特集 2018年1月9日

アフリカの航空便を120%楽しむ

エチオピア航空 成田発 香港経由 アディスアベバ行き。
エチオピア航空 成田発 香港経由 アディスアベバ行き。
日本の航空会社の国際便に乗ると、日本人のCAが日本語で挨拶してくれて、日本的な機内食が待っている。テレビがあれば日本の番組を見ることができ、新聞も雑誌も用意されている。そこは日本だ。

タイ国際航空ではタイのCAが迎えてくれて、機内食もタイ料理を期待してしまう。特にタイ人にとって落ち着ける空間があるだろう。

ところで、成田から香港経由でアフリカに行くアフリカの航空会社がある。アフリカの機内食ってなんだろう。アフリカ漬けになれるのだろうか。

アフリカに行くのは遠いが香港に行くなら幾分ハードルは低い。そこでアフリカ系航空会社のアフリカ行航空便に乗ってみた。
変なモノ好きで、比較文化にこだわる2人組(1号&2号)旅行ライターユニット。中国の面白可笑しいものばかりを集めて本にした「 中国の変-現代中国路上考現学 」(バジリコ刊)が発売中。

前の記事:「日本が舞台の中国版モノポリーがあった」
人気記事:「小竹向原ワールド」

> 個人サイト 旅ライターユニット、ライスマウンテンのページ

機内はエチオピア

一歩入ればそこはエチオピア。アウェイ感ある
一歩入ればそこはエチオピア。アウェイ感ある
この便が向かうアフリカのエチオピアという国は想像もできない。ふだんテレビや旅行者やコンビニ店員で見慣れた、アジアや欧米の人々と違う。エチオピアに行く人ばかりだから、おそらくエチオピア人ばかりだ。

CAさんもたぶんエチオピア人だ。CAさんには日本人はいないが、少なくとも彼女らは英語は話せる。

搭乗しているエチオピアの人々はきっと旅行ではなく、日本人と結婚していたり、日本でビジネスや留学をしているのだろう。エチオピア人でありながら日本語はベラベラだ。ゾマホンさんを思いだすような喋り方で話す人もいる。喋れる人ばかりなのはかなりリラックスできる。
ビジネスクラスは広々。ぼくはエコノミークラスだが、エコノミークラスも結構すいていた
ビジネスクラスは広々。ぼくはエコノミークラスだが、エコノミークラスも結構すいていた
搭乗客に日本人や香港人などのアジア系は少なく、その多くはアフリカ系の人だ。アジアな感じが全くしないぞ。

CAさんは大柄の肝っ玉母ちゃんのような、包容力のありそうな女性を勝手に想像していた。しかし意外とと言うのは失礼かもしれないが、小柄のインテリさがにじみ出る女性だった。

日本の航空会社のCAさんがなんだか卑屈で日本人らしいように、中国やアメリカの航空会社の中国人・アメリカ人のCAがちょっと偉そうなように、エチオピア航空のエチオピア人のCAも間のとり方というかフレンドリーさになんとなくエチオピア人らしさがでているように思えた。

エチオピア航空のCAさんは態度も笑顔も素敵で、いい意味で裏切られた。

ゲエズ文字萌え

モニターには英語で「ウェルカム」や中国語で「歓迎」は書かれているけど日本語はない。
モニターには英語で「ウェルカム」や中国語で「歓迎」は書かれているけど日本語はない。
飛行機内のアナウンスでは聞いたことのない言葉でCAさんと乗客が話している。また文字も見たことのない文字だ。なんでもエチオピアではアムハラ語という言葉を話し、ゲエズ文字という文字を使うらしい。
エチオピア語で使われるゲエズ文字。読めない。なんかかわいい文字。
エチオピア語で使われるゲエズ文字。読めない。なんかかわいい文字。
思えば遠くに来たもんだ。まだ成田だけど。

エチオピアがマイナーじゃない、日本がマイナーなんだ

機内誌や安全のしおりとかは英語だ
機内誌や安全のしおりとかは英語だ
ルートマップ。全ての道はアディスアベバに通じている。
ルートマップ。全ての道はアディスアベバに通じている。
エチオピア航空はアフリカ大陸メイン。アジアはなんとなくわかるけどアフリカは勉強してなくてわからない名前ばかり。知らない世界が成田にもある。
エチオピア航空はアフリカ大陸メイン。アジアはなんとなくわかるけどアフリカは勉強してなくてわからない名前ばかり。知らない世界が成田にもある。
貨物便のルートマップ。中国までは飛んでるけど、日本に飛ぶ便がないから地図にも日本がない…
貨物便のルートマップ。中国までは飛んでるけど、日本に飛ぶ便がないから地図にも日本がない…
ニュースではうっすら聞いてたけど、中国はアフリカへと繋がってるんだというのを機内誌で感じ、唸った。貨物便もそうだし、フライトも中国のいろんなところからアディスアベバに飛んでいる。

