございます!
誕生日おめでとうございます!
全部のセットを見たとき、おいしそうよりもありがとうの気持ちになった。
全部のセットを見たとき、おいしそうよりもありがとうの気持ちになった。
どこから食べていいのかわからない豪華さだ。とりあえず肉だ。肉を焼こう。
たぶん、ストレス解消法の一つに肉を焼くというのはあると思う。焼肉はいやしだ。
たぶん、ストレス解消法の一つに肉を焼くというのはあると思う。焼肉はいやしだ。
そして、待っている間にラーメンを食べて、
そして、待っている間にラーメンを食べて、
焼けた肉とご飯を食べて、
焼けた肉とご飯を食べて、
満足…。
満足…。
よかった。もうこの世のすべてがここにあると思う。世界中の人に教えてあげたい。
「日吉には楽園があるよ」と。
こちらは井口さんが注文した辛さひかえめのニュータンタンメン。
こちらは井口さんが注文した辛さひかえめのニュータンタンメン。
もちろん辛くしてもおいしいニュータンタンメンだが、辛さひかえめにしてもおいしい。たまごのふわふわとひき肉のジューシーさをより感じることができる。
井口さんはラーメンに酢を入れて食べていた。さっぱりとした味になっておいしい。
井口さんはラーメンに酢を入れて食べていた。さっぱりとした味になっておいしい。
焼肉を食べて、ラーメンを食べて夢心地だった。川崎や横浜だけではなく、東京にもあるのでお近くの方はぜひどうぞ。
ごちそうさまでした!
ごちそうさまでした!

中華料理もあるよ!(お店によるが)

ラーメンだけではなく、野菜炒め定食やチャーハンなどのメニューも充実しているお店もある。お昼に中華料理を食べて来て、夜どこかで飲んだ帰りにラーメンを食べに来る、1日を通して来てください。よろしくお願いいたします。
メタリカっぽいニュータンタンのシールが貼ってあった。欲しい。
メタリカっぽいニュータンタンのシールが貼ってあった。欲しい。
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