特集 2017年12月24日

泥の足跡を残し、業務用レジを買い、ソリがパンクする ~親サンタの本気エピソード~

こんなオシャレな手紙だって作っちゃう
こんなオシャレな手紙だって作っちゃう
もういくつ寝るとお正月。今晩寝るとクリスマス。

サンタを信じる子供の夢を壊すまいと、あの手この手で奮闘する「親サンタの本気エピソード」を募集したところ、それはそれは本気な親御さんの姿が集まった。本気と書いてマジ、親と書いてサンタだ。パターン別にご紹介します。

※ちびっ子たちはこのページをそっと閉じて早く寝よう!
1975年宮城県生まれ。元SEでフリーライターというインドア経歴だが、人前でしゃべる場面で緊張しない生態を持つ。主な賞罰はケータイ大喜利レジェンド。路線図が好き。(動画インタビュー)

前の記事:サンタは親から子へのドッキリではないか ~親サンタの本気エピソードを募集~

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サンタから手紙が届く

まずは連絡手段の基本「手紙」から。
4歳か5歳くらいのクリスマスの日、目覚めたら枕元に大きな箱が置いてあり「きょうだいなかよくあそんでください サンタより」と手紙が添えてあった。
しかし中身は鉄人28号で相手を殴るおもちゃであり、これがきっかけでリアル喧嘩に多々発展したのを覚えている。
竜騎士江ン江ン携帯さん
トムとジェリーより脈々と受け継がれる「仲良くケンカしな」精神。わざわざ「きょうだいなかよく」と書くあたり、普段から兄弟仲を気にかけていることがうかがえます。

そういえばサンタは北欧にいるのでは? ということは日本語で返事が来るのはおかしいのでは? その疑いを晴らすために、英語で返事を書く親サンタも。
プレゼントに筆記体の英語で手紙が添えられていた。

あと、「母さんが子供の頃、クリスマスの夜に、窓の外から シャンシャンシャン… って鈴の音が聞こえたことがある」と私が大人になってからも言っているので、本当にサンタが通りすがったのかもしれない。
赤嶺総理さん
1月末頃に子供達はサンタ宛の手紙を書いて、寝る前にオヤツと一緒にベランダへ。翌朝には空になったオヤツ入れと英語で書かれた返事。もちろん文体やフォントは毎年変わる。訳しながら読みつつ「今年の担当は新人さんかなー」とか。サンタは個人ではなくシステム。
Takuya Hanaokaさん
サンタはシステムなので、配送センターとかある。不在票も英語で書くし、配送センター間の輸送は巨大なソリになっちゃう。

さらに、イラストレーターのイクタケマコトさんは「フィンランド語」で手紙を書いたそう。
ある方から、子どもがぼくの絵が好きだと聞いたので「ぼくの絵をその子に送って欲しい」とサンタからぼくに手紙が来た事にして、その手紙を添えて送りました。手紙は、google翻訳のフィンランド語で封蝋して制作。すごく驚いてたそうです。
イクタケマコトさん
こちらがその手紙(イクタケマコトさんのTwitterより)
こちらがその手紙(イクタケマコトさんのTwitterより)
封蝋……! さぞや開けるのにドキドキしたことでしょう。うらやましさすら感じます。年末調整の書類とかも封蝋して送ってほしい。

サンタから電話が来る/サンタに電話をかける

手紙よりもリアルタイムに声を届けられるのが電話である。親とサンタクロースは何故か連絡先を交換しているものなのだ。
幼き頃の私が「ずっとおきてたい!」って言ってたら父が徐に電話をしながら部屋を出て、誰からか聞いたら「今サンタから電話があって、ソリがパンクしたから遅れるってよ。とりあえず寝てろ」と言われた
のんさん
蕎麦屋の「すいません、いま出ました!(裏で作っている)」みたいに、「すいません、ソリがパンクして!(裏でプレゼントを包んでいる)」だったらいいですよね。というか、ソリなんだからパンクするタイヤは無いはずなんですけども。
すいません、ちょっと遅れます!(写真はこちらの記事より)
すいません、ちょっと遅れます!(写真はこちらの記事より)
幼稚園児の頃、夜に電話が鳴り母が出て、通話してると思ったら急に「サンタさんから電話来たよ!」と言い出し、プレゼントのぬいぐるみは何がいいか母づてに聞かれた。確かミッキーかミニーかプーさんの3択。クリスマスの朝、枕元にはプレゼントの他にミニーマウスがいた。

