特集 2018年1月11日

成田空港で日本のお土産「商品名:日本」を買おう

出国した先で「商品名:日本」を買おうぜ!
出国した先で「商品名:日本」を買おうぜ!
成田空港や羽田空港といった国際空港の出国ゲートの先の空間が好きだ。

飛行機に乗る前の最後の場所ということもあって、免税店やお土産屋も並んでいる。
以前海外旅行をした際に立ち寄ったら、国内では見かけたことのない日本土産が売っていた。どうしても気になっていて、今回また海外に行くことがあったので思い切って買ってみた。

まごうことなき日本のお土産だったのだ。
1987年兵庫生まれ。会社員のかたわら、むだなものを作る活動をしています。難しい名字のせいで、家族が偽名で飲食店の予約をするのが悩みです。(動画インタビュー

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出国ゲートの先のお土産屋

国際線に乗るときに通るのが出国ゲート。その先の空間は制限区域というらしい。日本にいるのに出国したことになっていて、ちょっとした異空間にいるような体験をしている気になる。
成田の制限区域。どこの空港でもブランド品のお店がたくさんあって買わないのにそわそわしてしまう。
成田の制限区域。どこの空港でもブランド品のお店がたくさんあって買わないのにそわそわしてしまう。
化粧品やウイスキーといったブランド品のお店も多いのだけど、普通のお土産屋もある。国外から来た観光客にとっては最後のお土産調達ポイントだし、空港にとっては最後の稼ぎどころだ。インバウンド最終防衛ラインである。

そして成田空港の制限区域にあるお土産屋といえばここだ。
アキハバラだ。
アキハバラだ。
AKIHABARAと店名がどかんと出ているお土産屋である。
外国人が考えた日本の店のような色合いだと毎回見る度に思ってしまう。

ここはおなじみのお土産から家電まで売っていて、幅広いラインナップが楽しいお土産屋だ。
特にお菓子などのお土産は北から南まで日本全国津々浦々のものがあるので、現地でうっかり買い忘れても大体ここで揃ってしまうのでは?という気になってしまう。
北海道といえばのロイズのチョコレートもあるし、
北海道といえばのロイズのチョコレートもあるし、
京都といえばの八つ橋も売っている。
京都といえばの八つ橋も売っている。
便利!これが物流パワーだ。

しかしそんな定番のお土産をよそに、ずっと気になっていた一角があった。以前来たときに国内では見たことがないお土産が売っていることに気づき、ずっともやもやしていたのだ。

こんなお土産である。
「日本味どころ」と書いてある。
「日本味どころ」と書いてある。
なんだろう。「日本のお土産」としか言い様のないお土産だ。
「和の心、和のおもてなし」「ジャパニーズデリシャスアソートメント」である。
パッケージの写真も富士山、五重塔、雷門、城、そして稲穂だ。
なんというかふわっと「日本です!」と語っているのだ。

大抵のお土産は「日本のどこか」のお土産のはずだ。先ほど挙げたロイズは北海道、生八つ橋は京都だ。
しかしここに並んでいるのは「日本」のお土産なのである。こんなの国内で見たことがないのだ。
裏面は色々な言語で説明が書いてある。外国人観光客への配慮もばっちり。
裏面は色々な言語で説明が書いてある。外国人観光客への配慮もばっちり。
中身は和菓子の詰め合わせだ。買う側にとっては色々な種類をこの一箱で買えてお得である。
それに全部個包装になっている。お土産の体裁としては100点なのだ。お土産オリンピック金メダルだ。

もっと見たい、日本のお土産

もう色々気になってたくさん見てしまう。
この日本のお土産シリーズで何よりいいのは、パッケージでの日本感の出し方だ。
「彩 日本」だ。
「彩 日本」だ。
IRODORI NIPPONだ。彩りがすごい。圧倒的パワーじゃなかろうか。
何より名前だけでは何が入っているかわからないのがすごい。
中身も大事だけど、まず日本だよ!というアピールがバシバシと来るのだ。

中身もわかるし日本アピールもしている器用なお土産もある。
「日本 抹茶チョコ大福」だ。
「日本 抹茶チョコ大福」だ。

「日本」がなくても通じるはずだが、やはりないとダメなのだ。

「トラディショナルテイスティスイーツオブジャパン」もいい。最近お土産のパッケージに書かれている英語の紹介文も気になっています。
「トラディショナルテイスティスイーツオブジャパン」もいい。最近お土産のパッケージに書かれている英語の紹介文も気になっています。

きっと、食べたらおいしいのだろう。抹茶とチョコと大福の掛け合わせは間違いない。だがそれだけではない、なんともいえない味わいもある。

やはり富士山だよな、日本のお土産だったらさー、ということもパッケージから改めて気づかされる。

また日本だけではなく東京のお土産もあった。
それが「東京味倶楽部」だ。
それが「東京味倶楽部」だ。
構造としては完全に同じだ。単体でも同じテイストでいけるのはさすが東京である。
ベースの包装紙に東京の地名がめちゃめちゃ書いてあってビックカメラ感がある。
ベースの包装紙に東京の地名がめちゃめちゃ書いてあってビックカメラ感がある。