機内誌を見たら、アディスアベバで中国が作った路面電車が走っていて、中国でよく見るニュータウンの不動産広告があって、中国のスマートフォンメーカーの広告がある。

座席テレビのメニューも英語にフランス語、ポルトガル語、そして中国語の4つ。そこに日本語はない。

でも機内販売カタログには、IsseyMiyakeがあったり、CITIZENが売られている。遠いアフリカの国でも評価されていると思うとグッときた。
TECNOというブランドの中国のスマートフォンがアフリカでは人気かも。
TECNOというブランドの中国のスマートフォンがアフリカでは人気かも。
中国ではどこの都市でもありそうな建物がエチオピアで売り出されてた。
中国ではどこの都市でもありそうな建物がエチオピアで売り出されてた。
中国の新築マンションの写真を比較用に出してみた。エチオピアっぽく見えてきた
中国の新築マンションの写真を比較用に出してみた。エチオピアっぽく見えてきた

キャストはオールアフリカン

とはいえ、エチオピア航空はアフリカの航空会社だ。アフリカンによるアフリカンのためのサービスなので、広告に出てくる人や、テレビコンテンツもアフリカ系の人々だ。思えば遠くにきたもんだ(でもまだ成田)。
安全のしおりも地域性がある
安全のしおりも地域性がある
荷物はちゃんと中にいれましょうと、エチオピア語と英語で説明
荷物はちゃんと中にいれましょうと、エチオピア語と英語で説明
人のよさそうなおじちゃんが出てる広告。エチオピア人にほっこり
人のよさそうなおじちゃんが出てる広告。エチオピア人にほっこり
キャスト全員アフリカ系というドラマも見放題。普段気づかない動画に気づくチャンス!
キャスト全員アフリカ系というドラマも見放題。普段気づかない動画に気づくチャンス!
音楽プログラムでは、アフリカ音楽とエチオピア音楽がそれぞれ超充実
音楽プログラムでは、アフリカ音楽とエチオピア音楽がそれぞれ超充実
エチオピア航空は、エチオピアの音楽や、アフリカの音楽の宝箱だ。自分の席で思う存分アフリカンメロディーを聴ける。

アメリカの航空会社で見られるのはハリウッド映画だし、中国の航空会社で聴けるのは日本の中国人向けの店でも流れる音楽だし、韓国の航空会社は韓流コンテンツだ。どれも日本人にとって割と身近だ。インドのボリウッド映画もまだレンタルビデオで借りれるだろう。でもエチオピア映画やドラマや音楽は普段ふれることはまずない。

海外旅行の醍醐味は日本では経験できないことに触れることじゃないですか。

仮に日本のエチオピアファンが集まってエチオピア音楽を聞いても、自分にあった音楽を選ぶことはできず、集団の中で受動的に聴くだけだろう。ところがエチオピア航空なら未知のリズムとメロディーの音楽が聴き放題なわけです。

音楽をひたすら聞いてアイディアを学ぶもよし。ラインナップはいかにもアフリカっぽい音楽だけではない。演歌っぽい音楽もある。中国の少数民族の祭りのような音楽もある。音頭のような音楽もある。ユーミンみたいな声の主の女性シンガーの歌もある。谷村新司さんのような見た目のシンガーもいる。独特のメロディーがありリズムがある。

気になった音楽があればAmazonやiTunesなどで買えばいい。インターネットって素敵ですね。

機内食もエチオピアン

エチオピア人が納得する料理がそこにはある!
エチオピア人が納得する料理がそこにはある!
途中で機内食がやってくる。成田香港間でも一度機内食がもらえた。

食事も知らない世界だ。独特な味付けの豆料理があり、魚料理や鶏肉料理があり、デザートがあった。

どんな味か食べるまでわからない。普段当たり前のものを食べている日々から非現実への逃避。

がっつり食べましょう!
エチオピアオリジナルの飲み物が欲しいといって、ビールをCAさんからもらいました。
エチオピアオリジナルの飲み物が欲しいといって、ビールをCAさんからもらいました。

運休前に乗ろう

香港まであっという間の4時間だった。機内誌のアフリカ地図を見てたり、アフリカン音楽とエチオピアン音楽を聴いて自分にあった音楽を探していたりするだけで、あっという間に到着してしまった。

正直これまでほとんど意識しなかったアフリカがなんとなく身近になった気がした。アフリカ行きへのハードルが低くなった。

残念なことにこの便は6月には運休になるらしく、日本からはエチオピア航空に乗れなくなってしまうらしい。春休みでもゴールデンウィークでも、エチオピア航空を使って香港やアフリカに行ってみませんか。 
イメージ通りの(?)アフリカもそこにあるよ
イメージ通りの(?)アフリカもそこにあるよ

DPZトップへ

この記事を送る

お知らせ

デイリーポータルZをサポートする
じゃあせめてこれだけでも メルマガ SNS!


イッツ・コミュニケーションズ株式会社