もしかしたらその電話サンタは父だったのかもしれないが、その電話の他にも毎年度重なる信じ込ませ要素があったので、私は19歳になって一人暮らしをしてクリスマスの朝サンタが来なかったことにショックを受け、「悪い子だからもらえなかったのか…」と思いそこでグレました。
佐々木かえでさん
お母さんに電話を保留にされるサンタクロース。「エリーゼのために」を聞きながら待っていたりしたのでしょうか。一人暮らしをしてから、「サンタは嘘だった」ではなく「悪い子だったから」と解釈するのも、サンタを信じてきたからこそ。
欲しいプレゼントは父が聞いて、私の目の前でサンタさんに電話をかけて伝えていた。24日の夕飯前に「サンタさんが来るから」と、父が二階寝室の掃き出し窓を開けておいた。夕飯途中に父が「あっ、二階から音が聞こえる」と言うので二階に行くと、掃き出し窓の側にプレゼントが置いてある。…というのが我が家のサンタさんだった。いやそりゃ信じてたわ。結構大きくなるまで。
みんさとさん
電話で発注して、掃き出し窓に届くシステム。それにしてもどうやってプレゼントを置いたんでしょう。奇跡を起こして信者を増やす点では、もはや宗教の起こりに等しいですね……。

サンタの痕跡を残す

クリスマスイブの夜、家にこっそり忍び込むサンタ。その痕跡を作っちゃうケース。
部屋に泥を点々と残してた。外から人がしのびこんだんだから泥残るよね。
ギー子さんさん
雪の降った後外に出ると、ご丁寧にトナカイの足跡が作ってあったこと。きっと窓から迂回してあのトナカイの足跡作ったんだと思う。
弐号機のアゴさん
泥!トナカイ!わざわざ足跡を作るなんて、推理小説で犯人がやることじゃないですか。
これは鹿の足跡(写真はこちらの記事 より)
これは鹿の足跡(写真はこちらの記事 より)
父がわざわざサンタ服を着てヒゲもつけて、寝てる私と写真を撮ったせいで人より遅くまでサンタを信じていたと思います。
うちに絶対サンタの服はないと確信していたので。後々聞いたら職場から借りた服だったそうです。
杏子さん
サンタとのまさかのツーショット。写真を撮るために服とヒゲまで手配しています。そりゃ写真でも撮らないと、服もヒゲも誰にも見てもらえないままになりますからね。

関係ないですけど、かつて三宅裕司がクリスマスにサンタクロースの舞台衣装を手配して、全身サンタになりきって子供たちの枕元にそっとプレゼントを起き、「誰も起きなかったぞ!完璧だ!」と喜んだという話を聞いたことがあります。サンタの格好をしなくても別にいいやつ。
「サンタさんにプレゼントをする!」と手紙と共にキーホルダーを置いていた娘。寝静まった後、それを釣り竿を使い庭木のてっぺんに引っ掛けました。クリスマスの朝、それに気付いた娘は「帰る時にソリから落としたんだ…でもホントに来たね!」と大興奮でした(^-^)
まるっぱさん
弟と部屋でサンタを待ち伏せしてたのですが、母親に呼ばれてちょっとだけ部屋を空にして戻ってくると、そこにはプレゼントと、おもちゃ箱から出した木琴のオモチャが広げてあり、おまけに窓が少し開いてました。
窓から入って来たサンタがオモチャで遊んで行ったという演出。
置いてあったプレゼントを喜んでいる私と弟に良かったねぇと笑う母。
その夜母が布団を敷こうと押し入れを開けたら、ザバーッと雪崩のように流れ出てきたキラキラのキャンディ。うわー!なにー!みんな来てー!って本気で驚く母。父ニヤリ。
わにぱふぇさん
ソリから落とす、オモチャで遊ぶ。どんどん演出が加わっていく見えないサンタ。プロファイラーを呼んだら「サンタは50代~60代の男性、働き者だが時に童心に返る幼さも併せ持つ」とか分析されるのではないか。
童心に返る幼さも併せ持つ(写真はこちらの記事 より)
童心に返る幼さも併せ持つ(写真はこちらの記事 より)