買ったぞ、日本のお土産

これは買わないといけない。どうしても食べてみたい。
そう思った僕が厳選して購入した日本のお土産を紹介したい。
まずは「日本の絆 Pure Japan」だ。
まずは「日本の絆 Pure Japan」だ。

まさかの英語との合わせ技で来た。北斎の浮世絵が印象的だ。

しかも浮世絵のカードが付いてくるのだ。
しかも浮世絵のカードが付いてくるのだ。
これが購入を決めたポイントになった。フランス土産のお菓子詰め合わせにモネの絵が入っていたら嬉しさ倍増だろう。
フォトフレームに入れて飾ってくれというお願いもある。
お土産単体だけではないおもてなしの心に惹かれての購入であった。

そしてもう1つ購入したお土産、これはすごかった。
ずばり「日本」である。
ずばり「日本」である。
すごい。日本男児に余計な修飾語はいらない。ズバッと日本刀を振り下ろすだけでいいのだ。
裏を見ると「商品名:日本」。衝撃的だ。
裏を見ると「商品名:日本」。衝撃的だ。
おれは今この瞬間に日本を買ったのだ。そんな気にもなる。
中身は和菓子の詰め合わせで、他のお土産と同様に各地の写真がパッケージに載っている。
東京タワー、レインボーブリッジ、時計台。
東京タワー、レインボーブリッジ、時計台。
もちろん富士山も。
もちろん富士山も。
そして和歌山。…和歌山!
そして和歌山。…和歌山!
突然の和歌山だ。別に和歌山を悪く言う気はないが、なぜ和歌山。
県名に「和歌」が入っているかもしれない。これは原稿を書いている今思いつきました。
これはもう買うしかない、ということで喜び勇んで買った。
これはもう買うしかない、ということで喜び勇んで買った。
とうとう念願叶って気になっていたお土産を買うことが出来た!
しかし買ったのは良かったが、問題があった。

これ、そのまま手荷物になるのである。
しかも、でかいのだ。
しかも、でかいのだ。
「日本」の方はA3用紙くらいあるのだ。これで1000円。安い。お得である。
しかし僕はこれから旅行に出るし、5泊もする予定なのだ。出発もしていないのに自分へのお土産(しかも旅先ではない)が増えるのは、謎の罰ゲーム感がある。
スーツケースの中を大いに占拠したのは言うまでもない。

食べるぞ、日本のお土産

この量は多すぎるので、帰国したあとにみんなで食べてもらうことにした。
オープン!
オープン!
箱がでかい、これ旅行先で連れ回したんですかという声が上がる。
気にせず「日本の絆 Pure Japan」を開けた。
開けたら浮世絵がバーン。
開けたら浮世絵がバーン。
浮世絵カードがちょっと嬉しい。思ったより紙が薄くて向こうが透けて見えたけど、饅頭が12個入って700円なのだ。企業努力の成果がおまけの浮世絵になった。

気になる「日本」も開けてみる。
めちゃくちゃ入っている。
めちゃくちゃ入っている。
種類が多くて、開けたときにわぁーと歓声が上がった。これで1000円なのすごくないですか。
子どものときに見たら夢かと思うかもしれない。
富士山と書いてある人形焼がかわいい。
富士山と書いてある人形焼がかわいい。
しかしこれは福岡の…あれかな。ちょっと見たことあるな。
しかしこれは福岡の…あれかな。ちょっと見たことあるな。
コメントしづらいお菓子も入っていたが、みんなで分けるにはちょうどいい。お土産界の優等生だ。
色んなところへ行っている地主さんからは「日本っていうのをもっとでかく書いてほしい」というコメントが出た。
お土産はいつも東京ばな奈にするとのこと。理由は東京って書いているから。
お土産はいつも東京ばな奈にするとのこと。理由は東京って書いているから。
確かにひと目見ただけで「日本のお土産だ!」とわかる方が、特に外国の人には伝わりやすくていいかもしれない。
サイパンでもドライマンゴーの袋にでかくサイパンって書いてあった。そういうところを重視したのかな。あれグアム産だったけど。

ハードルが高いぞ、日本のお土産

ドン・キホーテや秋葉原の免税店でも日本のお土産は売っているのでは?という意見が出た。が、東京にある店だと似たような「東京のお土産」は売っているが「日本のお土産」は売っていなかった。
結構探すのが難しいので、他に売っている場所を見つけたら教えてください。
ベルギーに行ったので、小便小僧と日本の記念写真を撮った。日本のでかさと小便小僧の小ささよ。
ベルギーに行ったので、小便小僧と日本の記念写真を撮った。日本のでかさと小便小僧の小ささよ。
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