第三者が協力する

マジックの種明かしをしてくれるテレビ番組を観てると、「なにこれすごい!」と思ったマジックが、裏で助手がヒモを引っ張っていました、みたいな単純な仕掛けだったりする。第三者が協力すると、奇跡の幅がグンと拡がるのだ。
家族でクリスマスパーティーをしていたら「ピンポーン」 玄関を出たらそこには私が欲しかった一輪車と妹の欲しかったドレスが……
まんげつさん
律儀に玄関チャイムを押すサンタ。家族はみんなここにいるはず……ということはサンタクロース!ってなりますよねぇ。
昭和50年頃、クリスマスパーティーをやっていたらFMラジオから「○○ちゃんの家はここかな?煙突ないから玄関から入ろうかな?」とか言う独り言が聞こえ始め、玄関を開けるとサンタクロースがプレゼント持ってきてました。親のお友だちがワイヤレスマイク使ってました(笑)
futaさん
ラジオから聞こえるサンタDJのゴキゲンな独り言。サンタを信じてもらうためなら大人は電波だって飛ばします。
同僚が、お嬢さんにいつまでサンタの実在を信じ込ませ続けることができるか挑戦してた。リクエストが「レジスター(業務用の本物)」だったときも調達していたし、すべて柄の違う100本の鉛筆だった時もやりきってました。なお鉛筆のときはちょっと協力しました。
水岐嶺さん
お嬢さんはかぐや姫なのでしょうか。サンタがお願いを聞いてくれる/聞いてくれないの境界線を調べていたのかもしれません。それにしてもレジスター(業務用)って、それはおままごとじゃなくて、もはやパートだと思う。
もはやパート(写真はこちらの記事より)
もはやパート(写真はこちらの記事より)

踊る、早まる、2つ置く

24日の夜、私がサンタに手紙を書いた後、父が「サンタさん~」と、立ったり座ったりアクロバティックで独自な祈りをサンタに捧げていた。独自さと本気度のおかげで小6くらいまで信じていたが、冬、洗濯物を畳む母から「もういいでしょ」とだけ言われてすべて悟った。
髭豚さん
「アクロバティックな独自の祈り」。額に汗すら浮かべていたことでしょう。ここまでしないとサンタは来ないんだぞ、という頑張りを一瞬で打ち破る「もういいでしょ」。
朝目覚めると包装紙の違うプレゼントが2つ置いてあり「こっちは置いた覚えがあるけど、こっちは知らない…」と言われまして「ケチんぼのお母さんお父さんが2つも買うわけない!ほんまにサンタさんいるんや!」って信じてました。
黒木陽子さん
「包装紙が違う」というところに緻密な計画と周到な準備を感じます。サンタが実在するという推理の根拠が「お母さんとお父さんはけちんぼだから」なのも泣けますね。
一度だけXmasが早まった事があります。「今年はサンタさん20日に来るんだって!!」「ウオオオオオオ!!!!」兄弟全員でテンションぶち上げMAXでした。後で父に聞くと「夜勤の都合で24日が無理だったから」との事でしたが、人生であれ以上の歓喜を未だ知りません。
クロマッサンさん
まさかの5日間前倒し。あわてんぼうのサンタクロースも真っ青の慌てぶり。クリスマスはもっと自由でいいんだな、と目尻も下がります。

最後はこちら。
小学生のとき、クリスマスイブに小児喘息の発作を起こしてしまった。横になると発作がひどくなるので眠れなくなったが、睡魔に勝てず寝落ち。苦しくて眼が覚めるとプレゼントが頭の上に置いてあった。5分も寝てないのに、サンタさんは見ててくれた。本当にありがとう。
キタニさん
来てますね、サンタクロース。

クリスマスは、人によっては1年で最も「やらなくていいことに本気で取り組める日」なのかもしれません。改めて投稿を読んでみると、みんなサンタを演じることを楽しんでる様子。もうサンタが来ないなら、自分がサンタになればいいじゃない精神である。

親サンタ本気エピソードを投稿いただいたみなさん、ありがとうございました!そしてメリークリスマス!
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